企業経営理論:戦略論(H18〜H22年)の出題で定義したり説明しているものを集めました。空欄は茶色で示しました。
分 類テーマ(出題年問題番号)内容(適切のみ、あるいは不適切を削除)
経営計画と経営管理経営計画立案の留意点
(H19問2)
●過去の実績の趨勢や積み上げによる計画部分が多いと、環境の変化から遊離した計画になりやすく、現状維持的な業務遂行に甘んじがちになる。
●計画と統制のサイクルが緊密に連動して、管理サイクルが短くなると、現場で創意工夫する余裕がなくなり、ルーティンな仕事ぶりが目に付くようになる。
●本社の企画部門が中心になって策定した計画は、生産や営業の現場の声が反映されにくいことから、現場の挑戦意欲をそぎ、現場では受容されにくい傾向がある。
経営計画技法や管理技法
(H20問1)
●ABM(Activity Based Management)は、操業度よりも費消した補助活動を基準にして費用を跡づける間接費の管理技法として用いられている。
●DCF(割引キャッシュフロー)法は、いくつかのプロジェクトの価値をキャッシュフローの現在価値に換算して比較評価しようとする場合に用いられる。
●線形計画法は、使用量に制限のある2つの資源AとBを用いて、利益を最大化するために製品XとYをどのくらい生産すればよいかを計算する場合に用いられる。
●待ち行列理論は、到着間隔やサービス時間の確率分布をもとに製品の輸送と在庫の管理を計画的に進める場合に用いられる。
企業戦略長寿企業の特徴
(H21問9)
●江戸時代には上方から江戸に向けて送られる荷物は下り荷と呼ばれたが、運送できる量や必要とされる時間などの制約が強いため、上方で評判の製品は江戸では珍重され、それが現在に続く老舗ブランドを形成している。
●老舗企業では互いに市場を棲み分けながら、自社製品への根強い愛顧者を安定的に確保しており、競争と共生のバランスが生まれていることが見受けられる。
●地域に根を下ろした長寿企業では地域の生活ニーズを満たすべく、地域の資源や伝統的な技術を駆使するとともに、そこに現代の技術成果を導入して、生産性の向上や商品開発を試みるなどの例が多い。
●強い商品ブランドや企業ブランドを守るべく、経営が保守的になりやすく、新製品や新市場の開発が鈍くなり、生活スタイルの変化とともに市場が狭隘化する傾向がある。
規模の経済
(H18問4)
●会社の組織規模が大きくなるにつれて、規則や手続きを設けて組織の管理の複雑性を小さくすることが試みられることが多い。
●規模が拡大するにつれて、生産現場で働く従業員の数が増大し、これまで生産に携わっていた従業員のコミットメントや従業員への人間的配慮が弱くなる傾向がみられる。
●最適生産規模を超えると、一般的に現有生産技術の生産性が低下し生産コストが上昇する。
●単一大規模設備に異なる技術を混在させると効率が低下することがあるので、新規技術は規模の経済を阻害することのない制御可能なものに限定されがちである。
※ 「範囲の経済」は経済学・経済政策の逆引きにあります。◆こちら。
成長戦略PPM
(H19問11)
●自社製品が強い市場は売上げが伸び悩んでいるが、一定の収益が得られているし、これまで投入した生産設備や販売網の投資を考えると撤退は難しいので、現有の製品の改良や販売方法の改善をすることにした。 ※?金のなる木、成熟市場への対応:トップ企業
●自社ではいくつか有力な製品の開発が進んでいるが、莫大な研究開発費がかかるので、有望分野を絞り込むために、これまでしたことのない方法であるが営業部門の意見を聞くべく、開発担当者と第一線の営業所長との合同会議を開催することにした。 ※?ニーズから絞り込み
●市場の成長力はかつてのような勢いを失いつつあるものの、自社製品は依然として業界トップの地位にあるので、ライバルに対しては必要最小限の対抗手段をとり、コストのかかる追加投資については慎重な姿勢をとることにした。 ※?金のなる木、成熟市場への対応:トップ企業
●成長力の乏しい不採算部門については、リストラの一環として他社へ売却することにしたが、存続部門と技術的に関連の深い熟練技能者や技術者については他の部門に配属することにした。 ※?負け犬※アとエは類似した内容
企業の成長をめぐる戦略(リーダーの戦略)(H20問4)自社が優位を占める成長分野への他社の参入を防ぐために、積極的に生産の増強を図ったり、広告宣伝などのマーケティング活動を展開して、市場支配力を強める戦略を追求する。
企業の成長への壁(H20問4)@創業からまもなく直面する壁、A第2の大きな壁、B最後の壁
創業後の最初の壁(創業時の制約条件を克服)
(H20問4)
●キャッシュフロー・マネジメントに留意して自己資本比率を高めるとともに、資金調達先への依存度を調整する。
●創業時に支援を受けた以前の勤務先やそこから紹介を受けた得意先への依存を改めるため、新規顧客の開拓を進める。
その後の組織力(第二の壁)
(H20問4)
●会社の目標と計画に沿って個人別の目標を設定する場合、部下の参画を求め、主体的な目標管理を促すとともに、新入社員に対しては上司が積極的に目標設定を指導する。
●職務へのコミットメントを高めるために、個人別に権限と責任を明確にした管理システムを導入する。
●創業の思いを共有するため、トップは従業員との対話の機会を増やし、創業時の思いや成功・失敗談を語るとともに、個々の仕事への意欲的なチャレンジを奨励する。
発展企業への扉
(H20問4)
●機軸となる新規プロジェクトについては、そのリーダーに大きな権限を与えて、社内資源の動員を図り、資源のシナジーを生かしたプロジェクト遂行を進める。
●経営計画を定め、計画と統制のサイクルを各組織の単位で回すとともに、個人レベルでもPDCAサイクルが回るように目標管理体制を構築する。
●事業分野が多様化して、ヒト、モノ、カネなどの配慮に無駄が生まれるので、全社の戦略目標を明確にしてPPMに基づいた資源配分を試みる。
●製品市場分野ごとに現場での独自な取り組みを促すための予算や人員の配置を行うとともに、その実施プロセスと成果について全社レベルで意見交換や分析を行う。
戦略的連携
(H22問6)
●エレクトロニクス産業では、EMSと呼ばれる中間製品の安価な供給メーカーから、半導体や液晶ディスプレイなどを買い付けて、価格競争力を確保する動きが国際的に見られる。
●カーエレクトロニクス化が進むにつれて、車載組み込みのソフトやハードの開発コストが膨大になっているので、ライバルメーカーが共同してその標準化に取り組む共同体が、欧州や日本に設立されている。
●技術が複雑多様化するにつれて、すべての技術を自前で持つことが不可能になったので、研究開発テーマによっては、異業種他社の参加を広範囲に求めることが多くなった。
●国際競争力を保つべく、同業者が連携して、規模の経済を狙って業界内でコアな標準部品の生産を特定企業に集中し、生産から撤退した企業はそこから供給を受ける仕組みが見られるようになった。
経営資源戦略経営資源と企業の戦略
(H20問2)
●ある経営資源を保有しない企業は、すでに保有している企業に比べて、その複製が困難であると、コスト上の不利益を被りやすい。
●企業が特定の経営資源を獲得、開発、活用する能力は、企業の歴史的経緯に依存しているので、先行企業は持続的な競争優位を得やすい。
●企業の競争優位と個々の経営資源の関係が不明確になるのは、内部者にとってその経営資源があまりに突然なものであったり、経営資源が個別に分離しにくく一体となって競争優位をつくり出しているからである。
●保有する経営資源が希少であることは大事であるが、そのような経営資源は特殊であるため、顧客の価値と合致しないことが起こりやすくなるので、これだけでは競争優位にはつながりにくい。
製品のライフサイクル短縮化と企業のイノベーション活動
(H19問8)
●一般に、新製品開発のイノベーションが先行して、生産工程のイノベーションがそれに続くことが多いが、時間の経過とともにイノベーション・プロセスは洗練・精密化され、やがてイノベーションの発生頻度は低下するようになる。
●営業部門が保有する固有の市場情報を製品イノベーションに用いるには、技術部門と営業部門との密接な連携が重要であるが、それぞれの部門には価値観の違いや固有の情報処理特性があるので、交流には時間やコストをかけた努力が必要になる。
●業界主流の製品を供給している企業は、技術イノベーションに注力しすぎて、当該製品をしばしば消費者の求める製品の性能から乖離した高性能製品にしてしまうことがある。
●業界で市場シェアの高い有力な製品をもつ企業では、現有市場の顧客ニーズを重視するあまり、自社のこれまでの技術と異質な新規技術への取り組みが後手に回り、しばしば次世代技術に乗り遅れることが見られる。
産業集積のメリット
(H18問8)
●ある地域に集中立地する同業者が連携すると、もともとある大手企業に対して一定の交渉力をもつことができる。
●特定の産業において中小企業が水平的に連携することにより、業界情報の獲得や共有が円滑に進み、作りすぎや在庫の抱え込みを調整できる。
●特定に地域に同業種の企業が集積することによって、資材や中間製品等の空間移動が短くなり、物流コストが軽減される。
●もともとある大手企業が、特定地域に集積する取引先の中小企業に対して技術指導や経営改善のアドバイスなどを行うことによって、産業集積内の経営効率は向上する。
競争戦略業界の競争構造
(H19問3)
●企業間で生産能力や変動費に非対称性があり、それを制御できる場合、企業は競争優位を確立して、安定的な地位を築くことができる。
●業界で自由競争が展開されている状況で、企業の費用構造が同質化するにつれて、価格競争は激化しやすくなる。
●需要の価格弾力性が低く、かつ、供給能力が伸長している市場では、価格競争の回避が難しくなり、企業の収益は低迷しやすくなる。
●費用構造が収穫逓増を示すとき、最適生産規模が成立しないので、企業は生産数量を拡大して効率を上げようとしがちになり、規模拡大にともなってビジネスのリスクが高くなりやすい。
5つの競争要因
(H22問10)
◆買い手……買い手への対応は、消費者のクレームや消費者行動の変化に対処しつつ、高いマージンに結びつく市場との良好な関係を構築することが重要である。
◆供給業者……供給業者については、資金や原材料の供給先や労働市場との交渉力の保持が重要であるので、そのためには特定の資源の供給者に強く依存することなく、常に代替的な資源の開発に取り組むなど外部への依存性が強くならないようにしておくことが重要である。
◆新規参入……新規参入については、その可能性や参入を受けた場合の競争の変化を分析して、自社の市場への参入障壁をどのように築くことができるか、日ごろから注意しておかなければならない。
◆代替品……代替品は、大きな技術の変化や消費者のニーズの変化によってこれまでにない新商品として登場し、既存の商品に取って代わる脅威になることがあるので、技術や市場のマクロなトレンドを見失わないように注意しなければならない。
競争構造と成長戦略
(H19問6)
●高収益を続けている企業は、同業他社に比べて創業の早い段階から独自な製品や技術による強固な市場を築くとともに、技術開発を怠らず、新製品を連続的に生み出す傾向がある。
●多角化の目的のひとつは売上規模の拡大にあるが、新規市場での高い収益を維持する仕組みや参入障壁の構築に注意しないと、同業他社の追随を招きやすい。
●他社と同じ市場を選択しても、自社のあらゆる活動を目的合理的に見直し他社と異質な環境適応の仕組みを構築することで独自性を発揮できる。
戦略グループの移動障壁
(H22問9)
●ある技術に基づいて生産し販売される製品分野は、ライバル企業の間で製品の類似性が高くなるので、企業は顧客忠誠心やブランド力を高めてライバルとの差別化を図ることが重要になる。
●業界特有の販売チャネルや仕入れルートを同業者間で強化することは、他社の参入を防ぐには有効である。
●垂直統合や共同化は取引先への交渉力の強化や新たな技術の獲得には有効であるが、その縛りが強いと自社の戦略の成否が他社の戦略展開能力に影響されるようになる。
●同業者間に共通する戦略課題について協調を維持すると、やがて戦略の類似性が強まり、新規な戦略の展開が困難になる。
エレクトロニクス分野の競争
(H19問7)
●技術革新をめぐる競争が製品の性能アップ競争として展開される場合に、性能を数値目標化して開発を進めると、数値目標が目に見えやすくなるのでライバル企業の追随を受けやすくなる。
●製品のキーデバイスを外部調達して大量安価に製品を供給できる仕組みを国際的な水平分業によって実現できれば、世界的に市場シェアを高めて、コスト・リーダーシップを握ることが可能になる。
●製品の性能アップ競争が激しくなると、顧客による性能対費用の評価も厳しくなるので、企業の収益性は悪化することになる。
デジタル製品分野の競争と収益の構造
(H21問6)
●EMS(Electronic Manufacturing Service)やモジュール部品供給メーカーはシステム統合の技術を、レファレンスモデルを通じて提供する場合が多く、製品市場の参入障壁を低めている。
●部品と部品を組み合わせるインターフェースの標準化が進展している。
●部品のモジュール化の進展によって、生産工数を減らすことができるので、短期的にはコストの低下や生産性の向上が期待できるが、その効果は直ちに価格競争に反映される。
●要素技術についての大きなイノベーションよりも改良された要素部品の組み換えや製品デザイン変更による製品開発が多く、製品ライフサイクルの短縮化につながっている。
競争戦略:戦略グループ
(H20問3)
●ある製品分野の生産のために垂直統合を強めると、企業の生産体制や製品ラインは似通ってくるので、戦略グループが生まれやすい。
●顧客層と製品ラインの幅を考慮して、最適生産規模を追及したり、共通コストの節約を図ると、次第に一貫した戦略行動になるので、似通った企業の集団が生まれやすくなる。
●同一産業内に複数の戦略グループが存在することが少なくないが、これは市場の広がりと製品ラインの絞込み等が異なるからである。
●同一産業内の戦略グループ間で収益が異なるのは、それぞれの戦略グループが直面する脅威と機会が異なるからである。
競争回避策
(H18問6)
ライバルに勝つことが戦略の唯一の目的ではない。むしろライバルとの競争を回避し、自社独自の市場地位を強化して収益を獲得することが重要である。そのための方法:●限られた市場規模の業界に圧倒的な規模の新鋭設備を建設し、市場を占有して市場の魅力を削ぐ。
●競争優位の源泉となる生産工程をブラックボックス化し、コストと品質の強みを守る。
●戦略的提携やM&Aによって、鍵となる技術や資源を保有する他社を自社の影響下に囲い込む。
●特許申請や社内ノウハウの管理を厳重に行って自社技術の漏洩を防いで、他社の参入を阻止する。
さまざまな局面
(H21問4)
●自社の主力製品の即席カップ麺にライバル企業が攻勢をかけてきたので、その対抗策としてライバル企業が得意とする袋入即席麺に自社製品を大量投入することにした。
●先端技術をめぐって有力な大学や各種研究機関との共同研究を他社に先行して確保し、自社の研究開発部門の強化を図ることにした。
●ライバルの製品と技術差異はあるが、顧客は価格に敏感に反応するので、販売網を再構築し、ライバルと同じ価格を守りながらシェアの増大を図ることにした。
●旅客ビジネスにおいて、硬直的な価格体系や画一的なサービスを提供しているライバル企業に対して、同一の路線を頻繁に利用する顧客のニーズに即して定時運行を心がけ心温まるサービスの提供をすることにした。
勝ち組企業の特徴
(H22問2)
●ある通信機器メーカーでは、生産を国内工場に集約して生産現場で厳格な品質管理体制をとり、堅牢な機器と先進的なデータ処理を売りに、顧客の信頼を得ながら業界水準よりも高い価格で売り上げを伸ばしている。
●ある町工場では単品物の受注に特化しているが、熟練を活かした加工技術を武器に、あらゆる注文に応えられる受注生産体制を敷いて、特定業種にこだわらない受注先を確保している。
●健康食品を製造販売しているある企業では、顧客からのダイレクトな注文や問い合わせに応えるべく、コールセンターの充実を図るとともに、それを基にした顧客データベースを活かして、逆に顧客への情報発信を行い、顧客との強い信頼関係の構築を目指している。
●激しい価格競争と急激な利益率低下のため大手の電子機器メーカーが撤退した市場で、ある中堅メーカーでは海外企業からの低価格な中間財の調達と自社が得意とする実装技術を活かして、実用本位の機能に絞り込んだ低価格製品で安定した売り上げを確保している。
製品のモジュール化や開発競争
(H19問5)
●エレクトロニクス業界では、製品のコモディティ化を抑制する方法として、標準部材市場の成立を遅延させるために製品開発のスピードアップが試みられている。
●オープンな特許政策や自社部品の過剰な社外販売を展開すると、自社規格のデファクト・スタンダード化が起こりうるが、その反面で参入した他社との間で製品の価格競争が発生して、製品が一挙にコモディティ化する可能性が高まる。
●技術の高度化につれて、商品の機能が向上するが、競争激化とともに顧客の支払う対価が低下し、商品ニーズの頭打ちとともに、商品価格の下落がみられるようになる。
競争優位を目指すセル生産方式
(H20問10)
●セル生産方式は、現場労働者を多能工化することによって成立するので、多工程持ちが進み、作業工程の手待ちの無駄を排除できる。
●セル生産方式は、小人数グループの「ワークセル」を単位とするチーム生産方式が進化したものとみることができる。
●セル生産方式は、製品が多様化し変化のスピードが速い場合、生産ラインの切り換えコストを節約できるので有効である。
●セル生産方式は、単調な労働を排除して労働の人間化を実現でき、従業員のモチベーションが高まり、生産性が改善できる可能性が高い。
技術経営 製品開発戦略と研究開発組織
(H22問4)
●技術ごとの機能分化が進み過ぎたので、市場が求める製品のニーズに沿って技術部門を再編するとともに、営業部門との協議を開くことにしている。
●技術的に複雑な製品が増えてきたので、プロダクトチームのほかに技術分野ごとの機能別チームを再び編成し、開発段階に沿って機能別チームがプロダクトチームと連携することにしている。
●製品開発のプロジェクトリーダーには、専門的な技術知識とともにチームをまとめるマネジメント能力や人間性を重視して任命している。
●製品ごとに開発担当者をおき、その下に開発チームを編成し、開発が終わった段階で担当者及びチーム参加者は解散することにしている。
逆引きラベル ※ 規模の経済・範囲の経済は、企業戦略としました(今までの逆引きから変更)。
※ 産業集積に関する出題は、経営資源としました。
※ 以前の逆引き(H15〜H18)は、こちら。(科目内容の変更、分類分け思考により今回と分類が異なるものがあります)
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