第1問(R3)
下図は、2019年1〜3月期から2020年7〜9月期における日本、アメリカ、中
国、イギリスの実質国内総生産(前期比、四半期ベース、季節調整済)の推移を示し
ている。
図中のa〜cに関する国の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群
から選べ。
[解答群]
ア a:イギリス b:中国 c:日本
イ a:イギリス b:日本 c:中国
ウ a:中国 b:イギリス c:日本
エ a:中国 b:日本 c:イギリス
オ a:日本 b:イギリス c:中国
第2問(R3)
下図は、国債等の保有者別内訳である。
図中のa〜cに該当する保有者の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解
答群から選べ。
[解答群]
ア a:金融機関(中央銀行を除く) b:個人
c:中央銀行
イ a:金融機関(中央銀行を除く) b:中央銀行
c:個人
ウ a:個人 b:中央銀行
c:金融機関(中央銀行を除く)
エ a:中央銀行 b:金融機関(中央銀行を除く)
c:個人
オ a:中央銀行 b:個人
c:金融機関(中央銀行を除く)
第3問(R3)
国内総生産(GDP)に含まれるものとして、最も適切な組み合わせを下記の解答
群から選べ。
a 家族総出の大掃除
b 家族で温泉旅行
c 子供への誕生日プレゼントの購入
d 孫へのお小遣い
[解答群]
ア aとb
イ aとc
ウ bとc
エ bとd
オ cとd
第4問(R3)
コロナ禍で落ち込んだ経済を支えるための対策のひとつに、個人や世帯に対する
一時金の給付がある。この一時金の経済効果に関する記述として、最も適切な組み
合わせを下記の解答群から選べ。
a 恒常所得仮説によれば、今期の消費は今期の所得によって決定される。従っ
て、緊急事態宣言の発出によって飲食店の営業を停止しても、一時金の給付に
よって巣ごもり消費が喚起され、経済全体の消費は増加すると考えられる。
b 絶対所得仮説によれば、生涯の所得が生涯の消費を決定する。従って、一時金
の給付が将来の増税を予想させるとしても、新しい生活様式への対応を通じて、
経済全体の消費は増加すると考えられる。
c 低所得者ほど限界消費性向が高い傾向にあるとすれば、一時金の給付対象に所
得制限を設けることは、より効果的に消費を支えると考えられる。
d 不要不急の財に関する需要の所得弾力性が高い傾向にあるとすれば、一時金の
給付が消費を増やす効果は、不要不急の消費ほど大きくなると考えられる。
[解答群]
ア aとb
イ aとbとc
ウ bとc
エ bとcとd
オ cとd
第5問(R3)
生産物市場の均衡条件は、総需要=総供給である。総需要ADと総供給ASが以
下のように表されるとき、下記の設問に答えよ。
AD=C+I+G
C=C0+c(Y−T)
AS=Y
ここで、Cは消費、Iは投資、Gは政府支出、C0は基礎消費、cは限界消費性向
(0<c<1)、Yは所得、Tは租税である。
(設問1)
乗数に関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。
a 均衡予算乗数は、
である。
b 政府支出乗数は、
である。
c 租税乗数は、
である。
d 投資乗数は、
である。
[解答群]
ア aとb
イ aとc
ウ bとc
エ bとd
オ cとd
(設問2)
景気の落ち込みを回避するための財政政策の効果に関する記述として、最も適
切な組み合わせを下記の解答群から選べ。
a 政府支出の増加額と減税額が同じ規模のとき、景気拡大の効果は政府支出の
増加の方が大きい。
b 政府支出の増加額と減税額が同じ規模のとき、両者の景気拡大の効果は等し
い。
c 政府支出の増加に必要な財源を増税によってまかなったとしても、政府支出
の増加による総需要の拡大効果は増税による総需要の減少分を上回るので、増
加させた政府支出の分だけ景気拡大の効果がある。
d 政府支出の増加に必要な財源を増税によってまかなうと、政府支出の増加に
よる総需要の拡大効果は増税による総需要の減少によって相殺されてしまい、
景気拡大の効果はなくなってしまう。
[解答群]
ア aとc
イ aとd
ウ bとc
エ bとd
第6問(R3)
下図は、IS曲線とLM曲線を描いている。この図に基づいて、下記の設問に答
えよ。
(設問1)
LM曲線が垂直になる例として、最も適切なものはどれか。
ア 貨幣需要の利子弾力性がゼロである。
イ 貨幣需要の利子弾力性が無限大である。
ウ 投資需要の利子弾力性がゼロである。
エ 投資需要の利子弾力性が無限大である。
(設問2)
LM曲線が垂直であるときの財政政策と金融政策の効果に関する記述として、
最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。なお、ここでは物価水準が一定
の短期的な効果を考えるものとする。
a 政府支出を増加させると、完全なクラウディング・アウトが発生する。
b 政府支出を増加させると、利子率の上昇を通じた投資支出の減少が生じる
が、GDPは増加する。
c 貨幣供給を増加させると、利子率の低下を通じた投資支出の増加が生じる
が、GDPは不変である。
d 貨幣供給を増加させると、利子率の低下を通じた投資支出の増加によって、
GDPは増加する。
[解答群]
ア aとc
イ aとd
ウ bとc
エ bとd
第7問(R3)
貨幣乗数に関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。
a マネー・ストックが1単位増えると、マネタリー・ベースはその貨幣乗数倍だ
け増加する。
b 金融機関の準備率が高くなると、貨幣乗数は小さくなる。
c 現金よりも預金で通貨を保有する傾向が高まると、貨幣乗数は小さくなり、マ
ネタリー・ベースの増加に伴うマネー・ストックの増加の程度も小さくなる。
d 中央銀行は、マネタリー・ベースのコントロールを通じて、マネー・ストック
を調整する。
[解答群]
ア aとb
イ aとc
ウ bとc
エ bとd
オ cとd
第8問(R3)
金融政策に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答
群から選べ。
a 投資の利子感応度が大きいほど、貨幣供給量の増加がGDPを増加させる効果
は、大きくなる。
b 貨幣数量説の考え方によると、貨幣供給量の増加は、物価水準を上昇させると
ともに、実質GDPを比例的に増加させる。
c ケインズ的な金融政策の考え方によれば、貨幣供給量は経済成長率に合わせた
一定率(k%)で増加させることが望ましい。
d 流動性のわなが生じているときの貨幣供給量の増加は、更なる利子率の低下が
ないために投資のクラウデイング・アウトを伴うことなく、GDPを増加させる。
[解答群]
ア a:正 b:正 c:正 d:正
イ a:正 b:正 c:正 d:誤
ウ a:正 b:誤 c:誤 d:正
エ a:正 b:誤 c:誤 d:誤
オ a:誤 b:誤 c:誤 d:正
第9問(R3)
生産物市場における輸出入の変化がGDPや貿易収支に与える影響に関する記述
として、最も適切なものはどれか。
ア 輸出と輸入が同規模で増加するとき、外国貿易乗数は1になる。
イ 輸出の増加は、輸出の増加分に外国貿易乗数を乗じた大きさだけ貿易収支を改
善させる。
ウ 輸入の増加は、輸入の増加分に外国貿易乗数を乗じた大きさだけ自国のGDP
を減少させる。
エ 輸入の増加は、輸入の増加分に外国貿易乗数を乗じた大きさだけ貿易収支を悪
化させる。
第10問(R3)
完全資本移動の場合のマンデル=フレミング・モデルについて考える。下図にお
いて、IS曲線は生産物市場の均衡、LM曲線は貨幣市場の均衡、BP曲線は国際収
支の均衡を表す。この経済は小国であるとする。変動相場制のケースでの経済政策
に関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。
a 金融緩和政策は、資本が海外から自国に流入することにより、自国通貨高を生
じさせる。
b 財政拡大政策は、資本が海外から自国に流入することにより、自国通貨高を生
じさせる。
c 金融緩和政策は、輸出を増加させることを通じて、自国のGDPを増加させる
効果を持つ。
d 財政拡大政策は、輸出を増加させることを通じて、自国のGDPを増加させる
効果を持つ。
[解答群]
ア aとc
イ aとd
ウ bとc
エ bとd
第11問(R3)
雇用・失業の用語に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア アルバイトで生計を維持する大学生は、労働力人口に含まれる。
イ 非労働力人口は、専業主婦(夫)を含まない。
ウ 有効求人倍率が1を超えるとき、完全失業率はゼロである。
エ 有効求人倍率は、新規求人数を月間有効求職者数で除した値である。
オ 労働力人口は、未成年を含まない。
第12問(R3)
全要素生産性(TFP)に関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答
群から選べ。
a 新しい技術の開発は、全要素生産性を上昇させる要因のひとつである。
b 経済成長率=(労働分配率×労働生産性の成長率)+(資本分配率×資本投入の
成長率)+全要素生産性の成長率、である。
c 生産要素の投入量が一定であったとしても、全要素生産性が上昇すると、生産
量は増加する。
d 全要素生産性は、生産量を労働投入量で除した値である。
[解答群]
ア aとb
イ aとbとc
ウ aとc
エ aとcとd
オ bとcとd
第13問(R3)
市場取引において、売り手の行動を表す曲線は「供給曲線」、買い手の行動を表す
曲線は「需要曲線」と呼ばれている。下図に基づき、供給曲線と需要曲線のシフト要
因と、均衡価格の変化に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選
べ。なお、点Eが初期の均衡を示している。
[解答群]
ア 技術の進歩によって供給曲線が左方にシフトし、嗜好の変化によって需要曲
線が左方にシフトすると必ず均衡価格が上昇する。
イ 技術の進歩によって供給曲線が右方にシフトし、所得の増加によって需要曲
線が右方にシフトすると必ず均衡価格が上昇する。
ウ 原材料費の下落によって供給曲線が左方にシフトし、嗜好の変化によって需
要曲線が右方にシフトすると必ず均衡価格が上昇する。
エ 原材料費の上昇によって供給曲線が左方にシフトし、嗜好の変化によって需
要曲線が左方にシフトすると、必ず均衡価格が下落する。
オ 原材料費の上昇によって供給曲線が左方にシフトし、所得の増加によって需
要曲線が右方にシフトすると、必ず均衡価格が上昇する。
第14問(R3)
左図では供給曲線が垂直になっており、また、右図では需要曲線が垂直になって
いる。需要曲線がシフトする場合の売り手の収入の変化に関する記述の正誤の組み
合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a 左図では、需要曲線が右方にシフトするとき、売り手の収入は減少する。
b 右図では、需要曲線が右方にシフトするとき、売り手の収入は増加する。
c 需要曲線が左方にシフトするとき、両方の図で、売り手の収入は減少する。
[解答群]
ア a:正 b:正 c:誤
イ a:正 b:誤 c:誤
ウ a:誤 b:正 c:正
エ a:誤 b:正 c:誤
オ a:誤 b:誤 c:正
第15問(R3)
下図のような形状をした無差別曲線に関する記述として、最も適切な組み合わせ
を下記の解答群から選べ。
a X財がおにぎり、Y財がサンドイッチのように、不完全であるが代替可能性
のある2財の関係を示している。
b X財がお弁当、Y財が容器ゴミのように、通常の財と負の財の関係を示して
いる。
c この無差別曲線上におけるX財とY財の組み合わせでは、得られる効用は一
定である。
d この無差別曲線上を右に行くほど、X財を1単位増やすために減らさなけれ
ばならないY財の量は増加する。
[解答群]
ア aとc
イ aとcとd
ウ bとc
エ bとcとd
オ bとd
第16問(R3)
限られた所得を有する個人がおり、X財とY財を購入することができるとす
る。下図には、この限られた所得に基づいて予算制約線Aと予算制約線Bが描か
れており、また、予算制約線Aと点Eで接する無差別曲線と、予算制約線Bと点
Fで接する無差別曲線が描かれている。下図に関する記述として、最も適切な組み
合わせを下記の解答群から選べ。
a 予算制約線Aから予算制約線Bへの変化は、X財の価格の上昇によるもので
ある。
b 予算制約線Aから予算制約線Bへの変化は、Y財の価格の上昇によるもので
ある。
c 点Eから点Fへの変化は、代替効果と呼ばれている。
d 点Eから点Gへの変化は、代替効果と呼ばれている。
[解答群]
ア aとc
イ aとd
ウ bとc
エ bとd
第17問(R3)
大学生のAさんは、アルバイト先の時給が上がったことで、所得が増加した。そ
の結果、お昼に学食に行く回数が減り、イタリアンレストランに行く回数が増え
た。この状況に関する説明として、最も適切なものはどれか。
ア Aさんにとって、学食とイタリアンレストランの消費は両方ともプラスである
ので、ともに上級財である。
イ Aさんにとって、学食とイタリアンレストランは補完財である。
ウ Aさんにとって、学食の消費は減り、イタリアンレストランの消費は増えたの
で、学食は下級財であり、イタリアンレストランは上級財である。
エ Aさんにとって、学食は必需品であり、イタリアンレストランは馨移品であ
る。
オ Aさんにとって、学食もイタリアンレストランも必需品である。
第18問(R3)
生産に外部経済が伴う場合の市場均衡を考える。下図には、需要曲線D、私的
限界費用曲線線S0、社会的限界費用曲線S1が描かれている。市場均衡は点Fで与え
られ、均衡価格はP1、均衡取引量はQ1である。また、社会的な最適点は点Eで
与えられている。
このとき、社会的に最適な状態を実現するために政府が生産者に対して補助金を
交付するとする。交付される補助金の大きさとして、最も適切なものを下記の解答
群から選べ。
[解答群]
ア 四角形CBEF
イ 四角形CBEH
ウ 四角形CBGF
エ 四角形FGEH
オ 四角形P1P2GF
第19問(R3)
下図によって独占企業の利潤最大化を考える。Dは独占企業の市場需要曲線、
MRは独占企業の限界収入曲線、MCは独占企業の限界費用曲線である。
この図に関する記述として、最も不適切なものを下記の解答群から選べ。
[解答群]
ア 社会的に望ましい生産量はQ0で実現し、そのときの総余剰は三角形ABE
である。
イ 生産量がQ1のとき、この独占企業の平均収入はP1である。
ウ 独占企業が利潤を最大化させるときの消費者余剰は台形AP2GFである。
エ 独占企業の利潤を最大化する生産量はQ1である。
第20問(R3)
ある遊園地では、入場料とアトラクション乗車料金の2部料金制をとっている。
太郎さんがこの遊園地のアトラクションに乗る回数は1回当たりの料金に依存する
ので、下図のような需要曲線Dが描けるとする。また、この遊園地がアトラク
ション乗車1回で負担する限界費用は200円であるとする。下図に関する記述の正
誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a 点Aにおいて太郎さんが支払う費用は1,200円である。
b 点Aよりも点Bの方が、太郎さんの消費者余剰は大きい。
c 入場料700円を支払った後に、点Aにおいて太郎さんはこのアトラクション
に6回乗る。
[解答群]
ア a:正 b:正 c:正
イ a:正 b:正 c:誤
ウ a:誤 b:正 c:正
エ a:誤 b:正 c:誤
オ b:誤 b:誤 c:誤
第21問(R3)
消費の競合性と排除性に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なもの
を下記の解答群から選べ。
a マグロの漁場のような共有資源には、排除性はないが、競合性がある。
b 支払いにより加入をすることで消費ができるクラブ財には、排除性があるが、
競合性はない。
c 競合性と排除性を持ち合わせる財のことを公共財という。
[解答群]
ア a:正 b:正 c:正
イ a:正 b:正 c:誤
ウ a:正 b:誤 c:誤
エ a:誤 b:正 c:誤
オ a:誤 b:誤 c:正
第22問(R3)
下図のような労働市場について考える。この図に関する記述として、最も適切な
組み合わせを下記の解答群から選べ。
a 最低賃金をW0より高い水準に設定すると、労働市場は超過供給の状態とな
り、失業が生じる。
b 労働市場を開放し、海外から労働移民を受け入れると、労働需要曲線が右方に
シフトする。
c 資本投入量が増加すると、貸金は上昇する。
d 最低貸金をW0より低い水準に設定すると、人手不足の状態となる。
[解答群]
ア aとb
イ aとc
ウ aとd
エ bとc
オ cとd
第23問(R3)
自由貿易協定によって、それまで輸入が禁止されていた果物の輸入が自由化され
ることになった。下図には、この果物に関する国内市場の需要曲線Dと供給曲線
Sが描かれている。輸入自由化によって、国内価格がP0から国際価格P1になった
ときの消費者余剰と生産者余剰に関する記述として、最も適切なものを下記の解答
群から選べ。
[解答群]
ア 自由貿易協定によって、消費者余剰は(3)と(4)の分だけ増加する。
イ 自由貿易協定によって、生産者余剰は(1)よりも大きくなり、消費者余剰は(5)
よりも大きくなる。
ウ 自由貿易協定による、生産者から消費者への再分配効果は(1)と(2)である。
エ 自由貿易協定による生産者余剰の減少分は(2)である。
オ 自由貿易協定による総余剰の増加分は、(2)、(3)を加えたものである。