経営法務(H18〜H22年)の出題で定義したり説明しているものを集めました。空欄は茶色で示しました。
主に産業財産権に関する過去問を分類しています。
分 類 (要約) 問題・解答 (出題年_問題番号)
◆発明と考案(H21問6)  特許法における発明(特許法第1条、第2条)と実用新案法における考案(実用新案法第1条、第2条)に関する記述
●特許法における発明及び実用新案法における考案には、ニュートンの万有引力の法則のような発見や自然法則を利用していない人為的な取り決めは該当しない。
●特許法における発明には、物の発明ばかりではなく、方法の発明も対象となる。
●特許法における発明は技術的思想の創作のうち高度のものをさしているが、実用新案法における考案については高度という限定はなく、技術的思想の創作の程度のいかんを問わない。
◆特許法:新規性の喪失の例外規定(H20問8)  特許法によれば、発明はその特許出願前に公知にしてしまったものについては、新規性を喪失してしまったものとして取り扱い、特許を受けることができない(特許法第29条第1項各号)。しかしながら、発明者にとって酷な場合もあることから、一定の要件を満たす場合には、例外として新規性を喪失していないものとして取り扱う規定を置いている(特許法第30条)。
新規性の喪失の例外規定がある
●特許出願前に特許庁長官が指定した学術団体が開催する研究集会において、文書で公表して公知にしてしまった発明。
●特許出願前に発明品を自社のカタログやパンフレットへ掲載して不特定多数のものに頒布して公知にしてしまった発明。
●特許出願前に自らの意思に反してテレビ放送を通じて公知にしてしまった発明。
◆特許権(H18問7)  会社Xは、会社Xの社長甲を中心としたプロジェクトチームを編成し、パーソナルコンピュータ内臓型のテレビジョンの開発に取り組み、この開発に成功し、このテレビジョン受像器に関連して十数件の特許出願をした。その後、会社Xの社長甲は、特許出願した十数件の案件が特許になっていない状態であるが、特許出願後、この特許出願が公開されたので、このパーソナルコンピュータ内蔵型のテレビジョンの製造販売を行うこととした。しかし、パーソナルコンピュータ内蔵型のテレビジョンの開発にあたって当初予定していた金額よりはるかに膨大な費用が掛かってしまったため、会社Xには、その資金が不足して、実施化が難しくなっていた。  そこで、あなたは、会社Xの社長甲からどのように資金を調達したらよいか相談を受けた。
この相談に対するあなたのアドバイスは。
●会社Xの増資を行って資金調達を行う。
●テレビジョン受像器に関連する十数件の特許出願に係る発明に対して実施権を許諾してロイヤリティを得ることによって資金調達を行う。
●テレビジョン受像器に関連する十数件の特許出願に係る発明をファンドに組み込み、資金調達を行う。
◆特許権(H19問9)  A社、B社、C社およびD社は、中小企業診断士であるあなたの顧問先である。
 A社は、売れ行き好調な自社製品(せんべいの製造装置)について特許権があるからうちは安心だと言っており、一方、B社は、X社の製品(おもちゃ)が売れ行き好調のようなので、B社でも作りたいが、特許権があるということなので、手をこまねいているようである。
 また、C社は、Y社で今度発売された商品(自動按摩機)は、C社の特許製品をまねた商品で、しかも、C社の商品よりも、かなり安く発売されているので、Y社に製造販売をやめるように要求すると言っている。
 さらに、D社では、このたび、D社で新しく開発した商品(家具転倒防止器具)は、まだ世の中になく、どこも発売されていないものなので、早速量産して大々的に売り出すと言っている。
 A社、B社、C社およびD社に対するあなたのアドバイスはどれか。
●A社に対しては、特許権があるといっても、その特許権がA社の製品を本当に保護しているかどうかは別の問題ですから、本当に保護されているかどうかを検討しておいたほうがよいですよ、とアドバイスする。
●B社に対しては、X社の特許権があるといっても、その特許権を侵害しないように作ることができる場合があるようですから、X社の特許権の特許公報を取り寄せて、検討してみたらどうでしょうか、とアドバイスする。
●D社には、その商品が世の中に見当たらないといっても、第三者が特許権等を持っている場合もありますから、D社の新商品が権利範囲に入る有効な特許権や実用新案権、意匠権等がないかどうか調べておいたほうがよいですよ、とアドバイスする。
◆特許権(H20問6)  特許権も財産権であるから、特許発明を自由に使用し、収益、処分することができる。これを特許権の効力の1つとしての専用権という。そして、このことを特許法は第68条で規定している。特許権のもう1つの効力は排他権である。この排他権のなかには差止請求権損害賠償請求権、侵害物廃棄請求権、不当利得返還請求権信用回復措置権等がある。
下線部の説明
●差止請求権とは、特許権が侵害され、又は侵害されるおそれのある場合にその停止又は予防を請求する権利である。
●侵害物廃棄請求権とは、権利侵害物の廃棄や侵害の行為に供した設備の除去を請求する権利である。
●不当利得返還請求権とは、法律上の原因なくして他人の特許権を利用して利益を受けた者に対し、その利益の返還を求めることのできる権利であり、故意過失を要件とはしない。
◆特許権(H21問7)  【A社の代表取締役社長からの質問】   「当社は、平成16年(2004年)7月に設立され、設立時から苛性ソーダの製造・販売を主な事業としていますが、このたびB社から『貴社の苛性ソーダの製造方法について弊社の保有する苛性ソーダの製造方法に関する特許権に抵触するので直ちに製造・販売を中止し、現在市場に出回っている苛性ソーダを回収するように。』との警告を受け取りました。当社内で調べたところ、この警告書に記載されたB社の保有する特許権の番号から特許出願がなされたのは平成17年(2005年)5月であることが分かりました。この警告書に対してどのように対処すればよいでしょうか。」
この相談に対するあなたのアドバイスは。
B社の特許権に係る特許出願の時点で、すでに御社がB社の特許と同一の方法により苛性ソーダの製造を行っていたことを立証できれば、B社の特許権が存続していても将来にわたり苛性ソーダの製造方法を実施する権利があります。
◆特許法(H19問8)  特許法は、その第35条で職務発明について規定を置いている。
◆職務発明(H18問5)  照明器具の製造販売をしている会社Xは、勤務規則において従業員がした職務発明について特許を受ける権利を会社Xに譲渡することを定めている。従業員甲は、照明器具の傘の形状を工夫し、照明灯の反射率を向上した照明器具aの発明をした。この照明器具aは、形状に特徴を持った発明であると共に、デザイン的にも新規で優れた形態を有している。そこで、従業員甲は、勤務規則に基づいて照明器具aについての特許を受ける権利を会社Xに1999年12月20日に譲渡した。
 会社Xは、この特許を受ける権利に基づいて2000年1月20日に特許出願をし、特許権Aを2002年4月20日に取得したので、2年後の2004年4月20日に照明器具aを商品化して製造販売を開始した。
 すると、ライバルの会社Yから、「貴社の照明器具aは、わが社の意匠権Bを侵害するので製造販売を中止してもらいたい。」という警告を受けた。そこで会社Xが調査したところ、会社Yの意匠権Bは、会社Xの特許出願日より遅い2000年12月30日に出願されており、意匠権Bに係る意匠は、会社Xが製造販売する照明器具aと全く同一で、この意匠権Bについての意匠登録を受ける権利は、会社Xの従業員甲から譲渡されたものであることが判明した。会社Xの勤務規則には、意匠登録を受ける権利に関する規定は存在していない。
この相談に対するあなたのアドバイスは。
会社Yの意匠権Bの意匠登録を受ける権利は、会社Xの従業員甲が創作した意匠についてでありますので、会社Xは、このまま照明器具aについて製造販売を継続しても問題はありません。
◆職務発明(H19問8) 職務発明の要件(※すべてではない)
●従業者等は、就業規則等の定めにより、職務発明について使用者等に特許を受ける権利を承継させたり、もしくは当該職務発明についての特許権を承継させたりした場合には、使用者等より相当の対価の支払を受ける権利を有する。
●職務発明でない場合に、あらかじめ勤務規則等で使用者等が特許を受ける権利を承継できる旨を定めても、それは無効である。
●職務発明とは、従業者等が、その性質上使用者等の業務範囲に属し、かつ、その発明をするに至った行為がその使用者等における従業者等の現在または過去の職務に属する発明をいう。
◆職務発明(H22問8)  特許法第35条によれば、職務発明とは、従業員、法人の役員、国家公務員又は地方公務員(以下「従業者等」という。)がその性質上使用者、法人、国又は地方公共団体(以下「使用者等」という。)の業務範囲に属し、かつ、その発明をするに至った行為がその使用者等における従業者等の現在又は過去の職務に属する発明であると規定されている。
職務発明か否かのケース
●菓子メーカーA社の従業者甲は、菓子を製造する装置に関する職務発明を完成させた。当該発明に関する特許を受ける権利は、勤務規定に従いA社に譲渡されたが、A社は、特許出願を行わなかった。甲は、A社が特許出願を行わなかったとしても、A社に対して特許法第35条に規定される相当の対価の支払請求権を有する。
●携帯電話メーカーB社の研究開発部門に所属していた従業者乙は、B社在職中に携帯電話に関する発明を完成させた後に、その内容を秘匿して退職した。その後、乙が当該発明について特許出願を行った場合、当該発明は、職務発明と認定される場合がある。
●自動車メーカーC社の経理部門に所属する従業者丙が、自動車用エンジンに関する発明を完成させた場合でも、丙の職務が自動車用エンジンに関する発明を行うものではないので、丙が完成させた発明は職務発明には該当しない。
◆実用新案権(H21問8)  【X社の代表取締役社長からの質問】   「当社は、以前からその製造・販売に係る特殊な構造を有するシャープペンシルについて実用新案権を保有していますが、競争会社Y社が最近同一の構造を有すると思われるシャープペンシルを製造・販売するようになりました。この製造・販売を止めさせたいと思いますが、どのようにすればよいでしょうか。」
この相談に対するあなたのアドバイスは。
●御社の実用新案権に係る登録実用新案と競争会社Y社の製造・販売に係るシャープペンシルの構造が同一であるか調べる必要があります。
●実用新案権の存続期間は、特許権の存続期間より短く、実用新案登録出願の日から10年で終了するので、実用新案登録出願の日がいつだったかを確認することが必要です。
●当初3年間分の登録料は、実用新案登録出願時に一時に納付されていますが、実用新案権は、第4年分以降の各年分の登録料を特許庁に納付しないと消滅しますから、確認が必要です。
◆意匠法(H20問10)  画面デザインとは、家電や各種情報機器等の表示部に表示される画像のデザインのことをいうが、意匠法では、機器の機能と密接な関係にある画面のデザインについて機器に表された状態で物品を構成する要素として保護の対象としている。具体的には、携帯電話機、デジタルカメラ、カーナビ、炊飯器、掃除機、複写機等において、操 作に用いられる画像や、その画像がなければ機器として成り立たないような画像が保護の対象となる。
しかし、意匠法は物品の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合を保護の対象としており、物品ごとに意匠が成立し、物品を離れて意匠は存在しないものである。
画面デザインに関する記述
●画面デザインの意匠でも部分意匠の登録出願をすることができる。
●グラフィカルユーザインタフェース(GUI)のソフトウェアによって表示される画像は、特定の物品と結び付きがないので、画面デザインとして保護の対象とはならない。
●ゲームを行っている状態の画面は、ゲーム機そのものの制御や設定を行う操作のための画面ではないので、画面デザインとして保護の対象とはならない。
◆小売等役務商標(商標法)(H20問7)  平成19年4月1日からその登録が認められるようになった小売等役務商標について
3種類の質問と回答
質問イ:「うちがこの『○○屋』という屋号で商標登録を受けた場合、この屋号を独占排他的に使用できるのでしょうか。」
回答イ:「もし同業者が、この『○○屋』という屋号を平成19年3月31日以前から使用していた場合でも、周知でない限り、貴店の屋号と区別できるように何らかの記号を付け加えるように求めることはできます。」

質問ロ:「うちの店は私で3代目であり、古くから続いている雑貨屋ですが、うちの店の屋号である『鈴木商店』という名前でも商標登録が受けられるのでしょうか。」
回答ロ:「この『鈴木商店』という屋号はありふれており、日本全国で多くの小売業者が使用している可能性があるので、そのままでは商標登録を受けるのは難しいでしょう。」

質問ハ:「うちはスーパーなのですが、うちで扱っている商品についてすでにいくつか商品商標を取得しています。さらに小売等役務商標を取得するメリットがあるのでしょうか。」
回答ハ:「貴店のように多種類の商品を取り扱うお店にあっては、1つの小売等役務商標で商標権を取得すれば貴店のすべての取扱商品をカバーできる場合があるので、経済的であり、メリットはありますよ。」
◆商標法:地域団体商標(H20問9) 社 長:「うちの会社で取り扱っている、この地域の地名○○に野菜の普通名称▽▽を組み合わせてこれを商品「○○▽▽」とする野菜▽▽は、この地域の特産品ですが、2〜3年前から隣接他県でも知られるところとなり、引き合いも多く、取扱高も増えています。ところが、人気が出てきたせいか、最近この地域以外で生産された野菜▽▽にまで○○の地名を付けて「○○▽▽」の商品名で出荷されてくるようになってきています。この地域の活性化を図る旗振り役を務めている私としては、これ以上他地域で生産された野菜▽▽に、この地域の地名○○を組み合わせた「○○▽▽」の商標が使用されないようにするために、何とかしたいと考えていますが、何か方法はありませんか。ほら、何とかという地域ブランドの登録制度があると聞いていますが。」
あなた:「それは地域団体商標のことではないかと思います。確か平成18年の4月から登録が認められるようになっています。」
社 長:「そうそう、それそれ、それってうちの会社でも出願することができるのですかね。会社でだめならば私個人でも構いませんが‥‥。」
あなた:「いや、この地域団体商標団体商標ですから、確か株式会社ではだめだと思いますよ。社長個人でもだめだと思います。」
社 長:「それでは一体誰が登録出願をすればよいのですか。」
あなた:「この場合は、この地域の農業協同組合が最適と考えます。」
社 長:「あ、そう、なるほどね。それではこの地域の農業協同組合には私の幼なじみがいるので、早速話をしてみましょう。その他に、この地域団体商標を取得するのに必要なことはありませんか。」
あなた:「そうですね。この野菜▽▽の商品名「○○▽▽」は隣接他県にも知られているようですが、ただ出願しただけでは足らず、必ず周知を証明する資料が必要のようです。詳しくは私の友人である弁理士を紹介いたしますので、相談してみてください。」
◆商標権(H19問6)  Y市で古くから製麺業を営むA製麺所は、4年ほど前からその材料と製法に工夫を凝らした生麺を「○○○」という商品名で売り出し、A製麺所の店先や、Y市のスーパーで販売をしていたが、商標「○○○」については商標登録出願をしていなかった。A製麺所の生麺「○○○」は、今年に入って、ようやくY市でも味と食感に優れたおいしい生麺として人に知られるところとなり、売れ行きも好調になってきていた。
 そのような矢先突然、株式会社B製麺所(以下、「B製麺所」という。)というところから、A製麺所のものと同じ商標「○○○」で商品区分・第30類について商標権を取得したので、A製麺所の商標「○○○」の使用を直ちに中止して欲しい旨の内容証明が送られてきた。
 そこで、A製麺所から相談を受けたあなたが商標公報を見たところ、確かにB製麺所は生麺、生そばを含む商品区分・第30類について商標「○○○」について商標権を取得しているが、出願日はA製麺所が生麺を商標「○○○」で売り出した日から2年後であることが判明した。
 A製麺所に対するアドバイスとして最も適切なものはどれか。
A製麺所が、商標「○○○」をB製麺所の登録出願日よりも先に使用を開始していたといっても、わが国は先願主義によっており、先に出願され、商標権が取得された以上、B製麺所の登録商標と同一のA製麺所の商標使用は中止せざるを得ないと思います。
◆商標権(H19問10)  外国法人のA社が持つ、指定商品が「X」で「○○○」というローマ字の大文字で書した先願既登録商標に対し、B社は同じく指定商品を「X」とし、「○○○CLUB」という字句を同書、同大、同間隔、かつ一連に書して商標登録出願したところ、商標権を取得できた。
 その後、A社は自社の登録商標「○○○」を付した商品の大々的な広告宣伝活動を開始した。
 その結果、A社の自社登録商標は、B社の商標が登録された後ではあったが、A社の商品を表示するものとして日本国内において広く人に知られる存在となった。その後、B社は自社の登録商標「○○○CLUB」のうち「○○○」と「CLUB」の間を1文字離して使用したところ、A社から警告書が送られて来た。
この相談に対するあなたのアドバイスは。
●1文字も離すと、「○○○」と「CLUB」との間に、それぞれ別の意味が生じてくる可能性があることから、B社の登録商標「○○○CLUB」の使用とはいえない場合が生じてくるので使用を中止する。
●「○○○」と「CLUB」の間を1文字離して使用する場合、B社の方に信用のただ乗り(Free ride)意思があるとして、B社の登録商標は不正使用取消審判の対象となり得るので対策を考える。
●たとえ1文字離した程度であったとしても、A社の登録商標「○○○」が既に周知著名商標となっていることを考慮すると、A社の商品との間に出所の混同を生ずるとされる恐れがあるので使用を中止する。
◆登録商標(H21問9) 【C社の代表取締役社長からの質問】
 「当社は、平成20年(2008年)1月に、平成16年(2004年)11月頃から製造・販売していた商品区分第30類クッキーについて商標○○を商標登録出願しましたところ、最近特許庁からD社名義の登録商標○○(商品区分第30類:みそ、菓子){出願日:平成15年(2003年)6月30日、登録日:平成16年(2004年)12月1日}を引用されて拒絶理由通知書が来ました。当社内で調べましたところ、D社は、登録商標○○を指定商品中「みそ」については使用していることが判明しました。あと数日中に意見書を特許庁に提出しないといけないようですが、どのように対処すればよいのでしょうか。」
 なお、C社の商標○○とD社の登録商標○○は、同一商標とし、商品「みそ」と「菓子(クッキーを含む)」とは非類似の商品とする。
この相談に対するあなたのアドバイスは。
御社の商標○○をその製造・販売に係る「クッキー」について商標登録を受けるためには、指定商品「菓子」についてのD社の商標登録を取り消すことが必要です。D社の登録商標○○は指定商品「菓子」について使用されていないようですので、D社の指定商品「菓子」についての商標登録に対して不使用を理由とする取消審判を請求して、当該取消審判の審決が確定するまで審査の中止を審査官に求める旨を記載した意見書を提出するのがよいと思います。
◆商標登録出願(H22問9) ●商標登録出願人は、二つ以上の商品又は役務を指定商品又は指定役務とする商標登録出願の一部を一つ又は二つ以上の新たな商標登録出願とすることができ、その新たな商標登録出願は、もとの商標登録出願の時にしたものとみなされる。
●商標登録出願人は、登録料の納付と同時に、商標登録出願に係る区分の数を減ずる補正をすることができる。
●商標登録出願は、商標ごとに、商標の使用をする一つのみの指定商品又は指定役務を指定して行うことができ、また、複数の商品又は役務の区分に所属する複数の指定商品又は指定役務を指定して行うこともできる。
◆商標(H22問10) 商標登録を受けることができる商標
他人の著名な芸名と同一の商標について商標登録出願をした場合には、その他人が当該商標の商標登録を承諾しているときには他人の人格権の保護が図られていることから、商標登録を受けることができる。
◆著作権(H18問6)  著作物は、思想又は感情を創作的に表現したもので、著作権は著作物の創作の時に発生し、個人の著作権は著作者の死後50年の経過によって消滅する。著作者には、著作者人格権が認められており、この著作者人格権には公表権、氏名表示権、同一性保持権が認められており、著作権を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対して、その侵害の停止又は予防を請求することができる。
◆ソフトウェアの開発業務委託が……(H20問11)  A株式会社(以下「A社」という。)は、B株式会社(以下「B社」という。)から、携帯電話上に表示されるB社ホームページのサイト運営に使用する目的で、ソフトウェアに関する開発業務の委託を受け、新規にプログラミングをしたソフトウェアXを2000年12月15日にB社に納入し、その代金を受領した。 しかし、B社がA社に無断で、このXをB社ホームページのサイトから切り離して、パソコン上でも利用できるように改変したソフトウェアYを2007年12月から製造し、これをコピーして一般消費者に販売しているという事実が、最近、判明した。
A社・B社いずれにも、すでに開発業務委託を受けた当時の詳細を知るものはおらず、開発業務委託契約についての書面も、2000年6月1日付けのB社からの簡単な発注書以外には残っていない。当時発注書には「使途:B社ホームページのサイト運営」との記載がある。
この場合、A社が取りうる手段について最も適切なものはどれか。
A社がXについて有する著作権のひとつである翻案権を根拠に、B社に対してYの販売差し止めの請求をする。
◆意匠権?著作権?(H18問8)  ケーキ、チョコレートの専門店Xを経営するパティシエ(菓子作り専門の職人)甲は、生クリームとチョコレートとフルーツを用い、スポンジケーキの上にデコレートして『女性の憧れ』をイメージするモチーフを創作し、図案化した。このモチーフをチョコレートケーキに具現化するには、機械を用いて製作できるものではなく、人手によらなければできないものであるため、パティシエ甲は、この自ら創作したモチーフに基づいてチョコレートケーキaを1つ1つすべて手作りで製作し、バレンタインデー(2月14日)に販売することにした。
 そこで、パティシエ甲は、チョコレートケーキaが素晴らしいデザインに仕上がっており、このまま販売すると他のパティシエに模倣される恐れがあるので、自分が職人技で作り上げたチョコレートケーキaのデザインを何とか保護したいと考えた。
 そこで、あなたは、パティシエ甲から、このデザインの保護はどのようにして受けられるのか相談を受けた。
この相談に対するあなたのアドバイスは。
チョコレートケーキaのデザインは、『女性の憧れ』をイメージするモチーフとして図案化したものの著作物に該当し、著作権法で保護を受けることができます。
◆音楽コンテンツ(著作権および著作者隣接権)(H21問12)  D株式会社(以下「D社」という。)は、E株式会社(以下「E社」という。)から、E社がその著作権および著作者隣接権を保有する音楽コンテンツ(以下「本コンテンツ」という。)の管理・運用を依頼され、これをオンライン上で配信してユーザーに課金するサービスを提供することを約した。
本コンテンツの管理・運用に関するD社の著作権法上の義務に関する記述として最も適切なものはどれか。
本コンテンツについて、原則として、その著作者である第三者やE社の指示にしたがい、著作者名を表示し、あるいは、表示しない義務がある。
◆外国出願(H19問7)  外国出願については、各種国際条約や取り決めがなされており、出願の種類、出願希望国とその国数、出願費用等により、さまざまな出願方法が選べるようになっている。
 あなたが、顧問先の会社から外国出願について相談を受けた際のアドバイス
●日本、イギリス、フランス、ドイツ、イタリアで特許権を取得したいということであったので、日本でまず特許出願を行い、その後、この日本での特許出願に基礎を置く優先権を主張してヨーロッパ特許条約(EPC)に基づくヨーロッパ特許出願をするように勧めた。
●日本、中国、韓国、シンガポール、ベトナムで商標権を取得したいということであったので、マドリッド協定議定書に基づく国際商標登録出願をするように勧めた。
●日本、中国、韓国で特許権を取得したいということであったので、まず、日本へ特許出願を行い、その後パリ条約に基づく優先権を主張して、中国、韓国へ国別に特許出願を行うように勧めた。
◆知的財産権(H22問11)  日本における知的財産に関する権利を有する者が、自己の権利を侵害すると認める貨物が輸入されようとする場合に、税関長に対し、当該貨物の輸入を差し止めるよう申し立てることが認められているが、必ずしも税関に対する輸入差止請求の対象とならない貨物として最も適切なものはどれか。
この相談に対するあなたのアドバイスは。
日本国内での商標権者が、タイにおいても同一内容について商標登録を有している場合に、権利者からタイでの製造・販売について許諾を受けた者が製造し、権利者に無断で日本国向けに輸出した商品
◆商標権(H18問9)  X社は、ライセンス事業をその主な目的とする会社であり、指定商品・役務を「被服」とし「○○○」の文字からなる登録商標(以下、登録商標「A」という)について、登録商標「A」の商標権者であるYとの間にマスターライセンス契約を締結していた。ただし、専用使用権、通常使用権の登録はなされていなかった。さらに、X社は、Z社との間に登録商標「A」を使用した被服を製造、販売する権限を付与することを内容とするサブライセンス契約を締結し、Z社からロイヤリティ及びミニマムギャランティーを取得し、収入を得ていた。
 ところが、X社は、YがB社に登録商標「A」を譲渡するとの説明をYから受けてこれを信じ、本件マスターライセンス契約と、Z社とのサブライセンス契約を解除した。
 両契約の解除後しばらくして、YとZ社が直接ライセンス契約を締結し、Z社が登録商標「A」を使用したジャケットやシャツ等を販売している事実が判明した。そこで、X社が、Z社に対する事情聴取等の調査をしたところ、次の事実が判明した。
 Z社は、Yから、X社の支払遅延を理由にマスターライセンス契約を解除したので直接契約を締結したいという説明を受けて、X社に問い合わせたところ、誠実な回答が得られなかった。そこで、Z社は事業継続のためやむを得ずYと直接契約したのであった。
 なお、Yには、B社に登録商標「A」を譲渡した事実および譲渡する意図はなく、YがX社にした説明の内容は全くの虚偽であり、また、X社はYに対して支払いの遅延をしたことはなく、YがZ社に対して説明した内容は全くの虚偽であった。
 X社が主張できるもの
X社はYに対し、不法行為責任に基づき、少なくとも、サブライセンス契約およびマスターライセンス契約が有効であれば本来X社が受け取るはずであったロイヤリティ相当額を、X社が被った損害の賠償として請求することができる。
ミニマムギャランティーの説明
サブライセンス先がライセンサーに対し、ロイヤリティの最低保証金額として合意した期間ごとに支払いを約束している一定の金額
◆営業秘密(H19問11)  企業甲は、社長乙氏が代表取締役となり設立された携帯電話用のソフトウェアのプログラムを開発する株式会社であり、開発部門の部長丙氏を含む20名の従業員が就業している。
 社長乙氏が中小企業診断士のあなたに、従業員にかかわる企業甲の営業秘密の保護の仕方について相談している。  下記の設問に答えよ。 社長乙:「うちの営業を担当していた従業員が辞めるらしくてね。うちでもそろそろ、企業秘密について何か対策を取らなくてはならないと考えているところなんだ。この従業員からは辞めるに際して、守秘義務をうたった誓約書を取ったら十分かな。」
あなた:「もちろん、誓約書はあった方がいいですね。でも、誓約書を退職時に取るだけでは不十分ですよ。就業中から秘密情報は企業の重要な財産の一つとして守っていくべきですから、御社で企業秘密としたいものを、ちゃんと、法律によって保護される「営業秘密」という形にした方がよいと思いますよ。」
社長乙:「営業秘密管理などといわれているものですか。マル秘マークを付けて、文書を保存したりするんでしょう。うちでも、重要な文書については「CONFIDENTIAL」というハンコを押してますよ。でも、実のところ、我が社の場合、一番重要な情報はプログラムなどのデジタルデータでしょう。パソコンの中に入っているものまでは、ハンコは押せなくて…。」
あなた:「ハンコを押すかどうかということは、営業秘密であることを示す一つの事情にすぎないんです。「営業秘密」と認められる情報といえるためには、もっとたくさんのことをする必要があります。判例や経済産業省による指針などで示されている3要件を満たさなければなりません。」
社長乙:「何ですか。それは。」
あなた:「秘密管理性有用性非公知性の3つになります。」
社長乙:「最初は秘密管理性ですか。それは当然ではないですか。」
あなた:「そうですが、実はこの点が認められないために、営業秘密には該当しないとして、情報漏洩(ろうえい)された会社側が負けている判決が結構多いんですよ。」
社長乙:「判決っていうぐらいだと、会社の方は、当然、営業秘密になるんだと思って訴えているんでしょう。秘密管理性について詳しく教えてもらいたいですね。」
あなた:「まず、秘密管理性があると認められるためには、さらに D  E という要件が要求されています。先ほどのハンコの話は、文書情報に接した者にそれが秘密であると認識できるようになっているので、文書については E の要件を満たすということがいえますね。ただ、御社は、デジタルデータについては何もしていないということになるかもしれません。」
社長乙:「どうすればよいですか。」
あなた:「まず、情報に接することのできる人を制限するなど、アクセス制限の要件を満たすことができるような社内体制を整えること、それについてマニュアルを作成し、社内で周知徹底することなど、物理的管理や技術的管理を行い、これと並行して人的管理を行います。具体的には、就業規則で明示して、従業員や新入社員から秘密保持誓約書を取りつける。そのほか、従業員教育を行い、それぞれの責務を明確にすることです。」
社長乙:「営業秘密とすべき情報自体は、どのようなものでなければならないのですか。」
あなた:「有用性の要件があります。情報自体が、客観的に事業活動に利用されていたり、利用されることによって、経費の節減、経営効率の改善等に役立つものでなければなりません。御社で開発したプログラムはもちろん、営業活動に資する顧客情報なども含まれることがあります。」
社長乙:「そういうものを、営業秘密として他の雑多な情報と区別して管理しなければいけないということですね。」
あなた:「そのとおりです。最後に非公知性という要件も満たしていなければなりません。これも、秘密というくらいですから一般に入手できない情報であることが必要となります。当たり前といえば、当たり前ですね。」
社長乙:「いろいろ大変そうですけど、情報は我が社の生命線ですから、早速、取りかからないといけないですね。」
営業秘密の定義およびこれに関連して損害賠償請求や刑事罰などの規定がある。この法律の名称はどれか。
不正競争防止法
客観的認識可能性
デジタルデータは、パスワードを設定してこれを知る人を限定するなど情報・人の管理の対象を明確化し、デジタルデータが保存されているデータベースを外部ネットワークから遮断すること等により、客観的認識可能性の要件を満たすことができる。
アクセス制限
部長丙氏自らが職務上創作した情報について、これが社長乙氏のみがアクセスできるものとしてアクセス制限の要件を満たし、企業甲の営業秘密として管理されている場合でも、部長丙氏が第三者に開示することができる。
逆引きラベル ※ 平成22年の科目内容に基づいて分類しました。以前の科目内容との相違、分類判定のゆらぎなどで以前の逆引きと異なる場合があります。
※ 逆引きから見ると近年は文章量は適正化しつつあり、民法の出題が増えているように感じます。
※ 文章主体の科目ですが、出題形式に他の科目と違いが見られ、難易度を上げているように思えます。

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