組織論・人的資源の学習ノート表紙
             −目 次−  凡例:[page]

1.経営組織の形態と構造………………………………………………………………………………1
(1) 組織形態[1]
   職能制組織、機能別組織、事業部制組織、マトリックス組織
(2) 組織の構成原理[2]
   コミュニケーション、命令の一元性
   分業・専門化と調整、権限と責任

2.経営組織の運営………………………………………………………………………………………4
(1) 意思決定システム[4]
(2) モチベーション[5]
   マズローの欲求段階説、ハーズバーグの2要因理論
   ブルームの期待理論
(3) モチベーション管理[7]
(4) モラール管理[7]
(5) リーダーシップ[8]
   特性理論(資質論)、行動理論、二次元論、状況理論
(6) 経営者・管理者行動[11]
(7) 組織と文化[11]
   経営理念、組織風土と組織文化
(8) 組織活性化[12]
   一体化度、無関心度、組織開発、小集団活動
   ナレッジ・マネジメント/組織学習
(9) 組織間関係[15]
   組織間関係の類型、分析モデル、ネットワーク組織
(10) 企業統治:コーポレート・ガバナンス[18]
(11) 組織のパワーとポリティクス[18]
(12) 組織変革[19]

3.人的資源管理…………………………………………………………………………………………21
(1) 労働関係法規[21]
   労働基準法、労働組合法、労働安全衛生法
   労働保険、社会保険、労働者派遣法
(2) 人事・労務情報[25]
   職務分析の意義と方法、人事考課の意義と方法
(3) 雇用管理[26]
   採用、配置、人事移動・昇進、資格制度
(4) 能力開発[28]
   教育訓練・能力開発の種類(階層・目的)
   能力開発の方法、能力開発の意義と方法
(5) 賃金管理[29]
   賃金体系、基本給類型の体系、職務評価方法
(6) 作業条件管理[30]
   労働時間管理、労働安全管理、労働衛生管理
(7) 経営戦略と人的資源管理の適合性[31]

4.その他組織論に関する事項…………………………………………………………………………31

参考図書

リンクの参考資料	p1〜p24
 一人ではできないものが組織でできることがある。組織の定義はバーナードに従うと、二人以上の人々の意識的に調整された活動や諸力の体系である。また、組織は環境変化に対応できる有機体である。さらに、人(個人)は間違うこともある人間観(経営人モデル)で考える。 1.経営組織の形態と構造  組織構造は構成員の活動の過程を生み出す仕組みで、組織目的達成のために効率的な形態が求められる。 (1)組織形態  組織形態は、一般的に職能分化と権限関係で類型化する。伝統的組織論では、機械的組織と有機的組織に分けているが、コンティンジェンシー理論<詳細>によって「環境に対応する組織」が一般的とされている。 (イ)職能制組織  職能別に指示命令系統がある組織(ファンクショナル組織のような組織)で、組織の下位者は複数の職長から指示命令を受けることになる。集権組織。 (ロ)機能別組織  機能別に指示命令系統がある組織で、下位者は一人の上司から指示命令を受ける。集権組織。 メリット専門化の利益を享受、共通費の節減、中央集権的管理 デメリット過度の中央集権化、意思決定の遅れ、責任体制が曖昧 (ハ)事業部制組織  事業別・市場別・製品別に利益責任単位として成立(プロフィットセンター化)し、多角化に適す。分権組織。 メリット利益責任が明確、経営の機動性向上、経営者の育成が可能 デメリットセクショナリズムの発生、組織面・設備面で重複する、短期業績志向、人事の硬直化 (ニ)マトリックス組織  機能別の軸と製品別(あるいは事業別)などの2軸で構成する組織。部門管理者とプロダクトマネージャーが縦横に管理する。 メリット環境変化に対応しやすい。有能な人材を活用できる。 デメリット上司が2人のため相反指示に困る「2ボス問題」。権力争いが起こりやすい。調整活動が必要。 ※プロフィットセンター……利益責任単位、いわゆる独立採算性の組織単位。 ※プロダクト・マネージャー……製品別の製品管理スタッフなど。組織の動態化が進む。 ※集権化・分権化は、決定権限を持つ階層レベルが上位にある程度を指す。但し、権限の種類で異なる場合がある。 そのほかの形態関係   <組織形態の進化 課制廃止→部制中心:階層短縮、フラット化によって意思決定を迅速にする。 ネットワーク組織:市場の成熟化に対してタテの権限を極力排除し、ヨコ(部門間)の関係に緩やかな連結関係をもたせて分権化を進める形態。 SBU……戦略的事業単位。戦略的使命を独自に持つことで効率的な資源配分を図る事業単位。事業部制のセクショナリズムや資源の重複による弊害排除をするため考えられた。例:企業内で、同一製品市場で、競合関係にある部門をグループ化する。 カンパニー制……人事や予算などの権限を委譲して経営責任を負わせる。社内資本金で資本効率も問う。純粋持株会社に代わりつつある。 ※これらはどれも、明らかに意思決定の分権化が求められている。 H28-12:[組織形態]機能別、事業部制、マトリックス H29-14:組織形態(構造デザイン)  
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(2)組織の構成原理  組織とは、ニ人以上の人々が共通目的達成のために、コミュニケーションを行いつつ意思疎通を図って調整しながら貢献する協働システム、とされる〔バーナード:協働体系論〕。  組織の成立要因は、コミュニケーション・貢献意欲・共通目的〔バーナード:協働体系論〕。(組織存続のための中心的命題)  組織が有効に機能するためには一定の構造と過程が必要である。これは、組織構成員の活動を規制する程度で、構成原理といわれる。   (イ)コミュニケーション  「伝達」であるが、意思の伝達のほか共通の目的そのものの伝達や、メンバーに対する誘因も伝達に依存する。情報が伝達され、受け入れられ、かつ正しく理解されて相手の意思決定や行動に影響を与えることも含んでいる。さらに、伝達経路や伝達先並びに内容が予め計画されている。 組織は情報処理システム(情報処理パラダイム)。処理能力を高めるには (a)部門間調整に必要な情報処理量を減らす (b)組織全体の情報処理能力を高める <ネットワークの特徴>   (ロ)命令の一元性  下位者への命令は1人の上司だけから与えられるべき。命令系統が複数になると下位者は混乱し、命令による首尾一貫性がなくなり組織秩序が乱れる。   (ハ)分業・専門化と調整  職務を細分化して同じ内容の重複を避ければ効率的に遂行できる(分業の効果)。 ※これとは別に、仕事の範囲を限定して特化する専門化もある。分業化は人の能力を集中させるし、専門化は資源の集中投入になる。いずれも集中化で効率化する。但し、過度の専門化は職務を単調にしてしまう恐れがある。 ※職能を分化したものは一般にヨコの分化といわれ、ファンクショナル組織のようなもの。 ※階層を分化したものは一般にタテの分化といわれ、ライン組織のようなもの。   組織を構成する役割:金井壽宏 変革のエージェント未来・戦略へ注目しながら人々を管理する。企業が求める人材像を明らかにする。 戦略のパートナー未来・戦略へ注目しながらプロセスを管理する。企業戦略に基づく事業戦略の構築。

 

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(ニ)権限と責任  権限は業務を正式に遂行できる権利ないし力であり、責任は業務を遂行する義務にあたる。組織目標の達成に必要な業務が部門・部署に分割されるが、それぞれに割り当てられた業務を果たす責任と、業務遂行に必要な権限も配分される。これは「権限と責任の一致」が伴ってはじめて各組織間の調整や統制が可能となり、組織は一体化する。  一定の職務に必要な権限と責任を与えられた組織上の地位は職位といわれる。 そのほかの構成要因 階層化の原則  組織を垂直的に業務の執行レベルと管理レベルに分化し、さらに管理レベルを必要に応じて分化すること。この原則に従えば、トップから末端まで権限のラインが成立する。命令や報告の伝達はこのラインに従うべきとする。 統制範囲の原則(スパン・オブ・コントロール)  一人の監督者が部下を統制できる範囲には一定の限界があり、この範囲を超えるときはその職務を他に委譲しなければならないと考える。 古典的組織の原則論(一例)   企業の成長と組織形態  一つの事業を行う規模の段階では、生産や販売などの機能別組織で事業活動する。分業のメリットや専門化、集権化が享受できる。その後事業規模が拡大して多角化が進むと、事業部制組織にして独立採算が進められる。分権化の組織だが、資源配分の重複や全体的に柔軟性が不足しやすい。さらに事業の拡大に伴いSBUを構築していく。   官僚制組織:合理的に管理運営ができるシステム> ※公式組織意識的に調整が行われる諸活動の体系 ※非公式組織無意識的に調整される諸活動の体系。経験を長く共有すると、各人の行動は「無意識的・暗黙的な調整」によって相互作用を生み出す。   H25-11:組織の構成原理(企業組織の設計) H26-14:組織の構成原理(組織コントロール) H27-12:組織構成原理(情報処理システム) H28-13:[組織の構成原理]部門間調整と組織編成 H28-14:[組織の構成原理]官僚制の逆機能 H28-15:[組織の構成原理]チーム型作業組織 H28-16:[組織の構成原理]プロダクトマネジャーと機能マネジャーのマトリックス組織 H29-15:組織の構成原理(コントロール) 組織形態の特徴比較
組織形態の特徴比較……不確実性と多角化[H15-17]

 

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2.経営組織の運営 経営組織と戦略 相互浸透モデル[チャンドラーとアンゾフ]組織と戦略は相互に影響する。 「戦略は組織に従う」[アンゾフ]戦略は組織のソフトウェア面から生まれる。 「組織は戦略に従う」[チャンドラー]戦略に合った組織構造が整う。 戦略志向組織の5原則[キャプラン]\鑪を現場の言葉に置き換える ▲轡淵検爾鮴犬濬个垢燭瓩冒反ヂ里鯤向付ける 戦略を社員全員の日々の業務に落としこむ だ鑪を継続的なプロセスにする ゥ肇奪廚離蝓璽澄璽轡奪廚琶儚廚垢襦 7Sモデル(組織の包括的概念[ピーターズ])…変革に必要な7つの変数 ハードのS:戦略(Strategy)、組織・構造(Structure)、機能・仕組み(Systems) ソフトのS:人材(Staff)、ノウハウ(Skills)、行動スタイル(Style) 企業の価値(Sharedvalue) (1)意思決定システム 意思決定  何らかの問題に直面した場合に、それを解決するために代替案をあげ、それぞれの代替案がもたらす結果を明らかにし、その結果を一定の基準に基づいて評価し、最も望ましい案を選択すること。  この意思決定は、実際に現れた具体的な行動の背後にある作用であり、行動の可能性の中より選択を行うことを意味している。つまり意思決定は企業活動の基礎であり、どのような事業を行うか、どんな組織構造をとるか、どこから資金を調達するか、どんな新製品を開発するか、製品の価格をどのような水準に設定するかなど様々な意思決定に基づいて企業活動が行われる。  意思決定は代替案を列挙し、代替案ごとの結果を予測し、結果予測を比較して評価するという一連の過程をなす[サイモン]。   意思決定の分類 戦略的意思決定管理的意思決定業務的意思決定[アンゾフ] 意思決定のタイプ 定型的意思決定非定型的意思決定[サイモン] ※過程が重要とする(組織的意思決定)。  定型的な意思決定(反復的な性格の決定で、決定処理手続が明確にされている)と非定型的な意思決定(問題の構造が複雑で、それに対処するための型にはまった解決方法がないような場合の意志決定。従って、その都度問題に合わせた情報処理が必要で、高度の不確実性が伴う。)がある。 意思決定前提(サイモンの意思決定論)  意思決定には事実的要素と倫理的要素が含まれる。これを意思決定前提といい、事実的要素を事実前提、倫理的要素を価値前提と呼ぶ。おおむね事実前提は手段に相当し、価値前提は目的に相当する。また、価値前提はあるべき姿にもつながるために検証が難しいので、意思決定の客観性の合理性という課題を伴う(経営人モデルへ展開)。これらから管理者は、組織構成員の意思決定前提に影響を与えることで、その意思決定を組織目的に導くことができるとされる。 組織的意思決定の理論[サイモンら]  組織的意思決定は、組織目的を達成するために組織構成員の行う意思決定のことで、その過程は、組織目標の設定過程、代替案の探求過程、代替案の比較・選択過程、実施過程、結果の統制過程からなる。
 組織構成員は、二重の人格(個人人格と組織人格)をもつ。それゆえに誘因と貢献のバランスをはかり、組織的意思決定の効率をいかに高めるかが重要な問題。
意思決定プロセス 上記の過程を情報収集活動、設計活動、選択活動とした。[サイモン] ※意思決定前提と意思決定プロセス(または過程)は同じ意味に解釈できそうだ。 H26-15:組織と戦略 H27-13:組織と戦略(意思決定)  
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(2)モチベーション(どうすれば人は仕事に積極的に取り組むか)  モチベーションは組織構成員の行動エネルギー、行動の方向、並びに行動の持続性を説明する概念。動機づけにあたるが、「仕事モチベーション」や単に「モチベーション」または「仕事意欲」ともいう。バーナードに従うならば組織への貢献意欲に相当する。 二つの体系何によって働くことに動機づけられるか(動機づけの内容)と、どのように動機づけられるか(動機づけの過程)に分けると次のようになる。<二つの体系:各理論概要   動機づけの内容 (a)行動を動機づける特定の個人要因……欲求理論に代表される。 自己実現モデル(欲求段階説)……マズローの欲求段階説 ERGモデル……基本的欲求(生存欲求)・関係欲求・成長欲求 X理論・Y理論……マクレガー、X理論(性悪説)とY理論(性善説) (b)行動を動機づける個人にとっての環境要因の理論……ハーズバーグの動機づけ理論(ニ要因説) 二要因説……ハーズバーグ:動機づけ要因と衛生要因 達成動機説……マクレランドの動機理論:達成欲求、権力欲求、親和欲求   動機づけの過程(心理的メカニズム及びプロセス) (a)動因理論……モチベーション=動因×習慣 (b)公平理論 認知的不協和理論 公平理論または不公平理論 (c)期待理論……モチベーション=期待×誘意性 (d)目標設定理論    
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(イ)マズローの欲求段階説  すべての人は全体を見通したい、成長を続けたいという生来の欲求があり、自身の潜在的な能力を最大限発揮したいという欲求をもつ。 特徴:〕澣瓩充足されると元に戻らない、■誼奮の欲求(生理的、安全性、社会性、自尊的(自我)、自己実現 +「創造の喜び」) 自己実現モデル   (ロ)ハーズバーグの2要因理論:(動機づけ−衛生理論) )足要因(動機づけ要因) 仕事そのものに関係し、直接動機づけとなるもの。アブラハム的(人間観)で成長創造的。 仕事の内容・責任、仕事の達成、達成の評価などが充足されれば満足となり動機づく(内発的欲求)。「職務充実」で満たすことができる。〔アージリス:未成熟−成熟理論〕 不満足要因(衛生要因) 仕事の周辺的で環境的なもので、充足されなければ不満足となるもの(満たされても必ずしも満足ではない)。アダム的で苦痛回避的。 賃金、監督方法、経営政策、作業条件、人間関係などの仕事環境条件(外発的欲求)。 「従業員の意欲を引き出すのは動機づけ要因である。」 ※ハーズバーグは「職務充実」の概念を提唱し、職務充実、職務拡大政策へひろがる。 ※アブラハム的(人間観):人間的欲求をもつ。⇔アダム的:動物的欲求をもつ。   (ハ)ブルームの期待理論  モチベーション=期待×誘意性  仕事に対する努力が報酬をもたらすという期待と、その報酬の主観的価値(誘意性)との積により、成員のモチベーションは決まる。 結果の期待と報酬で決まり、個人で異なる。価値や選好を変えるダイナミズムのプロセスモデル ブルーム及びポーター&ローラーの期待理論(状況適応論) 動機の強さ=結果の期待×結果の報酬 動機づけ:ヽ鞍的動機(環境による動機づけ)、内発的動機(自分自身による動機づけで、仕事の内容そのもの) ※「期待理論」個人の努力が結果に結びつき、報酬が得られてその魅力があれば動機づけられる。 ※モチベーションには能力が必要。「モチベーション×能力=業績」   「モチベーションのABCD」ノーリア モチベーションは4種の欲動(drive)によるとする。Acquire(獲得):給与・昇進・評価など得たいと願う感情、Bond(絆):個人や集団との結び付きを求める感情、Comprehend(理解):取り巻く世界を理解したい、Defend(防御):脅威から守る感情の何れかによるとする。 適応的動機行動モデル〔マーチ=サイモン〕   H25-12:モチベーション(チーム活動)  
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(3)モチベーション管理 動機づけは生産性向上の有力な要素だから管理していく 内発的要因と外発的要因  個人の内にあるものを行動の源泉として仕事へ動機づけられるものを内発的要因とよび、賃金・給与、人間関係、フリンジベネフィット(給与以外のもの)は外発的要因とよぶ。 内発的モチベーション管理  モチベーションの要因は外発的要因と内発的要因に分けられるが、内発的要因を積極的につくることはモチベーションを高揚するために欠かせない。自ら進んで働きたい意欲を自然に醸成することがモチベーション管理の基本。ただ、外発的要因によってその効果を失うこともある。   モチベーション管理の具体策 成果主義QWLコンクリフト解消 成果主義 適正な評価と成果を上げる支援が重要。心理的報酬等の必要性あり。 QWL(労働生活の質的向上を進める諸施策) 職務再設計……職務充実、職務拡大、ジョブローテーション 自律的集団活動……小集団活動 経営参加……労使協議制、従業員持株制 職務充実……垂直的範囲拡大〔ハーズバーグ〕……管理の幅(判断の幅)を広げる 職務拡大……水平的範囲拡大〔アージリス〕……職務の幅を広げる コンクリフト解消・モラール向上策 労使協議制、職場懇談会、苦情処理制度、カウンセリング、社内報、提案制度、自己申告制度、目標管理制度、モラールサーベイなど   H26-16:モチベーション理論 H26-17:モチベーション管理(目標管理制度) H27-17:モチベーション管理(職務拡大) H29-16:モチベーション管理 H29-18:モチベーション管理(キャリア概念)   (4)モラール管理 モラール 勤労意欲または士気。集団のメンバーが目標達成に向けて積極的に協働する心理的態度。 モラール向上策 雇用の安定、作業環境の改善、公正な賃金制度、経営参加。
具体例:人事異動、ジョブ・ローテーションなど。
  H27-16:モラール管理(組織的公正)  
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(5)リーダーシップ リーダー個人の資質に対する理論と、リーダーの行動に対する理論に分けることができる。 (イ)特性理論(資質論)……リーダーに求められる資質とは何か リーダーの資質タイプ……一般に、民主型の方が専制的より望ましい。[アイオワ研究] 放任型リーダーシップの放棄、集団行動に一切関与しない。 専制型リーダーはフォロワーの意図関心には関係なく、すべての事柄を決め、フォロワーはそれに従うだけ。 民主型フォロワーが何を考え何を期待しているのかを考えながら、集団を方向づけるようなリーダーシップ。 レビンのリーダーシップ類型論 ‘蛤朷拭´¬閏膩拭淵蝓璽澄爾僚力で集団討議し決定する) J任型 リッカートのシステム4理論……システム1から4へ順に生産性が向上する。[ミシガン研究] システム1:独善的専制型リーダーシップ(搾取的権威主義型) システム2:温情的専制型リーダーシップ(温情的権威主義型) システム3:相談型リーダーシップ(協議型) システム4:参加型リーダーシップ(参加的集団管理型) 管理者による各人への支持(「支持関係の原理」)と、「集団的意思決定」によって高い業績目標(「多元的重複集団行動」)が達成される 連結ピン理論……リッカート:管理者は「連結ピン」  ある集団のリーダーは同時に2つの集団の構成員になっており(課長は課のメンバーでもあるが、部会議のメンバーでもある)、その2つの集団型組織をつなぐ連結ピンの役割を果たす。 組織の凝集力を強め、組織成果を高めるために、中間管理職の連結ピンとしての役割が重要になる。   (ロ)行動理論……普遍的にとるべき行動を類型化 リーダーの次元 配慮に対する行動と体制づくりに対する行動[オハイオ研究] ★1 配慮メンバー相互に生じる緊張やストレスを和らげ解消し、人間関係を友好的に保つように働きかける行動。 体制づくりメンバーのさまざまな関心や行動を、集団目標の達成のために一つの方向に向けて動因し、効果的に統合するような行動 ※アイオワ研究では、タスク(仕事を達成するという課題)指向のリーダー行動を「構造創始」とよんでいた。ほぼ、「体制づくり」と同じ概念。 行動次元 従業員指向と生産性指向[ミシガン研究] ★2 従業員指向……現場で働いている人々に関心を向け、その人々の福利を重視する。 生産性指向……職場集団がいかに効率を高めて生産的であるようにするかに関心を向ける。 次元間の機能関係 リーダーの役割は、課題領域の専門化と社会情緒領域の専門化を果たすこと[ベールズとスレーター]。  2つの専門化の働きはそれぞれ独自に動き、一人の人が同時に果たすことは難しい(2つの軸は直行軸)。現実には、時間経過によって2つの役割は異なる人に分担されるようになり(「役割分化」)、2人のリーダーの連携によって望ましい成果を得ると考えた。 自己実現人モデル  マズローの欲求段階説の中心概念で、自己の能力・資質を最大限発揮し、自己を完成させたいという最高次の欲求。
 自己実現をめざす人間像は、リッカートやハーズバーグらの行動科学者の理論展開の基礎となる。
参考:自己実現モデル  
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(ハ)二次元論:(二次元マトリックス) リーダーシップの二元論 組織づくりと配慮      ★1 生産指向と従業員指向    ★2 業績への関心と人間への関心 ★3 P機能とM機能        ★4 権威的次元と民主的次元 達成機能と維持機能 マネジリアル・グリッド論……ブレークとムートン ★3  仕事(業績)への関心と人(部下)への関心の二次元で升目(グリッド)をつくり、そこにリーダーシップスタイルを類型化した。「マネジリアルグリッド」  各軸を9つのレベルに分け、合計81個の類別から1・1 型 → 9・9型までの5つを代表的スタイルにした。両次元とも最も関心が高い9・9型をチーム型管理者として目指すべきスタイルとした。※教育訓練等で実践的に用いられている。 PM理論……三隅二不二 ★4 業績達成機能(パフォーマンス:P)と集団維持機能(メンテナンス:M)の2軸で描く。 各軸を強と弱の2つにわけて4つの象限を設け、pm → PMとする。PMは両機能の最高を示す。    
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(ニ)状況理論:取り巻く環境条件の状況把握が必要である、と考える。 リーダーシップの状況理論  最も有利か最も不利な状況では課業指向型のリーダーが高い有効性を発揮し、中間的な状況では関係性指向型のリーダーが高い有効性を発揮していることが確認されている。 フィードラーのリーダーシップ論 (下記も参照) .蝓璽澄爾涼楼漫´∋纏の構造 信頼関係 良いまたは悪い→仕事指向 中間→人間指向 3次元有効性理論 リーダーシップの有効性は部下がリーダーの行動をどう認知しているかに依存することが報告されている。[レディン] 経路−目標理論(パス−ゴール理論) オハイオ研究(ハウスとテスラー)。動機づけるには目標達成の道筋を明示すること。フォロワーに受け入れられること。要因は、仕事環境の不確実性と成員の仕事能力。 その他 境界機能仮説……ミラー・ライス 役割セットモデル……ペファー=サランシック 状況適応的リーダーシップ論(フィードラー) 対人関係における寛容さの程度をLPCで測定。※LPC:対人関係への寛容さ(least prefered coworker) 高い得点は配慮に関心を示すリーダーで、低い得点は体制づくりに強い関心を示すリーダーである。体制づくりに強い関心を示すことが好ましい状況ならよい成果を得られる。※配慮≒人間指向、体制づくり≒課題指向。 詳細 SL理論:ハーシー&ブランチャート SL:Situational Leadership 仕事指向と人間指向  部下の成熟度(自律性)に応じたリーダーシップの取り方を示す。リーダーの課業行動(仕事)をX軸に、関係性行動(人)をY軸におく。 指導 → 説得 → 相談 → 委任となる。 リーダーシップ論の整理 【★H14_11:動機づけ理論5つ】   H25-13:リーダーシップ(期待理論) H27-14:リーダーシップ(バーナード理論) H29-19:リーダーシップ  
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(6)経営者・管理者行動 管理者の役割は、組織の秩序を維持し、資源を有効活用すること。 経営者や管理者の対人接触と時間配分に関する研究として、管理者行動論がある。 アンケートによって管理者の行動を調べると、〔ミンツら] ヾ浜者の活動は小刻みで、一人で思考に専念する時間が10〜20%台。それ以外は多種多様な対人接触に費やす。(断片化) ⊆動的に対人接触を(相手に合わせて)行う。儀式などへの参加が戦略策定などより多い。儀式などへの参加は42%、戦略策定は31%。(受動性) 4浜するユニット内の部下との接触時間は半分にも満たない。過半が対外的活動で、それは他部門への影響力行使(中には調整などもあろうが)、社外人との接触の重要性がみれる。(対外的活動) な現颪筌瓮發茲蝓口頭がはるかに多い。(口頭コミュニケーション)、がみられた。   (7)組織と文化 (イ)経営理念  経営理念とは経営活動に対する指針で、メンバー個々人の価値前提の統一(経営理念の役割)。  経営理念の機能 経営理念による価値前提の統一は、全体の価値観が形成されて企業文化を成していく。 ‘盂阿房┐后並故意義を明確に) ▲灰鵐侫螢トの解消 5属意識・一体感を高め企業文化を醸成。   (ロ)組織風土と組織文化:メンバーが共有する考え方・見方・感じ方 組織風土は組織構成員の満足やモチベーションなど知覚された組織特性のことで、測定可能なもの。 組織文化構成員によって共有された価値・規範・信念の集合体で、測定できないものもある。企業文化ともいう。  組織文化を形成する要素は組織のサイズ、技術、組織デザインで異なるが、組織構成員が知覚し、共有し合って組織文化をつくる。 〜反イ硫礎祐僉淵皀船戞璽轡腑鵝判断、コミュニケーション) ▲僖薀瀬ぅ燹弊こΥ僉 9堝圧範 組織文化を形成する機会 ゞ畧楡(近くにいるほど形成しやすい) 同質性(似たもの同士なら形成しやすい) A蠍澎預言(持ちつ持たれつの関係) ぅ灰潺絅縫院璽轡腑鵝Ε優奪肇錙璽(意思疎通の程度) サ属意識の高まり 組織文化の機能 .皀船戞璽轡腑鵝米圧,鼎院砲鮃發瓩襦↓判断基準を持つ(意思決定が早くなる)、コミュニケーションが効率的になる。  留意点……〇弭様夕阿離僖拭璽鷁宗↓⊆己保存機能(思いこみ、しがみつき)  経営理念を企業文化に浸透させる方法 ゝ啓阿筌札譽皀法次↓▲轡鵐椒襦ι従檗↓8生譟扮8譴魎泙燹法↓な語、伝承 H25-14:組織と文化(複合組織の環境対応) H27-15:組織と文化(心理的契約)  
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(8)組織活性化 組織活性化とは 〔槁犬琉貘硫企業目的の遂行が個々の欲求を満たすこと。 ⊆臑寮を高めて能力を向上させる職務が従業員の主体性や欲求を満足させるものであり、能力向上に資するもの。 7觜腓靴討い構成員が組織目的に向って有機的に結合している。 分化と統合理論[ローレンシュ&ローシュ]……コンティンジェンシー理論へ 環境の不確実性は、組織内部の部門間の分化と統合に影響する。 分化……異なる部門管理者間で認知・志向に差異がみられると部門間調整は困難になる。 統合……分化した組織間の調整程度 .魁璽妊ネーター等のリエゾン担当者を活用 ※リエゾン:連結 ▲泪肇螢奪ス組織活用 M祥技餮察淵好薀奪資源)で対応 ※組織スラック……組織の余裕資源あるいは組織の非効率。在庫のように緩衝でもある。 「企業は常にスラックがある」……(経済人モデルではなく)行動科学的な意思決定論や組織論においてはこのように考える。 例:「急激な円高」に対してコストダウンを実現した場合、生産活動が効率化してコストが下がった。 「忍び寄る非効率」……目に見えず、知らぬまに溜まるムダ。 ※統合は部門間の「調整」に近いと考えられる。組織は、環境に適合しようとすればするほど分化と統合を繰り返す。   H25-16:組織活性化(研究開発部問の自発的活動が抑制された) H27-19:組織活性化(組織スラック) H29-17:組織活性化(組織コミットメント) H29-20:組織活性化(SECI)   (イ)一体化度  組織に参加する個人価値が組織価値(組織文化)に同化し、一体化するとき、組織の凝集力は極めて高い。(しかし、組織硬直化の危険もはらむ) 組織同一化……構成員が組織自体に一体化し、それに追従していく現象。  組織同一化が起こると「成員意識」を強く持ち、組織目標を自分のものとして内在化するようになり、組織を維持しようとする「組織忠誠心」が生じる。これらはモチベーションや組織有効性を高める。 凝集性(互いの魅きあう程度)の影響 外部環境が悪化(組織にはアゲインスト)すると、集団の凝集性が高まる場合がある。 凝集性が高い集団が慣れていない問題解決に直面し、解決を急ぐと「集団思考」に陥りやすい。 集団の意思決定のほうが個人の意思決定よりリスクの高い選択を行いやすい。 集団の凝集性が高く、集団目標と組織目標が一致するようになると生産性は高くなる。 集団を小規模に設計すると、メンバーが長い時間経験を共有することになり、集団の凝集性は高くなり、組織文化が生まれる。 ※「集団思考(group think)」 集団思考は、集団の合議による決定が浅い思慮になりやすいこと。凝集性が高いと、強いリーダーなどに影響されて同調への圧力、斉一性への圧力が発生して、適正な決定にならないことが多い。 H27-20:一体化(変化へ抵抗)  
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(ロ)無関心度 従業員の主体性を高めて能力向上を図り、欲求を満足させるものにして参加を促す。 (ハ)組織開発  構成員が組織目的に向かって有機的に結合している状態を目指す。つまり、組織を働きやすい雰囲気にしていこうとすること。  組織開発は、組織の有効性と健全性を増大させるため、計画的に、組織の過程に介入する努力[ベックハード]。  組織開発(OD)は組織活性化策の一つ。組織全体を行動科学の知識・技法を適用して、環境変化に効果的に適応できるようにし、開放的で問題解決志向の組織をつくり出そうとする。
手法:目標を弾力的な動態組織におき、集団・個人レベルにおけるコミュニケーションの改善や信頼・協調関係の確立がなされる。具体的には、集団を対象にした体験学習でおこなう感受性訓練、マネジリアル・グリッドなどがある。
  (ニ)小集団活動   ※自律的集団活動となればQWLの向上につながる 集団……組織を、小人数の職場集団の集合としてとらえる考え方[リッカート]。  小人数の職場集団は分業化や専門分化の原理に従い、いくつかのサブ集団にまとめられ、それらの総体が組織となる。したがって、現場などの小集団の活性化が組織の生産性や効率の決め手になる。QCサークル、ZD運動などのケース。   グループ・ダイナミクス  詳細  小集団の独自の行動様式をさす。集団の中では、独自の集団基準や集団規範が形づくられる。場合により、強制的にメンバーに従うように働きかけるが、基準や規範に同調すべきとされる。 例:会議……多人数になればなるほど議論を尽くした意思決定はできない。   小集団活動 経営現場における従業員の自主的な管理活動で、作業手順の改善や品質向上活動などを行うこと。 狙う効果……自己啓発・相互啓発、業務プロセスの円滑化、チームワークの強化 課題全社的な歩調が合いにくい、目的が曖昧、現場レベルでは結果より過程を重視する傾向が強い。   小集団活動の効果的コミュニケーションパターン[16_19]  
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(ホ)ナレッジ・マネジメント/組織学習  組織学習は、新しい知識を獲得する活動またはそのプロセス。組織学習によって情報的経営資源(ソフトな経営資源)が蓄積される。 組織学習の2つのレベル:異なるレベルの学習は同じメカニズムではできない。 低次学習行為の繰り返し、行為の部分修正、シングル・ループ学習 高次学習組織全体に影響を及ぼす学習、規範・認知の枠組みの変化、ダブル・ループ学習。組織の行動と成果との因果関係が希薄で、学習目標も具体的ではない場合が多い。 低次学習と高次学習の特徴 組織学習は低次学習になりやすく、高次学習が困難。理由は、「有能性のわな(有能さのわな)」が働くので「目標水準を超える業績が続くと、現在の能力を磨く方向にしか関心が行かない。」   アージリスとショーンのループ学習  詳細 シングル・ループ学習……組織の基本的価値観の変化を伴わない学習。漸次的学習。 ダブル・ループ・学習……組織の基本的価値観の変化を伴なう学習。断続性ある学習。経営環境が大きく変化した局面で不可欠とされる。 ※組織には「慣性」が働き、先行きが不透明でも変革になかなか着手しようとしない。「学習放棄」が必要とされる。   学習レベルと進化過程 漸次的進化過程低次学習中心(低次学習:行為の繰り返し、部分修正、シングル・ループ学習) 革新的変革過程高次学習中心(組織全体に影響を与える学習、規範・認知枠組み・根源的仮定の変化、ダブル・ループ学習)   組織学習の促進策  適切な学習の枠組みを明示する、継続的に実験を行う、経験・知識を共有する場の設定、経験のマニュアル化、独自の組織言語体系の確立 等。   組織学習サイクル 組織学習は組織メンバーをエージェントとして行われる。 詳細 戦略的学習組織が自らの戦略的行動を通じて、新しい知識を獲得する行動あるいはプロセスをさす。多角化などの初期段階で行われることが多い。   組織的知識創造  「組織がいかにして新たな知識をつり出すのか」を説明する試み。個人の暗黙的知識から組織レベルの明示的革新を生み出すプロセス。このプロセスによって革新的アイデアが組織に生まれ、新製品開発や組織活性化に結びつく。[野中]   ※ナレッジマネジメントは戦略論の「技術経営」も参照 H25-17:組織学習(イノベーション)  
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(9)組織間関係  組織と環境を構成する諸組織との関係(利害関係者間)のあり方を問い、関係の生成・維持・展開を考える。
 例えば製造業者は、原材料メーカー、設備メーカー、流通業者、金融機関並びに同業メーカー・ライバル業者などの組織と関係しながら事業展開を行っているが、この諸関係が組織間関係といわれる。
 組織はオープン・システム(環境と組織の相互作用を重視する)である。また、組織間関係は相互に自律的であろうとし、異なる目標をもち相互依存している。
(イ)組織間関係の類型 資源依存関係  組織の成長・存続のために希少な資源を他の組織がもつ場合、組織間関係が形成され、パワー(制約力)が生成され、多様な調整メカニズムが働く。多くは片方の保有資源に依存する関係である。  この関係では、他の組織への依存をいかに回避し減少するかという組織間調整メカニズムが働く。戦略は、自律化戦略、協調戦略(折り合う)、政治戦略(第三者を介入)などがある。  組織が成長・存続するために必要な資源を他の組織がもつ場合、社会交換関係にある[エマーソン]。そのため権力関係も動的に変化する。これは相互依存的で、反応的な依存関係にあるという。 そこで企業は、次のように活動を行う。 \長して相互依存関係を統制しようとする。 ∩反ゴ峇愀犬貌きかけて相互依存性を統制しようとする。 社会的・政治的活動で相互依存性を統制しようとする。   組織セット関係 経営資源の交換関係、共同で行動する関係(組織間共同行動)、共同組織関係に大別される。 経営資源の交換関係  外部から必要資源を依存する関係で、資源の重要度、資源を配分する外部組織の自由裁量度、代替資源の獲得が関係に影響する。下請関係や生産委託、ライセンスなど。資源の取引量と緊急度、資源の所有と統制力、及び代替取引関係又は多角化で環境戦略を考える。 組織間共同行動共同で行動する関係で、共同開発、共同研究、ジョイントベンチャーなどがある。 共同組織関係共同出資会社、資本提携などがある。   資源依存関係の戦略(対境戦略)[H16-21] (a)資源依存関係を回避する多角化(ドメインの変更、製品多角化)、代替資源の開発、セカンドソース(複数の取引先)を確保する。 (b)他組織からの支配を回避する提携(共同、協力)、技術の標準化、交渉(合意、協定)   ※組織間関係は(特に資源依存関係)は、経営戦略に大きく影響を及ぼす。特に、企業内で行うことと企業外で行うことについては「境界」が用いられる。コースによる「取引コスト」やチャンドラーによる「知識ベース」で境界を明らかにする概念がみられる。 H26-18:オープンシステム  
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(ロ)分析モデル(環境との分析モデルとして) ・資源依存  資源の取引関係に着目し、いかに組織が環境に適応するかを記述。環境は資源の塊で、資源取引のパワー関係は資源依存関係と逆関係になる。
 組織が存続するためには、他組織から資源を獲得し、他組織へ資源を供給しなければならない。その一方で、自ら自律性を保ち他組織への依存を回避しようとする「資源依存パースペクティブ」がある。
資源依存モデル ・組織正当性  利害関係者集団から正当性を獲得すること。組織が他の組織や集団からの欲求に対してうまく対応し、社会的に許容される組織行動をとること。 ・エージェンシー  株主とその会社の経営を任される経営者、特定のカスタム部品の設計・生産を任せる機械メーカーと任されるサプライヤーなどは、任せる側が依頼人(プリンシパル)で任される側が代理人(エージェント)として、エージェンシー理論でこの関係を分析する。  エージェンシー理論は、プリンシパルとエージェンシーの間には「モラル・ハザード」と「逆選択」という情報の非対称が伴うとする。
 そして、双方の利害の不一致に影響されないように、エージェンシーを望ましい行動へ導こうと、プリンシパルはインセンティブを工夫する。
・組織エコロジー  個体群生態学モデル  多様な組織形態をもつ組織の集合体を「組織個体群」とよび、環境からの影響を「自然淘汰」とし、組織の集合を種として生態学的に説明する。
 例えば、大規模小売店と地域の小売店で構成する流通業界に、「コンビニ」という新しい種(組織形態)が生まれ、生態系が変わりつつある、とする。
  (ハ)ネットワーク組織  ネットワーク組織は、企業間結合の形態のひとつ。  この組織では、メンバー相互の関係は機能を重視した結合関係で、支配・従属関係ではない。また、メンバーの行動には主体性と自律性があり、制約を受けない。
 だが、それぞれの行動は目的達成の方向で弾力的に結合されており、柔軟性よりも革新性、創造性が求められる。したがって、環境適合しやすい。
メリット職能組織の専門能力、事業部制組織の市場対応能力、マトリックス組織の資源の効率的利用を同時に実現でき、再構成も可能。 デメリットある程度集団機能が確立していなければ機能しにくい。  
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(ニ)クラスター クラスター組織  少数の構成員で構成し、自己完結型の仕事をこなす。必要に応じて密接なコミュニケーションと意思決定が行われる。例:外資系の投資銀行、コンサルティング会社、大学等で散見できる。   焦点組織  [H15-18]  組織間関係は、組織が存続するために必要な資源を外部の組織(外部環境構成者)に依存せざるを得ないことで生じる。このとき、当該組織を「焦点組織」とし、その資源をもつ外部組織を「利害関係組織」と呼んで組織間関係を説明する。 <詳細   H25-15:組織間関係(企業間取引関係) H26-19:産業クラスター  
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(10)企業統治:コーポレート・ガバナンス  企業はいったい誰のために経営を行っているのか。その統治を行うトップマネジメントの構造はどうなっているのか。そこはどんな機能が与えられているのか。さらに、こうしたトップマネジメントの職務を監視するメカニズムはどうなっているのか。その評価はどうなっているのか。また、トップの人事権を誰がどこで掌握しているのか。そのような疑問に応える自浄能力が問われている。  企業は社会の一員として、企業の利害関係者と企業あるいは経営者との関係において、企業の活動と機能が社会的に正当性をもつ関係をつくり出しているかどうか問われている。 企業統治の目的…….灰鵐廛薀ぅ▲鵐(不祥事防止を含む健全性の確保)、業績・経営の評価(効率性の向上) 企業統治を強化するための方法(H26-20) ゞ般海亡愀犬靴動稻々坩戮簀愬す坩戮魑こさないよう内部統制制度を導入する。 ⊆萃役会に社外取締役を、監査役会に社外監査役を導入する。 取締役会の中に指名委員会、監査委員会、報酬委員会を設置する。 の冤憲章や行動規範などを作成周知し、社員の意思決定における判断基準として制度化する。 企業統治の考え方 モニタリング・モデル……業績ないし経営の評価を社外取締役によって行う方法を重視し、取締役会では業務執行の決定はしない方向。 (会社の基本的戦略の決定はする。)株主の観点から業績や経営を評価する仕組みが不足しているとする考えに基づいている。
マネジメント・モデル……取締役会は業務の決定をする場であるとする考え方。
  H26-20:企業統治   (11)組織のパワーとポリティクス 組織影響力……組織目的の達成に必要な行動に向かわせるように作用する影響力。 外部的影響力(個人に対して外部から与える組織の影響力)と内部的影響力(個人の能率、組織忠誠心など)に分けられる。 組織影響力の理論  意思決定中心的組織論における主要理論の1つ。組織の構成員に対して、それがなければ行わなかったことをなさしめる。種々の影響力に関する理論をいう。  そこでは、組織構成員の意思決定は決定前提から導かれるものであるが、組織は、構成員の価値前提・事実前提に作用するという過程を経て、彼の決定前提を決めるという影響力を有している、といわれる。これは組織影響力が構成員の決定前提にいかに作用を及ぼしているかを説明する理論であって、影響力が彼の意思決定そのものを決めるという理論ではない。組織影響力としては、一体化・能率の基準、教育訓練、特殊化、権威のシステム、コミュニケション・システムなどである。   パワー:一般に個人ないし集団による他者への影響力を意味する。  権限と混同されやすいが、権限は組織目的達成のために組織の公式的職位に付与された影響力のことであり、公式的パワーともよばれる。
 公式的パワーが組織上層部に集中している組織は集権的組織とよばれ、下部にも委譲されている組織は分権的組織とよばれる。
 組織内のパワー分布を調べるために、タンネンバウム(Tannenbaum, A. S.)によるコントロール・グラフが利用される。
グループ・ダイナミックス(group dynamics)[レヴィン]   H25-19:企業統治(企業支配:ガバナンス) H28-18:[企業統治]組織の危機管理 H29-21:組織のパワーとポリティクス(組織アイデンティティ)  
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(12)組織変革  組織は変化に対応しようとする(有機体)。したがって環境が変化すると変革を起こそうとして組織変革のきっかけになる。 視点は、変化をどう捉えるか、どう変革するのか、どのように変革するのか、の3点。 変化する要因……外部環境の変化、トップの交代、技術革新の進展など。 パラダイムチェンジ .肇奪廚慮鯊紂´▲船Д鵐検Ε─璽献Д鵐箸稜攴弌平靴燭扮冤此法´新事業の推進 な儚廚亮錣鮗卞發愿素邸´タ靴燭雰弍塚念・ビジョンを浸透 変革の内容 組織構造の変革……構造:機能別組織→事業部制組織など、形態:集権化→分権化など。 組織プロセスの変革……意思決定プロセスの変革など 組織文化の変革……判断基準など。メンバーの価値や行動様式の変革につながる。 従業員の意識改革……顧客志向など。 変革のプロセス……解凍→変革→再凍結。   移行 [H15-15] 将来の望ましい状態にシフトさる組織変革実施のプロセス(移行状態)は次の不安定要因が伴う。 抵抗:未知への不安、適応できなくなる恐れ、既得権益の喪失、自分の案のほうが正しいとする反対者など  対策:メンバーの行動が新組織に向け変化していくよう動機づける。  仝醜堊反イ量簑蠹世鬟瓮鵐弌爾惻知徹底、∧儚弉當へのメンバーの参加、J儚彁抻に対する報酬、じ従脱却のための時間と機会の提供、タ形反イ妨けての教育・訓練 混乱:制度化されていた秩序の崩壊による混乱。日常業務の管理・統制が困難になる。  対策:移行期に生じる各種の不均衡を統制する。  )召泙靴た形反チの具体的な明示、関係者間の緊密かつ継続的な情報伝達、迅速な問題解決とその支持体制 対立:組織内のパワーバランスの変化による対立。政治的な駆け引きも登場。  対策:利害・パワーの緊張関係を移行の促進に利用すること。  |羶甘な権力集団からの協力の確保、下位集団リーダーの役割行動の利用 組織変革の障害 継続の障害……革新のコストが埋没コストとなる場合。 安定性と慣性……安定性を重視する抵抗と慣性が働く。 戦略的近視眼……管理・運営以外の外部情報が排除されてしまいやすい。 有能さのワナ……十分な利潤を得ていれば変更や革新の動機にならない。 組織成長モデル……組織は一定のパターンで段階的に成長する。  
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組織変革をもたらす要因経営戦略の変化、組織の年齢、規模、環境の複雑性 組織変革環境変化に伴い、経営戦略を変えて組織構造を変革する。組織構造が変わると、意思決定のあり方や報酬制度が変化する。 組織進化モデル 3段階の発展モデル 単一機能組織段階 → 職能制組織段階 → 事業部制組織段階(製品多様化遂行) 組織のライフサイクル(ブルース・タックマン) フォーミング(形成期:結成)→ストーミング(混乱期:対立や衝突)→ノーミング(規範期:目的や目標が明確になる)→トランスフォーミング(達成期:成果)   H25-18:組織変革(段階区分) H26-21:組織変革(3つのステップ) H27-18:組織変革(組織開発) H27-21:組織変革(組織文化) H29-22:組織変革(解凍−変化−再解凍モデル)  
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3.人的資源管理  労働者は生産要素であるが、欲求、感情、意欲を持ち行動をコントロールでき、報酬(賃金)を求める。 (1)労働関係法規 (イ)労働基準法 最低労働条件を定め、労働契約、安全衛生及び就業規則等を規定する。 法定労働時間は原則1日8時間、週40時間(特定業種は週44時間)。但し、変形労働時間制、みなし労働時間制・裁量労働制を認める。 就業規則  常時10人以上の労働者を使用する場合は就業規則を作成し、労働組合もしくは労働者の過半数を代表する者の意見を添付して、労働基準監督暑に届出すること。(89条) 記載事項を規定し、絶対的必要記載事項、相対的必要記載事項、任意的記載事項に区分。 改正:平成21年4月1日施行。ただし、次の,話羮企業に限り当分の間(3年間)適用猶予 。渦娵遒60時間を越える時間外労働を行う場合の法定割増賃金率を50%に引き上げるが、労使協定によりこの割増賃金の支払いを有給休暇の付加に代えることもできる。 【現行】1箇月の要件は入ってない。労使協定も入っていない(37条)。割増賃金は2割5部増し(平日)と3割5部増し(休日)で現行のまま(政令)。 ■渦娵遒45時間を越える時間外労働を行う場合の割増賃金を法定割増率以上に引き上げる努力義務を課す。 O使協定により有給休暇の時間単位での取得を可能にする(39条) 等。 労働基準法の詳細   (ロ)労働組合法  労働三権を規定する法律 労働三権(労働基本権):団体権、団体交渉権、団体行動権 団結権労働組合を結成しこれに加入する権利 団体交渉権労働条件や労使関係のルールについて労働協約の締結その他の取り決めを行う目的で使用者と交渉する権利 団体行動権労働者が同盟して行動する権利で、労働争議権と組合活動権からなる 労働三権に関与すると、不当労働行為(不利益取扱、黄犬契約[未加入・脱退を労働条件にする]、ユニオンショップ制、団体交渉拒否、支配介入と経費援助)になる。 ユニオンショップ制会社が雇用労働者に組合加入を義務づける制度。組合加入を自由とする制度はオープン・ショップ制という。 労働組合法の目的   (ハ)労働安全衛生法 労働災害防止のための労働の安全・衛生の規則及び安全衛生管理体制を規定する。  総括安全衛生管理者、安全管理者及び衛生管理者の設置を義務づけ(規模や業種により異なる)、危害防止や自主的活動を促進する。 産業医の設置(常時50人以上規模の事業所)等でメンタルヘルスへの対応 医師による年1回健康診断の実施義務 労働安全衛生法の詳細  
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(ニ)労働保険 労働者災害補償保険法(労災保険)  業務上又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害又は死亡に対して迅速かつ公正な保護をする。  労働者を使用するすべての事業所に適用。事業開始日あるいは適用事業認定日から労災保険の保険関係が成立する。国の直営事業や非現業の中央・地方の官公署並びに船員は適用しない。  労働者であれば本人に業務災害・通勤災害が発生したときに労災保険給付の受給権が発生する。雇用関係にある外国人労働者や事業主の未加入の場合でも権利発生する。 ※「未払い賃金の立て替え払い」も労働福祉事業の一環として実施。 労災保険の保険給付   雇用保険法 目的:労働者の失業及び雇用継続困難な事由に対する保険給付、教育訓練への給付等で、再就職を促進し職業の安定に資する。  給付等は、求職者給付、就職促進給付、雇用継続給付、教育訓練給付がある。また、雇用三事業として雇用安定事業、能力開発事業、雇用福祉事業を行う。 被保険者適用事業における労働者で、一般被保険者、高年齢継続被保険者、短期雇用特例被保険者、日雇労働被保険者に分かれる。 適用除外者65歳に達した日以後に雇用される者、短時間労働者、F雇労働者、さ╂疆事業で4カ月以内限定の期間雇用者、ジ務員 ※例外規定もある 週の所定労働時間が30時間未満の者は適用除外だが、要件によって適用される場合がある。   (ホ)社会保険 厚生年金保険法 国民生活の安定のために国民の老齢、障害又は死亡に必要な給付を行う。 「報酬」とは労働の対償として受け取るすべてのもの。「賞与」は報酬のうち3箇月を超える期間ごとに受け取るもの。 保険料額は標準報酬月額および標準賞与額にそれぞれ保険料率を乗じた額。 標準報酬月額=基本給+各種手当 ※3カ月以内で継続して受取る労働の対価。通勤交通費も含む。 適用事業所常時5人以上の従業員を使用する事業所、事務所又は船舶。さらに、一定の要件で届け出た事業所。 被保険者適用事業所で使用される70歳未満の者。     (ヘ)労働者派遣業法 (労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律)  特定労働者派遣事業(自社の常用雇用者のみを派遣する。届出制)と一般労働者派遣事業(登録スタッフなどを都度に雇用して派遣する。許可制)で構成。対象業務を港湾運送、建設、警備、医療関係を除くすべての事業とした(ネガティブリスト化:禁止条項のみ表示)。紹介予定派遣の解禁、派遣期間3年などに拡充されている。 改正:同一組織での勤務が3年に達する人の正社員化を依頼する義務を専門26業務でも。平成27年9月施行 改正:日雇い派遣(雇用契約期間が30日以内の短期派遣)の原則禁止(学生や高齢者は除外も)。平成24年10月施行 紹介予定派遣……派遣先への雇用(職業紹介)を予定して行われる派遣。 労働者派遣業法の詳細 労働統計用語  
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その他 男女雇用機会均等法(雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律)  女性労働者が性別による差別なく、母性を尊重されつつ充実した職業生活を営むようにする。  セクハラへの配慮(対価型:解雇・転職などの不利益、環境型:就業環境を害す)を事業主に求め、紛争の解決援助を規定する。 男女雇用機会均等法の詳細 育児介護休業法 家族の一員として育児・介護の役割を担うことで充実した職業生活を営むことができるよう規定する。 育児休業1年以上の雇用実績があり子が1歳になった以降も雇用の継続が見込まれる者の申請について、期間は子が最大1歳6カ月まで。 介護休業1年以上の雇用実績があり以降も雇用の継続が見込まれる者の申請について、期間は最大通算93日間。子供の介護休業は年5日まで取得可能。※H22.6.30改正施行あり 育児介護休業法の詳細 パート労働法(短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律) 短時間労働者1週間の所定労働時間が同一事業所で雇用される通常の労働者より短い労働者。 通常の労働者と職務の内容が同じ短時間労働者に対する差別的扱い(賃金、教育訓練、福利厚生施設の利用等の差別的待遇)の禁止。 パート労働法の詳細 高年齢者雇用安定法  定年の引き上げ、継続雇用制度、定年廃止で高年齢者の安定した雇用の確保、再就職の支援、就業の機会確保を目的とする。  60歳未満の定年制の禁止、65歳までの定年の引き上げ又は定年後も希望に応じて雇用を継続する又は定年の廃止、再就職の援助等を規定する。最終的には2025年に65歳までの雇用を義務づける。※高年齢者とは、55歳以上。 改正(平成25年4月より)で、継続雇用制度の対象を原則全員、グループ企業まで拡げ、違反すれば公表。 障害者雇用促進法(障害者の雇用の促進に関する法律) 一定割合の障害者を雇用する義務(常時56人以上の従業員を雇用する企業は原則、従業員の1.8%以上の障害者の雇用) 事業協同組合等を活用して中小企業が合同で障害者を雇用する仕組みの創設、「特例子会社」の認定制度等(平成22年改正) 労働契約法 H24年の改正で有期雇用者を保護 同じ職場で5年を超えて働く契約・パート社員などは、申し出ることで期間の定めのない雇用に切り替えられる。但し、施工後の労働契約が対象。  
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労働関連法規に関係する過去の出題 H25-20:弾力的労働時間制度 H25-2:育児・介護休業法 H25-22:労働契約 H26-23:就業規則 H26-24:労災保険 H26-25:合同労組 H27-22:労働基準法(賃金) H27-23:就業規則(退職) H27-24:労働安全衛生法(医師による面接指導) H27-25:社会保険の目的(健康保険法) H28-22:[労働関係法規]労働契約 H28-23:[労働関係法規]労働基準法:労働時間・休憩・休日 H28-24:[労働関係法規]営業所員の雇用管理 H28-25:[労働関係法規]労働安全衛生、労災保険 H29-24:労働関係法規(労働契約) H29-25:労働関係法規(解雇) H29-27:労働関係法規(働き方・労働時間)  
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(2)人事・労務情報 (イ)職務分析の意義と方法 職務分析 個々の職務の仕事の内容や要求能力などを明らかにして、職務記述書あるいは職務明細書を作成する。 意義:個々の職務の仕事の内容や要求能力などを明らかにする 方法・手順 /μ格析に基づき職務記述書を作成。 ⊃μ概述書に基づき相対的価値を決定する(職務評価書)。 ※相対的価値:職務の重要度・困難度の序列化 その価値によって職務と賃金を結びつける。 職務記述書職務の要旨、職務明細、環境などを記述。 職務評価書職務の価値を評価し、職種と等級で職務体系を確立する。職務評価は、必要な能力、技能、努力、責任、職務条件など。さらに職務間の関連性を加える。   (ロ)人事考課の意義と方法: 人事考課 意義:採用後の人事情報になる。適正に評価することで能力向上と組織効率を目指す。 方法 ゞ叛唸猷仕事の目標に対する遂行度をみる。 能力考課知識や技能、判断力・企画力・折衝力・指導力など仕事に関する顕在的・潜在的な能力をみる。 情意考課意欲や態度をみる。 考課時の留意:考課者の心理的偏向 寛大化傾向、ハロー(後光)効果、平均化(中央化)傾向、期末傾向、対比誤差、論理誤差、<偏向の内容 偏向への対策……考課者訓練の実施、ダブル考課(2人で考課)、考課結果の公開など。 適正化への手法評価者の恣意性を少なくするために自己申告制度や面談制度を併用したり、絶対考課やフィードバック考課を採用したりしている。また考課結果の公表、ダブル考課も必要に応じて行われる。 人事マネジメント人材の活用と人材の蓄積 ヒューマン・アセスメント潜在能力の適正を評価する技法。ライン・リーダー向けやスペシャリスト向けなどがある。内容は候補者をグループに分け、マネジメントゲーム、イン・バスケット訓練、リーダーレス討議などに参加させ、それを評価者チームが討議して評価をまとめる。   H28-20:[人事・労務情報]360度評価  
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(3)雇用管理   採用・配置、評価、報酬、能力開発は雇用管理の4本柱 (イ)採用 選考基準年齢、性別、教育または訓練、身体的特性、外見、器用さ・積極性・注意力、適応性、感情の安定性と責任感、求職理由・志望理由・希望職種等の雇用関係、パーソナリティ、技能、経験。(最後2つは中途採用) 選考方法書類審査(履歴書、学歴・学業成績証明書、資格証、住民票)、健康診断、学力テスト、面接試験、その他テスト(適性、性格・興味)。 通年採用の増加:質の確保、外部労働市場からの獲得(中途採用、即戦力) インターンシップ制度の効果接点の拡張、雇用ミスマッチの解消 (ロ)配置  職務分析に基づく職務内容と資格要件に従い、職業適性を踏まえて適性配置を図る。  人事情報(スキルズ・インベストリー・システム)を活用して適材適所へ配置。   (ハ)人事異動・昇進 目的‥材適所配置で組織効率向上 ∩反コ萓化 I門を超えた知識・人脈の形成  人事異動は配置換えの意味と昇進・昇格を含む移動の意味を含む。昇進はより困難な等級への職務の配置換え。 昇進の類型能力主義型昇進制度、選択型昇進制度、年功型昇進制度、折衷型昇進制度(能力主義型と年功型のMIX) ジョブローテーション計画的・段階的に種々の職務に従事させること。昇進と組合わすことでモラールアップにつながる。  
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(ニ)資格制度 職能資格制度(職能等級で構成)職務遂行能力(職能)を基準に職能を等級区分して評価・育成する。 職能評価制度および職能等級制度を結びつけ、職能給と職位につないでいく。 手法昇格と昇進の分離(意欲向上、能力開発、役職ポスト不足の補完等の狙い)、卒業方式や入学方式などがある。 ※配置転換では資格等級は変動しない。   人事システム 複線型人事制度……専門(スペシャリスト)職と専任(エキスパート)職 目標管理、自己申告制度、コンピテンシー制度 裁量労働制 専門業務型(研究開発、設計など)と企画業務型(事業運営の業務) 定着管理(従業員の定着)  仕事の魅力、職場の人間関係、組織の将来性、自己の生活設計とのかかわりなどが定着の重要な役割を果たし、定着管理は人的資源の有効な活用につながる。  モラールを高め、職務に動機づけられるかが課題になる。 マイヤーズの動機づけ やる気をなくさせる要因安定(公平さ、安心)、指示(規則、手引書)、地位、経済的・社会的(人間関係)・物質的(作業条件、作業配分)要因。これらの欲求を充足させること。 やる気を起こさせる条件成長、達成、責任、認められることの要素が含まれる仕事そのものを与えられること。 キャリア・アンカー初期のキャリア形成期に、自分にとっての組織の持つ意味を明確にして適合する場所を見つけようとする。 キャリア・アンカーの構成三成分\功体験によって自覚された才能と能力、⊆己診断やフィードバックによって自覚された動機と欲求、5範や価値との衝突によって自覚された態度と価値。 決定された主なキャリア・アンカーヾ浜能力を発揮できる、技術的・専門的能力を発揮できる、0汰瓦保障されている、ち和だを発揮できる、ゼ立性、独立性が認められる。 退職管理 定年年齢の適正化、高年齢退職従業員の生活維持・安定化(雇用延長も含む)を図る諸施策の計画と実施 H28-19:[雇用管理]現実をありのままに広報  
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(4)能力開発 能力=職務遂行能力=知識×体力×意欲×経験×適正×性格 (イ)教育訓練・能力開発の種類(階層・目的)  ともに潜在能力を引き出すのが狙い。 教育訓練の体系例 新入社員教育導入教育、基礎教育 階層別・職能別教育技能研修、監督職教育、管理能力開発セミナー、管理職研修、中堅社員教育、幹部社員研修 専門能力開発教育専門技能研修、技能検定研修 教養教育語学訓練 教育訓練(OJTとoff-JTの枠組み) OJT職場内教育で、部下の指導・育成を指す。仕事を通じて、仕事に必要な知識・技能・態度などを身に付けさす。 off-JT職場外教育訓練で、仕事の場を離れて仕事の基本的知識や技能を教える教育・訓練。階層別教育、職能別教育、課題別教育など。 Off-JTは、体系化された知識を整理したかたちで教育することができるため、職務に関する知識や能力を十分にもっていないときに、OJTと組み合わせて用いると効果が高い。[H16-24] 実施:OJT指導票を利用した体系的・計画的実施の制度化によって組織活性化や人的資源開発を進める。   (ロ)能力開発の方法 自己啓発は、自己の職能を自主的・主体的に開発する活動 「自己啓発は、本来自主的に行うものであるから、テーマや内容について他から強制されるべきものではないが、企業が設ける自己啓発支援制度においては、一般的には、業務に役立つ知識を習得したり、業務スキルを磨くものなど、自己啓発のテーマや内容を業務に関連のあるものが対象とされる。」(H26-26) 課題自主性をどのように引き出すか、どうすれば自己啓発が将来の職務遂行能力の拡充に役立つか、どのように自己啓発を継続させるか、自己啓発活動の評価。   (ハ)能力開発の意義と方法 意義従業員ひとりひとりの能力を伸ばしていくこと。従業員が自分自身で能力を開発できるように環境を整えることが必要(適材適所の配置など)。 方法CDP(職歴開発計画)……職務を計画的に経路を定めて異動させ、自己啓発と多角的な能力の育成を狙う計画。 キャリア育成計画に基づき、人事政策と自己啓発を有機的に結合させて実施する。自己申告・目標管理・面接などでフォローする。 コンピテンシー・マネジメント業績評価の基準に使われる。コンピテンシー(職務などに左右されない共通に求められる特性)の設定。自主性を重視するので目標管理制度としても普及する。<コンピテンシー   人的資源開発 戦略志向のもとに、組織の内外の学習ニーズに対応して組織、集団、個人を対象に合目的的・総合的に能力開発を進めていこうとするもの。   H26-26:OJT、Off-JT、自己啓発 H28-21:[能力開発]ダイバーシティと組織  
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(5)賃金管理 賃金管理 支払の五原則……通貨・直接・全額・毎月1回以上・一定期日の支払 決定の三要素……生計費・世間相場・企業の支払能力 非金銭的報償……チャレンジ、達成感、ストックオプション制など 間接的適性評価……適正な職務給のための公募制度も必要 (イ)賃金体系:所定内(基本給と諸手当)と所定外 所定内(基準内)賃金所定労働時間働いたことに対して支払われる賃金。基本給、諸手当(通勤、家族、住宅、役付等の各手当。※これらは賃金中の固定部分) 所定外(基準外)賃金基準内以外の所定外労働に対する賃金。超過勤務に対する時間外手当、休日手当、深夜手当等。※これらは賃金中の変動部分。   退職金の支払一時払い、適格(分散受取)年金、調整年金(厚生年金) 退職金の改革確定拠出型年金、ポータビリティの確立 賞与算定.薀奪ープラン:付加価値額を基準に総額を決定(※労働分配率一定)、▲好ャンロンプラン:売上高を基準に総額を決定(※労務費比率一定)   (ロ)基本給類型の体系 基本給体系仕事給(職務給・職能給・職種給)、属人給(年齢給・学歴給・勤続給)、総合給(仕事的要素と属人的要素を総合勘案したもの) 賃金体系 職務給従事する職務の価値に賃金を定めたもの。原則、同一価値の職務は同一賃金。 職能給職務遂行能力に応じて賃金を定めたもの。職務資格制度により能力がランクづけされる。昇格は能力の伸びが必要。マニュアル厳守や単純労働の仕事に向いている。 役割給仕事が担っている役割の価値で賃金を決める。最初は同じ役割の価値を持つ仕事でも、ある社員がより高い業務効率や部門横断の活動を実現していけばその価値は大きくなる。業績に貢献するような成果をあげた場合も同じ。近年増えている。   (ハ)職務評価方法  職務評価は職務記述書を基に一定の評価方法で、組織内の個々の相対的価値を決定する。評価された職務に対して職務給率を決定して、適正な賃率の設定を図る。  職務評価要素は、技能、肉体的・知的努力、責任、作業条件が4大評価要素といわれる。  職務評価方法は、職務相互を相対的に評価する方法と、評価尺度を設けて尺度と職務を比較する方法に分けられる。<職務評価の方法 H25-23:賃金管理(賃金) H29-26:賃金管理(賃金)  
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(6)作業条件管理 (イ)労働時間管理 労働時間の長さ(所定・所定外労働時間)、労働時間の配置(始業・終業時刻、休憩)、交替制、休日(休・祝日、有給休日)の管理 変形労働時間制個人の生活の違いを重視して働きがいの欲求に応じ、通勤混雑の配慮や高齢労働者の肉体的苦痛の軽減あるいは特殊業務の実態への配慮を図る。 1ヶ年(対象期間280日)・1ヶ月・1週間、他にフレックスタイム制あり。   (ロ)労働安全管理 労働災害のない職場の実現を目指して、労働災害の原因を知り防止策を実施する。 安全衛生管理体制 総括安全衛生管理者を設置し、有資格の安全管理者及び衛生管理者を設けて事業所の労働安全・衛生の技術的事項の管理を行う。 産業医の設置(常時50人以上規模の事業所)。 具体的な方法 ー舁廚米偉蓮ε粗魁生産諸施設は、設計・安全機構・安全装置などは法規を遵守し、監督並びに安全検査を行う。 危険作業には当該能力検定試験の合格者を充てる。 0貭衂の構内通路の確保と整理整頓の励行。 ね害物の除去、設備の危険部分の被覆、危険作業における安全作業方法の励行(KY活動など)、保護具の着用。※KY:危険予知 グ汰感軌薹盈と安全マニュアルの作成及び実施。 労働災害の状況 度数率……百万延べ実労働時間当たりの労働災害による死傷者数 強度率……千延べ実労働時間当たりの労働損失日数。災害の深刻さを示す。   (ハ)労働衛生管理 作業場環境の理学的条件(温度・湿度・気圧・採光・照明・騒音など)と化学的条件(有毒ガス・有毒薬品・粉塵・空気・酸素など)が労働者の健康に及ぼす悪影響を除去・防止する。 情報化の進展に伴いVDT(コンピュータ等の画面)作業によるVDT障害も見られる。 職場のメンタル・ヘルス(「心の健康」)課せられた仕事が達成できない悩み、仕事への不適応、職場の人間関係、今後の不安などでストレスを感じ、心の健康に障害がある。 対策管理・監督者らによる兆候の早期発見や早期治療、あるいはカウンセラーや精神衛生医などによるリハビリテーション。   産業ストレスについて  
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(7)経営戦略と人的資源管理の適合性 業績の向上を目指す人事制度 成果主義 目標に対する成果に応じて人事考課を行う。評価、処遇および能力開発をリンクさせること。公平性&納得性重要。 プロセスを評価すること(成果を出すのに時間がかかったり、外部要因が障害となるので、過程を評価する)。行動の評価に行動特性を加味していく。ほかに姿勢やチームへの貢献度も加える。 留意点仝朕楊槁犬倭反ヌ槁犬帽臙廚靴討い襪海
評価をフィードバックするなど納得のいく評価にする
コンピテンシーを向上させて能力開発に役立てる  <コンピテンシー
ど従汗度等を導入してやる気を高揚させる
  人事制度  適正で公平な人事制度 仝平で透明性の高い評価にする仕組み(客観的基準、フィードバック、複数評価)。 ⊃μ海瞭餔彭戮鳳じて報酬を得られる(公平)。 4霆燹併温楊槁検▲戰鵐船沺璽)を示して、能力開発に結びつくこと(動機づけ)。   人事考課 (適正評価で能力向上) 自己申告制度や目標管理制度 やる気(主体性)や個性を尊重して働きがいや定着率を高める 留意点 ―抄醗の理解 不利益をもたらさない配慮 A塙腓覆匹箸瞭碓佞閥力 目標管理制度……自らが目標を設定して仕事を進める制度。個人に裁量を与えながら人材育成を図るが、目標が低く設定される、設定以外の事をしなくなる、非定型な業務に適さないなどの問題も見られる。評価には定性的な項目を重視するのも。 多様な人材の弾力的活用……‖人佑丙陵僉´非正規社員の活用   雇用ポートフォリオ …拘蓄積能力活用型……管理職、総合職、技能部門基幹職。終身雇用 高度専門能力活用型……企画、営業、研究開発等。有期雇用契約 8柩兔斉襍拭帖槌鸚亀社員 3タイプを組み合わすときの考慮要因:経営環境、人間尊重経営、人件費負担、人材育成、勤労意欲等 H26-22:戦略的人的資源管理 H29-23:経営戦略と人的資源管理の適合性(質的基幹化)   4.その他組織論に関する事項 H28-17:[その他]組織の成長段階と課題  
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組織論参考図書 技術経営の基本と実践がわかる本 出川通著 秀和システム 2009 組織論 桑田・田尾共著 有斐閣 1999 経営組織 角野信夫著 新世社 2001 労働関係法規集 労働政策研究機構 2009 中小企業診断士試験問題 平成13年〜29年 中小企業診断協会  他 学習ノート