第1問(H15) いわゆる外形標準課税に関する説明のうち、最も不適切なものはどれか。 ア 外形標準課税が一部の地方自治体で、高い税率で導入された場合、当該地域へ の企業の進出を阻害する恐れがある。 イ 外形標準課税の課税標準については、所得水準を基準としている。 ウ 外形標準課税の導入については、一部の業界への狙い撃ちという批判がある。 エ 地方自治体で検討されている外形標準課税の導入は、地方財源の安定化を目的 としている。
第2問(H15) 下図は、日本と米国における家計保有金融資産と企業部門の資金調達に関す る最近の構成比を表したものである。下記の解答群のうち最も適切なものはどれ か。
{解答群} ア 日本の家計保有金融資産構成比はAで、アメリカの企業部門の資金調達構成 比はC。 イ 日本の家計保有金融資産構成比はAで、アメリカの企業部門の資金調達構成 比はD。 ウ 日本の家計保有金融資産構成比はBで、アメリカの企業部門の資金調達構成 比はC。 エ 日本の家計保有金融資産構成比はBで、アメリカの企業部門の資金調達構成 比はD。
第3問(H15) 下図は、対外直接投資と国内設備投資の関係を表している。この図の矢印A〜D の中で、いわゆる産業の空洞化の傾向を表しているものはどれか、最も適切なもの を選べ。
ア A イ B ウ C エ D
第4問(H15) 全要素生産性(TFP:total factor productivility)は、各投入要素の分配率をウェイ トとして組み合わせて一つの合成投入財としたときの、その合成投入財の生産性を 表す指標である。その指標に関して、ある国の1950年代から2000年までのデータ を示したものが、以下の表である。この表から読み取れることとして、適切なものの 組合わせを下記の解答群から選べ。
a 1960年代以降、全要素生産性の伸びが、この国の産出量成長を牽引してい る。 b 長期的に見て、この国の成長が減速した最大の要因は、労働の伸びが停滞した ことである。 c 1990年代に、この国の成長が減速した最大の要因は、全要素生産性の伸びが 停滞したことである。 d この国の成長に、各年代で一貫して最も寄与しているのは資本ストックの伸び である。 {解答群} ア aとc イ aとd ウ bとc エ bとd
第5問(H15) 景気循環の周期の長さを、短いものから長いものへと順に並べた場合、最も適切 なものはどれか。 ア コンドラチェフの技術進歩循環 → 設備投資循環 → 在庫循環 イ 在庫循環 → コンドラチェフの技術進歩循環 → 設備投資循環 ウ 在庫循環 → 設備投資循環 → コンドラチェフの技術進歩循環 エ 設備投資循環 → コンドラチェフの技術進歩循環 → 在庫循環 オ 設備投資循環 → 在庫循環 → コンドラチェフの技術進歩循環
第6問(H15) 下図は、鉱工業指数から日本における在庫と出荷の前年同期比の数値を、1997 年の第T四半期から2002年の第U四半期まで図示したものである。2001年の局面 として最も適切なものを下記の解答群から選べ。
{解答群} ア 景気回復局面である。 イ 在庫調整・在庫減らし局面である。 ウ 在庫積み上がり局面である。 エ 在庫積み増し局面である。
第7問(H15) 次の文章を読んで、以下の設問に答えよ。 貨幣乗数は、□ @ □が増加したときのマネーサプライの増加の割合を指す。 貨幣乗数は、金融仲介機能を通じて信用創造がどれだけ行われているかを反映して いる。貸出を通じて預金が増加し、それがまた貸出に回るという信用創造プロセス が活発であれば、貨幣乗数は□ A □。また、銀行や他の民間部門が当座預金残 高や貨幣の保有を増加させると、貨幣乗数は□ B □。 (設問1) 文中の空欄@に入る最も適切なものはどれか。 ア 銀行貸出 イ 現 金 ウ マネタリーベース(ハイパワード・マネー) エ 預 金
(設問2) 文中の空欄@の数値が増加した場合、起こりうることとして、最も適切なもの の組み合わせを下記の解答群から選べ。 a 現金・預金比率の上昇は、マネーサプライの増加を抑制する。 b 現金・預金比率の低下は、マネーサプライの増加を抑制する。 c 準備・預金比率の上昇は、マネーサプライの増加を抑制する。 d 準備・預金比率の低下は、マネーサプライの増加を抑制する。 {解答群} ア aとc イ aとd ウ bとc エ bとd
(設問3) 文中の空欄Aと空欄Bに入る最も適切なものの組み合わせはどれか。 ア A:上昇する B:上昇する イ A:上昇する B:低下する ウ A:低下する B:上昇する エ A:低下する B:低下する
第8問(H15) 財政均衡にこだわらず、財政支出拡大や金融緩和による景気拡大を図るという考 えに最も当てはまるものはどれか。 ア ケインズ政策 イ サプライサイド経済学 ウ 新古典派理論 エ マネタリズム
第9問(H15) 次の文章を読んで、空欄@と空欄Aに入る最も適切な言葉の組み合わせを、下記 の解答群から選べ。 最近、複数の国の間で自由貿易協定(FTA)が結ばれるようになっている。協定 締結国間の関税撤廃により、それらの国の間の貿易が拡大し、経済厚生にプラスの 影響を与える効果を□ @ □と呼ぶ。一方で、本来競争力のあるFTA域外から の輸入がFTA域内の生産によって代替され、域内・域外の資源の効率配分が阻害 されるマイナス効果を□ A □と呼ぶ。 {解答群} ア @:競争促進効果 A:交易条件効果 イ @:競争促進効果 A:貿易創造効果 ウ @:競争促進効果 A:貿易転換効果 エ @:競争転換効果 A:貿易促進効果 オ @:貿易創造効果 A:貿易転換効果
第10問(H15) 下図は、日本の小売業における経常利益の前年同期比の要因分解を行った図であ る。この図では、売上数量要因、売上価格要因、交易条件要因、人件費要因、その 他要因に分けて、要因分解を行っている。 以下の設問に答えよ。
(設問1) 2001年について、要因分解から得られる考察に関し、最も適切なものはどれ か。 ア 売上価格の上昇が、利益を高める効果をもたらした。 イ 売上数量拡大の効果が、売上価格要因を上回っている。 ウ 交易条件要因は、利益にプラスの寄与をしている。 エ 人件費の低下が、利益を高める効果をもたらした。
(設問2) 交易条件要因について、最も適切なものはどれか。 ア 産出価格が上昇し、投入価格が低下した場合、交易条件は悪化する。 イ 産出価格が上昇し、投入価格が低下した場合、交易条件は改善する。 ウ 人件費が上昇し、産出数量が低下した場合、交易条件は悪化する。 エ 人件費が上昇し、産出数量が低下した場合、交易条件は改善する。
第11問(H15) 「流動性のわな」に関して、以下の設問に答えよ。 (設問1) 「流動性のわな」について、最も適切なものはどれか。 ア 貨幣需要の利子弾力性が小さく、貨幣の流動性選好表が垂直になる状態 イ 貨幣需要の利子弾力性が小さく、貨幣の流動性選好表が水平になる状態 ウ 貨幣需要の利子弾力性が無限大となり、貨幣の流動性選好表が垂直になる状 態 エ 貨幣需要の利子弾力性が無限大となり、貨幣の流動性選好表が水平になる状 態
(設問2) 「流動性のわな」に陥っている場合、その政策的な合意について、最も適切なも のの組み合わせを下記の解答群から選べ。 a 大多数の人は、利子率が将来上昇するという期待を持っている。 b 大多数の人は、利子率が将来上昇するという期待を持っていない。 c 流動性のわなに陥っている場合、金融政策の有効性は期待できない。 d 流動性のわなに陥っている場合、財政政策の有効性は期待できない。 {解答群} ア aとc イ aとd ウ bとc エ bとd
第12問(H15) 第1財と第2財の需要曲線がそれぞれ直線D1,D2で表され、下図はそれらを同 じ図に書いたものである。
2財ともに供給曲線はp=100である。従ってE点で両市場とも均衡してい る。E点での需要の価格弾力性は第1財の方が第2財より□ @ □。 また、ここで2財ともに5%の消費税が導入され、供給側が全額納税するもの とする。このとき、供給曲線は税率分のみ上方にシフトし、需要曲線は両方とも □ A □。 文中の空欄@、Aに当てはまる組み合わせとして、最も適切なものはどれか。 ア @:大きい A:シフトしない イ @:大きい A:右上方にシフトする ウ @:小さい A:シフトしない エ @:小さい A:左下方にシフトする オ @:小さい A:右上方にシフトする
第13問(H15) ある財の需要曲線Dと供給曲線Sが、下図のようにそれぞれp=100−xと p=xで与えられ、E点(p*=50,x*=50)で市場が均衡しているものとする。
この場合、政府が上限価格規制を行い、30を越える価格を禁止するときには、 生産者余剰は□ @ □となる。また、総余剰は規制前と比べて□ A □だけ減 少する。 空欄@、Aに当てはまる組み合わせとして、最も適切なものはどれか。 ア @:300 A:250 イ @:450 A:400 ウ @:650 A:600 エ @:900 A:800
第14問(H15) 産業組織論で用いられるSCPパラダイムは、個別市場のどのような特徴と因果 律を問題にしているか。下記のうち最も適切なものを選べ。 ア 構 造 ー 行 動 ー 成 果 イ システム ー コンポーネント ー プログラム ウ 組 織 ー 連 関 ー 機 能 エ 体 系 ー 操 作 ー 評 価
第15問(H15) 2財モデルで、ある消費者が第1財と第2財をそれぞれx1,x2消費しており、 この消費者の無差別曲線は、下図のu1およびu2のように直線で表されるものとす る。
このとき、第2財の第1財に対する限界代替率は□ @ □。また予算線が線分 ABで表されるときは、□ A □が最適消費点である。 空欄@、Aに当てはまる組み合わせとして、最も適切なものはどれか。 ア @:一定である A:点A イ @:一定である A:点B ウ @:逓減している A:点A エ @:逓減している A:点C オ @:逓増している A:点D
第16問(H15) 下図は、2財モデルにおけるある消費者の予算線ABと、それに点Eで接して いる無差別曲線である。ここで、第1財の消費量をx1、第2財のそれをx2とす る。この場合、価格が変わらないものとして、所得がY1,Y2と増加したときの予 算線と無差別曲線との接点を、それぞれE1,E2とする。
この図から、第1財が□ @ □であり、第2財が□ A □であるといえる。 空欄@、Aに当てはまる組み合わせとして、最も適切なものはどれか。 ア @:下級財 A:ギッフェン財 イ @:下級財 A:上級財 ウ @:ギッフェン財 A:下級財 エ @:上級財 A:下級財
第17問(H15) 土地・資本・労働の3生産要素を用いて、ある生産物を生産している工場があ る。また、この事業分野では土地のみが固定費用にあたり、かつ土地取得にかかる 費用の1割は不動産取引のよる費用で、サンク・コストと考えられ、残りの土地取 得費用はサンク・コストとはならないものとする。 既存工場と同規模工場での新規参入を考えている企業があり、その考慮中に、資 産デフレの影響で土地の価格のみ下落した。この場合、新規参入工場のサンク・コ ストは、既存工場のサンク・コスト□ @ □。また、資産デフレの前と比べたと き、新規参入を招く可能性□ A □といえる。 文中の空欄@、Aに当てはまる組み合わせとして、最も適切なものはどれか。 ア @:と同じである A:は変わらない イ @:より大きい A:が大きくなった ウ @:より大きい A:は変わらない エ @:より小さい A:が大きくなった オ @:より小さい A:は変わらない
第18問(H15) ある財の需要は、価格が100円のとき、200単位であるという。このとき、売り 手がその半額で売ると需要が3倍に増えることが知られている。従って、需要の価 格弾力性を、それぞれの変化率の比(絶対値)として表すと□ @ □となる。 またこの財の供給を、ある企業が完全独占して、利潤最大化を行ったとする。こ のときの独占価格は、この供給量を実現する際に要した限界費用□ A □。 文中の空欄@、Aに当てはまる組み合わせとして、最も適切なものはどれか。 ア @:4 A:と等しい イ @:4 A:より大きい ウ @:6 A:と等しい エ @:6 A:より大きい
第19問(H15) 2社によって製品を供給する複占市場に関する記述として、最も適切なものの組 み合わせを下記の解答群から選べ。 a 他企業の価格を所与として、両企業とも自社の価格を最適化して利潤最大化し ようと競争しているとき、この競争による均衡をベルトラン・ナッシュ均衡とい う。 b 他企業の生産量を所与として、両企業とも自社の数量を最適化して利潤最大化 しようと競争しているとき、この競争による均衡をベルトラン・ナッシュ均衡と いう。 c 一方が大企業で能動的に生産量を決め、他方が大企業の生産量を所与とし、受 動的に自社の生産量を決めるとき、この競争による均衡をシュタッケルベルク均 衡という。 d 一方が大企業で能動的に価格を決め、他方が大企業の価格を所与とし、受動的 に自社の価格を決めるとき、この競争による均衡をシュタッケルベルク均衡とい う。 {解答群} ア aとc イ aとd ウ bとc エ bとd
第20問(H15) 2つの空港を結ぶ旅客サービスが、他にも路線を持つ4社によって供給されてい た。ある日、旅客輸送の実績のない企業が、4社より低い価格でこの路線に参入し た。ところが、参入即日に既存4社が価格を引き下げ、5社すべて同じ価格となっ た。 その後しばらくして新規参入の企業は倒産し、価格はもとの4社の価格に引き上 げられた。 これらの企業行動についての記述として、最も適切なものはどれか。 ア 既存4社には、内部補助の効果があったと考えられる。 イ 既存4社の価格引き下げ行動によって発生した競争は、ヤードスティック競争 と呼ばれる。 ウ 新規に参入した企業が設定した価格は、参入阻止価格と呼ばれる。 エ 新規に参入した企業が設定した価格は、ラムゼイ価格と呼ばれる。
第21問(H15) ある個人の所得Mのときの効用関数U(M)が、下図のように表されるものとす る。
図から、この個人は危険□ @ □的であるといえる。この個人が、確率 1/2 で 2,000円を手に入れることができ、確率 1/2 で何も得られない賭けに挑戦する場合 を考える。この賭けの□ A □は1,000円で、リスク・プレミアムは線分 □ B □で表される。 文中の空欄@、A、Bに当てはまる組み合わせとして、最も適切なものはどれ か。 ア @:愛 好 A:所得の割引現在価値 B:CEの長さ イ @:愛 好 A:所得の期待効用値 B:DEの長さ ウ @:回 避 A:確実性等価 B:DEの長さ エ @:回 避 A:所得の期待値 B:CEの長さ