経営法務:事業開始〜取引関係法の学習ノート表紙

             −目 次−    凡例:[page]

1.事業開始、会社設立及び倒産等に関する知識……………………………………1
(1) 事業の開始[1]
   
(2) 届出・手続等[4]
   
(3) 合併等の手続き[5]
   
(4) 倒産等の手続[9]
   
2.知的財産権に関する知識……………………………………………………………11
(1) 産業財産権(工業所有権)の内容と取得方法[11]
 (イ)特許権
 (ロ)実用新案権
 (ハ)意匠権
 (ニ)商標権
(2) 著作権の内容[17]
 (イ)著作権等の種類と内容
 (ロ)著作権の成立と保護
(3) 知的財産権に関する契約等[20]
   
3.取引関係に関する法務知識…………………………………………………………21
(1) 契約に関する基礎知識[21]
 (イ)契約の成立要件
 (ロ)契約の有効要件
 (ハ)外国企業との取引に関する法律知識
 (ニ)英文契約に関する知識
 
(2) 契約の類型と内容[25]
 (イ)守秘義務契約
 (ロ)共同研究契約
 (ハ)売買契約
 (ニ)事業提携契約
 (ホ)フランチャイズ契約
 (ヘ)事業買収契約
 (ト)合併契約
    
※文中の文章末尾の(数値)は、関係法律の該当条数を示す。但し、任意に記述。


リンクの参考資料 p1〜p5


1.事業開始、会社設立及び倒産等に関する知識 (1) 事業の開始 (イ)個人の事業開始 個人事業の特徴収益も負債も全部責任(無限責任)を持つ。メリットは、簡単な手続きで開始でき、累進課税低い。デメリットは生業的で、対外信用力低く、所得水準上がると不利になる。 開業までの準備‐号の登録又は届出、規制免許の届け出、3銅鐺禄 商号……商人がその営業活動で自己を表示するための名称をいう。 (ロ)法人の事業開始 営利法人(以下、法人という)は、団体が事業によって利益を上げ、それを構成員に分配する社団については営利目的法人といえる。 法人は、ヽ式会社、持分会社、投資法人、特定目的会社(SPC)がある。ここでは商行為を業とする目的で設立した会社で、株式会社、持分会社を対象とする。 持分会社は合同会社、合資会社、合名会社の総称である。 ※社団とは、人の集合体の団体で、独立の存在として社会的に認められたもの。なお、公益社団法人と一般社団法人に分かれる(2013年11月末まで)。 株式会社と持分会社  どちらも会計監査や決算公告は必須ではない。法人課税、一人でも設立可能、業務執行は各社員(過半数または業務執行社員)、利益処分は自由、任意退社できる。会社法で規定。 株式会社有限責任、労務出資はできない、定款変更等は株主の同意要す。 合同会社有限責任、労務出資はできない、定款による自治、定款変更等は全社員の同意要す、任意退社可能。法人の社員可能。債権者の計算書類閲覧請求有り。 合名会社無限責任、労務出資できる、定款による自治、定款変更等は全社員の同意要す、債権者の計算書類閲覧請求有り 合資会社無限責任と有限責任、労務出資はできる(無限責任社員)、定款による自治、定款変更等は全社員の同意要す、債権者の計算書類閲覧請求有り。 社員は、社団のメンバー(団体の構成員で、法人では会社の出資者を意味する株主に相当する) 社員の責任 直接責任……社員が直接に会社債権者に対して会社の債務を弁済する責任を負う。 間接責任……出資の額だけについて債務の責任を間接的に負う。 無限責任と有限責任会社が負う債務の範囲内で、社員が限度なしに責任を負う場合を無限責任、一定の限度でしか責任を負わない場合を有限責任という。  
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株式会社の設立と登記  定款を準備して設立し、登記する。   定款の例(非公開会社) 定款法人の目的・組織・業務に関する基本の規則であり、公証人の認証を要する。会社設立時の定款を「原始定款」という。定款を電磁的記録で作成することも可能。 記載事項 絶対的記載事項基本事項(名称、発行可能株式総数、出資価額等)のほか、株主の意向を聞くべきもの(24)。 相対的記載事項会社経営に必要な決まり(例えば、株主の譲渡制限など)を事前に定めて迅速に運営できるようにするものといえる。(定めないと効力が生じない)株式の内容、株券の発行、発行可能株式総数、代表取締役・役員等の選解任、変態設立事項(28)など。 任意的記載事項(記載した効力が得られる)公告、株式取扱いなど。 ※設立後の定款変更は登記手続きを要す。 設立 発起設立発起人が設立時発行株式を全部引き受ける方法。発起人は善管注意義務(会社設立任務を怠って会社に損害を与えたら連帯責任)を伴う。 募集設立設立時発行株式の一部を引き受ける者を募集する方法(創立総会の開催が必要) 事後設立会社成立後2年以内に、その成立前からある財産を営業のために継続して使用するために純資産額の1/5以上の対価をもって取得する場合、株主総会の特別決議を要す(募集設立と発起設立どちらも)
株主総会決議が不要になる要件(資本の1/20)もあり(467-1-5)、新設合併、新設分割、株式移転による設立には課されない。裁判所検査役の調査は不要。
変態設立事項設立費用や発起人への報酬等は会社財産に影響するので「危険なる約束」とされる。4つある(28,33)。現物出資、財産引受、発起人に対する報酬や特別の利益、発起人が設立に要した費用(現物出資など通常方法以外の出資で、裁判所の検査役が必要になる) ※発起人の特別利益(発起の報酬など)、現物出資、財産引受け、設立費用などは定款に定めないと効力しないが、定めると特別な手続きが必要になる。 ※現物出資は、原則、検査役の調査必要だが、次の場合不要になる。ただし、公開会社は、取締役会で内容や価値を決定すること。非公開会社は株主総会特別決議を要す。 (a)金銭的に少額の場合 仝淑出資者が得る株式が発行済み株式の総数の1/10以下 現物出資する財産の価格が500万円以下(市場価格が決まっている有価証券の場合は、市場価格以下なら認められる) (b)会社への債権を現物出資とする場合(一定条件付)で、DES(債務の株式化)の手法(債権の弁済期が到来しており、出資分額が債権額より低いこと) 株式会社の設立手順  ※持分会社の設立に募集設立はない。 ※合同会社は株主総会を開く必要がなく、決算公告の義務もないので設立・維持コストが抑えられるためか増加しているとのこと(2011年で約9000社、但し組織変更を含む)。  
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有限会社の扱い 「特例有限会社」として名称は存続するが株式会社である。取締役会のなかった有限会社は株主総会が意思決定機関である。   ローカルマネジメント法人 政府は、地域サービスを一体で運営できる新しい法人を検討している。 非営利目的のNPOと、営利目的の株式会社を合わせたような仕組みとする。 税制の優遇を受けつつも利益の分配や再投資を可能にするもので、地域に密着した地元企業や小規模ファンドなどからの資金調達もしやすくなりそうだ。    
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(2) 届出・手続等 (イ)許認可・届出が必要な事業 許可が必要な事業飲食店・風俗営業・喫茶店、旅館、食肉販売業、魚介類販売業、食料品等販売業、食品関連製造業、医療器具取扱業などで、保健所、公安委員会へ 許可が必要な事業薬局・医薬品等の一般販売業、薬種商販売業、産業廃棄物処理業で、都道府県知事へ。古物商(警察へ) 認可が必要な事業専修学校・各種学校・幼稚園・保育園などで、都道府県知事へ 登録が必要な事業一般旅行業など 届出が必要な事業生菓子販売業、クリーニング店、理・美容業・屋外広告業などで、保健所、都道府県知事へ 免許が必要な事業港湾運輸業、施術所、酒類販売業など 窓口……都道府県庁、官庁、保健所、警察署他   (ロ)労働保険、社会保険の届出 労働保険 労災保険……労災保険関係成立届:対象は雇用事業所すべて、労働基準監督署へ、10日以内に。 雇用保険……被保険者資格取得届:対象は雇用事業所すべて、ハローワークへ、翌10日までに。 厚生年金法人企業は、全業種常時1人以上の雇用(強制適用)。個人事業は、商工業者で常時5人以上の雇用の場合は強制、5人未満は任意適用。 健康保険被保険者資格取得届:常時5人以上の雇用があれば社会保険事務所へ。 ※就業規則……常時10人以上の雇用事業所は就業規則を作成・確認し、労働基準監督署へ届ける   (ハ)税務上の届出 個人事業の場合 個人事業の開廃業等届出書納税地、住所・氏名、屋号、事業の概要、給与の支払対象などを届出。事業開始から1カ月以内。 給与支払事業所等の開設届出書……1カ月以内 所得税の青色申告の承認申請書……最初に申告する年の3月15日までに届出、または事業開始から2カ月以内。 特典……特別控除(max65万)、貸倒引当金(5.5%以下は損金参入)、純損失の繰越・繰戻し等の控除あり。 青色事業専従者給与関係届出……専従者と使用人を区別 消費税前々年の課税売上1千万円超に課税。5千万円以下には簡易課税制度(みなし課税)もある。1千万円以下は免税。 棚卸資産の評価方法・減価償却資産の償却方法初めての届出(平成19年3月31日以前に取得した当該資産がない)なら定額法が法定償却方法 電子申告の届出 法人事業の場合 法人設立届出……定款、登記事項証明書、株主名簿、設立趣意書、貸借対照表を添付 給与支払事業所等の開設届出書……1カ月以内 所得税の青色申告の承認申請書……帳簿組織等の届出 棚卸資産の評価方法・減価償却資産の償却方法製品・半製品や原材料・仕掛品などの区分、主な資産・設備ごとに届出 有価証券の帳簿価格算出方法届出……移動平均法または総平均法  
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(3) 合併等の手続き 組織再編の類型:吸収合併、新設合併、吸収分割、新設分割、株式交換、株式移転、組織変更の7つ。※会社法による 合併すべての権利義務が包括継承される。存続会社は株式会社または持分会社。 吸収合併合併により消滅する会社の権利義務の全部を存続会社に承継させるもの。 新設合併2以上の会社の合併で、消滅会社の権利義務の全部を設立会社に承継させるもの。両方解散し、新会社に吸収する。※免許事業は再取得、株式上場も再上場が必要で利用しにくい。 分割会社の財産を個別に移転すること、債務も免れない。分割する会社は株式会社と合同会社に限られ、承継する会社は限定しない。 吸収分割株式会社又は合同会社が、その事業に有する権利義務の全部又は一部を分割後ほかの会社に承継させるもの。※合名会社及び合資会社は分割会社になれない。承継会社はすべての会社がなれる。 新設分割1又は2以上の株式会社又は合同会社がその事業に有する権利義務の全部又は一部を分割により設立する会社に承継させること。 方式 株式交換株式会社がその発行済み株式の全部を他の株式会社又は合同会社に取得させること。 株式移転1又は2以上の株式会社がその発行済み株式の全部を新たに設立する株式会社に取得させること。 ※株式交換では合名会社と合資会社は完全親会社になれない。株式移転では、持分会社は完全親会社となる新設会社になれない(767,772)。 ※吸収合併、吸収分割とも効力発生日は契約で定められた日。   組織変更株式会社が持分会社に、持分会社が株式会社に組織を変更すること。(※持分会社は合名会社、合資会社、合同会社をいう) ※組織変更は原則、それぞれの株主総会等で承認が必要。   簡易組織再編(株主総会の特別決議の承認手続きを経ないですむ合併や分割) 合併の決定は通常、株主総会の特別決議とされるので消滅会社は株主総会の承認を得なければならない。他方、存続会社が消滅会社に支払う合併対価が存続会社の株主に与える影響が限定的であれば、株主総会の承認決議を省略する(適用しない)ことができる仕組みがある。 簡易合併吸収合併で、合併対価が存続会社の純資産の1/5以下(存続会社の純資産の20%を超えない<20%基準>とき)なら株主総会の特別決議を経ずにできる。 略式合併支配関係にある会社間の合併で、被支配会社は株主総会決議を要しなくてもよい(略式合併)。吸収合併、吸収分割、株式交換、事業の譲渡・譲受などで「ショートホーム・マージャー」と呼ばれる。  
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詳細に簡易組織再編(株主総会の特別決議の承認手続きを経ないですむ合併や分割)796,784 簡易合併存続会社の株主に与える影響が限定的であれば、株主総会の承認決議を省略する(適用しない)ことができる仕組み。消滅会社には重要なことなので簡易合併は認められない。 要件  々臺擦忘櫃掘⊂談撚饉劼粒主に交付する財産の額が純資産額の1/5を超えないこと。
(交付する株式総数×合併締結時の1株当たり純資産額+社債等を交付する場合はその簿価の合計)が(存続会社の合併締結時の純資産額×1/5)より少ない
存続会社が普通株式のみの発行で、合併対価が発行済株式総数の1/5を越えない場合に適用 但し、存続会社が譲渡制限株式を発行している場合(非公開会社)は簡易合併できない。また、合併差損が生じて存続会社の分配可能額が減少するなどの場合は合併中止を請求できる。 吸収合併の場合存続会社が消滅会社へ払う合併対価の財産の額の合計が、存続会社の純資産の20%を超えない<20%基準>とき存続会社の株主総会決議不要。 略式合併合併当事会社の一方が他方の当事会社を議決権ベースでほぼ完全に支配している会社(特別支配会社)の場合、(株主総会の承認決議をしても承認されるのが明らかで)株主総会での承認を適用しない。 ‖限害饉劼消滅会社を支配している場合(消滅会社の株主総会承認決議は不要) ⊂談撚饉劼存続会社を支配している場合の、支配されている会社(存続会社)の株主総会承認決議は不要 但し、譲渡制限株式などの流動性の低い合併対価を消滅会社株主に交付する場合で、消滅会社等(被支配会社)が公開会社で、種類株式発行会社でないときは、(存続会社の株式の希薄化を防止するため)略式合併は認められない。 ※特別支配会社対象会社の議決権について、自己及び自己の完全子会社その他の100%保有関係でつながる法人保有分合計が90%以上有する支配関係にある会社   [例]グループ内で吸収合併するケース 存続なら簡易組織再編で、消滅なら略式組織再編で、両会社とも株主総会決議不要。   ※対価の柔軟性……株式のみの対価から、金銭その他の財産を対価にできる。金銭対価を「キャッシュアウト・マージャー」という。 ※「負ののれん代」(簿価より安く取得)は原則5年間で均等償却(税法) ※合併における消滅会社は株主総会特別決議を要し、債権者保護手続きが必要(799,789)   H25-1:合併・営業譲渡等の手続(企業買収:外国会社の買収手法) H28-3:[合併等の手続き]製造販売事業 H29-1:合併等の手続き(併合と分割) H29-2:合併等の手続き(会社分割の債権者保護)  
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(イ)合併・営業譲渡等の手続 ※会社法の「事業譲渡」と商法の「営業譲渡」は、同じ意味と考えるが会社法を中心にする。 吸収合併等の手続き(消滅会社と存続会社それぞれに求められる) ―駝姪の備置および閲覧吸収合併契約等(吸収合併契約、吸収分割契約、株式交換契約)の書面または電磁的記録を備置し、閲覧できること。 株主総会での承認を得ること(簡易合併を除く) H紳亞主の権利株式買取請求権、新株予約権買取請求権がある。株式価格の決定が必要になる。 ず銚⊆圓諒欷公告、催告の義務。債権者は異議を述べられる。 イ修梁効力発生日(一定の日)までに承認 事業譲渡 事業の全部の譲渡、事業の重要な一部の譲渡、他の会社の事業の全部の譲受け、事業の全部の賃貸、事業の全部の経営の委託等を事業譲渡等という。この行為の契約には、効力発生日(前日)までに株主総会での承認を得ることが求められる。ただし承認を要しない場合(略式事業譲受等)がある。 略式事業譲受等 簡易な事業譲受譲受する資産の簿価が純資産の1/5未満のとき 略式な事業譲受契約相手が特別支配会社(譲受するその会社の総株主の議決権の9/10以上を有す場合)の事業譲渡 承認は株主総会の特別決議を得る。反対株主への対応(株式買取請求権付与)と株式価格を決定し、公告、催告で公表(義務)。譲渡を受ける会社「譲受会社」も特別決議を要す。   合併・事業譲渡等のスケジュール 守秘義務契約→デューディリジェンス(調査)→合併計画書等→合併契約等へ 々臺桟戚鹽の締結、株主総会特別決議(合併契約等の承認)、債権者保護手続き、
こ式の手続き(1対1以外)、ス臺仕登記、
情報開示(事前及び事後に株主や債権者へ:効力発生後6カ月まで)
※「適格合併」は、税務上の含み益への課税 ※譲受の簿価が純資産額の20%以内は、株主総会の特別決議を要しない「簡易の事業譲受」。但し、反対株主1/6以上なら簡易はできない。 ※合併計画書は、合併期日、存続会社、合併比率、資本・資本準備金の額等を明記。株主総会(特別決議)の承認を要する。 その他 株式交換株主の移転、完全親子会社の関係を円滑にする形式制度(吸収合併等)。手続きは、仝魎昂戚鷭餾鄒、∋前の情報開示、承認決議(両社)、じ魎拘日、セ後開示 ※株式交換の方式 固定交換比率方式先に交換比率を設定し、実施時の株価によって少数株主の受取る株式価値が変動する。従来方式 変動交換比率方式まず対象企業の1株あたりの価値を決め、その後親会社の平均株価を参考に交付株式数を決める。そのため親会社の株価しだいで交換比率が変わる。例:「1100円に相当するキッコーマン株式」となる。 株式移転新たに完全親会社を設立する制度(新設合併時等)。 ※株式による会社分割・事業譲渡のメリット 簿価による資産の移転であって償却不要。「適格再編」の認定あれば保有する限り非課税。 会社分割制度(他の会社へ譲渡)では、対価が現金または株式となり同様のメリット享受 ※事業を譲渡した側の制限は、同市町村・隣接市町村内において20年間同一の事業を禁止。 過去問は次ページ  
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H25-2:合併・営業譲渡等の手続(子会社の譲渡,手続き) H26-2:合併契約書 H26-18:会社分割(吸収分割)と事業譲渡   (ロ)組織変更手続 会社(株式会社、持分会社)は、組織変更計画を作成して組織変更できる。※株式会社⇔持分会社の変更が自由になった。 持分会社が株式会社に変更(743) 総社員の同意と債権者保護手続きを要し、登記変更する。社員が取得する株式数または算定方法および割当、持分の扱い等が必要になる。 株式会社が持分会社に変更 総株主の同意が必要(775) 持分会社が他の持分会社へ 組織変更(638,639)は、総社員の同意による定款の変更で組織変更できる。   ※組織変更 人的会社相互合同会社⇔合資会社・合名会社間で、定款による責任社員の変更(定款変更は出資払込みが完了していること)や現物出資の扱い 物的会社相互特例有限会社→株式会社の場合で、特別決議(総社員の過半出席、総議決権の3/4以上)を要す。 特例有限会社→合同会社の場合は、定款の変更で可能(登記要す)だが、会社機関は簡素化に。※組織変更決議は社員全員の合意要す ※個人→法人……いわゆる「法人成り」で、資本金規制はなくなった。 ※組合→会社……事業協同組合、企業組合、協業組合は株式会社への組織変更可能。  
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(4) 倒産等の手続き 倒産等による手続きは、再建型と清算型に分かれる。 会社更生法 「破産原因の恐れがあるとき」「事業継続に影響する弁済があるとき」に手続開始を申立。株式会社に限定。 特徴株主が手続きに参加でき、裁判所が選任する管財人が再建を重視して事業経営権と財産管理処分権を掌握する。 担保権の実行は禁止、担保権者も再生手続きに参加する。裁判所と管財人の権限が強大。労働債権も対象になる。経営責任がない経営者を管財人に選任できる。 会社債権者等の同意の下で更生計画を策定して会社の再建を図る手続きで、大規模企業に適す。更生計画案の提出期限は1年以内。 関係人集会は3回で、更生計画案の決議は「組」(債権者・担保権者・株主)に分けて決議する。債権総額の1/2以上で可決。更生計画案認可前でも一部の事業譲渡が可能。 ※同法47条5項後段に「商取引債権は保護する」とあり、「事業継続を優先すれば債権者の扱いを柔軟にできる」を利用して金融債権と差別的扱いの実例も。 ※原則100%減資。申請例は日本航空、武富士など。「DIP型会社更生手続き」(次ページ)も登場。 返済する優先度:ゞΡ弸銚◆併業継続に必要な費用に関する債権)、⇒ダ菘更生債権、0貳椋銚 民事再生法 和議法に替わる手続きで、「破産原因の恐れがあるとき」「事業継続に影響する弁済があるとき」等で資産保全を申請できる。対象限定ない。 特徴再生計画の成立が比較的容易で迅速な再生手続きを可能にする。中小企業にも適す。経営者残れるし、簡易再生などで迅速な再生を重視する。 資産の保全処分は、包括的禁止命令(27条、強制執行など)、競売手続き中止命令(31条)による。担保権は別除権で、実行中止命令制度、担保権消滅請求制度で担保権消滅を裁判所の許可でできるようにし、債務者の再建を容易かつ迅速にする。別除権は、特定財産から民事再生手続きによらないで他の債権者に優先して弁済を受ける権利(対象は抵当権、根抵当権、質権、所有権留保など)。 債権者集会では、再生計画を出席再生債権者の過半数で、議決権総額の2分の1以上の賛成で可決できる。 法の手順/塾、∧歔棺菠、4篤聴儖選任、ず銚⊆埓睫晴顱↓ズ得玄蠡海開始決定、再生債権の届出・調査、Ш銚⊆埆顕顱雰弉菁Р帖法↓┠弉莠孫(最長10年まで) ※Г任1/2以上で計画認可、簡易再生は3/5以上、同意再生はすべての賛成が必要。   商法・会社法による清算型 特別清算の申立て 特別清算対象は清算中の株式会社。自治に任せた清算に対して、裁判所の厳格な監督の下に特別清算人が執行(債務の弁済・合意弁済・協定)する。 その他 清算自治に任せた清算として私的清算がある。債権者会議、債権者委員会を要す。 解散商法・会社法では倒産の状態に至っていない場合でも、合併、解散命令、株主総会の特別決議、解散判決、休眠会社の整理等で解散する。合併以外は清算手続きに入り、終了すると会社は消滅する。 会社整理会社に支払不能や債務超過に陥る恐れがあるとき、裁判所に申立てる手続きで、対象は株式会社。裁判所による保全・検査・監督命令並びに整理計画による廃業。会社法制定とともになくなる。  
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破産(破産法) 個人・法人の支払不能、支払停止、債務超過(法人)に対して、債権者・債務者が申立てする。破産が決定すれば会社はその時点で解散。以後、清算目的のために裁判所が選任する破産管財人が執行する。破産管財人は認否権(駆け込み担保設定を否認)を有す。破産財団による財産の分配もあり、財産の分配が手続きの終了。 ※個人事業・持分会社が対象の関連法は民事再生法・破産、株式会社が対象は民事再生法・会社更生法・整理・破産。   新たな法的再建手法:DIP型会社更生手続き 一定要件の下、経営者自身が裁判所に選定された管財人として更生計画を作成できるもので、債務者の経営者が再建を主導する会社更生手続き。DIP(Debtor In Possession)は占有債務者のこと。 背景には、経営陣が総退陣を迫られるので会社更生法の利用を妨げていることがある。実例(不動産ファンド運用会社クリード、日本総合地所)あり。現経営陣が経営を継続できるので債権者の抵当権行使を完全に停止できる会社更生法の利用を促したい。 申請後に裁判所が選任する監督委員兼調査委員会(通常弁護士)が、経営陣の管財人就任を判断すれば管財人が更生計画を策定できる。これで手続きが進む。 その他 「チャプターイレブン」米連邦破産法11条(経営再建型破綻手続きを定めた条項)と「チャプターセブン」同7条(清算型破綻手続き) 倒産関連 DIPファイナンス……民事再生法、会社更生法の申請後、計画認可までの融資を指す。再生見込が条件 ※最近、<裁判所外紛争解決:ADR>も登場し迅速化が進む。 その他の倒産理由……銀行取引停止処分、内整理(私的手続き) ※銀行取引停止処分 6カ月間に2回、手形・小切手の不払い(不渡り)を起こした者は、2年間、銀行の当座預金取引と貸出取引を禁止する制度。   ※事業承継手続き 法律「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」は、民法の特例として、3年以上継続して事業を行う非上場の会社で、中小企業に相当するものが対象。 将来相続する人全員の書面による合意で、‖M燭気譴審式等を基礎財産から控除する、基礎財産への算入額は、合意時の価格に固定、株式等以外は基礎財産から控除する、ち蠡蛙祐屬慮平性を図る 等が特例される。経済産業省の確認と家庭裁判所の許可が必要。 第2会社方式 破綻企業の収益性のある事業を切り出し「第2会社」に承継する再生手法。 根拠法は改正産業活力再生法(2009年6月施行)で、中小企業庁の創設。切り出した第2会社の再生計画を経済産業相が認定する。認定には仝正な債権者調整プロセスを経ること、⊂儀兒業の8割以上の従業員の雇用確保 等。特徴は、営業の許認可は第2会社が引き継げる。   H28-4:[経営の承継円滑化法]生前贈与の合意 H28-5:[倒産等の手続]倒産手続  
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2.知的財産権に関する知識 知的財産基本法(2003年3月)によって、発明、考案、植物の新品種、意匠、著作物、その他創造的活動によって生み出されるもの、商標、商号、営業秘密を知的財産とされている。同時に、知的所有権を「知的財産」「知的財産権」に、工業所有権を「産業財産」「産業財産権」と呼ぶようにした。 排他的権利とは、\簑佚な独占排他権(特許権、実用新案権、意匠権)と、∩蠡佚な独占排他権(著作権、ただし偶然に同時に他人が同じ著作物は双方権利あり)に分かれる。 無体財産権は、特許権、実用新案権、意匠権、著作権、商標権がある。 (1) 産業財産権(工業所有権)の内容と取得方法 先願主義……先に出願した者に特許などの権利を付与する制度。 実体(実態)審査……拒絶理由がある場合、拒絶理由を通知する(意見書の提出機会を与える)。 (イ)特許権 自然法則を利用した技術的創作で、高度のもの。物の発明、方法の発明であり、有用性・新規性・進歩性の3要件あり。準公知(先願)主義、保護期間は出願日から20年。コンピュータ・ソフトウェアも対象になった(2002年9月)。 取得方法(審査の流れ) 出願 → 方式審査 → 出願公開 → 審査請求 → 実体(実態)審査 → 特許査定
→ 謄本送達−納付−登録
方式審査手続的・形式的要件を満たしているかを審査する。 出願公開出願日から18ヶ月経過(早期公開もある)して公開する出願公開制度である。 特許査定拒絶理由が解消するなどしたとき、特許すべきとする。「拒絶査定」なら拒絶査定不服審判の請求へ進む。 審査請求制度出願して3年以内に審査請求し、請求のあったものだけを審査する。 ※特許出願は通常、審査請求手続きの提出順 ライセンス……特許権者は他人に特許発明を譲渡してロイヤルティを得ることができる 専用実施権設定行為で定めた範囲内で、業として実施できる。単独にして独占的に実施できる(第三者に独占的・排他的に実施できる)。登録要す。範囲内は特許権者の実施はできない。 通常実施権実施許諾契約で定めた範囲内で、業として実施できる。独占権なしの実施で、複数に供与できる。登録不要。特許権者も実施可。 特許権侵害 侵害とは、実施権がないのに業として実施する場合。実施とは、生産、使用、譲渡等(オンラインでの提供も含む)、輸入、譲渡等の申込(展示も)。差止請求権、損害賠償請求権を主張できる。 侵害された場合証拠を保全し、警告書を送付して侵害品の製造・販売の中止を求める。その後は、和解もしくは法的手段(仮処分→本案訴訟)へ。 侵害を追及された場合まず権利の確認(有効性など)をし、技術的範囲での侵害を確認して非侵害なら抗弁する。 特許権の消尽理論「権利者が国内で販売した段階で、その商品の特許権や商標権はその目的を達成して消尽し、その後の流通については権利の効力がおよばない」。
「特許権の製品の購入者には特許権を主張できない(H17-5)」
 
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紛争例 ※「特許侵害の警告状を受取った」 大学との連携で応用技術の特許を保有したのに。 材料に関する特許、製造方法に関する特許、各部品に関する特許など製品の特徴点以外に第三者の権利が存在することもある。 対応:回答期間が短い(通常1ヶ月以内)ので、
仝⇒の存在の確認(関連特許:出願中のもの、実用新案、意匠を含む)
対象製品の確認と警告者と権利者の一致・不一致
J現颪砲茲覯鹽に限定せず、訪問という方法も選択肢に(警告者の真意は何か)
と秦覆聾堕蠹
  職務発明「使用者は従業者等がその業務範囲に属し、かつ発明に至った行為が職務に属する発明」(要約)を職務発明という。(職務発明で)従業者が特許を受けたとき、使用者は通常実施権を無償で取得(法定実施権)できる。職務規程等で規定しておけば使用者が特許を受権することも可能。 共同発明権利は共有なので全員の同意が必要になる。 ビジネスモデル特許「コンピュータやインターネットを利用して具体的に実現したビジネスの方法に関する特許」といわれ、ネットワークの利用は自然法則の利用とされ、ソフトウェア関連発明がその主となる。「仮装口座入金確認効率化システム」などがある。 ※補正……出願当初の明細書または図面に記載された事項の範囲内なら、一定の要件や期間の範囲で補正が可能。 ※中用権……重複して付与された特許の場合、知らずに権利を得た実施権について規定。 ※プロパテント政策……知的財産権保護を強化する政策。世界的にその傾向にある。  
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※グローバル対応 早期申請請求の順番にかかわらず他の出願に優先して着手する制度 スーパー早期申請2008年10月1日より試行中。審査進行スケジュールを設定して早期審査からさらに審査期間を短縮して、重要な出願の早期の権利化を図る。「出願 → 審査請求 → スーパー審査 → 一次審査 →意見・補正 → 二次審査 → 結論」の内の「スーパー審査 → 一次審査 →意見・補正」が1カ月以内。
対象要件:/該挫綣蠢綾亟蠅任△襪海函↓◆崋損楷慙⊇亟蝓廚つ「外国関連出願」であること、9餾歃亟蠅旅馥皸楾埆亟蠅任覆い海函△里垢戮討鯔たすこと。
※米国の特許制度が変更先発明主義(先に発明した者に特許を付与する制度)から先願主義に。「異議申立制度(登録後レビュー)」が設けられた。2013年4月からの予定。 ※パテントプール特定分野の特許権者が集まり、関係する主要特許を集約して共同管理する仕組み。使いたい人へ一括してライセンスする。MPEG(データ処理)はその例。目的は技術の普及。 ※特許審査ハイウェイ制度協定する国の中で、特許が認められればその国での審査結果が尊重され、参画国では優先され期間短縮できる。参加は日本、米国、韓国、英国、ドイツに加えて欧州36カ国で実施している。 ※特許の外国出願国内で、特許庁への出願日を「優先日」として国際紛争を避けることで、出願者の負担低減になる .僖蠑鯡鵐襦璽日本で出願後12ヶ月以内にパリ条約による優先権を主張して各国に出願できる。但し、各国ごとの出願や対応が必要。「優先日」は1年。 国際出願 PCTルート特許協力条約(Patent Cooperation Treaty)で、日本に出願することで各指定国にも出願したとされる。方式や手続きが難しい。「優先日」は2年半。 EPルートヨーロッパ特許条約(EP)では、ヨーロッパ特許庁に出願するだけでヨーロッパの複数国への出願とできる。但し、域内の閉鎖条約。 ※属地主義各国の特許権はその発生、変動、消滅に関して相互に独立している(日本は日本国内での取得)。世界の特許関連:国際特許ライセンス契約 特許法改正 2008年4月(一部)  峅渉名鐚損楔◆廖峅樟賤兌損楔◆廚料論漾↓通常実施権登録制度の活用(登録事項の開示を利害関係者のみに) 特許法改正 2012年4月(一部) 「特許利用契約」で、特許の所有者が変わっても特許の使用権を引き継ぐことも可能に。 「横取りされた特許」を取り戻すことが可能に。 中小の赤字企業の特許維持料を割引く制度を設立10年以内の中小企業にも。  
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(ロ)実用新案権 自然法則を利用した技術的思考の創作(考案)で、物品の形状・構造又は組合せ。物に関する考案で、小発明。新規性・進歩性の2要件あり(「有用性」は付かない)。保護期間出願後10年(2004年改正) 取得方法(無審査主義) 出願 → 方式審査 → 設定登録
※実体(実態)審査はされない(無審査主義)ので、登録後の無効審判で判断される。
侵害への対応権利行使には実用新案技術評価書(実用新案権の有効性について特許庁の評価を記載した書面)を提示して警告すること。   (ハ)意匠権 物品の形状、模様もしくは色彩これらの結合物で、視覚により美観を起こさせるもの。意匠(物品の外観的形態)であって有用性・新規性・進歩性。存続期間は設定登録後20年(2006年改正)。 物品生産され独立して取引の対象となる運搬可能な有体物。固体であること。 取得方法(審査主義) 出願 → 方式審査 → 実体(実態)審査 → 登録 登録要件:工業上の利用可能性(量産可能)、新規性、創作非容易性 ※特許法に比して審査請求制度や異議申立制度はない。拒絶理由あれば拒絶理由通知される。 制度の特徴 部分意匠……ボールペンのグリップなど。物品の操作としての画面デザインの保護。 組物意匠……セット物の意匠 類似意匠制度同日同一人出願で、主従関係の権利化 秘密意匠製品発売日まで非公開など、最長3年 ※意匠権のライセンス供与も効果高い(H18-5)。意匠の実施権利を有し、排他的独占権を持つとされる。 意匠は、不正競争防止法の商品等表示または商品形態としての保護も可能。 侵害 直接侵害(登録意匠と同一・類似の範囲の第三者の実施行為)と間接侵害(業として、登録意匠又はこれに類似する意匠に係る物品の製造のみに用いる物の生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為、擬制侵害ともいう)がある。登録意匠に係る物品等の業としての譲渡、貸渡し、輸出のための所持行為が追加された(2006年改正)。 意匠の類似性意匠の効力が及ぶ範囲であり、先後出願関係などで重要。同一物品で類似、類似物品で同一、類似物品で類似の形状、模様、色彩またはこれらの結合。 ※出願の変更特許出願と実用新案登録出願と意匠登録出願との間で出願の形式を相互に変更すること。変更後も同じ内容ならもとの出願日にされたものとみなされる。  
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(ニ)商標権 文字、図形、記号もしくは立体的形状もしくはこれらの結合または色彩との結合で、業として商品を生産し、証明し、又は譲渡する者がその商品を使用するもの(商品商標)、業として役務を提供し、又は証明する者がその役務について使用するもの(役務商標)。識別性が要求される。保護期間は設定登録から10年。商標は出所表示機能、品質保証機能、宣伝広告機能をもつ。 取得方法  先願主義:同一・類似の商品・役務についての商標の出願があった場合は最先の出願人のみが商標登録を受けられる 出願 → 方式審査 → 実体(実態)審査 → 登録 対象:商品の生産・証明、譲渡や役務の提供・証明など45種
 商品商標、役務商標(サービスマーク)、商号、小売等役務
商標の拡大:2015年4月より商標法改正 文字、図形、記号、立体、それらの結合・組み合わせた色彩 →従来の5つに加えて音、色彩、動き(動画)、位置、ホログラム。計10。
  ※CMなどに使う音、イメージカラーなどの色、アニメやCGのような動画などが追加認定された。
※出願日を認定された出願すべてが実体(実態)審査を受ける。拒絶理由通知もある。 ※立体形状、文字のみの場合、願書への記載が求められる。 ※「ヤクルトの容器は立体商標」知的財産高等裁判所判決、2010年11月16日 ※一定の博覧会に出品・出展した商品・役務に商標を使用した者が6ヶ月以内に出願したときはその時のものとみなされる。   侵害……標章し、譲渡し、引渡、輸入する行為は、差し止め請求・損害賠償請求できる。但し知ってから3年まで。商標登録前でも出願内容を提示して警告すれば金銭的請求権が認められる。 商標例:役務商標サービスマークで、器に付ける→その食器を用いて食事を提供→マークとして展示する は該当する。(H15-10) 小売等役務小売等業務における「顧客に対する便益の提供」等を2007年4月より「小売等役務」として受付開始。継続使用権も認められ、出願しなくても権利ある場合も。 地域団体商標制度地域名称と商品・役務の名称からなる商標で周知性を備えたものについて、事業者を構成員とする団体(事業協同組合等)が商標を取得し、商標登録を受けたものについてはその構成員が使用できる制度。 ※「博多ラーメン」など知名度が高く、そのブランドを使う店が全国に広がっていると、申請しても認められないようだ。 商標の類似の判断(狙いは出所の混同防止)……「白い恋人」と「面白い恋人」はどうなるか? 類似の態様外観類似(ライオンとテイオン)、観念類似(巨人とジャイアント)、称呼類似(ヘルパミンとヘルパチン) 観察方法対比観察と離隔観察(時と場所)、全体観察と要部観察(全体と識別部分) ※国際登録制度「標章の国際登録に関するマドリッド協定の議定書」で、指定国を明示して世界知的所有権機関(WIPO)国際事務局に出願し、商標を保護できる。登録日から10年。  
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その他独占的使用関係の法律 半導体集積回路法(「半導体集積回路の回路配置に関する法律」) 設定登録から10年 保護対象は半導体集積回路の回路配置で、登録申請により設定登録され、回路配置利用権を得て独占的排他的に利用できる。権利侵害については特許法と同じように請求権をもつ。 種苗法 農林水産植物の品種(467種類)を対象に、品種登録制度により新品種の保護を図る。登録要件は、区別性、均一性、安定性、名称の付与、未譲渡性の5つ。先願主義。品種登録から25年(育成者権)。手続きは、出願 → 出願公表 → 審査・登録。※H30(2018)年4月廃止   H25-6:特許権(特許権の侵害) H25-7:特許権(特許権利) H25-8:特許権(特許権と実施権) H25-9:商標権(地域団体商標) H25-10:意匠権(意匠権の内容) H26-7:意匠制度 H26-8:商標登録 H26-9:商標制度 H26-13:産業財産権(工業所有権)の存続期間 H27-6:工業所有権(パリ条約) H27-8:商標権() H27-10:商標権(侵害警告を受けた) H27-11:商標権(地域団体商標とキャラクター) H27-12:意匠登録制度 H28-6:[実用新案権]実用新案登録技術評価 H28-7:[特許権]特許法改正(H27) H28-8:[意匠権]意匠登録の対象 H28-9:[意匠権]秘密意匠制度 H28-10:[商標権]拒絶理由通知 H29-6:産業財産権(特許権、商標権) H29-7:産業財産権(存続期間) H29-8:産業財産権(侵害) H29-9:産業財産権(意匠権) H29-10:産業財産権(立体商標)  
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(2) 著作権の内容 (イ)著作権等の種類と内容 著作権は、表現の流用を禁止する権利。著作物は、「思想または感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術または音楽の範囲に属するもの」で、工業製品等を除く。コンピュータ・プログラム(コーディング)も該当する。※表現を保護するものであって、思想やアイデアを保護するものではない。 著作者人格権……仝表権 ∋疚症充┯◆´F碓貔保持権 著作権(財産権) 現状利用権複製権(Copyright)、上演権・演奏権、上映権、公衆送信権・伝達権、口述権、展示権、頒布権(映画のみ)、譲渡権、貸与権 改作利用権翻訳権、編曲権、変形権、脚色権、映画化権、翻案権(翻訳したり、変形したりする権利:ひこにゃんの尻尾) 二次的著作物の利用に関する権利原著作者の許諾必要、翻訳・編曲・脚色・変形・映画化・翻案 著作隣接権利用伝達者(実演家、CD制作者、放送事業者・有線放送事業者)への保護。商品化権、パブリシティ権(有名人を商業的に利用)が伴う。登録制度も有る。 法人著作〇藩兌圓隆覯茵↓業務従事者の創作、職務上作成、に/楊承舛埜表、ジ朕佑鮹作権者とする契約がない。※コンピュータ・プログラムはど塒 著作物の利用 |作権の譲渡は登録要す。推定規定(改作利用権や二次利用許諾権は留保) 「翻案権や著作人格権は著作物の移転契約だけでは移転しない(明記が必要):ひこにゃん」 ※著作者人格権は譲渡・相続ができない。 著作物の利用許諾 ※権利者の許諾が必要(複製権、上演権・演奏権、上映権) 擬制許諾著作者の意志にかかわらず許諾で、私的利用・引用は制限ユルイが著作人格権はおかせない。 法定許諾教育目的での教科書等への利用 強制許諾協議前提に放送や3年後のレコード化 許される利用……私的利用、図書館などでの複製、引用、その他(教育、点字化、報道など) 著作権だけでなく総合的な権利 パブリシティ権「(著名人などの)商業的価値に基づく人格権のひとつで、顧客吸引力を排他的に利用する権利」(最高裁:侵害のケースも明示、2012年2月2日。) 商品化権アニメーションのキャラクターなどを商品に利用して販売促進を図り、経済的利益をあげる権利  
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(ロ)著作権の成立と保護 成立創作した時点で権利が発生する(無方式主義)。相対的独占(偶然に同一の表現を創作しても著作権侵害にならない)。 保護期間 保護期間は著作者死後50年、映画は「公表後70年」。無名・変名、団体著作は公表後50年。 著作権侵害に対する措置 権利の侵害無断複製(著作権侵害)は著作権侵害と擬制されている(海賊版の輸入などで、無断複製を知っている)※キャラクターは複製権の侵害。 侵害への救済差止請求権(侵害停止請求権、侵害予防請求権)、損害賠償請求(損害額の特則)、訂正・謝罪広告 ※キャラクター商品の模倣を防ぐ  
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ゲーム会社と下請プログラマー ゲーム会社が外部のプログラマーにソフト開発を委託する場合、プログラマーと著作権譲渡契約を結び、下請法の対象関係も考慮して契約すること。 著作権譲渡契約の成立は、その対価が正当かどうかは支払い総額で判断できる、最初の契約書で合意がされていれば継続して合意したとみなせる、と判例が有るようだ。 本の要約は侵害? ※ブログで本の要約は著作権侵害。感想や論評が必要。短く要約する翻案も著作者の権利。「要旨」(原作品を読む意欲を起こさせる内容)なら翻案とはいえない。「要約」は読まなくても著作者の思想が分かると感じさせるので違法。引用が少なく論評や感想が多いなら侵害とは言いにくい。   引用の要件正当な範囲(報道、批判、研究など引用上の目的)、引用部分とそれ以外の主従関係、引用部が明確(鍵括弧など)、引用を行う必然性がある、出所の明示がある、公正な慣行、等。 フェアユース公正な利用であれば権利者の許可がなくても作品を使える(米国著作権法)。現状日本は、著作権者の保護に違反するとなる。※フェアユースの法理:抽象的に著作権を制限する一般規定で、個々の事例を判断している。 ※「テレビ番組の録画を代行して顧客のパソコンに転送する事業を始めたい」これは適法? 複製権、公衆送信権の侵害とみなされる可能性が高い。 ユアアース規定「著作権者の利益を不当に害しない利用は自由である」という考えで、アメリカで(法律にかなうかどうか調べて時間を使うより)新規事業をスタートさせ、万一著作権者に訴えられたら裁判所で争うことをいとわない。 ※クリエイトコモンズ著作権運用のルールの一つ。ネットでコンピュータ・アプリケーションなどの使用条件を明示して作品を公開するときに使用。4種の利用条件:表示+「改変禁止」又は「継承」+非営利 ※擬制……権利の侵害を引き起こす必然性のある行為を侵害とみなす。 ※著作権の譲渡を受けたら、著作権移転の登録をしておくこと(二重譲渡の防止)。 保護の対象……著作物 保護の主体……著作者 保護の内容……著作者の権利:著作者人格権、著作権(財産権)   著作権改正……音楽ソフトなどを違法と知りながら完全ダウンロードに刑事罰(2012年10月施行)。 ベルヌ条約「文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約」で、著作権の国際的保護を目的とする条約。内国民待遇の原則、無方式主義で著作権を保護している。   H25-12:著作権の成立と保護(著作権の刑事罰と民法) H26-10:著作権法 H27-7:著作権(発生、保護期間、二次的使用) H27-13:著作権(権利の制限) H27-14:著作権及び著作人格権 H29-11:著作権の内容(種類と内容) H29-12:著作権の内容(保護期間)  
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(3) 知的財産権に関する契約等 (イ)産業財産権に関する契約 移転契約 特許権は財産権であり、他人に売却するなど自由に譲渡でき、相続その他の一般承継の対象になる。譲渡の場合は登録が必要。登録を要件に質権設定できる。 ライセンシング契約 専用実施権または通常実施権等のライセンス ライセンサーとライセンシー(使用するほう)が一定の対価でライセンスを使用許諾する契約。 ライセンシング(使用許諾)、マーチャンダイジング・ライト(キャラクターなどを商品に使用する権利)も対象になる。 特許権の実施許諾契約(ライセンス契約)は、非典型契約であるが各知的財産法でガイドラインある。特許出願中も実施許諾契約が可能(「仮通常実施権」「仮専用実施権」の創設) ※独占的通常実施権許諾による通常実施契約の当事者間で、特許権者が他の者に実施許諾しないという特約を締結したもの。法律上は独占的とならず当事者の特約違反のみ。   (ロ)著作権等に関する契約 音楽・キャラクター等のライセンス契約、ソフトウェアのライセンス契約等 著作権の登録制度著作権、著作隣接権の移転、これらの権利を目的とする質権の設定、移転などについては、登録しなければ第三者に対抗することができない。 ライセンスの形態(「ライセンス」は利用を許諾する意) 債権的利用許諾独占的利用許諾、非独占的利用許諾 出版権設定契約契約の登録によって出版権者のみが排他的独占的に著作物を出版できる。期間の定めがない場合は3年で消滅。 ※キャラクター漫画、映画、小説などに登場する人物や動物などの名称。容貌、姿態などを指し、顧客吸引力を持つとされる。 ※映画の著作物の著作者が映画製作に参加することを約束した場合、著作権は映画制作者に帰属する。 「使用許諾契約書」(PCでアプリインストール時)アプリケーションは著作権といえる。(H16-10)   (ハ)トレードシークレットに関する知識 営業秘密秘密として管理されていて、生産方法、販売方法その他事業活動に有用な技術上または営業上の情報であって、公然と知られていないもの。秘密管理性、有用性、非公知性が求められる。営業秘密については不正競争防止法で保護されている。 有用な技術情報の取扱い ‘探出願して第三者に公開する代わりに一定期間の独占権を獲得する(特許権取得) ▲離Ε魯Σ修靴同超犯詭として管理する その他 知的財産と関連法規 営業上の標識 商号………商号権(商法) 未登録商標………不正競争防止法 ※新商品開発の出願の順序例……^嫋権(すぐに)、⊂ι幻◆↓F探権    
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3.取引関係に関する法務知識 (1) 契約に関する基礎知識 契約は「相対する意思表示の合致」であり、当事者間の合意について法が拘束力を与えたもの。 契約自由の原則…約の自由(結ぶか結ばないか)、∩蠎衒を選択する自由(どの相手と結ぶか)、F睛瞳萃蠅亮由、な式の自由、それぞれ選択し決定できる(民事法における大原則で、私的自治の原則ともいう)。 契約は諾成契約とされ、当事者の合意のみで成立するもの。 契約の類型……取り決めがないときの規定として契約類型(13の典型契約)が決められている。 贈与、売買、交換、消費貸借、使用貸借、賃貸借、雇傭(雇用)、請負、委任、寄託、組合、終身定期金、和解  <詳細 ※典型契約は、条文で規定する契約で、有名契約ともいう。<詳細 取引と契約文書 一部に文書の交付が義務づけられたものがある(例えば労働契約)が、通常、契約書の作成は契約成立の要件ではない。しかし事後の紛争を避けるために契約文書を作成する。つまり言った言わないの問題を避ける。また、書面の交付により相手方の保護を図る場合もある(貸金業における重要内容の書面化義務など)。※保証契約(債権)は書面要す(民446) 公正証書による契約 金銭消費貸借契約、賃貸借契約などで使われ実印や印鑑証明を要す。執行受諾文言が明記されたものは直ちに強制執行できるなど強力な効力を持つ。 ※民法による契約規定はこのようなもの。商人同士が行う売買契約などは民法より専門化(民法の法定利率は5%だが、商法上の法定利率は6%など)している。 商人間の取引……商法が民法より優先して適用される 民法の取引と商事売買の違い(商法509,526-2) 商人間の取引では、注文を受けて黙っていると承諾したものとみなされるし、注文した商品を受け取ったらすぐに検査しなければ、不都合だからといって返品できない。 民法上の貸借 ※使用貸借法律上対価としての金銭その他の物を取らない無償の貸し借り契約(民593)で、本を借りて返すように借りた物そのものを返す。貸主および借主は義務が課せられる。使用借主の費用負担である。典型契約で、無償・片務・要物。 土地や家を貸す場合、期間を明記して貸さないと借地借家法の適用を受けられない。 ※消費貸借法律上は対価としての金銭その他の物を取らない無償の貸し借り契約(民587)で、借主が受け取った物をそのまま返すのでなく、いったん消費してしまうことからそう言われる。金銭消費貸借が代表的な例。典型契約で、無償・片務・要物。 金銭の貸し借りは金銭消費貸借といわれ、利息を設定した貸借が一般的で利息付金銭消費貸借契約という。 ※賃貸借貸し主が物の使用、収益を約し、借り主が賃借料を支払うことを約す契約(民601)。典型契約で、有償・双務・諾成契約。    
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※不利な条項が含まれていて契約の成立を認・否するかの裁判では、契約の解釈によって内容を定めて一部の条項を例文として無視する(例文解釈)場合がある。 ※約定解除権契約の当事者が契約により留保した解除権(民504)。民法は契約により当事者の一方が解除権を留保することを認める。 ※法定解除権法の規定で生じる解除権。履行遅滞等(民541)、定期行為の履行遅滞(民542)、履行不能(民543)のほか、契約類型による要件などがある。  
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(イ) 契約の成立要件 成立要件 二人以上の当事者が、‘碓賁榲(合同行為)または一方的(単独行為)に、意思表示(申込または承諾)し、当事者間の意思の合致があること。 当事者 契約を締結する能力を有すること 自らが行う行為について、どのような行為なのかわかっていること(意思能力)。意思能力がない者の契約締結は無効で、追認できない。 当事者は制限能力者(未成年者、成年被後見人、被保佐人、被補助人)でないこと。制限能力者が単独で契約を締結した場合、取消が可能。 代理人として行う場合は、’ぐ嫗緲、∨…蠡緲   ※成年後見制度 法定後見制度(法によって後見する場合)と、任意後見制度(本人と任意後見人との契約による場合) 判断能力により
「補助」……軽度の精神障害で、本人同意要す。補助人に契約の取消権付与する。
「保佐」……判断能力著しく不充分の場合。
「後見」……判断能力欠く場合。
  目的 法律行為の目的 単独行為における単独あるいは一方的な目的。意思表示は独立で、合致しなくても良い。 遺言、寄附行為、所有権放棄などは他人の権利義務の設定・変動を伴わない。 合同行為における同一目的あるいは共通目的。意思表示は複数で、その向けられる方向は同じ。 契約における合致するあるいは相対する目的。意思表示の向けられる方向は相対立。 ※合同行為……複数の人が共通の権利義務の変動を目的として共同してする法律行為。   意思表示 「申込み」は、当事者の意思表示でなされ、意思表示の効力は到達して初めて効力(到達主義)となる。 「承諾」は、他方当事者の意思表示でなされ、承諾の意思表示効力は発信によって効力(発信主義)となる。 契約は、承諾の意思表示を発信したときに成立する(発信主義:民526)。※申込みと承諾の一致を要す(民528) 但し、「電子消費者契約法」は契約の成立時期を到達主義(文字化け等対策)とする。   ※意思と表示の不一致による契約は無効である。 わかっていて意思と異なる表示をすること(心裡留保)、誰かと組んで偽る(通謀虚偽行為)、意思と表示の違いを表示者本人が知らなかった(錯誤)ことを、意思の欠缺(民309)(意思の不存在)といい、それを表示者が認識していない場合は無効とされる。 反対に、表示者が意思でないことを知りながら意思表示する(心裡留保といい、単独虚偽表示にあたる)場合は有効で、相手が善意または過失の時は無効となる。 H25-16:契約の成立要件(準拠法) H26-11:意思表示の無過失 H28-13:[契約の成立要件]  
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(ロ) 契約の有効要件 主観的有効条件当事者の事情に着目: 当事者に意思能力があり、行為能力があり、0媚廚侶艱(意思と表示の不一致や締結意思がない場合など)がない、さらにぐ媚徂充┐類赱咫憤媚弖萃蟆當で問題がある)がないこと。 客観的有効要件無効でなく(確実性、実現可能性、適法性、社会的妥当性のいずれかを欠く効果は無効)、解除がないこと。 ※解除の要件 委任……いつでも解除できる 請負……完成前の解除は損害賠償 使用貸借、寄託……告知によって即時解除可能 賃貸借契約……信頼関係破壊の法理が働きやすい 雇傭(雇用)……解雇権の濫用を制限 H26-14:契約の解除   (ハ) 外国企業との取引に関する法律知識 国境を越えた物品、金銭、技術、資本の移転及び役務の提供等を目的とする取引を国際取引とする。 国際取引では当事者が法律の異なる国に属し、複数の国境をまたいで行われること、広範囲な法領域が伴うことから紛争の防止と紛争への対応が必要になる。 国際取引における留意点 準拠法の決定……当事者間の取引にどの国の法律が適用されるかを決める ※国際取引では法律文書作成技術が重要になる。 国際裁判管轄の決定……どこの国の裁判所で裁判するか 国際商事仲裁の利用紛争になった場合、国際商事仲裁機関(国際商業会議所等)を利用して、紛争の解決を確実に実行することも必要 外国判決の承認・執行の問題日本は自動承認制度(承認要件を満たせば特別の手続きを経ずに承認される) を採用。   国際売買(物品の国際売買である貿易取引)は国際売買契約が伴う 当事者自治の原則(契約準拠法の決定を当事者の意思に任せる)に従う。 当事者の意思が明確でないときは、行為地法(契約締結した国の法)による 隔地者間契約(契約の申込地と承認地が異なる契約)は、申込みの通知を発したところを行為地とみなす。 申込みを受けた当事者が承諾したとき、申込みの発信地を知らなかったときは、申込者の住所地を行為地とみなす。 海外進出 支店の開設……支店は外国法人の規制を受け、支店であっても本社として扱われる。 現地法人の設立……当該国の商法、会社法、税法等に従う 合併……会社設立型と組合設立型がある。 合併ではないが、英米法系の国では「パートナーシップ」制度があり、ジェネラル・パートナーシップとリミテッド・パートナーシップの2タイプで、法人格を持たない組合に近い方法がある。   H25-17:外国企業との取引に関する法律知識(外国企業の営業活動) H26-16:租税条約 H27-15:外国企業との契約(生産委託) H29-15:契約に関する基礎知識(外国企業との取引)  
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(ニ) 英文契約に関する知識 国際取引の契約交渉 最終の合意 「完全合意条項」最終合意までに作成された念書等の記載事項より優先することを明らかにすること 国際取引では「完全合意条項」のため、念書の内容もすべて記載しなくてはならない。サイドレター(今までの記録)を利用時に言及すること 約因(Contract)ある者が約束してくれたことに対して、その約束を受けた者が交換的に提供する対価。アメリカなどで(H17-12) 国際民事紛争完全合意条項(契約書記載のことが最終合意の全て)と国際裁判管轄条項を明記せよ(管轄を日本、準拠法を現地に:行為地法(契約締結地の法律)) 契約:Contract、exclusive right、Patents、契約の締結過程:Letter of Intent(念書) Minutes of Meeting(議事録)、裁判管轄:Jurisdiction、準拠法:Governing Law、仲裁:Arbitration、知的財産:Intellectuai Property  <その他関連英語抜粋   H25-13:英文契約に関する知識(英文契約書,本船渡し) H26-15:英文契約書(秘密保持) H27-16:英文契約(共同研究開発契約) H28-15:[英文契約に関する知識]英文契約書案   (2) 契約の類型と内容 無名契約(非典型型契約)守秘義務契約、営業秘密(トレード・シークレット)、フランチャイズ契約、共同研究契約 (イ)守秘義務契約 取引上知り得た取引先の秘密については、その秘密を守る義務がある。これは商慣習、信義則、契約等で義務として認識され、法律上の責任とされている。この守秘義務を明文化したものが守秘義務契約。非典型契約である。 秘密保持義務業務上知り得た取引先の秘密を漏らしてはいけない義務。  
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(ロ)共同研究契約 新製品の共同開発 相互に理解し合うことが重要で、明確にできるものは明記し、契約時点で不明なものは協議条項にする。 開発過程では、第三者への委託の禁止などで機密の漏えいを防ぐこと。 知的財産権では、開発された新製品の特許権や実用新案権などをどちらか一方が取得するのか、それとも共有するのかを明確にする。 ケース例:開発契約と特許 開発委託契約食品メーカーA社が、容器メーカーB社に容器の開発を委託し、B社が開発した。 B社開発の容器でもA社単独の特許出願を定められる。 共同開発A社は自転車メーカーでB社はペダルメーカーだが、共同開発によって、B社がペダルの特許を取得した。 特許権の実施権許諾は双方の同意が必要、同意なしでA社は製造できる。   (ハ)売買契約 お金を払って財産権を譲り受ける約束で、代金の支払いと財産権の移転は原則同時に行われる。 瑕疵担保責任売買によって買い主の取得した権利または物に不完全な点(瑕疵)があると売り主が責任を負う。隠れた瑕疵でも契約解除をし得る 瑕疵を知ってから1年以内なら損害賠償も請求可能、通知を要す。 即時取得動産取引で、知らずに取引した後に占有した場合、権利を取得できる(盗品等は期限あり) 継続的売買契約一定の契約に基づいて継続的・反復的に売買を行う(日常の企業間取引に近いケース) (餝臈な契約に基づき直ちに具体的な売買契約が成立するもの ∧餝臈な基本契約とは別に、個別に具体的な売買契約が成立するもの (a)買い主の一方的な意思表示により個別の売買契約が成立するもの、つまり買い主が予約完結権を有するもの (b)個別の売買契約は買い主の申込みと売り主の承諾によって成立するもの   (ニ)事業提携契約 OEM契約……請負契約+売買契約の混合契約 ※受注者はメーカーが多い。 発注者が自社ブランドで販売するため、受注者に製品を供給させる契約 単にブランドを付ける場合(売買的色彩強い)と双方が仕様を決めて商標を付ける場合(請負的性格、PBブランド)がある。 商標表示の仕方や方法を明確にすることが重要。受注者が無断で商標使用することの防止も必要。  
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(ホ)フランチャイズ契約 フランチャイザー(本部)とフランチャイジー(加盟店)間の契約 本部が特定の商標、商号などを使用する権利を加盟店に与え、経営指導を行いながら継続的に商品を供給し、その対価としてロイヤルティを徴収する。 加盟店は法的には本部から独立した事業者で、独占禁止法が適用される。 中小小売商業振興法の「特定連鎖化事業」は小売業のみが対象のため、全業種に適用するための独占禁止法適用ガイドラインがある。 各種の義務や制約レシピの秘密保持義務、脱退後の競業避止義務・加盟店同士の交流の制限、加盟店の仕入活動制限、不当なペナルティ、立地判断・売上予想の責任などが見られる。 フランチャイズの場合競業禁止義務は場所・期間・営業種類のすべてではなく何れかに制限を。権利の使用や返却・機密保持は有効とされる。   (ヘ)事業買収契約 株式の譲渡を受けて事業買収する場合 譲渡会社の機関の承認、債務の処理または債権者保護、効力日及び株式対価等を明確にして締結する。 H25-14:事業買収契約(事業譲渡と労働者,事業譲渡と知的財産)   (ト)合併契約 合併は、当事者間の結合度の強いもの。会社法で規定する組織再編手法のひとつでもあり、新設合併と吸収合併があるが実務では吸収合併が主。 会社法による合併契約(749条):吸収合併契約(存続会社は株式会社の場合) 合併をなすには合併契約書を作成し、簡易合併等のできる場合を除いて各当事者会社の株主総会において承認を得ること。 契約に定める事項(法定記載事項)……当事者会社の商号と住所、金銭等対価の内容、効力日等 任意的記載事項……合併契約締結後の会社財産の扱い、役員・従業員の処遇など 合併の規制・制限 会社法以外でも、独占禁止法(競争の実質的制限の有無)、事業規制法(業法規制)、金融商品取引法(情報開示)で規制がある。 独占禁止法一定の規模以上の合併は、公正取引委員会へ事前相談、さらには事前届出制度の義務化 事業規制法銀行法、保険業法、電気事業法、鉄道事業法等。消滅会社も対象になる場合がある。 金融商品取引法発行開示(新たに株式を発行・売出す場合)と継続開示(有価証券の流通)が必要になる場合もある。   H26-12:消費貸借契約 H28-16:[契約の類型と内容]準委任請負契約 H28-17:[その他]共有について  
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参考図書 会社合併の進め方 玉井裕子著 日本経済新聞出版社 2007 会社分割の進め方 中村直人、山田和彦著 日本経済新聞出版社 2008 法務英語入門 後藤浩司 信山社サイテック 2001 国際ビジネス判例集−知財編− 長谷川俊明著 雄松堂出版 2007 知的財産権六法 角田正芳著 三省堂 2011 知的財産権 角田政芳・辰己直彦著 有斐閣アルマ 2008 新はじめて学ぶ商法・会社法 高橋裕次郎著 三修社 2007 ポケット六法 H26 井上正仁、能見善久 有斐閣 2014 中小企業診断士試験問題 平成13年〜29年 中小企業診断協会  他 学習ノート