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第1問(R3)
 多角化に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 企業における多角化の程度と収益性の関係は、その企業が保有する経営資源に
 かかわらず、外部環境によって決定される。
イ 情報的経営資源は、複数の事業で共有するとその価値が低下するため、多角化
 の推進力にはならない。
ウ 多角化の動機の1つとして、社内に存在する末利用資源の活用があげられる。
エ 多角化は規模の経済を利用するために行われる。
第2問(R3)
 ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)が開発した「プロダクト・ポート
フォリオ・マネジメント」(以下「PPM」という)と、その分析ツールである「プロダ
クト・ポートフォリオ・マトリックス(BCG成長−シェア・マトリックス)」に関す
る記述として、最も適切なものはどれか。

ア PPMの分析単位である戦略事業単位(SBU)は、製品市場の特性によって客観
 的に規定される。
イ「プロダクト・ポートフォリオ・マトリックス」では、縦軸に市場成長率、横軸
 に戦略事業単位(SBU)の売上高をとり、その2次元の座標軸の中に各事業が位
 置付けられる。
ウ「プロダクト・ポートフォリオ・マトリックス」において「金のなる木」に分類さ
 れた事業は、将来の成長に必要な資金を供給する。
エ「プロダクト・ポートフォリオ・マトリックス」において「花形」に分類された事
 業は、生産量も大きく、マージンは高く、安定性も安全性も高い。
オ「プロダクト・ポートフォリオ・マトリックス」において「問題児」に分類された
 事業からは撤退すべきである。
第3問(R3)
 M&A(企業の合併・買収)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア M&Aに当たって企業価値を算定する際には、複数の方法が用いられている。
 そのうち、マーケット・アプローチとは、M&Aの対象となる企業の収益力を
 ベースに、企業価値を算定する方法である。
イ M&Aにおいて、買収価格が買収対象企業の純資産の時価評価額を上回る場
 合、その差額は「負ののれん」と呼ばれる。
ウ M&Aの手法として事業譲渡をとる場合には、譲渡・承継の対象となる資産や
 負債を個別に選択することができる。
エ MBO(Management Buyout)とは、M&Aの対象となる企業や事業の経営陣
 が、投資ファンドなどの第三者に、主体的にその企業を売却して、経営から退く
 ことである。MBOが成立すると、経営陣は退任の見返りとして、金銭的報酬を
 受け取る。
第4問(R3)
 G.ハメル(G.Hamel)とC.K.プラハラード(C.K.Prahalad)によると、コア製
品とは、コア・コンピタンスによって生み出された製品であり、最終製品の一部を
形成するものである。
 このコア製品に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア コア製品で獲得したマーケットシェアが、最終製品で獲得したマーケットシェ
 アを上回ることはない。
イ コア製品のマーケットシェアを拡大することは、コア製品への投資機会の増加
 につながり、コア・コンピタンスを強化する機会になる。
ウ コア製品は、特定の製品や業界につながっているものであり、複数の製品や業
 界に展開することはない。
エ コア製品を同業他社に販売すると、コア製品を敗売した企業の最終製品の競争
 力は低下する。
第5問(R3)
 次の文章の空欄に入る数値として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 業界全体の成長率は、当該業界における競争状況や収益性に影響を与えることか
ら、競争戦略を考える上で重要な要因の1つである。
 X業界における2018年度の販売金額は1,000億円で、2020年度の販売金額は
1,440億円であった。この間のX業界の年平均成長率(CAGR)は、□  □%で
ある。

[解答群]
ア 14.7
イ 20.0
ウ 22.0
エ 29.3
オ 44.0
第6問(R3)
 次の文章を読んで、問題に答えよ。

 X杜は全社的な成長に向けて、新たな業界に参入して、新規事業を展開すること
を計画している。参入先の候補として考えられているのは、AからEの5つの業界
である。社内で検討したところ、各業界の重要な特性として、次のような報告がプ
ロジェクトチームから上がってきた。なお、X社では、いずれの業界においても、
各業界における既存の取引関係を用いるとともに、製品・サービスの質とコストに
関して既存企業と同様の条件で参入することを想定している。

A業界:この業界には、既に5社が参入している。主要な原材料は老舗のF社から
   5社に対して安定的に供給されている。A業界の製品は規模が類似した代
   理店5社を通じて販売されている。
B業界:この業界では、4杜が事業を展開している。G社が主要な原材料に関する
   特許を保有しているために、これら4社は、原材料をG社から購入する契
   約を結んでいる。これら4社の製品は、H社が全量購入している。
C業界:この業界には、既に4社が参入している。主要な原材料は5社から購入で
   きるが、生産工程での安定性を考えると、その1社であるK社の原材料が
   優れているために、K社の販売数量は他の4社の合計よりも多い。C業界
   の製品の販売を委託する企業は5社存在するが、その中でもL社が強い営
   業力を有し、他の4社を圧倒した市場シェアを獲得しており、ガリバー的
   な存在である。
D業界:この業界では、6社が事業を営んでいる。D業界の製品は技術革新により
   年々性能が向上しているが、その性能向上は、主要な原料を供給するM社
   の技術革新を源泉としているために、全量をM社から調達している。D業
   界の製品は特殊なサポートが必要であることから、そのサポート体制を有
   するN社を通じて全量が販売されている。
E業界:この業界には、既に2社が参入している。原材料の汎用性は高く、コスト
   と品質で同等の水準となる供給業者が10社存在している。顧客は5つの
   業界であり、いずれの業界でも、規模が類似した10社以上が事業を展開
   している。

 以上に記された情報に基づいて、各業界での競争状況、供給業者の交渉力、買い
手の交渉力を業界構造として総合的に考えた場合に、X社が参入する業界として、
最も高い収益性(売上高に対する利益率)が期待されるものはどれか。

ア A業界
イ B業界
ウ C業界
エ D業界
オ E業界
第7問(R3)
 競争戦略に関する事項の説明として、最も適切なものはどれか。

ア M.ポーター(M.Porter)によれば、競争戦略の基本は、規模の拡大による低コ
 スト化の実現と製品差別化の同時追求にあり、製品差別化と結びつかない低コス
 ト化の追求は、短期的には成功を収めても、中長期的には持続的な競争戦略には
 ならない。
イ ある特定の製品の生産・販売の規模を拡大することによって、生産・販売に関
 わるコスト、特に単位当たりコストが低下する現象は、「範囲の経済」と呼ばれて
 おり、コスト・リーダーシップの基盤となる。
ウ 経験効果とは、累積生産量の増加に伴い、単位当たりコストが一定の比率で低
 下する現象である。この累積生産量と単位当たりコストの関係に基づくと、将来
 の累積生産量から単位当たりコストを事前に予測して、戦略的に価格を設定する
 ことができる。
エ 製品差別化が実現している状況では、当該製品の顧客は代替的な製品との違い
 に価値を認めているために、競合製品の価格が低下しても、製品を切り換えな
 い。したがって、このような状況では、需要の交差弾力性は大きくなる。
オ 製品ライフサイクルの初期段階で、コスト・リーダーとなるためには、大幅に
 価格を引き下げて、一気に市場を立ち上げるとともに、市場シェアを高める「上
 澄み価格政策」が有効である。
第8問(R3)
 サラス・サラスバシー(S.D.Sarasvathy)は、経験豊富な起業家の経験より抽出
された実践的なロジックから構成されるエフェクチュエーション(effectuation)と
いう概念を生み出した。エフェクチュエーションは、「手段(means)」からスタート
し、「これらの手段を使って、何ができるだろうか」と問いかけることから始める。
その点で、「結果(effect)」からスタートし、「これを達成するためには、何をすれば
よいか」を問うコーゼーション(causation)と対比されるものである。
 このエフェクチュエーションを構成する5つの行動原則に関する記述として、最
も不適切なものはどれか。

ア 許容可能な損失(affordable loss)の原則とは、創業後に事業を継続するかどう
 かを判断する際に、事前に設定した許容可能な損失の上限に達したという理由
 で、事業を途中でやめないということである。
イ クレイジーキルト(crazy-quilt)の原則とは、起業活動に必要な自分以外との関
 係性をあらかじめ作成した設計図に基づいてつくるのではなく、起業後に自分を
 取り巻く関与者と交渉しながら関係性を構築していくことである。
ウ 手中の鳥(bird in hand)の原則とは、もともと自分が持っているリソースを
 使って行うことである。具体的には自分が何者であるか、自分は誰を知っている
 か、そして自分は何を知っているのかを認識して、それらを活用することから始
 めることである。
エ 飛行機の中のパイロット(pilot in the plane)の原則とは、予測できないことを
 避けようとするのではなく、予測できないことのうち自分自身でコントロール可
 能な側面に焦点を合わせ、自らの力と才覚を頼って生き残りを図ることである。
オ レモネード(lemonade)の原則とは、予測できないことを前向きに捉え、不確
 実性を梃子てこのように利用しようとすることである。
第9問(R3)
 次の文章を読んで、問題に答えよ。

 株式会社Xの前社長Aは長男Bに代表取締役社長の座を譲り、企業経営から完全
に引退した。しかし、Aは株式全体の55%を引退後も所有しており、Bは株式を
所有していない。株式会社Xではない会社に勤務しているAの次男Cが20%、A
の三男で常勤の専務取締役であるDが10%、Aの配偶者で専業主婦のEが15%の
株式を有している。
 Bが社長に就任した後、数年間は経営が順調であったが、最近は業績が急に悪化
して経営の立て直しが求められるようになり、家族が集まり会議が開催された。
A、B、C、D、Eそれぞれが、スリーサークルモデルのどこに位置しているかを
下図で確認した上で、それぞれの立場に最もふさわしい発言をしているものを下記
の解答群から選べ。

mon9
[解答群]
ア Aの発言:大株主として、Bの親として、また日々の経営を任されたものと
       して今後は行動していかなければならない。
イ Bの発言:信頼できる右腕がいなかったことも失敗の大きな要因の1つなの
       で、代表取締役の権限で、現在別の会社で働いている友人のF君
       を新たに専務取締役に決定する。
ウ Cの発言:私は、日常の経営に携わっているわけではない。株主への配当が
       しっかりできるように経営してほしい。
エ Dの発言:私は、日々の経営には関心も責任もない。今までと同様に、今後
       もBの経営を株主としてしっかり監視する。
オ Eの発言:次の株主総会でBが代表取締役社長に選ばれるかどうか心配であ
       るが、私はBの母親というだけであって、株主総会で何もできな
       い。
第10問(R3)
 次の文章は、野中郁次郎が提唱した「知識創造理論」に関する記述である。文中の
空欄に入る用語として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 形式知と暗黙知の循環によって生み出される知識創造のプロセスには4つのモー
ドがあり、そのうち、形式知から形式知への転換を□  □と呼ぶ。

[解答群]
ア 共同化
イ 統合化
ウ 内面化
エ 表出化
オ 連結化
策11問(R3)
 特許戦略に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア 特許などの知的財産の権利化に当たっては、数多く出願し、権利化していけば
 よいのではなく、出願・登録のコストやその後の活用の可能性を踏まえ、選別し
 て出願・権利化し、管理・維持していくことが必要である。
イ 日本国内における2011年度から2018年度の特許権の利用状況を見ると、自社
 および他社によって利用されている特許権の割合は、およそ半数にとどまってい
 る。
ウ 日本の特許法は、同一の発明について2つ以上の特許出願があったときに、先
 に発明をしたものに権利を付与する「先発明主義」を採用している。
エ 発明を特許として出願すると、一定期間が経過した後に発明の内容が公開され
 てしまうので、あえて出願せずノウハウとして保持するという選択肢もある。
第12問(R3)
 ソフトウェアやコンテンツなどの情報財には、独自の特性があるとされる。その
特性やそこから派生する状況として、どのようなことが想定できるか。最も適切な
ものを選べ。

ア インターネットの普及によって情報財の流通コストは低下しているために、情
 報財をその一部でも無償で提供すると、広告収入以外で収入を獲得することは不
 可能になる。
イ 情報財では、幅広いユーザーが利用するという特性から、スイッチングコスト
 を生み出して顧客を囲い込む方策は、例外的な状況を除いて有効ではない。
ウ 情報財では、複製にかかるコストが相対的に低いという特性から、個々の観客
 が持つ価値に応じて価格差別を行うことは困難である。
エ 情報財において、ネットワーク外部性が大きい状況では、顧客数が増えるほ
 ど、その情報財の価値は顧客間で希釈化され、個々の顧客が獲得する効用は低下
 する。
オ 制作・開発には多額のコストがかかるが、複製にかかるコストは低いという特
 性を持った情報財では、コモディティ化によって製品市場で激しい価格競争が生
 じると、複製にかかるコストの近傍まで製品価格が下落して、制作・開発にか
 かったコストが回収できなくなる可能性がある。
第13問(R3)
 企業の社会的責任(CSR)は重要な戦略課題である。CSRに関する記述として、
最も不適切なものはどれか。

ア CSRで重要なのは、利益を獲得するプロセスにかかわりなく、ステークホル
 ダー間で利益を公平に分配することである。
イ CSRとは、企業は社会に与える影響について責任を持ち、社会の持続的発展
 のために貢献すべきとする考え方と、それに基づいて実践される諸活動のことを
 指す。
ウ CSRを遂行するためには、企業は株主に対する責任のみならず、従業員、取
 引先、消費者、地域住民、行政、社会全体といった様々なステークホルダーに対
 する責任を自発的に果たさなければならない。
エ ISO26000は、企業のみならず、あらゆるタイプの組織の社会的責任に関する
 国際規格である。
オ 不祥事が生じないよう、企業がコンプライアンスを日ごろから徹底すること
 は、CSRの一環である。
第14問(R3)
 組織の参加者が、自分の行為を決定するものとして組織内の伝達を受け入れるか
どうかは、その伝達を権威あるものとして受容するかどうかに依存している。
 C.I.バーナード(C.T.Barnard)が主張した伝達の特徴としての権威に関する記述
として、最も適切なものはどれか。

ア 権威が受容されるためには、意思決定に当たり、伝達の内容が組織目的と矛盾
 しないと参加者が信じることが必要である。
イ 権威は、伝達の内容が参加者の個人的利害に反する場合でも、その命令に従わ
 せる能力を意味する。
ウ 参加者の無関心圏の範囲では、命令は権威あるものとして受容される。
エ 命令の一元性が確保されていれば、権威は職位によって決まるので、部下は上
 位の管理職から発せられる命令に従う。
オ リーダーシップの権威とは、個人の知織や専門能力とは別に、リーダーの地位
 にその源泉が求められる。
第15問(R3)
 経営戦略に関連する組織の運営・設置に関する記述として、最も適切なものはど
れか。

ア A.D.チャンドラー(A.D.Chandler)の「組織は戦略に従う」という命題に基づ
 けば、事業の多角化が進んだ企業では事業部制組織が採用され、地理的拡大が進
 んだ企業では機能(職能)別組織が採用されることになる。
イ 機能(職能)別組織において、各機能部門長は事業戦略の策定・執行に関する最
 終責任を負っている。
ウ 事業部制組織とカンパニー制組織は類似した特性を有するが、両者の最大の違
 いは、事業部制組織では各事業部が企業内部の下部組織であるのに対して、カン
 パニー別組織では各カンパニーが独立した法人格を有している点にある。
エ プロダクト・マネジャー制組織とは、研究開発型ベンチャー企業における事業
 部制組織のことであり、責任者であるプロダクト・マネジャーは、研究開発の成
 果に関する責任を有している。
オ 持株会社は、その設立に関して一定の制限が定められているものの、規模の下
 限は設定されていないことから、中小企業においても目的に応じて活用すること
 ができる。
第16問(R3)
 リーダーシップ理論に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア E.P.ホランダー(E.P.Hollander)の特異性−信頼理論によると、リーダーが
 フォロワーから信頼を得るためには、集団の目的に貢献する有能性と、集団の自
 由を重んじる開放性を満たす必要がある。
イ F.E.フィードラー(F.E.Fiedler)の研究によると、リーダーシップの有効性
 に影響を及ぼす状況の決定要因とは、@リーダーとメンバーの人間関係、A課業
 の構造化の度合い、Bリーダーの職位に基づくパワーの3要因である。
ウ R.リッカート(R.Likert)らによる初期のミシガン研究によると、高業績部門
 では職務中心的な監督行動が多くみられる一方で、低業績部門では従業員中心的
 な監督行動が多くみられる。
エ オハイオ研究によると、有効なリーダーシップの行動特性を表す次元とは、メ
 ンバーが良好な人間関係を構築できる「構造づくり」と、課題達成に向けてメン
 バーに理解しやすい指示を出す「配慮」の2つである。
オ 状況的リーダーシップ論(SL理論)によると、リーダーシップの有効性に影響
 を及ぼす状況要因とは、目標達成に向けたフォロワーの貢献意欲の強さである。
第17問(R3)
 個人が特定の組織との間に形成する継続的な関係性を説明する概念として、組織
コミットメントがある。組織コミットメントに関する記述として、最も適切なもの
はどれか。

ア 組織の価値観や目標と個人のそれらが一致する場合、個人にとっては組織内で
 新たに成長できる余地が限られるため、個人の組織コミットメントは弱くなる。
イ 長期にわたって1つの組織に参加し続けることが望ましいという社会的な規範
 は、個人の組織コミットメントを強めるように作用する。
ウ 特定の専門的な職務に対する思い入れの強さは、個人の組織コミットメントを
 強めるように作用する。
エ 特定の組織内では高く評価されるものの、労働市場ではほとんど評価されない
 技能を習得することは、個人の組織コミットメントを弱めるように作用する。
オ 年功序列的な給与体系の下では、短期間で転職を繰り返すことが個人にとって
 経済的に不利に作用するため、個人の組織コミットメントは弱くなる。
第18問(R3)
 T.L.ジャニス(T.L.Janis)が提唱した集団思考は(groupthink)の先行条件と兆候
に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア 誤った判断を下すことは許されないというような外部からの強い圧力に集団が
 さらされる場合、集団思考が起きやすい。
イ 機密情報を扱う場合のように集団のメンバーが限定されると、その集団は孤立
 しやすくなるため、現実に即さない議論が促進されやすい。
ウ 集団思考の兆候として、自分たちの集団の能力を過小評価し、集団における意
 思決定では極端なリスクを避けるようになる。
エ 集団思考の兆候として、集団外部の人物や集団に対して紋切り型の判断を行う
 ようになる。
オ 集団思考の兆候として、集団内の意思決定を正当化するための理屈づけを行
 い、自分たちにとって都合の悪い情報を過小評価するようになる。
第19問(R3)
 J.G.マーチ(J.G.March)とH.A.サイモン(H.A.Simon)は、コンフリクトを
標準的意思決定メカニズムの機能不全としてとらえた。
 組織におけるコンフリクトに関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 意思決定に必要な情報の入手先が多様になると、組織の参加者間で認識の差異
 は小さくなるので、個人間コンフリクトは少なくなる。
イ 組織全体の目標の操作性が低く、曖昧さが増すと、部門目標間の差異が許容さ
 れる程度が高くなるので、部門間コンフリクトは少なくなる。
ウ 組織内にスラックが多く存在すると、部門間で共同意思決定の必要性が低下す
 るので、コンフリクトは発生しにくくなる。
エ 部門間コンフリクトが発生した場合、政治的もしくは交渉による解決策を見い
 だすことが、コンフリクトの原因の解消に有効である。
第20問(R3)
 組織における部門には、それぞれの目標や利害が存在するが、組織内で大きなパ
ワーを有する部門は他部門よりも多くの予算を獲得したり、自部門にとって望まし
くない他部門からの要求を排除することができる。このような部門の持つパワーの
源泉に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア 組織が外部環境の重大な不確実性にさらされる場合、その不確実性に有効に対
 処できる部門は、他部門よりも大きなパワーを持つ。
イ 組織全体の目標を達成するために解決することが不可欠な組織内外の課題に対
 処する部門は、他部門よりも大きなパワーを持つ。
ウ 組織の最終的なアウトプットに対して大きな影響を及ぼす部門は、他部門より
 も大きなパワーを持つ。
エ 部門Aが必要とする経営資源について、その資源を部門B以外から調達できな
 い場合、部門Aは部門Bに対して大きなパワーを持つ。
第21問(R3)
 組織は社会的に正当性を獲得する必要が高くなると、組織間の類似性が高くなる
同型化(isomorphism)が生じる場合がある。同型化を強制的(coercive)同型化、模
倣的(mimetic)同型化、規範的(normative)同型化に分けて考えるとき、同型化に
関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア ある組織形態を採用して成功している組織があると、それをベンチマークする
 ことで組織内外から正当性を獲得しやすくなるので、規範的同型化が生じやす
 い。
イ 同じような教育課程を受けたものが異なる組織に所属している場合、異なる組
 織でも横断的な集団規範が正当性を獲得する根拠となるため、規範的同型化が生
 じやすい。
ウ 政府による規制があると、それに従う方が正当性を獲得しやすいので、模倣的
 同型化が生じやすい。
エ 組織文化は組織メンバーへの行為の強制力を持つため、類似の組織文化を持つ
 組織間では、強制的同型化が生じやすい。
オ 法律に従うことが正当性の根拠を提供する場合には、規範的同型化が生じやす
 い。
第22問(R3)
 企業の長期的成長のためには、既存事業の深化(exploitation)と新規事業の探索
(exploration)のバランスを取る経営が重要だと言われている。C.A・オライリー
(C.A.O’Reilly)とM.L.タッシュマン(M.L.Tushman)は、この深化と探索を両立
する組織能力を両利き(ambidexterity)と名づけた。
 両利きの経営を実践するための組織に関する記述として、最も適切なものはどれ
か。

ア 既存事業ユニットと新規事業探索ユニットが経営理念を共有し、公平性を確保
 するために、共通の事業評価基準を構築する必要がある。
イ 既存事業ユニットと新規事業探索ユニットのオペレーションを効率的に管理す
 るために、機能横断的なチームを設計する必要がある。
ウ 既存事業ユニットと新規事業探索ユニットを構造上分離しつつ、異なる文化が
 生まれないようにするため、ビジョンを共有する必要がある。
エ 既存事業ユニットと新規事業探索ユニットを構造上分離し、探索ユニットに独
 立性を与えるとともに、全社的な資産や組織能力にアクセスする権限を与える必
 要がある。
第23問
 J.P.コッター(J.P.Kotter)の提唱した組織変革の8段階モデルによると、変
革プロセスの各段階には変革を推進する場合に生じがちな独自の課題が存在し、目
標とする変革を実現するために変革の推進者にはこれらの課題を克服することが求
められる。

 下図は、8段階モデルの各段階における課題を図示したものである。
 図の中の空欄A〜Eに入る課題の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解
答群から選べ。
変革を推進するための8段階のプロセス
第1段階A
第2段階B
第3段階ビジョンと戦略を生み出す
第4段階変革のためのビジョンを周知徹底する
第5段階C
第6段階D
第7段階成果を活かして、さらなる変革を推進する
第8段階E
[解答群]
ア A:危機意識を高める
  B:従業員の自発を促す
  C:変革推進のための連帯チームを築く
  D:短期的成果を実現する
  E:新たな方法を企業文化に定着させる

イ A:危機意識を高める
  B:変革推進のための連帯チームを築く
  C:新たな方法を企業文化に定着させる
  D:短期的成果を実現する
  E:従業員の自発を促す

ウ A:危機意識を高める
  B:変革推進のための連帯チームを築く
  C:従業員の自発を促す
  D:短期的成果を実現する
  E:新たな方法を企業文化に定着させる

エ A:変革推進のための連帯チームを築く
  B:危機意識を高める
  C:従業員の自発を促す
  D:短期的成果を実現する
  E:新たな方法を企業文化に定着させる

オ A:変革推進のための連帯チームを築く
  B:危機意識を高める
  C:短期的成果を実現する
  D:新たな方法を企業文化に定着させる
  E:従業員の自発を促す
第24問(R3)
 労働基準法の定めに関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 使用者は、事業場ごとに労働者名簿と貸金台帳を調製しなければならず、ま
 た、労働者名簿及び貸金台帳など労働関係に関する重要な書類は10年以上保存
 しておかなければならない。
イ 労働基準法には、労働者が女性であることを理由として、貸金について、男性
 と差別的な取り扱いを禁止する規定はない。
ウ 労働基準法の違反行為をした者が、当該事業の労働者に関する事項について、
 事業主のために行為した代理人、使用人その他の従業者である場合においては、
 事業主は処罰されない。
エ 労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきもの
 でなければならない。
第25問(R3)
 変形労働時間制・フレックスタイム制に関わる労使協定の届出に関する記述とし
て、最も適切なものはどれか。
 なお、本問における「労働者の過半数を代表する者」とは「当該事業場に、(又は当
該事業場の)労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組
合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代
表する者」をいう。
 「フレックスタイム制」とは「就業規則その他これに準ずるものにより、一定の期
間についてあらかじめ定めた総労働時間の範囲内で、その労働者に係る始業及び終
業の時刻をその労働者の決定にゆだねる制度」をいう。

ア 使用者は、労働基準法第32条の2に規定される1箇月単位の変形労働時間制
 を実施するに当たり、労働者の過半数を代表する者との書面による協定を締結し
 たとしても、当該協定を所轄労働基準監督署長に届け出る必要はない。
イ 使用者は、労働基準法第32条の3に規定されるフレックスタイム制を1箇月
 以内の清算期間にて実施するに当たり、労働者の過半数を代表する者との書面に
 よる協定を締結したとしても、当該協定を所轄労働基準監督署長に届け出る必要
 はない。
ウ 使用者は、労働基準法第32条の4に規定される1年単位の変形労働時間制を
 実施するに当たり、労働者の過半数を代表する者との書面による協定を締結した
 としても、当該協定を所轄労働基準監督署長に届け出る必要はない。
エ 使用者は、労働基準法第32条の5に規定される1週間単位の非定型的変形労
 働時間制を実施するに当たり、労働者の過半数を代表する者との書面による協定
 を締結したとしても、当該協定を所轄労働基準監督署長に届け出る必要はない。
第26問(R3)
 労働基準法における賃金に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 賃金は、通貨で支払わなければならないが、労働組合がない企業について、労
 働者の過半数を代表する者との書面による協定があれば、使用者は通勤定期券や
 自社製品等の現物を賃金の一部として支給することができる。
イ 賃金は、通貨で支払わなければならないが、使用者は労働者の同意を得て、労
 働者が指定する銀行の労働者本人の預金口座へ振り込む方法で支払うことができ
 る。
ウ 労働基準法で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、
 労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいうが、就業規則に支
 給条件が明確に定められている結婚手当は賃金となることはない。
エ 労働者が未成年者である場合には、未成年者は独立して賃金を請求することは
 できず、親権者又は後見人が、未成年者に代わってその貸金を受け取ることとな
 る。
第27問(R3)
 解雇に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 使用者は、産前産後の女性労働者が労働基準法第65条の規定によって休業す
 る期間及びその後30日間については、同法第81条の規定によって平均賃金の
 1,200日分の打切補償を支払うことで、解雇することができる。
イ 使用者は、事業場に労働基準法又は労働基準法に基づいて発する命令に違反す
 る事実がある場合において、労働者が、その事実を行政官庁又は労働基準監督官
 に申告したことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取り扱い
 をしてはならない。
ウ 使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期
 間及びその後30日間は、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続
 が不可能となり、所轄労働基準監督署長の認定を受けた場合でも解雇することは
 できない。
エ 使用者は、労働者を解雇しようとする場合、少なくとも21目前にその予告を
 しなければならず、21日前に予告をしない場合には、21日分以上の平均貸金を
 支払わなければならない。
第28問(R3)
 経済産業省による「SDGs経営ガイド」におけるSDGsと経営に関する記述とし
て、最も適切なものはどれか。

ア SDGs経営では、大企業やベンチャー企業、大学、研究機関などが連携して研
 究開発を進める活動を通じて、社会的課題解決のためのイノベーションの協創
(collaborative creation)に参加・貢献できる機会がある。
イ SDGs経営を心がける企業は、積極的に社会的課題解決を目指すことを通じて
 取り残されてきた市場を新たに獲得するためには、経済的合理性にこだわっては
 ならない。
ウ SDGsでは17の目標と169のターゲットが設定されるが、これらの中から自
 社事業と親和性が高いものだけに偏ることを避け、企業はすべての目標、ター
 ゲットに賓献できるように自社の資源を投入する必要があるとされている。
エ SDGsは、発展途上国内の「誰一人取り残さない」(leave no one behind)ことを
 誓っているため、SDGs経営を心がける企業も同様に、利益を考えず発展途上国
 内に取り残きれるセグメントがないように留意しなければならない。
オ 企業がSDGsに取り組む自社の姿勢を「価値創造ストーリー」の中に位置づけて
 発信する際には、過去に取り組んできた自社のCSR活動のすべての事例をその
 まま投資家に向けて発信することがよい。
第29問(R3)
 消費者の知覚に対応したマーケティングに関する記述として、最も適切なものは
どれか。

ア 色に対する消費者の反応は、色の物理的な波長に対する消費者の知覚であり、
 強い感情反応を引き出す。このため、個々の消費者が経験を通じて学習する連想
 には影響されない。
イ 音や音楽は消費者の感情や行動に強い影響を及ぼすため、企業は自社のブラン
 ド・ロゴなどと、特定の音や音楽との固定的な結びつきを作らないように細心の
 注意を払う必要がある。
ウ オンライン販売では、実際の製品に触れる体験をオンライン上で提供すること
 はできないが、視覚を通じて製品の重さを知覚させることは可能である。
エ 消費者の味覚は主に口腔内に存在する味覚受容体を介した反応であるから、文
 化的要因が消費者の実際の味の評価に影響を及ぼすことはない。
オ においは脳の鼻も原始的な部分である大脳辺縁系で処理されるため、消費者の
 行動に対する直接の影響はほとんど見られない。
第30問(R3)
 近年は、企業(メーカー)と消費者が共に製品開発を行う共創(co-creation)が多く
の企業によって導入されている。このことに関する記述として、最も適切なものは
どれか。

ア 企業が企業外部のアイデアを取り入れながら価値を創造するオープン・イノ
 ベーションでは、企業は一貫して自社内のアイデアが外部に出ることがないよう
 に留意する必要がある。
イ 企業は共創によって新奇性の高い製品を開発できる可能性があるものの、当該
 製品を購入する消費者から見た場合は、共創によって開発された製品は企業が開
 発した製品より信頼性が劣ると感じる傾向がある。このため企業は、その製品が
 共創によって開発されたという事実を伏せて発売することが望ましい。
ウ 共創によって消費者と共に製品開発を行おうとする企業が増えつつある現状に
 対抗して、伝統的な方法により自社内の経営資源のみに基づいて製品開発を行う
 方が優れた製品を開発できると考える企業もあり、このような企業の考え方や行
 動様式は一般に「シーズ志向」と呼ばれることが多い。
エ 伝統的な製品開発では、企業が意思決定を行うために、専門的な知識を有して
 いたり、製品の特殊な使い方を提案したりするなどの先進的消費者を対象とした
 市場調査が実施される場合が多かった。これに対して共創においては、一般に市
 場の平均的消費者に関するビッグデータが用いられる。
第31問(R3)
 S社は国内外から仕入れたさまざまなスポーツ・シューズを、9つの自社の実店
舗および数年前に開設した自社オンライン店舗において販売している。S社の今後
の流通政策に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア S社が店舗を最初の1つから現在の状態まで増やしてきた過程においては、顧
 客接点が物理的に増加した。今後同社がオムニチャネル化を進めるためには、顧
 客管理方法を変更することが必要であるが、現在の顧客接点をさらに増やすこと
 は必ずしも必要ではない。
イ S社では、9つの実店舗で多くの顧客が商品を見たり試着したりした後にオン
 ライン店舗で購入すると、オンライン店舗に売り上げが偏り、9つある実店舗の
 従業員のモチベーションが低下するリスクがある。このため、S社は顧客が実店
 舗からオンライン店舗へ流れることを防いだ方がよい。
ウ 近年は同一の消費者であっても、実店舗を利用する場合とオンライン店舗を利
 用する場合とでは、利用動機や購入額度、単価などが大きく異なることが顧客
 データから分かってきた。このため、実店舗における顧客データとオンライン店
 舗のそれとは切り離して活用することが望ましい。
エ 顧客対応のための組織体制や従業員の評価システム、在庫データの管理などの
 観点からは、各顧客には検討から購入までを一貫して同一店舗内で行ってもらう
 ことが望ましい。S社がオムニチャネル化の推進の可否を今後検討していく上で
 は、こうした点を十分に考慮する必要がある。
オ 消費者便益の観点からは、店舗外でもパソコンやスマートフォンなどからいつ
 でも購入できるオンライン店舗に明らかにメリットがある。このため今後S社は
 オンライン販売を重視し、オンライン店舗に経営資源を集中することが望まし
 い。
第32問(R3)
 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 X社では、家電および家具の@サブスクリプション・サービスを開始することを検
討している。その際、家具とは異なり家電の利用状況は毎月変動する可能性がある
ため、家電については利用動向に応じて料金が変動するAダイナミック・プライシン
グを導入することを併せて検討している。

(設問1)
 文中の下線部@に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 1回千円で飲み放題の居酒屋が、1か月3千円で飲み放題のサブスクリプ
 ション・サービスを提供する例は、鉄道・バスの定期券や新聞・雑誌の定期購
 読のように利用が常態化しているものとは異なり、居酒屋の選択肢が多い消費
 者にとってメリットがない。
イ サブスクリプション・サービスの目的の1つは、音楽のストリーミング・
 サービスに典型的に見られるように、ユーザーの利用データを収集し分析する
 ことにあるため、家具のサブスクリプション・サービスを展開する場合には家
 具に何らかのデジタル機能を付加しなければならない。
ウ サブスクリプション・サービスは、消費者が気軽に製品を試す機会を提供す
 ることができる。最短でも2か月以上利用しなければならないものが多いが、
 1か月だけの利用契約もサブスクリプション・サービスに含まれる。
エ 従来は販売により利益を得ていた家具や家電、自動車などの耐久消費財を、
 利用期間を3年、5年などのように定めた上で提供するサブスクリプション・
 サービスもある。こうしたサブスクリプション・サービスは提供する側から見
 ると、どのような場合でも従来のリースよりビジネス上有利であり魅力があ
 る。
(設問2)
 文中の下線部Aに関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア AIによる需要予測に基づいて機械的に商品の価格を上下させるシステムを
 導入した結果、台風襲来によるボトル水の需要急増の兆しを捉えて価格を引き
 上げてしまい、社会的に非難を浴びた例があった。このことから、現在では生
 活必需品へのダイナミック・プライシングの導入は禁止されている。
イ 企業がダイナミック・プライシングを導入するためには、電子商取引のシス
 テムを取り入れ、需要予測、価格変動などの仕組みを自社で構築する必要があ
 る。
ウ 公共交通機関が朝夕の混雑を緩和するためにダイナミック・プライシングを
 導入し、比較的空いているオフピークの時間帯の価格を下げると、ただでさえ
 利用者に不満が多いピーク時には相対的に高額な利用料となる。
エ コンサートやスポーツ・イベントのチケットに関するダイナミック・プライ
 シングでは、購入時期に応じて価格を変動させる例がある。しかし席のエリア
 別に異なる料金を設定し、かつ売れ行きに応じて価格を変動させるものはダイ
 ナミック・プライシングとは呼ばない。
第33問(R3)
 インターネット広告に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア インターネット広告では広告主と媒体社との間に、さまざまな技術に基づく
 サービスを提供する多様なプレーヤーが存在し、極めて複雑な業界構造となって
 いる。このような状況は消費者にはメリットがないため、広告主はこれらのプ
 レーヤーを介さずに、できる限り媒体社と直接やりとりをすることが望ましい。
イ インターネット広告においてインプレッションは広告の総配信回数を示す指標
 である。従来の広告で用いられてきた、ターゲット全体の何%に広告が到達した
 かを示すリーチという指標は、インターネット広告には適さない。
ウ インターネット広告の表示をブロックするアドブロックをすべての消費者が導
 入すると、広告料収入に支えられている多くのビジネスモデルが成り立たなくな
 り、インターネット上の多くの無料サービスが有償化する可能性もある。アドブ
 ロックへの対策として、消費者が見たくなるような広告を提供することも有効で
 ある。
エ 企業が自社サイト内に掲出するコンテンツは一般的にはインターネット広告に
 は含まれない。インターネット広告から自社コンテンツにリンクを張ると、消費
 者がインターネット広告と自社コンテンツとを一体として広告と捉える危険性が
 あるため、このようなリンクはほとんど用いられていない。
オ 従来のテレビ、新聞などのマスメディアに出稿される広告では、同じ番組やコ
 ンテンツを見ているすべての消費者は同じ広告を見ていた。これに対してイン
 ターネット広告では、コンテンツと広告を切り離す試みが行われているが現状で
 は難しい。このため同じWebサイトやコンテンツを見ているすべての消費者
 は、基本的に同じ広告を見ているのが現状である。
第34問(R3)
 クチコミに関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア ある消費者に対して、その消費者がまだ全く知らない製品やサービスについて
 知らせるためには、広告よりクチコミの方が受け入れられやすい傾向がある。
イ 一般的に大規模なオンライン・コミュニティでは、自ら発言や投稿をせずに他
 の参加者の様子を見ているだけの参加者が全体の半分程度含まれることが知られ
 ている。このような参加者はオンライン・コミュニティに悪影響を及ぼすため、
 企業がオンライン・コミュニティを開設しマーケテイングに活用する際には、す
 べての参加者が活発に発言するように誘導するべきである。
ウ コミュニティとは一般に共通の関心や地理、職業などによって参加者が結びつ
 いた集団を指す。中でもオンライン・コミュニティはソーシャルメディア上に開
 設されるものが多いため、地理、職業などの社会的要因を軸に参加者が結びつく
 ことが特徴である。対照的にオフライン・コミュニティでは、参加者が共通の関
 心によって結びつくものが多い。
エ ネガティブなクチコミほど広まりやすいことが知られているが、このことから
 も分かるように消費者は製品やサービスの欠点を確認し回避するためにクチコミ
 を利用する傾向が強い。これに対して、製品やサービスの長所を確認するために
 参照する情報としては、企業が発信する広告の方が全般的に信頼できる。
第35問(R3)
 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 現代社会には、@さまざまな広告が存在する。企業は、現代の消費者に有効な広告
戦略を立案するために、A広告が消費者の心理や行動に及ぼす影響を理解する必要が
ある。

(設問1)
 文中の下線部@に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア インターネット広告は、インターネットに慣れ親しんだデジタル・ネイティ
 ブ世代に対して、製品やサービスの認知率や購入率の点で大きな影響を与える
 が、紙媒体の広告は、これらの世代に対して、製品やサービスの認知率や購入
 率の点でほとんど影響を与えない。
イ おとり広告は、広告に表記している製品を店舗で保有していない場合はもち
 ろん、メーカー、サイズ、デザインなどの点で広告の表記とは異なる製品しか
 置いていない場合も、公正取引委員会の規制の対象となる。しかし、広告の表
 記に反して販売数量や販売時間の制限を行ったとしても、広告製品が実際に店
 舗で販売されている場合には、規制の対象とならない。
ウ 公共広告は、環境、福祉、教育、人権などの社会的、公共的な問題について
 の理解や解決を目的として実施する広告であり、公益社団法人ACジャパンと
 いうボランティア組織などによって行われる。ACジャパンによる公共広告の
 広告主には、業界団体や企業が含まれる。
エ 広告主にとって原則無料のパブリシティは、情報の掲載決定権が媒体側にあ
 るため、消費者にとって広告よりも信頼性が高いという特徴がある。しかし、
 有料形態のペイド・パブリシティは、企業が情報を管理することができるた
 め、消費者にとっての信頼性は通常の広告よりも低くなる。
(設問2)
 文中の下線部Aに関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 飲酒運転禁止を説得テーマとして、恐怖感情とユーモア感情とを生起させる
 2つの広告を作成した場合、テーマに対して高関与な消費者はユーモア感情の
 広告に接する方が、テーマに対して低関与な消費者は恐怖感情の広告に接する
 方が、それぞれ即時的に説得に賛成する態度を示す。
イ 企業からの説得意図を強く感じる広告に対して、メッセージの唱導方向と同
 一方向の態度を有している消費者は、その態度をさらに強化する傾向がある一
 方、製品への態度が曖昧な消費者は、説得意図を強く感じる内容に対して心理
 的リアクタンスが生じ、逆方向の態度変化を起こしやすい。
ウ 高価な製品を購入してしまい後ろめたさを感じる場合、消費者は当該ブラン
 ドの広告ばかり見たり、他ブランドの広告は見ないようにしたりして、自分の
 選択を正当化することが多い。「自分へのご褒美」という広告主によるメッセー
 ジは、こうした消費者が自己の購買を正当化し、認知的不協和を軽減する効果
 がある。
エ 製品のポジティブ要因とネガティプ要因の両方を提示することによって、製
 品の信憑しんぴょう性を高めようとする両面提示広告では、消費者にとって低関与の製
 品の場合には最初にポジティブ情報を提示し、高関与の製品の場合には最後に
 ポジティプ情報を提示した方が、それぞれ製品評価を高めることができる。
オ テレビ広告は、消費者が意識的に接触している感覚は低くても、自分にとっ
 て関心が低いブランドの広告に関しては、単純接触の回数が増えるほど、ブラ
 ンドへの態度が直線的にネガティプになっていく。
第36問(R3)
 地域ブランディングの具体的な構築プロセスを示すためには、地域ブランドが有
する価値構造を分析し、長期的視点で価値創造のためのプランを描く必要がある。
 下記の図は、基本価値、便宜価値、感覚価値、観念価値の4つの価値によって構成
される製品のブランド価値構造を示したものである。これら4つの価値を居住に関
連する地域空間ブランドに当てはめて考えてみた場合、以下の具体例a〜dのどれ
と対応するか。最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。

mon36
【地域空間ブランドにおける価値の具体例】
a 非日常性や癒やしなど地域にまつわるイメージ
b 地域の立地条件や交通アクセスの良さ
c 地域が有するストーリーへの共感や自己啓発の場としての愛着
d 地域の居住性に関わるライフラインの充実度

[解答群]
ア 基本価値−a  便宜価値…d  感覚価値−b  観念価値−c
イ 基本価値−a  便宜価値−d  感覚価値−c  観念価値−b
ウ 基本価値−b  便宜価値−d  感覚価値−c  観念価値−a
エ 基本価値−d  便宜価値−b  感覚価値−a  観念価値−c
オ 基本価値−d  便宜価値−b  感覚価値−c  観念価値−a
第37問(R3)
 マーケテイング・リサーチに関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア アイトラッキング、fMRI(機能的磁気共鳴画像)、GPSなどを通して収集され
 る消費者の意識化されない活動データや言語化が難しい反応データは、消費者が
 回答するアンケートなどの意識データと併せて分析することで、より正確な調査
 結果を得ることができる。
イ 観察法、インタビュー法、リード・ユーザー法などの探索的調査では、それぞ
 れ収集データの質が異なるため、原則として、探索的調査は調査目的に対して1
 つの方法で実施される。
ウ 新製品開発におけるニーズ探索において、実際に対象製品が使用される家庭に
 ビデオを設置し、一定期間、当該製品の使用状況を観察する調査はギャング・
 サーベイと呼ばれる。
エ 量的研究では、データ収集を進めながら徐々に事象の原因や原因の背後に潜む
 問題点を精緻化していくといった帰納的な方法で仮説を作り出していくのに対し
 て、質的研究では、過去の研究蓄積や理論に基づいて演繹えんえき的に仮説を立案し、実
 験や調査を通して仮説が検証される。
第38問(R3)
 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 @顧客リレーションシップの構築は、マーケティングにおける最も重要な課題の1
つである。企業は優れた顧客価値と顧客満足の提供を通してA顧客ロイヤルティを形
成し、長期にわたって顧客から大きな見返りが得られるようマーケテイングを実践
する。

(設問1)
 文中の下線部@に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア ある顧客が東京から大阪までの移動においてA社の航空サービスしか利用し
 ないという場合、この顧客におけるA社の顧客シェアは100%となる。この場
 合の顧客シェアは、東京−大阪便を提供する全航空サービスに占めるA社の利
 用割合を意味しており、マーケテイング上、新幹線や夜行バスなどの異なる手
 段も含む移動サービスに占めるA社の利用割合を考える必要はない。
イ インターネット通販と実店舗とで同一製品を扱う場合、製品の機能や美しさ
 といったベネフィット面は同じであるのに対し、購入に要する時間や労力と
 いったコスト面はインターネット通販において大幅に低下する。これにより、
 インターネット通販はあらゆる顧客に対し高い顧客価値を実現する。
ウ 企業の既存顧客および潜在顧客の生涯価値を総計したものは顧客生涯価値と
 呼ばれ、企業の顧客基盤がどれほどの将来価値を持っているかを測る指標とな
 る。当然のことながら、ロイヤルな顧客が高所得であるほど顧客生涯価値は上
 昇する。
エ 顧客価値とは、ある顧客が自社にとってどの程度利益をもたらす顧客である
 か、すなわち優良顧客であるかを表すものであり、企業は高い顧客価値を創造
 することによって、当該顧客の生涯価値を高めることができる。
オ 顧客満足は、製品の購入前あるいは使用前に抱いた期待と製品使用後の実際
 に得られたパフォーマンスとの差によって決定されるが、製品の使用前に抱く
 期待が直接的に満足度に影響を及ぼすことも指摘されている。この場合、事前
 に製品パフォーマンスやベネフィットの評価がしにくいなど消費経験の曖昧さ
 が高いほど、期待が直接的に満足度へ及ぼす影響は大きくなる。
(設問2)
 文中の下線部Aに関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 顧客価値と顧客満足が企業によって実現されることを通してその企業のブラ
 ンドにロイヤルティを形成した顧客には、真のロイヤルティを有する顧客と見
 せかけのロイヤルティを有する顧客が含まれる。
イ 自社製品を顧客に販売するときの収益性分析を行う場合、対象となる顧客は
 購買履歴が蓄積された顧客であり、真のロイヤルティを有する顧客と潜在的ロ
 イヤルティを有する顧客が含まれる。
ウ 新規顧客の獲得を目指す企業にとって、潜在的ロイヤルティを有する顧客セ
 グメントは、製品購入の手段や状況が改善されれば有望な市場となり得るた
 め、企業は潜在的ロイヤルティを有するすべての顧客をリスト化し、一人一人
 に積極的に勧誘を行うべきである。
エ 見せかけのロイヤルティを有する赤字顧客には、特定のサービス提供を控え
 るなどして最低限の収益水準を確保することが望ましい。あるいは、サービス
 手数料などの値上げによって退出を促すことも重要である。


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