戦略論の学習ノート表紙  
 

             −目 次−  凡例:[page]

1.経営計画と経営管理……………………………………………………………………………………1
(1) マネジメント・サイクル[1]
(2) 期間別経営計画[1]
(3) 意思決定の階層構造[2]
(4) 経営管理の原則[2]
(5) 意思決定プロセス[3]

2.企業戦略…………………………………………………………………………………………………4
(1) 外部環境分析・内部環境分析[5]
(2) 事業領域(ドメイン)の決定[5]
(3) 階層別戦略[5]     事業戦略、機能戦略
(4) 戦略立案プロセス[6]
(5) 組織と戦略[6]     事業部制、カンパニー制、持株会社
(6) 組織文化と戦略[7]

3.成長戦略…………………………………………………………………………………………………8
(1) 成長のマネジメント[8]
(2) 多角化[8]       シナジー、多角化戦略の分類
(3) M&A[9]
(4) 戦略的提携[10]

4.経営資源戦略……………………………………………………………………………………………11
(1) 経営資源[11]
(2) PPM[12]   SBU、製品ライフサイクル、経験曲線、市場占有率

5.競争戦略…………………………………………………………………………………………………14
(1) 業界の競争構造分析[14]
(2) 競争回避の戦略[15]
(3) 競争優位の戦略[16]   コストリーダーシップ、差別化、集中
(4) 競争地位別戦略[17]   チャレンジャー、リーダー、フォロワー、ニッチャー
(5) デファクト・スタンダード[17]
(6) コア・コンピタンス[18]

6.技術経営(MOT)……………………………………………………………………………………19
(1) 技術戦略[19]       技術戦略の策定、研究開発管理
(2) イノベーションのマネジメント[21]
(3) 知識経営(ナレッジ・マネジメント)[21]

7.国際経営(グローバル戦略)…………………………………………………………………………22

8.企業の社会的責任(CSR)…………………………………………………………………………23

9.その他経営戦略論に関する事項………………………………………………………………………23

参考図書
リンクの参考資料 p1〜p3
1.経営計画と経営管理 経営管理の歩み  ※PDSは、Plan Do See 科学的管理法〔テイラー〕   → 企業経営の二重体系   → 管理過程論〔ファヨール〕  (課業管理)         (労務管理と生産管理)   (マネジメントサイクルの概念:PDS) 経営管理理論の歩み (1)マネジメント・サイクル  管理機能は、計画から始まり指揮を経て統制にいたり、統制結果がフィードバックされて再び新たな計画が始まるという循環的な過程をなすこと。 管理の要素(管理を構成する個々の管理職能)……計画、組織、命令、調整、統制〔ファヨール〕。 マネジメントサイクル  計画を立案し、指揮によって計画を実行させ、統制によって結果を計画に照らして比較・評価して計画及び指揮にフィードバックする循環的過程。 計画化(予測)→組織化(機能化)→統制(調整) ※()はファヨール、Plan Do Check Action(PDCA)はデミング。 ※統制とは、進捗状況を確認し、計画と比較し、必要に応じて修正する過程。 ※マネジメントを、「管理」でなく「付加価値を生む組織づくり」とする傾向が見られる。 ※ファヨールが提唱した概要 企業活動=技術的活動+商業的活動+財務的活動+保全的活動+会計的活動+管理活動 管理活動=予測+組織+命令+調整+統制 (5要素で構成) 管理の一般原則(14)分業、権限・責任、規律、命令の一元性、指揮の一元性、個人的利益の全体的利益への従属、報酬、権限の集中、階層組織、秩序、公正、従業員の安定、創意、従業員の団結。 ※「4つの操縦かん」 「PDCサイクル、理念、行動規範、対話を組み合わせて戦略を実行せよ」HBSのサイモンズ教授   (2)期間別経営計画 経営計画 経営目的を、いつまでに、どのような方法で、どのような手順で、どのような人を用いて、どのような予算で達成するのかを具体的に示すこと。 経営計画と環境  経営計画とは企業の将来のあるべき姿を形成するための意思決定を具体化したもの。計画特質として、柔軟性(フレキシビリティ)と迅速性(アジリティ)をもち変化に対応できる計画であること。  例えば、コンテンジェンシー・プラン(不測事象対応計画:事前に不測事象を予測して、その場合の予備計画を準備しておく)やローリング・プラン(中期計画を基に毎年が初年度と考えて毎期実績を加味して次の計画を修正していく)がある。 経営計画の重要性将来像を具体的な数値で設定することで、〇餠眥潅、∩反ヅ制上 の情報開示に資する。 経営計画の特質^媚弖萃蠅龍饌硫宗↓∧儔渋弍の計画(柔軟性と迅速性) 経営計画の過程いくつかの代替案から意思決定によって選択し、決定する。 経営計画策定極度に精緻過ぎないこと(柔軟性要す)、学習プロセスを介在させる。※ライバル企業をベンチマークすることも有効である。 策定主体スタッフ部門(企画部門等)で立案、検討は役員会とする場合が多い。 期間別計画短期計画(およそ1年くらいの計画)
中・長期計画(3〜5年の計画)……ニーズや技術変化を考慮し予備計画も必要。
H25-1:経営計画[]経営計画の策定の留意点  
-1-
(3)意思決定の階層構造   階層によって機能を分化させる 意思決定は、必要な情報を収集して適切な選択をすること。 意思決定階層モデル[アンゾフ] 戦略的意思決定 トップマネジメント=資源の配分の意思決定 管理的意思決定 ミドルマネジメント=資源の組織化、業績の意思決定 業務的意思決定 ロワーマネジメント=効率の最大化を求めて収益の意思決定 ※戦略的意思決定は、どのような事業分野に進出すべきかという戦略的経営計画の決定(多角化の決定)である。(自社の強みと弱みを認識して、シナジー効果の発揮できる分野に事業展開する。) 戦略的な意思決定の実施  ビジョンの共有により、担当部署の課題を明らかにして主体的な意思決定権限を与える。さらに、部署ごとに意思決定権限を委譲し、現場での問題解決を求めていく。その上で、フィードバックループを通じて不確実性を減少させていく。 ※業績悪化時の意思決定固執に留意 ゞ叛唹化は予想外の外部環境のせいで、意思決定は間違っていない、としてしまう恐れ。 意思決定との因果関係が不明確なので、意思決定は間違っていない、としてしまう恐れ。 0化への対応策は過去に経験した戦略の方が無難である、としてしまう恐れ。 ぐ媚弖萃蠅鯣歡蠅垢襪繁篷徃駘僂顕在化する、と考えてしまう恐れ。 (4)経営管理の原則  経営管理とは経営理念、経営環境、経営戦略、経営計画、経営統制を示す。新しく企業を起こす場合は「戦略を立て」「組織をつくり」「人を動かす」活動を示す。 マネジメント組織構成員の結集を調整・統制して組織目的を達成する。 経営統制プロセスを統制(期中統制)し、結果を統制して次期の計画を策定する。 管理原則階層制の原則、命令一元化の原則、管理限界の原則、例外(権限委譲)の原則等。[ファヨール]  
-2-
(5)意思決定プロセス 意思決定論[サイモン]意思決定=事実前提 + 価値前提 意思決定プロセス:情報収集活動→設計活動→選択活動 内容  判断基準は価値(目的)と事実(手段)で、「価値前提」と「事実前提」といわれ、2つで「満足化原理」を成す。そのために、3つのプロセス(情報→設計→選択の活動)が必要になる。この活動で事実の検証と価値の決定を行う。  経営者はそれまで経済人モデル(合理性を有す最適化原理)とされていたが、サイモンは経営人モデルを提唱した。 ※経営人モデル[サイモン]…人間の合理性に限界があるので、最適化原理より満足化原理を提唱。 意思決定階層図   意思決定  何らかの問題に直面した場合に、それを解決するために代替案をあげ、それぞれの代替案がもたらす結果を明らかにし、その結果を一定の基準に基づいて評価し、最も望ましい案を選択すること。  この意思決定は、実際に現れた具体的な行動の背後にある作用であり、行動の可能性の中より選択を行うことを意味している。つまり意思決定は企業活動の基礎であり、どのような事業を行うか、どんな組織構造をとるか、どこから資金を調達するか、どんな新製品を開発するか、製品の価格をどのような水準に設定するかなど様々な意思決定に基づいて企業活動が行われる。   H26-3:意思決定  
-3-
2.企業戦略 経営戦略企業の長期的な目的を達成するための将来の道筋を企業環境とのかかわりで示した長期的な概念。 戦略とは目的を達成するための活動のプログラムと諸資源の開発・配分。 目的は、「企業が達成しようとするパフォーマンスの水準を設定する」[アンゾフ]もので、戦略は目的を達成するための事業構造や活動に関するもの。 企業戦略の構造 経営理念→ 内外環境分析→ ドメインの決定→ 戦略代替案創出→ 代替案選択→ 戦略の実行(事業戦略と機能戦略) ※戦略の実行は、事業戦略と機能戦略を実行する 戦略作成フロー図 ※戦略代替案創出段階で、経営資源を有効に配分する。 ※ドメイン持続的な成長を可能とする自社特有の事業活動領域 戦略立案の要素:まずビジョン ビジョン経営理念達成のためのフレームワークで、ありたい姿の意味。役割は社会・取引先への貢献と責任、社員の共感。道標にたとえられる。 [過去問※再定義されたドメインがうまく進展しない理由 〆胴獣曚六間かかる、以前との魅力度を比較してしまう、J儿垢顧客理解を得にくい、そ抄醗の抵抗。   企業の業績を左右する要因:事業の外部環境と企業が持つ資源・能力 業績(総資産利益率)を変動させるもの:ゞ罰Ω罵の要因(1割)、企業・事業の個別要因(4割)、9ド垓靴留洞(1割)、ど坡亮太(4割) リチャード・ルメルト 「創発戦略」 「戦略とは偶然と熟慮両方の産物である。」ヘンリー・ミンツバーグ 「創発」……組織の中枢が意図を持たなくても何らかの秩序が生まれるような状態。 戦略プロセスを企画してトップダウンしても、現実はこのプログラム通りには進まず、現場での試行錯誤や偶発的事象で成功にいたることがある。このように、偶発的に得た成功を見過ごさずに価値を柔軟に認めて、戦略を修正すると新しい戦略が生まれる。  
-4-
(1)外部環境分析・内部環境分析 外部環境は企業を取り巻く環境、内部環境は企業と利害関係者。 SWOT分析 企業の外部環境を機会と脅威について、内部環境を強みと弱みで分析する手法。 強み(Strong)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)について、出現する機会に対して強みを活かすことができないか、どのような戦略を策定すべきかを考える。また、脅威に対しては弱みをいかにカバーすべきかを発想する。 自社の強みと弱みは、技術力・マーケティング力・財務力・情報力・人的能力などを評価・分析する。 ※経営戦略はいろいろ言われるが、「継続的に利益を出すために経営資源をどのように配分するかの意思決定」といわれる。そのためには競争に対して優位性を構築することが必要になる。   (2)事業領域(ドメイン)の決定  誰に(市場)、何を(顧客ニーズ)、どのように(技術・方法など)提供するか。適正な範囲で、機能より効用を提供し、理解や浸透または再設計する。 市場成長率が高い市場への参入が機会を活かしやすい。 過去問から拾う:企業ドメイン 現在の活動領域や製品・事業分野との関連性とともに、将来の企業のあるべき姿を包含して経営理念を反映している。 全社戦略策定の第一歩として自社の存続のために外部の多様な利害関係者との間の様々な相互作用の範囲を反映している。 過去問から拾う:事業ドメイン 全社的な資源配分に影響を受けるため、企業ドメインの決定に合わせて見直すこともありうる。 日常的なオペレーションがルーティン化していたとしても、競争優位を持続するためには必要である。   H25-5:事業領域の決定(企業ドメイン・事業ドメイン) H27-2:事業領域の決定(企業ドメイン・事業ドメイン) H28-1:[事業領域の決定] 経営計画[ ]経営計画の策定の留意点 H29-1:事業領域の決定(企業・事業ドメイン)   (3)階層別戦略(事業戦略、機能戦略) 事業戦略……成長戦略や競争戦略 機能戦略……運営(オペレーション)の戦略 ※機能戦略の例<過去問:業績回復企業…作業効率の改善、変動費の削減>  
-5-
(4)戦略立案プロセス 戦略立案プロセス  経営理念に基づき環境分析を行ってドメインを決定し、戦略代替案を創出して選択し、選択した戦略案を実行する。 ※戦略代替案の評価は、適合性、妥当性、整合性、脆弱性、成果の程度を評価対象とし、企業能力と脅威及び機会を適合させる。   (5)組織と戦略 組織と戦略は相互に影響し合う 「組織は戦略に従う」〔チャンドラー〕……戦略に合った組織構造が整う。 「戦略は組織に従う」〔アンゾフ〕……戦略は組織のソフトウェア面から生まれる。 戦略志向組織の5原則 [キャプラン] \鑪を現場の言葉に置き換える ▲轡淵検爾鮴犬濬个垢燭瓩冒反ヂ里鯤向づける 戦略を社員全員の日々の業務に落としこむ だ鑪を継続的なプロセスにする ゥ肇奪廚離蝓璽澄璽轡奪廚琶儚廚垢 相互浸透モデル [チャンドラーとアンゾフ]……組織と戦略は相互に影響する。 7Sモデル (組織の包括的概念[ピーターズ])……変革に必要な7つの変数(組織論で説明) 事業の規模と組織  製品の種類・数、販売地域などで事業規模をみるとき、単一事業では機能別組織で集権的に事業活動している。製品群や販売地域が増えて多角化が進むと事業部制の分権化組織によって事業を展開する。  さらに、国際的に事業展開する場合は、戦略的に事業単位を構成した組織が運営される。SBUや持株会社である。 (イ)事業部制  事業別、市場別、あるいは製品別に利益責任単位として成立(プロフィットセンター化)し、事業ごとの業績と利益責任を明確にする組織で、多角化に適す。 特徴市場の変化に機敏に対応できる、本社機構は戦略的な意思決定に専念できる等の特長がある。しかし、全社目標の達成より事業部の短期的業績達成を優先しやすく、事業部間の競争が生じてセクショナリズムに陥りやすい。   (ロ)カンパニー制  カンパニー制は、会社内会社、あるいはインベストメントセンター(投資&C/F)といわれ、カンパニーは社内資本金や人事権を付与されて期間利益責任に加えて投資責任も負うことになる。   (ハ)持株会社  事業持株会社(自ら事業を行う)と純粋持株会社(司令塔のみ)がある。持株会社の解禁によってグループ経営が浸透し、カンパニー制を採用するメリットが薄れている。 ※企業を取り巻く利害関係者は、ステークホルダー(従業員、取引先、地域社会など)とシェアホルダー(株主)がある。(「シェアホルダーに対するディスクロージャー」が問われる) H27-4:組織と戦略(仕入先交渉力) H29-5:組織と戦略(カンパニー制・持株会社)  
-6-
(6)組織文化と戦略 組織文化は、組織構成員によって共有された価値・規範・信念の集合体である。 組織文化の機能 .皀船戞璽轡腑鵝米圧,鼎院砲鮃發瓩襦判断基準を持つ(意思決定が早くなる)。コミュニケーションが効率的になる。 「組織文化の逆機能現象」 経営環境が大きく変化すると、強い組織文化が価値観や行動様式の変革を妨げてしまう。   ※組織文化と戦略は組織論科目の組織論の組織文化の項も参照されたい。   ※経営戦略論の系譜 ※取引先企業や競合企業との関係を「組織間関係」ととらえ、戦略の中でも重要な役割を果たす。   リスクの種類 外部リスク 外部リスクは直接コントロールできないが、発生を予測し、影響を見積り、必要な対策を立てる。具体的には、競合他社、顧客の意向、技術革新、外部環境への適応度、株主の期待、資本調達、法令改変、金融市場、災害などが考えられる。 内部リスク 業務プロセスリスクコンプライアンス、品質、顧客満足、環境、ビジネス中断、情報漏えい、ブランド、風評リスクなどが考えられる。 意思決定上の情報リスク不的確な情報による不本意な意思決定をするリスクで、経営資源配分、戦略リスク、外部報告リスクなどが考えられる。 リスクへの対応 回避リスクの発生を防止し、それを排除する。例:中国市場からの撤退 受容リスクを現在のレベルに維持する。例:現在の戦略を是として進める 軽減リスクを容認できるレベルまで軽減する。例:資産の分散化による軽減 共有リスクを財政的に共有できる独立した契約相手に移転する。例:保険の活用や提携 その他の対応 有事の3原則(意思決定の速さ、透明性、誠実性)、組織化、ステップ(共有化→文書化→定量測定可能に)  
-7-
3.成長戦略 (1)成長のマネジメント 成長ベクトル[アンゾフ]……製品と市場の分野に焦点をあて、独自の諸機会の特性をみいだす。 成長ベクトル図 製品と使命(ミッション)を現在と新規に分けて、市場浸透・市場開発・製品開発・多角化の4類型化。 市場浸透:市場占有率の拡大で成長する。 市場開発:新たな需要の掘り起こしで成長する。(市場を細分化) 製品開発:新製品で成長する。(PPMを活用する) 多角化:シナジーの測定と競争上の利点を評価して行う。 ※ドネリー=ギブソンは、製品と市場に分けて「製品−市場マトリックス」で戦略を説明。 H25-6:成長のマネジメント[]設問::価値連鎖と垂直統合 H26-11:Jカーブの累積C/F H29-8:成長戦略(規模の経済)   (2)多角化  既存の主事業との関係によって本業中心型または関連型に絞り、目的を集約型(シナジー重視)または拡散型(資源の一部利用で新たな蓄積を行う)に分ける。 多角化の狙い  成長機会の追求(製品ライフサイクルに対応など)、事業バランス(季節性やリスク分散)、経営資源の多重利用(範囲の経済)、未利用資源の活用(製造副産物、稼働率) 例:単一製品やサービスの市場への依存度を低くするために、異なるタイプの事業、製品・サービス分野へ進出する。 (イ)シナジー(相乗効果)  新しい製品・サービス市場分野に参入したときに、新旧の市場間に生まれる結合の効果をいい、経営資源の共有性(設備の共有、ノウハウの共有など)、相互の補完性(生産力と販売力など)などがあげられる。 H26-5:シナジー効果   (ロ)多角化戦略の分類 本業との関連性本業中心型(集約型又は拡散型)、本業関連型、非関連型。 構造水平統合(市場シェア拡大または規模の経済を求める)または垂直統合(コスト低減または市場支配力の確保を求める)、集中(共通分野)または集成型(異なる分野)。 こんな分類も内部成長方式(R&Dなど)と外部成長方式(M&A、アライアンス、アウトソーシング)。内部開発(社内で新規事業を育成する)、外部開発(既存事業あるいは企業の買収を通じた外部開発)、中間的開発(戦略的連携)。  
-8-
(3)M&A 目的M&Aは新しい経営資源の獲得を目的に、買収(発行済み株式の取得、第三者割当増資)または合併等(合併、事業譲渡、会社分割)による外部成長戦略。 種類買収には、友好的買収と敵対的買収が含まれ、合併は吸収合併と新設合併の法的手法がある。 メリット新事業立ち上げまでの時間を買う、相互の未利用資源活用、規模の経済性実現などがある。 M&Aに絡む課題・問題 ‐霾鵑限定的 経営者の心理のゆらぎ(判断の正否) E合の困難性(企業文化) た雄爐領出 ニ,竜制(独占禁止等) 敵対的買収の場合は合併比率の問題が、また友好的買収の場合は買収価額の問題が重要な問題になる M&Aのプロセス 戦略明確化 → 秘密保持契約 → 基本合意 → ヂューデリジェンス → 買収契約 → 実行 価値評価 現有資産を評価する方式、DCF法等将来の収益を評価する方式、PERなど市場の評価を用いる。 M&Aの手法 LBO……対象企業の資産や将来利益を担保に買収資金を調達する。 MBO……企業の経営陣が買収する(友好的M&A)。上場企業の経営者がLBOで自社を買収して非公開にする場合もいう。 MBI……外部の経営チームなどが買収する(友好的M&A) TOB……株式公開買い付け(敵対的M&Aの場合も)   敵対的買収を防ぐためにポイズンピル(毒薬条項)や買収防衛策があげられる。 ※水平的M&A(同一事業の企業同士)は規模の経済を追求。 ※ポイズン・ピル……大量に社債を発行して財務の体質を悪化させる[H16-15] ※コングロマリット化……関連性のない企業を買収して規模を拡大させること[H17-8] H26-4:MBIで事業承継 H29-6:M&A(MBO)  
-9-
  (4)戦略的提携 (アライアンス)  緩やかな関係の企業間協働。各々が独立性と自律性を保持している。生産委託、共同生産、共同開発、技術供与・ノウハウ提供など。外部経営資源への依存度が比較的小さい場合の戦略展開になる。 提携の種類業務提携(営業提携・技術提携・共同開発・共同事業など)あるいは資本提携がある。また、方向で分けると垂直的提携または水平的提携に類型することもある。※組織論の「資源依存パースペクティブ」も。 課題や問題コミュニケーションで信頼関係を構築する、コスト負担や利益配分に関する条件を事前に明らかにしておく、共有すべき情報と共有すべきでない情報との明確な区分け、窓口担当者(社内の調整役)の明確化、トップのサポートなど。   バーチャルネットワーク重要な資源やコア・コンピタンスの支配力を失わないように[H15-8] 成長段階別のマネジメント課題(製造業)[H16-4] 設立時:〇餠睇埖、売上の低迷、4浜体制の不備 新製品開発:.▲ぅ妊△料禄弌塀抄醗と共に)、▲法璽困亮集、H力の拡大 成長期の管理:/μ海慮限・責任の明確化、⊇抄醗との対話、小集団活動の活用、し弍弔悗了臆   ※確実に変化? 「『開発から製造まで自社で抱える』日本型の事業モデルは時代遅れ。」「"モジュール化"が進みメーカーの差が薄れた。」   H25-4:戦略的連携(戦略的連携) H28-4:[戦略的連携]オープン・イノベーションのメリット(設問1)、共同開発成果の起業(設問2) H28-9:[戦略的連携]アウトソーシング H29-4:M&A、戦略的連携  
-10-
4.経営資源戦略 (1)経営資源 ◆物的資源(ハード資源)ヒト・モノ・カネ:量が優位の源泉、配分重要。 ◆情報的資源(ソフト資源)技術・情報・ノウハウ・信用・イメージ等で、同時に多重利用でき、質が優位の源泉で蓄積重要。 ◇可変的資源外部から調達可能な資源。競争の武器にはできない。 ◇固定的資源熟練作業者、組織風土、ノウハウ、顧客の信用など。市場で買えない資源や企業ごとに異なる資源であり、無形が多い。また、多重利用可能(有形と比して)でき、競争力の源泉になる。 経営資源の評価 汎用性の程度……同質より異質性のほうが重要。 固定性の程度……企業間移動や取引・模倣が難しい程度(=吸着性)。 資源の蓄積 内部で蓄積…樟榲に蓄積:研究開発や社内研修など。当該資源の蓄積を目的に特定の経営活動を行う。間接的に蓄積:生産ノウハウなど。日常業務で副次的に蓄積されるもの。 ※競争優位の経営資源[H18-5] 自社の独自性を分析するとともに、競合品・代替財などの選択肢や関連財・補完財などの供給も考慮すべき。 ※下請関係・外注関係の要件[H15-1] ※ファブレス企業……工場を持たずに製品の企画・設計に専念する企業 ※ファウンドリー企業……顧客の設計図をもとに電子部品等の製造を請け負う企業 ※EMS企業……電子機器を受託製造する企業。 ※ODM企業……発注元のブランドや仕様に基づいて電子部品等を開発・設計し製造する企業   H25-3:経営資源(オペレーション効率) H27-3:経営資源(競争優位) H28-3:[経営資源]内部成長、ライセンシング、買収 H29-3:経営資源(VRIO)  
-11-
(2)PPM PPM図 PPMプロダクト・ポートフォリオ・マネジメントといい、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)が提唱した、多角化した事業間の資源配分(GEの事業)の分析手法。 対象事業・SBU・製品を市場成長率とマーケットシェアの2つで構成するマトリックス上に位置づける。 (イ)SBU 企業全体をSBUのポートフォリオとして考える  SBUは戦略的意図を持ち自主性をもって行動する組織単位で、戦略策定、実態把握および業績評価の単位となる。  SBUは独自の戦略的計画をたてることができ、1つあるいは複数の事業部で構成する場合、事業部内の一つの製品ラインの場合、特定の単一製品あるいはブランドである場合など様々になる。 ※SBUの要件〔棲里房永未気譴詁伴のミッションをもつ。独自の競合者が存在する。責任ある経営管理者がいる。ぐ貭蠅侶弍鳥餮擦鬟灰鵐肇蹇璽襪任る。テ伴の戦略的計画を立てられる。   (ロ)製品ライフサイクル 導入期、成長期、成熟期、衰退期の各段階におけるキャッシュ・フローのインとアウトが異なる。(これにより、各段階で行う競争戦略やマーケティング戦略が異なる)   H26-1:製品ライフサイクルの戦略   (ハ)経験曲線 経験曲線効果累積生産量が多くなるほど単位当たりのコストが逓減する。学習効果によるもので学習曲線ともいう。コストリーダーシップの根拠になる。 PPMは経験曲線効果と製品ライフサイクルによる製品(開発)への資源投入戦略で、負け犬問題児金のなる木花形製品(スター)の事業の流れと資金の流れを示す。  市場へ製品を投入し、拡大(問題児のシェア拡大)・維持(金のなる木のマーケットシェア維持)・収穫(短期資金の流入を狙う)・撤退(事業売却や撤退:負け犬・資金投入しない問題児)を行う戦略。(下図参照)  
-12-
(ニ)市場占有率 当該産業における事業・製品の相対的シェア。 相対的シェアが大きいほど累積生産量も多く、相対的コストで強い競争的地位を占めることができると考える。   ポートフォリオのプラン PPM資源フロー図 〔簑蟷のシェア拡大を図る(拡大策) ▲沺璽吋奪肇轡Д△琉飮(金のなる木のシェア維持策) 資金の確保(金のなる木からの収穫策) せ業の清算や売却(負け犬や資金投資しない問題児事業の撤退策) 問題点:経営資源のうち資金のみを扱う。 課題:資金以外の資源の最適化も必要。   ※ビジネススクリーン  市場魅力度と競争地位のマトリックスで、それぞれを3段階(高・中・低)に分けて9ゾーンにし、積極的に投資して成長させたいSBU、投資の維持または中止の選択を要するSBU、収穫または廃止すべきSBUを位置づける。
 市場魅力度は、市場規模・市場成長率・利益・競争度・変動性・季節性・規模の経済・学習曲線で評価する。競争地位は、相対的マーケットシェア・価格競争力・製品の質・顧客(市場)の知識・販売効率・地理的カバレッジで評価する。
※リストラクチャリング事業構想に合わせて不採算分野を縮小し、成長分野への経営資源の重点投資を図る[H16-5] ※成長戦略の課題〜択と集中だけでは限界がある。蓄積技術に外部技術を加えるなどで外部資源の活用・利用が必要。
▲螢好螢薀チャリングだけでは競争に勝てない(コア・コンピタンスの認識と成果の実現:チェンジエージェント、トップダウン化)
※会社が大きくなり士気が低下。傳坦萋阿鮗損椶靴突イ譴寝善を表彰、経営計画策定に参加させ経営責任を共有、5’淑未冒反ナ埓して権限と責任を明確に、ど塰を聞きつつ配置転換も[H16-4] H25-2:PPM H26-6:PPM H26-7:経験曲線・経験効果 H27-1:PPM H28-2:PPM プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント H29-2:PPM  
-13-
5.競争戦略 エレクトロニクス業界 デジタル技術などの技術革新で、コモディティ化が進むと価格競争が激化しやすい。 業界競争の同質性[H18-2] 業界内で主力事業を行う企業は、新規事業に参入するとき類似の多角化行動を採りやすく、既存の競争関係が維持されやすい。 (1)業界の競争構造分析  業界は「お互いに代替可能な製品をつくっている集団」〔ポーター〕  業界の収益率で長期的投資収益率を確認できる。利益を生みやすい環境か、脅威を緩和する戦略は? 五つの競争要因(ファイブフォースモデル[ポーター]) 全体のバランスも重要。 次の競争構造を意識して、脅威を知り機会をみつけていく。 5つの競争要因図 ゞ罰ζ發龍チ(Rival)……競合企業が多いほど、市場の成長が遅いほど競争環境は厳しい。業界の収益率も一つの参考に。 ⊃卦参入者との競争(New Comer)……参入障壁の高さ。参入障壁が低いほど競争が激しくなる。撤退障壁(撤退のコスト、埋没コストを含めて)も考える。 B綢慇宿福Ε機璽咼垢龍式(Substitute)……代替品が出現する可能性が高いほど業界の利益への圧力は強くなる。 で笋蠎蠅慮鮠栂(Supplier)……特定の売り手が技術独占などで強い競争力があると、利益は売り手に流れ業界の利益は低くなる。 デ磴ぜ蠅慮鮠栂(User)……シェアの高い買い手がいると買い手の交渉力が強くなり、利益が買い手側に流れる。 SCPパラダイム市場構造(Struvture)が業界内の企業行動(Conduct)を決定づけ、その結果が収益性(Performance)などの成果となって表れる。競争分析はこの考えによる。 戦略グループ同じ市場でも、保有する強みと弱みが異なればとり得る戦略も異なるが、いくつかのパターンをなすとき戦略グループといい、他のグループへの異動は困難とされる。 ※同質的競争ライバル同士がよく似た競争戦略をとりながら競争する状態。 ※産業の成長が低下すると企業間の市場シェア争いは激しくなる。[H18-1]   H26-2:競争戦略 H27-5:業界の競争構造分析(タイムベース競争) H28-5:[競争戦略]業界での戦略  
-14-
(2)競争回避の戦略(非競争の戦略) 競争回避の戦略は差別化戦略、集中化戦略。具体的には参入障壁、撤退障壁、移動障壁をつくる。 差別化戦略  製品・サービスの差別化で、他社製品・サービスと機能・性能、使用法、デザイン面等の違いを明らかにする。対象を同業他社に置くか、類似用途まで広げるかで戦略も異なるが、顧客・ライバルに差別化を知覚させて競争を回避しようとするもの。 例:顧客の意見や要望を採りいれて、製品機能の充実を図り反復購入を高めていく。[H16-3] 集中化戦略……技術や販路などに集中して障壁をつくる。 例:限定した市場に圧倒的な規模の新鋭設備を建設して市場を占有する[H18-6]。 例:現場の機能別システムを一貫性ある事業システムとして構築する[H17-2]。 ※ニッチ市場の開拓は集中戦略にあたる。   「ブルーオーシャン戦略」 「新しい市場を創造して利益を獲得できれば競争する必要はない。」と考え、非顧客に注目して差別化・低コストによるバリューイノベーションを実現しようとする。例として「ウォークマン」が挙げられている。通常の競争を「レッドオーシャン」としている。    
-15-
(3)競争優位の戦略 コストリーダーシップ、差別化、集中(コスト集中・差別化集中) M.E.ポーターが提唱。市場における当該企業の占める位置。 競争優位のタイプ……価格を落とさずにコストを下げる。それとも、差別化に集中する。 競争優位の戦略の例ゞチ萢グ未慮酸瑤鬟屮薀奪ボックスにしてしまう。⇒グ明ある技術やノウハウの漏洩を防いで他社の参入を防ぐ。 戦略ターゲットの幅による戦略の違い4パターン .灰好肇蝓璽澄璽轡奪 ∈絞眠 集中 コスト集中 差別化集中 ※戦略ターゲットの幅は、業界のすべてで競争、あるいは業界の一部に限定して競争する。   (イ)コストリーダーシップ 戦略コストを下げることに集中し、規模の経済効果あるいは経験曲線効果でコスト優位に。   H28-6:[競争優位の戦略]コスト・リーダーシップ H29-7:競争優位の戦略   (ロ)差別化 戦略製品(特徴、品質、効用)の差別化に集中する。例:ハイブリッド機能を付加したり、製品ミックスの再構築。   (ハ)集中 戦略他社に参入をためらわす参入・撤退障壁をつくる。技術力・販路などで参入しにくい障壁をつくる。コスト集中と差別化集中に分かれる。 ※集中化は技術や販路などに集中して障壁をつくる   資源ベース 競争優位の源泉を企業が保有する経営資源に求める。特に、ブランド、技術、知識、ノウハウといった無形資産の価値を高く評価する。経営資源は、価値を創造する、希少性が高い、模倣が困難、代替が効かないなどの特性を持つ。  
-16-
(4)競争地位別戦略〔コトラー〕  市場において競争上の企業の占める地位を、シェアの大きさと質的競争力の大きさによって分け、採るべき戦略を整理した。 (イ)チャレンジャー  セミフルカバレッジを対象に(リーダー企業とは異なる)差別化戦略で市場シェア拡大を目指す。シェアを重視するが、非価格競争。(おおむねシェアは2位以下に位置する)   (ロ)リーダー  フルカバレッジを対象に全方位戦略で周辺需要の拡大をすすめる(同質化、非価格競争)。シェアを維持・格差拡大することが必須。(おおむねシェアは1位) 後続企業が新機能の新製品を販売してくると、類似の製品を直ちに生産して競争に挑む。[H16-10][H15-4]   (ハ)フォロワー  経済性セグメント(価格志向層)を対象に模倣戦略とコストを抑制して、生存利潤の獲得を目指す。(おおむねシェアは4位以下とされる)   (ニ)ニッチャー  特定市場を対象に集中化戦略で、製品・顧客層を特化していく。非価格競争。シェアが小さい企業。   ※制約経営資源の大きさで戦略が制約される。 ※業界の安定性鍵となる成功要因が明確で、リーダーの成功要因を採用し得る状態は業界の安定期といえる[池尾]。 ※フォロワーはチャレンジャーまたはニッチャーへの転換が必要 H28-7:[競争地位別戦略]チャレンジャーとニッチャー   (5)デファクト・スタンダード 2つの手法 クローズド・ポリシー 独創的な技術を外部に出さない政策。コスト以下もいとわない略奪的価格や、事前通告による新発売で他社品買い替えの阻止を図る。 オープン・ポリシー 独創的な技術を外部へ提供する。互換製品を含めた合計シェアの獲得、OEMとしての供給、補完財の安定的供給を狙う。オープン・アーキテクチャーともいわれる。 例:インターフェイスを標準化してオープンにし、モジュール開発を促進させる。 共通の戦略……単独では難しくネットワークが必要。 ※デジュア・スタンダード……公的機関が定める基準(例:ISO)   H27-6:デファクトスタンダード  
-17-
(6)コア・コンピタンス  顧客に対する他社に真似できない中核能力をいう。具体的には能力ベースの経営で、企業や組織の競争力、創造力の源泉としての基盤となる能力など培った経験や知識が含まれる。成立条件は、汎用性、役立つこと、独自性があること。[ハメル&プラハード] 詳細 要件‖人佑併埔譴悗弔覆りを可能にすること、⊂暖饉塒益に貢献するもの、L亙錣靴砲いもの 成立価値があり、希少性があり、特殊性(特許性、外部から見えにくい、複雑など)がある。 活用例 チェンジエージェント:リストラクチャリングを実施し、コアコンピタンスを認識して成果を出す ※その他の成立要件……VRIO又はVRINの資源ベース理論 value:有用性、rarity:希少性、imitability:模倣可能性、organization:組織、nonsubsitutable:非代替可能   競争戦略に関する事項 ※バランススコアカード「パフォーマンスドライバー」(業績の原動力となるもの) 財務・顧客・業務・学習と成長の4視点 ※協調しながら支配を回避.ルテルで他組織からの支配防止、業界標準で消費者からの影響最小化、D拘安定的な資源供給の契約締結。 モジュール化やコモディティ化(標準品化)は、差別化しにくくなる(同質化による競争の激化) ※組織単位が小さくなる(カンパニー制や事業部制など)と競争力は小さくなる ※ロックイン戦略競争優位を確保する戦略で、最初の購入後他に替えないもしくは替え難い(競争優位を確保)ようにする。ネットワークの外部性が働く。 スノッブ効果(他人と同じ物を購入したくない)や、ヴェブレン効果(高価なほど顕示的購買が増加する)など(スノッブは違うものを、ヴェブレンは高価のものを)を利用。 ※訓練された無能 → 目的・手段の解決へ  [h19_19] 「原因→結果」の解決思考を、ニーズ・満足のための手段(製品)を開発する思考へ。(ある意味では、帰納的思考から演繹的思考へ)   ※バリューチェーン原材料調達から完成品の流通・販売までの取引の流れに沿って価値を付加していく。主要活動に支援活動を加える。 「付加価値連鎖」〔ポーター〕1985年に唱える 直接顧客に付加価値をつける活動:購買・製造・出荷・販売(マーケティング)・サービス それを支援する活動:全般管理・人事労務・技術支援・調達   「デルタモデル」 業界全体を視野に入れた戦略といわれる。製品・サービスの経済性を上げる(ベストプロダクト戦略)、顧客の経済性を上げる(トータル・カスタマー・ソリューション戦略)、業界のバリューチェーン全体の経済性を上げる(システムロックイン戦略)で構成される。   H26-8:取引(コアコンピタンス) H28-8:[コア・コンピタンス]価値連鎖 H29-9:コア・コンピタンス(資金調達)  
-18-
6.技術経営(MOT) (1)技術戦略 (イ)技術戦略の策定 技術の特徴把握・評価  技術の本質を把握して、それがどう展開するかを見い出し、技術の予測を試みる。 自社資源の評価  技術環境、市場環境、経済環境、規制の分析(これらはマクロ環境分析)と、顧客・自社・競合を分析する(これらはミクロ環境分析)。 技術の革新性の大きさと、製品・サービスの付加価値の大きさで評価する。 外部資源の活用(共同開発、技術導入 等)  要因分析による技術提携の方向性(自社要因、自社と相手企業との関係、技術要因、プロジェクト関連要因、法律的・契約的要因)。技術関連度と市場関連度によって活用方法が異なる。研究委託、ライセンス、吸収合併、JV、共同研究、投資等。 特許戦略 「保護」から「積極的活用」へ ライセンスの理由特許抵触の回避、企業化・事業化に特許で障壁をつくる、不得意分野の補完、開発期間短縮、開発費用節減、権利の確保。 メリット:短期間に新技術を獲得・吸収できる。特許抵触の回避。 デメリット:技術情報流出の恐れ。制約条件が伴う場合がある。受け入れ側の技術が、受け入れる技術に見合う必要がある。 狙い:新規事業スタートの差別化・障壁化のツール。開発や事業化のためのアライアンスツール。成長のためのクロスライセンスツール。   (ロ)研究開発管理 研究開発組織(組織形態、管理者の役割、技術者の人事管理と能力開発) 組織形態:環境変化への適用を考慮すれば、マトリックス組織、プロジェクト組織、ネットワーク組織およびクラスター組織など動態的組織であること。 管理者の役割:メンバーのコミュニケーションを活発化させ、専門領域の情報・知識の吸収と蓄積を図る。部下の指導・育成と内外との折衝が中心になる。 技術者の人事管理と能力開発:適切な評価で組織目標の達成を図る。研究者には、創造性を高めるために研究者の自由度を保ちながら能力開発プログラムを行う。 研究開発計画と開発プロセス 研究開発活動のステップコアテクノロジーをスタートとして、新しい製品コンセプト → 技術コンセプト → 研究開発 → 新製品 製品開発プロセスアイデアの創出→スクリーニング→コンセプト評価→マーケティング戦略開発→経済性分析→製品化→テストマーケティング→市場導入  
-19-
死の谷とダーウィンの海  NIST(米国標準技術局:「ベンチャー企業の育成補助金」を出している)が財務省に補助金獲得用に描いた図の中。「ダーウィンの海」はハーバード大の教授が提唱  開発は、開発→事業化→産業化の段階を経るが、開発と事業化の間には「死の谷」があり、事業化と産業化の隔たりは「ダーウィンの海」が広がっていて、乗り越えなければいけない。 Basic Research Invention(開発)  「死の谷」(The Valley of Dath) Innonsation & New Business(事業化)  「ダーウィンの海」(The Darwinian Sea) Viable Business(産業化) ※「死の谷」……基礎研究と応用研究をうまく連結して製品化することが難しい。 ※「ダーウィンの海」……最新技術で開発した製品が市場で生き残ることが難しい現象。 予算管理と特許管理 研究開発効率=事業収益÷研究開発費   ※「スマイル曲線」製品のコスト構造。前工程(中間製品)や後工程(流通)はコストが高く、組立工程はコストが低い状態を表すコスト曲線   スマイル曲線図   H25-7:技術戦略 設問:完成品メーカーと部品メーカーの取引関係の変化 H26-9:研究開発(ダーウインの海) H26-10:市場の断層 H27-7:技術戦略(部品メーカー) H27-8:技術戦略(魔の川、死の谷、ダーウインの海) H28-10:[技術戦略]特許の戦略的運用 H29-10:技術経営(プロジェクトの進捗管理)  
-20-
(2)イノベーションのマネジメント 社会が求めるニーズを的確にとらえ、製品やサービスに具体化して市場に提供するマネジメント 従来型のイノベーション 基礎研究→応用研究→開発研究→実用化 新たなイノベーションスタイル ・研究開発が設計・製造・流通などあらゆる企業活動に関係する(クラインモデル) ・生産・販売の分野の担当も一緒に研究開発活動を効率的に行う(コンカレントモデル) プロセスイノベーション(どのようにつくるか)から、プロダクトイノベーション(何をつくるか)への転換が必要。 研究開発活動や技術活動から得られた知識・ノウハウの蓄積を、機能分野全般に活用していくマネジメントが求められる。   H25-8:イノベーションのマネジメント[製品・技術開発の戦略(モジュラーか擦り合わせか)] H27-9:イノベーション H27-10:イノベーション(リストラクチャリング) H29-11:イノベーションのマネジメント   (3)知識経営(ナレッジ・マネジメント) 知識変換スパイラルモデル(SECI) 共同化→表出化→連結化→内面化のスパイラル 組織知組織の潜在能力(ケイパビリティ)は企業の中核的能力であり、知識を共有する学習する組織でもある。 形式知言葉で表現できる客観的な知識で、他人に語ることができる。 暗黙知言葉で表現できず、経験に基づく主観的な知識。 暗黙知と形式知及び個人と組織の相互作用 連結化形式知→形式知 新商品の販売マニュアルの説明 共同化暗黙知→暗黙知 新プロジェクトの合宿で、メンバーの相互理解のための徹底した議論で、人柄や経験を共有 表出化暗黙知→形式知 ベテラン営業マンが新人に営業の本質を伝えようと、比喩などを用いて熱く講義する。メタファーの利用。 内面化形式知→暗黙知 新人研修後半に行われる実地研修 ※メタファー…あるものをシンボルとして思い描くことで、別のものを直感的に理解する方法。  
-21-
7.国際経営(グローバル戦略)  世界的な規模で企業活動の統合をはかったり、各国間での連結を維持することによって国際的競争優位を確立する戦略。  製造・研究開発などの活動を1国に集中配置することで、規模の経済性や習熟効果といった低コスト優位を確保する。  マーケティング活動等は現地市場に適応するために各国に分散されるが、グローバルな調整を通じてノウハウや専門知識などの経営資源を共有し合い、効率性を高めることができる。 手法:多角化 + PLCのズレを利用 または 多角化 + 最適生産要素 グローバル・マーケティング・マネジメント  全世界を1つの市場としてとらえながらも過度の標準化を避け、各国ごとの多様な要求を尊重する。  各国で異なる市場ニーズに応えるためには、製品の多様化も必要になる。しかし、多様化は規模の経済を犠牲にしやすいので、標準化と多様化の双方を高次元で達成するためには、各国における製造事業の統合化や調整が不可欠になる。 つまり、規模の経済を維持しつつ、製品の多様化・ローカル化を達成していく必要がある。 国際マーケティング 輸出のマーケティング自社の販売組織による海外市場の開拓政策 輸入のマーケティング国内で販売するために海外で製品を調達する 多国籍マーケティング海外に生産拠点をもつ多国籍企業が、グローバルな戦略に基づいて行う世界的規模の政策。 各国ごとに個別マーケティングを展開する(ローカル戦略) 世界を1つの市場として世界共通のマーケティング政策を行う(標準化戦略) プロダクト・サイクルモデル(レイモンド・バーノン) 国際ビジネスを「新製品開発段階」「成熟段階」「標準化」の三段階に分類。新製品は所得が高く市場が大きい先進国(米国)で開発・生産され、製品需要が拡大する「成熟段階」は標準化が進み価格競争になるため他の先進国への輸出が拡大される。このとき海外に直接投資され、「標準化」段階では安い要素コストを求め発展途上国へ生産シフトする。結果としてそこから先進国へ輸出されていく。 OLIパラダイム 海外生産をするには3つの要素が同時に満たされる必要がある。資産優位と取引優位の「所有特殊的優位(ownership-specific-advantage)」、資源確保などの現地の特殊性である「立地特殊的優位(location-specific-advantage)」、内部取引や現地生産が有利とする「内部化優位(internalization-specific-advantage)」である。 国際製品戦略 海外へは、々馥發醗曚覆觴鑪爐、国内と異なる仕様にするか。
,両豺腓魯沺璽吋謄ングコストが増える。
ボリュームゾーン 新興国市場の中間層をいい、今後この市場を確保すべきとされている。この層から上位顧客層へと展開できるから。 ※近年の海外進出は、現地で生産し現地で販売するケースが増えているようだ。企業側からみると経営資源の分散配置は非効率と考えられるが、進出国の経済成長を考慮した現地生産が選択されていると考えられる。特に新興国への進出は、現地生産・現地販売の一体化が効果を上げているようだ(特に、一定の人口規模があり需要が見込まれる場合)。 H25-9:国際経営(国内・海外進出戦略) H26-12:海外でのモノづくり H27-11:国際経営(中堅中小企業の進出) H28-11:[国際経営]エレクトロニクスメーカーの苦境(設問1)、自動車産業の生産体制(設問2) H29-13:国際経営(多国籍企業)  
-22-
8.企業の社会的責任(CSR) 企業に社会性、公益性、公共性を求める。 社会性(社会に製品を提供)・公益性(利害関係者に)・公共性(コーポレート・シチズン) コーポレート・ガバナンスディスクロージャー、IR活動で対応して株主主権又は経営のオープン化を進める。 活動:フィランソロピー(社会活動)とメセナ(文化活動) 内部統制報告制度金融商品取引法で規定し、決算が正しい手続きで作成されたことを保証する仕組み。 目的業務効率化、財務報告、コンプライアンス、資産の保全 内容業務のフローチャート、仕事手続きの文書化 罰則虚偽の記載が報告書にあった場合 課題経営者の自己評価に重点を多き、監査人が点検する「ダイレクト・リポーティング」を採用していない。   H25-10:企業の社会的責任(設問:老舗企業の組織文化) H26-13:企業の社会的責任(社会の期待) H29-12:企業の社会的責任(突発的な災害)   9.その他経営戦略論に関する事項 執行役員制度会社法上の取締役ではない執行役を設けて、経営と執行を分離した制度。従業員主権→株主主権へ移行するための方策で、従業員に対する執行役と取締役による経営を分離。   ※ 実務・実社会 動態的戦略身軽(ファブレス、共同開発など)なことは切り替えが容易。内製化もときとして足手まといに。任天堂とソニー(半導体スペックを追いかける)の対局性 蓄積技術+外部技術  特に関連する科学分野の技術へ目を向ける 産業集積のメリット[H18-8]他    
-23-
参考図書 経営学大辞典 神戸大学大学院経営学研究室編 1999 現代経営診断事典 日本経営診断学会 同友館 1994 経営学総論要説 井上薫著 晃洋書房 1996 経営管理の基礎 村松司叙著 同友館 1991 経営管理 野中郁次郎著 日本経済新聞社 1990 中小企業診断士試験問題 平成13年〜29年 中小企業診断協会  他 学習ノート