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第1問(H28)
 ドメインの定義、および企業ドメインと事業ドメインの決定に関する記述とし
て、最も適切なものはどれか。

ア 事業ドメインに関する企業内の関係者間での合意を「ドメイン・コンセンサス」
 と呼び、その形成には、トップマネジメントが周年記念の場などで、企業のあり
 方を簡潔に情報発信する必要がある。
イ 多角化している企業では、企業ドメインの決定は、競争戦略として差別化の方
 針を提供し、日常のオペレーションに直接関連する。
ウ 多角化せずに単一の事業を営む企業では、企業ドメインと事業ドメインは同義
 であり、全社戦略と競争戦略は一体化して策定できる。
エ ドメインの定義における機能的定義は、エーベルの3次元の顧客層に相当する
 顧客ニーズと、それに対して自社の提供するサービス内容で定義する方法であ
 る。
オ ドメインの定義における物理的定義は、エーベルの3次元の技術ではなく、物
 理的存在である製品によってドメインを定義する。
第2問(H28)
 プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントに関する記述として、最も適切なも
のはどれか。

ア 競争優位性のある「金のなる木」事業は、分野の将来性に大きな魅力はなく、さ
 らなる資金投下には資金効率からの判断が必要である。
イ 市場成長率の高い「花形商品」事業からの大きな余剰資金と「問題児」事業の売却
 で得た資金は、衰退期に入った業界の「金のなる木」事業に集中的に投入して市場
 地位を維持することが重要である。
ウ 市場成長率の高い「花形商品」事業の生み出す余剰資金は大きいので、その資金
 を「問題児」事業に分散して投入を図ることが重要である。
エ プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントでは、事業への資金の投入量は自
 社の相対的な市場シェアで決まると考える。
オ プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントは、キャッシュフローの観点から
 企業の事業戦略の方向性を示し、事業間のキャッシュフローのアンバランスを許
 容している。
第3問(H28)
 近年、自社の経営資源を活用して成長を図る内部成長とともに、外部企業の経営
資源を使用する権利を獲得するライセンシングや、外部企業の持つ経営資源を取得
して成長を目指していく買収が活発になっている。これらの戦略に関する記述とし
て、最も適切なものはどれか。

ア 相手企業のコア・コンピタンスとなっている技術を自社に吸収し、自社の技術
 水準を上げていくためには、買収よりも独占的ライセンシングを活用する方が適
 している。
イ 既存の事業が衰退期に入っている場合、当該業界における市場支配力を高める
 には、既存の経営資源を活用するための投資を増強していく内部成長よりも、競
 合企業を買収する方が適している。
ウ 国内で高価格な製品を製造・販売している企業が、新興国で新たに低価格製品
 を販売して短期間のうちに軌道に乗せるためには、現地の同業企業を買収するよ
 りも、独自に販売ルートを開拓していく内部成長の方が適している。
エ 製品メーカーが、希少性の高い原材料メーカーとの取引を安定化し、取引費用
 の削減をしていくためには、買収によって自社に取り込むよりも、ライセンシン
 グによって関係を構築する方が適している。
第4問(H28)
 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 現代の企業にとって、外部組織との連携の活用は、事業の競争力を構築するため
の主要な経営課題となっている。ヘンリー・チェスブロウは「企業内部と外部のア
イデアを有機的に結合させ、価値を創造すること」をオープン・イノベーションと
定義した。技術や市場の変化の激しい経営環境では、経営資源の制約のある中小企
業にとっても、新製品開発でのオープン・イノベーションの必要性は小さくない。
@オープン・イノベーションにはメリットとデメリットがあり、オープン・イノベー
ションによる競争力の構築にあたっては、経営者の戦略的な判断が問われる。自動
車産業での密接な企業間関係に見られるように、日本企業も企業外部の経営資源の
活用に取り組んできた。近年では、A大学や公的研究所などの研究組織との共同開発
に積極的な取り組みをする企業も増えている。
(設問1)
 文中の下線部@の「オープン・イノベーションにはメリット」があることに関す
る記述として、最も不適切なものはどれか。

ア オープン・イノベーションは、企業外部の経営資源の探索プロセスにおい
 て、内部での商品開発に対する競争圧力が強くなり、組織の活性化につなが
 る。
イ オープン・イノベーションは、企業内部の優れた人材に限らず、企業外部の
 優秀な人材と共同で新商品開発を進めればよく、内部での開発コストの低減が
 期待できる。
ウ オープン・イノベーションは、研究開発から事業化・収益化までのすべての
 プロセスを企業内部で行う手法の延長上に位置付けられるが、企業内部の経営
 資源の見直しに左右されずに進捗する。
エ オープン・イノベーションは、一般的により高い専門性をもつ企業との連携
 などによって新商品開発プロセスのスピードアップにつながる。
(設問2)
 文中の下線部Aにあるように、大学と共同で開発した成果を活用して、新たに
起業する場合の問題に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア 大学教員をパートナーに起業した場合には、営利取得の可能性があるため
 に、当該教員が企業家活動から個人的利益を追求する利益相反を生み出すこと
 がある。
イ 大学教員をパートナーに起業した場合には、大学の知的資源や労力を流用す
 る際に、営利目的のために大学院生や学部学生を利用し、学部教育や大学院教
 育を弱体化させることがある。
ウ 大学教員をパートナーに起業した場合には、大学の発明に対して排他的な権
 利を保有したいと要望し、知識の流通を限定して潜在的に価値のある商業技術
 の普及を遅らせることがある。
エ 大学教員をパートナーに起業した場合には、利益相反の問題は大学やその事
 務職員の株式保有にかかわりなく、当該教員が研究を行う企業の株式を保有し
 ているかどうかによって生じる。
第5問(H28)
 多数の競争相手が互いにしのぎを削る熾烈しれつなな競争を繰り広げている業界での、効
果的な戦略対応に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア これまでの内部留保を活用して、同業他社との合併を進めることで市場シェア
 を拡大し、規模の経済や経験効果を高めて、コスト優位性を生み出して収益の拡
 大を図る。
イ 差別化が難しい汎用品による乱戦状況を改善するべく、加工の水準をあげて顧
 客の信頼を得たり、顧客に利便性の高いサービスを付け加えたりして、自社製品
 の付加価値を高めて、根強いロイヤルティをもつ顧客層の拡大を図る。
ウ 多種多様な顧客ニーズに対応するべくあらゆる製品を提供して、大量生産によ
 るコスト優位による競争優位を確立する。
エ 多数の企業が乱立する要因である多様な市場ニーズに対応するべく、製品の設
 計を見直して生産コストを大幅に切り下げて、標準品が買い得であることを理解
 してもらい、規模の経済を基に競争優位をつくり出す。
第6問(H28)
 企業が競争優位を獲得するための競争戦略のひとつであるコスト・リーダーシッ
プ戦略に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア コスト・リーダーシップ戦略では、継続的に自社製品を購入する顧客を確保す
 るために、ブランド・ロイヤルティを高めることが課題となり、企業の提供する
 付加価値が明確になっている。
イ コスト・リーダーシップ戦略は、市場成長率が安定してきて、製品ライフサイ
 クルの成熟期以降に採用する戦略として適しており、企業が脱成熟をしていくう
 えで有益な戦略となる。
ウ コスト・リーダーシップ戦略は、多角化した企業において、シナジーの創出に
 よるコスト削減を目指していく戦略であるので、事業間の関連性が高い企業の方
 が、優位性を得やすくなる。
エ コスト・リーダーシップ戦略を行う企業が、浸透価格政策をとると、自社の経
 験効果によるコスト低下のスピードは、競合他社よりもはやくなる。
オ コスト・リーダーシップ戦略を行っている企業は、特定モデルの専用工場を建
 設し、生産性の高い設備を導入しており、新しい市場ニーズへも迅速に対応でき
 る。
第7問(H28)
 業界での競争地位によって、企業はリーダー、チャレンジャー、フォロワー、ニ
ッチャーに分類できる。そのなかで、チャレンジャーとニッチャーに関する記述と
して、最も適切なものはどれか。

ア チャレンジャーは、業界で生き残ることを目標に、購買の動機として価格を重
 視するセグメントをターゲットにし、徹底的なコストダウンを行い、代替品を低
 価格で提供していく戦略を採る。
イ チャレンジャーは、市場全体をターゲットとするフル・カバレッジにより、リ
 ーダーの製品を模倣していく戦略を採る。
ウ チャレンジャーは、リーダーに対する価格・製品・プレイス・プロモーション
 という4Pの差別化よりも、ドメインの差別化を行う。
エ ニッチャーは、狭いターゲットに対して、業界の価格競争には巻き込まれない
 ように閉鎖型の販売チャネルを採用して、媒体を絞り込んだプロモーションを展
 開する。
オ ニッチャーは、自社が属する業界のライフサイクルの導入期に活動が活発にな
 り、他社の行動を追随する同質化を推進し、市場全体の規模を広げる役割を担っ
 ている。
第8問(H28)
 競争優位の源泉を分析するには、バリュー・チェーン(価値連鎖)という概念が有
効である。バリュー・チェーンに関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 差別化の効果は、買い手が認める価値と、自社のバリュー・チェーンのなかで
 作り出した特異性を生み出すためのコストが同水準になった時に最大化する。
イ バリュー・チェーン内で付加価値を生み出していない価値活動に関して、アウ
 トソーシングなどによって外部企業に依存する場合、企業の競争力を弱めてしま
 う。
ウ バリュー・チェーンの各々の価値活動とともに、それらの結び付き方は、企業
 の独特な経営資源やケイパビリティとして認識することができる。
エ バリュー・チェーンの全体から生み出される付加価値は、個別の価値活動がそ
 れぞれ生み出す付加価値の総和であり、各価値活動の部分最適化を図っていくこ
 とが、収益性を高める。
第9問(H28)
 企業は市場の変化に対応するため、限られた経営資源を特定の事業や事業領域に
集中特化し、事業活動の一部をアウトソーシングすることがある。企業のそのよう
な戦略対応に関する記述として最も適切なものはどれか。

ア アウトソーシングすることによって、自社能力の適用の幅が狭くなり、顧客ニ
 ーズへの対応力も弱まるので、新規顧客の開拓が難しくなる。
イ アウトソーシングする事業領域と自社で取り組む事業領域を峻別して経営資源
 を集中特化することによって、特定事業領域で独自能力の構築を目指すことが可
 能になる。
ウ アウトソーシングによって外部の専門能力を利用する傾向が強まると、同種の
 社内能力を維持強化しようとする能力構築の動きが強まり、企業活動が活性化す
 る。
エ アウトソーシングを行い生産から販売まで一貫した事業に統合化することによ
 って、事業の伸縮自在性が高まるので、外部環境の急激な変化に対応することが
 できる。
第10問(H28)
 技術志向の企業では、企業価値に占める無形資産の割合が有形資産のそれを大き
く上回る企業が多く見られ、知的資産の戦略的経営が注目されている。特に特許は
守るだけでなく、企業価値を高めるべくそれを他社と相互に活用したりすることも
重要になっている。特許の戦略的運用に関する記述として、最も適切なものはどれ
か。

ア 特許をオープンライセンスすることは、ライセンスを許諾することによって自
 社技術基盤の上に他社製品をのせて、他社の代替技術開発のモチベーションを下
 げる効果を期待できるが、ロイヤルティ収入は期待できなくなる。
イ プロパテント戦略は特許侵害に対応すべく、訴訟に訴えて差止請求権や損害賠
 償請求権などの法的手段で特許を守る戦略であり、知財戦略の基本をなすもので
 ある。
ウ 包括クロスライセンス契約では、特定分野についてリスト化された特許の範囲
 で特許の相互利用が許されるが、その後成立した特定分野の特許についてはリス
 トに加えることは法的に許されていない。
エ 包括クロスライセンス契約を結ぶのは、主として企業間で特許を相互に幅広く
 利用するためであり、契約提携企業間での金銭の授受を伴うこともある。
第11問(H28)
 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 ものづくりに強みをもつといわれているわが国の製造業であるが、近年大きな変
化が見られるようになってきた。@エレクトロニクスメーカー各社の苦境が伝えられ
ており、エレクトロニクスメーカー各社では、事業分野の再構築を図る動きが活発
である。
 自動車業界では、国内市場が縮小するなか、グローバルな競争に対応すべく生産
拠点の海外移転や現地での研究開発の展開など大きな変化が見られる。また、A自動
車のモジュール生産が本格化してきており、系列による垂直統合型の生産に変化が
起こっている。さらに、環境対応技術や自動運転技術の開発が進むにつれて、自動
車産業のサプライヤーにも技術の変化への対応が求められるようになっている。
(設問1)
 文中の下線部@に記述されているエレクトロニクスメーカーの苦境の原因は多
様である。そのような原因と考えられるエレクトロニクス産業の状況に関する記
述として、最も不適切なものはどれか。

ア エレクトロニクス産業では、あらゆる分野の製品を生産し販売するという総
 花的な自前主義の戦略を見直して、事業分野の選択と集中を図り、電子部品サ
 プライヤーとの垂直的統合を強化したため、事業分野の幅が狭くなり、グロー
 バルな競争力が低下してきている。
イ エレクトロニクス産業では、安価な電子部品をグローバルに調達して、それ
 らを組み合わせた製品が多くなるにつれて、部品から製品までの一貫生産がコ
 スト競争のうえから不利になっている。
ウ エレクトロニクス産業では、競争優位の構築を目指しながらも、互いに同質
 的な戦略を展開しながら、技術進歩や製品開発を促進してきたが、電子技術を
 一方向に収斂しゅうれんさせる傾向が強まり、多機能を搭載した類似製品の競争に陥り
 がちになっている。
エ エレクトロニクス産業では、先発企業が自社技術を武器に市場シェアを獲得
 していても、後発企業が安価な部材をグローバルに調達し、技術的にほぼ同等
 な製品で価格訴求力を武器に先発企業のシェアを奪うことが多くなっている。
(設問2)
 文中の下線部Aのわが国における自動車のモジュール生産の進展とそれにとも
なう生産体制の変化に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア モジュール生産の進展にともなって、アジア域内の現地中堅サプライヤーが
 生産するエンジンやパワートレイン等の大型のモジュール部品を一か所に集約
 して、そこからアジアの生産拠点に供給する配送システムが構築されている。
イ モジュール生産の進展にともなって、車種間でのプラットフォームの統合を
 進めて、生産の規模の経済や部品や設備の共通化による生産コストの低減が行
 われるようになっているが、一次サプライヤーの供給する部品点数は変わらな
 い。
ウ モジュール生産の進展にともなって、車種間で共用化を進める基本部分と多
 様化のための可変的な部分を切り分ける生産体制がとられるようになるにつれ
 て、サプライヤーはこのような生産体制に柔軟に対応する部品供給が求められ
 るようになった。
エ モジュール生産の進展にともなって、部品間の擦り合わせの頻度が高まって
 くるので、組立メーカーでは完成車組立工場の敷地内にサプライヤーを集積さ
 せたサプライヤー・パークを設ける例がみられるようになった。
第12問(H28)
 機能別組織、事業部制組織、マトリックス組織の特徴に関する記述として、最も
適切なものはどれか。

ア 機能別組織は部門間で緊密な調整が必要な場合に有効であるが、安定した環境
 のもとで官僚制的な組織になるという短所がある。
イ 事業部制組織が有効に機能するためには、トップマネジメントが業務的意思決
 定から解放され、戦略的意思決定と管理的意思決定に専念できるようにする必要
 がある。
ウ 事業部制組織は複数の製品−市場分野を持つ企業が、範囲の経済を実現するの
 に適しているが、規模の経済を追求することは難しい。
エ マトリックス組織は変化の速い環境で部門間の相互依存が高い場合に有効であ
 るが、コンフリクトや曖昧さを許容する組織文化を持たないと効果的に機能しに
 くい。
オ マトリックス組織を効果的に管理するためには、1人の部下に対して、機能マ
 ネジャーとプロダクトマネジャーが同じ権限を持っていなければならない。
第13問(H28)
 企業組織における並列的部門間関係は、プールされた(pooled)相互依存、連続的
(sequential)相互依存、相互補完的(reciprocal)相互依存の3つのタイプに分けられ
る。これらの部門間関係と組織編成に関する記述として、最も適切なものはどれ
か。

ア 相互補完的依存関係にある部門間では、頻繁なチームワークによる調整が必要
 になるため、各部門が同じ規則や手続きに従って行動するよう事前に調整してお
 く必要がある。
イ 相互補完的依存関係にある部門間の調整は、同じ専門能力を共有するために、
 各部門の管理者が直接顔を合わせて水平方向のコミュニケーションを頻繁に行う
 必要がある。
ウ プールされた相互依存関係にある部門間では、仕事は基本的にそれぞれの部門
 内で独自の規則や手続きに従って処理できるため、3つの相互依存関係の中で最
 も調整の必要性が低い。
エ 連続的相互依存関係にある多くの部門間では、事業の計画やフィードバックコ
 ントロールによる調整が必要になる。
オ 連続的相互依存関係にある部門間調整には、水平的なコミュニケーションの必
 要性が高いので、部門間で共通した規則や手続きに従って業務を遂行する必要が
 ある。
第14問(H28)
 官僚制の逆機能といわれる現象に関する説明として、最も不適切なものはどれ
か。

ア 革新的な計画に抵抗するために、日常のルーティン対策を探し求める、グレシ
 ャムの法則。
イ 規則や手続きそのものを絶対視するような態度が、杓子しゃくし定規な画一的対応を
 生み出す、形式主義。
ウ 組織全体の利益よりも、自分が所属する部局の利益を優先する、セクショナリ
 ズム。
エ 膨大な手続きと書類作成に煩わされる、繁文縟礼はんぶんじょくれい。
オ 本来は手段にすぎない規則や手続きが目的に転じてしまう、目的置換。
第15問(H28)
 わが国の自動車産業におけるリーン生産方式への関心の高まりとともに、チーム
ごとにタスクを振り分け、多能工化した作業員が自律的に職務を行うチーム型作業
組織が注目されてきた。官僚制的統制とは異なる組織原理を持ったチーム型作業組
織に期待される効果に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 1人1タスクの原則に基づいて、グローバル化や情報化の進展など、経営環境
 の変化に対する迅速かつ適切な対処能力がある。
イ 自律的な調整のための積極的な参加が求められるため、メンバー間のコミュニ
 ケーションが活発になり、互いに助け合いながら共同することによる労働生活の
 質(QWL)の向上が期待できる。
ウ 多能工化した職務は、自律的に働くことを好まない労働者に対して、複数の技
 能を獲得することによる職務の充実と、より高度な仕事へコミットすることによ
 る心理的満足をもたらす。
エ チーム型作業組織は、経営者の視点から見た企業の競争優位の源泉としてでは
 なく、労働者が自主的な管理の権限を取得し職務満足へとつなげていく活動とし
 てとらえられる。
第16問(H28)
 A社は技術者によって設立された中堅企業で、ハイテクエレクトロニクス製品を
生産している。これまでマトリックス組織を採用して、既存製品のバージョンアッ
プを通じて新製品を次々に市場に投入し成長してきた。この間、トップマネジメン
トは経営戦略を策定する際に、技術者であるプロダクトマネジャーから5年先まで
の投資計画と利益計画を毎年提出させ、彼らと対話することを通じてどの製品分野
に予算を配分するかの全社的な投資決定をしてきた。一方、機能マネジャーには、
複数の製品を生産するのに同じ工程技術が使えることなどから、原価計算を行い、
その後に算定される利益率に応じて生産的経営資源を配分する権限を与えてきた。
 既存製品のバージョンアップによる新製品開発も成熟段階に達したため、既存の
マトリックス組織のもとで、これまでの製品とは不連続な技術による新製品の事業
化に乗り出した。この製品の利益率は既存の製品群に比べて高かったので、機能マ
ネジャーは積極的に生産的経営資源を新規事業分野に配分し始めたが、この企業全
体の利益率は低下してきている。
 A社の全社的な利益率の低下の背後にあると考えられる問題に関する記述とし
て、最も不適切なものはどれか。

ア 既存製品のバージョンアップが新製品に結びつく段階では有効に機能したマト
 リックス組織が、既存製品とは不連続な技術に基づく新規事業を遂行するには障
 害となった。
イ 既存製品のプロダクトマネジャーは5年計画を毎年提出していたため、トップ
 マネジメントが近視眼的な学習に陥ってしまい、利益率の低い既存事業に投資を
 続けてしまった。
ウ 機能マネジャーが、新製品の方が利益率が高いことを知りつつ、その全社的な
 投資戦略に対する意味をトップマネジメントに伝えなかったため、トップマネジ
 メントが迷信的学習に陥ってしまった。
エ 機能マネジャーに生産的経営資源の配分権限を与えていたが、投資決定権限を
 与えていなかったために、機能マネジャーが傍観者的学習に陥ってしまい、企業
 全体として最適な資源配分ができなくなっていた。
第17問(H28)
 企業は比較的規模が小さい創業段階から成長して規模が大きくなるためには、一
般に成長段階に応じて異なる経営上の課題を解決していかなければならない。組織
の成長段階と克服すべき課題や有効性に関する記述として、最も不適切なものはど
れか。

ア 企業が多数の機能部門を持つような規模に成長すると、経営者は次第に業務的
 決定から離れ、規則や手続きを整備し官僚制的な組織構造を構築する必要が生じ
 る。
イ 強力なリーダーシップを持つ企業家によって設立された企業は、必要な資源を
 獲得するために資本家や顧客、労働者、供給業者などから正当性を獲得する必要
 がある。
ウ 創業段階を経て環境との安定的な関係の構築に成功した企業では、経営者は非
 公式なコミュニケーションを通じた統制から、次第に権限を委譲しつつ、公式の
 統制システムを構築しなければならない。
エ 組織の公式化が進み官僚制の逆機能が顕在化した段階では、公式の権限に依拠
 した規則や手続きをより詳細に設計しなければならない。
オ 単一製品・単一機能で創業した小規模企業が、経営資源を有効に活用するため
 に垂直統合戦略を採用した場合、集権的な機能別組織へ移行する必要がある。
第18問(H28)
 現代の複雑な環境においては、確率的に計算しうるリスク管理を超えて、不測の
事態に備える危機管理(クライシス・マネジメント)が重要になってきている。一般
に危機が発生すると、まず最初に危機管理チームが編成され、危機管理センターが
設置される。組織の危機管理に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア 危機管理チームと危機が起きている現場とのコミュニケーションが確保できれ
 ば、危機管理チームは現場に対し、何を行うべきかだけでなく、いかに行うべき
 かについても集権的に意思決定することが望ましい。
イ 危機管理チームは、時間の切迫と過重な負荷の中で迅速に意思決定をしなけれ
 ばならないために、組織内の諸資源を十分な自由裁量を持って動員する権限を持
 つ必要がある。
ウ 危機管理チームは、問題の技術的局面を解決できる役員の他に、社長や法務担
 当・広報担当役員などのトップマネジメント、時には外部のコンサルタントなど
 も含めて構成する必要がある。
エ 危機発生時には通常の情報伝達システムが破壊されている場合が多いので、常
 に情報伝達が途絶しないよう注意し、状況に変化があった場合はもちろん、変化
 がない場合にもその旨を伝える情報を提供し、従業員の心的緊張を和らげるよう
 にすべきである。
オ 組織内の通常の情報伝達システムが破壊されている場合には、危機管理センタ
 ーを中心として、危機管理にかかわる関係者の連絡先や、必要データの入手先な
 どの情報ネットワークを迅速に確保する必要がある。
第19問(H28)
 労働市場に対して組織の状況や特色をアピールする際に、応募者に好感される情
報を強調するのではなく、ときには好感されにくい現実をありのままに伝えようと
する広報戦略を、RJP(Realistic Job Preview)と呼ぶ。RJPの効果として、最も不
適切なものはどれか。

ア 自己の能力を見つめなおさせ、自己選抜によって応募を辞退させる効果。
イ 職務や職場への初期適応を円滑にする効果。
ウ 入社後の離職を回避させる効果。
エ 入社前に組織に対して抱く期待や、やる気を引き上げる効果。
第20問(H28)
 360度評価は、上司が部下を評価するだけではなく、自分を取り囲む先輩や同
僚、部下、場合によっては関係先の部署や取引先などの、さまざまな関係の人達か
ら評価を受ける手法である。また、多様な評価を被評価者にフィードバックするこ
とによる効果も期待されている。360度評価の効果として、最も不適切なものはど
れか。

ア 顧客や取引先が評価者となった場合には、被評価者の顧客志向が高まる。
イ 異なった評価を見ることによって、評価者を訓練する機会を提供する。
ウ 上司と部下のコミュニケーションの活性化が図られる。
エ 中立的な評価を行うことができる評価者を選抜することができる。
オ 普段の業務では得られない、さまざまな情報を入手できる。
第21問(H28)
 人材のダイバーシティが組織やそのメンバーに与える影響に関する記述として、
最も適切なものはどれか。

ア これまで社外に求められていた異質な見方を社内に取り込むことで、組織変革
 や新商品開発などのイノベーションが期待される。
イ 少数派の意見を強制的に反映させるアファーマティブ・アクションを通じて、
 格差の是正を超えた経営成果の改善がもたらされる。
ウ 他者あるいは他の集団との比較を行い、他者を自分にはない魅力を備えた存在
 と認識させることによって、個人の自尊心が保たれる。
エ 多様な人材の確保によって、共通の人生経験や価値観などのような類似したバ
 ックグラウンドを全く見いだせなくなり、人々の交流やコミュニケーションに好
 ましくない影響を与える。
第22問(H28)
 労働契約に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 使用者が、労働者との間で、労働基準法で定める基準に達しない労働条件を定
 める労働契約を結んだ場合、労働基準法で定める基準より労働者に有利な部分も
 含めて、当該労働契約は無効となる。
イ 使用者は、満60歳以上の労働者との間で、5年の契約期間の労働契約を締結
 することができる。
ウ 使用者は、労働契約の締結において、労働契約の不履行について違約金を定め
 ることはできないが、労働者が使用者に損害を被らせる事態に備えて、損害賠償
 額を予定することはできる。
エ 労働基準法は、使用者が労働者に金銭を貸すこと、及び貸金債権と賃金を相殺
 することを一律に禁止している。
第23問(H28)
 労働基準法における労働時間、休憩・休日に関する記述として、最も適切なもの
はどれか。

ア 使用者は、労働時間が連続8時間を越える場合においては少なくとも1時間の
 休憩時間を労働時間の途中に与えなければならず、労働時間が連続12時間を超
 える場合には少なくとも1時間30分の休憩時間を労働時間の途中に与えなけれ
 ばならない。
イ 使用者は、所定労働時間が5時間である労働者に1時間の時間外労働を行わせ
 たときは、少なくとも45分の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならな
 い。
ウ 使用者は、労働者に対して、4週間を通じ4日以上の休日を与え、その4週間
 の起算日を就業規則その他これに準じるものにおいて明らかにしているときに
 は、当該労働者に、毎週1回の休日を与えなくてもよい。
エ 労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれた
 ものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものではなく、労働契
 約、就業規則、労働協約等の定めのいかんにより決定されるべきものである。
第24問(H28)
 X社では、営業所員の雇用管理について、営業所長に一定の権限を委ねている。
以下は、人事部が複数の営業所長から報告を受けた案件処理である。労働法規上、
最も不適切なものはどれか。

ア 営業所で新たにアルバイトを採用することにしたが、人件費予算も限られてい
 るため、日本よりも物価水準の低い国から来日している留学生を採用することに
 し、時給は600円と定めた。
イ 営業所では、繁忙期の業務処理をパートタイマーやアルバイトで賄っている
 が、所定労働時間1日8時間、所定労働日数週5日勤務を契約内容とするアルバ
 イト(変形労働時間制、変形休日制はいずれも採用していないものとする)を、1
 日8時間、週6日働かせた場合、所定労働日数を超えた日の労働時間について
 割増賃金を支払った。
ウ 月末退職予定の営業所員が、「引継ぎ等があるために、有給休暇を消化できな
 いから、残存有給休暇を買い上げてほしい」と言ってきた。実際、この者の業務
 引継ぎは営業所としても重要であり、この期間に休まれては困るので、この申し
 出には応じることにした。
エ 先日、地元のハローワークに同業種の営業職経験者の求人を出したが、同業種
 経験者は採用できず、異業種の若手営業経験者を採用内定した。その者が勤務開
 始後に、「内定時に示された給与額が求人票の額を下回っているのは違法だ」と言
 ってきたが、本人に提示額の根拠説明をし、求人票の額を下回る給与を支払っ
 た。
第25問(H28)
 労働安全衛生、労災保険に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 事業場の常時使用労働者数にかかわらず、事業者は、常時使用する労働者を雇
 い入れた際に健康診断を実施しなければならない。ただし、雇い入れ日以前3カ
 月以内に医師による健康診断を受けた労働者が、その診断結果の証明書類を提出
 した場合には実施を省略できる。
イ 事業場の常時使用労働者数にかかわらず、事業者は、毎月1回以上衛生委員会
 を開催しなければならない。
ウ 社員食堂のランチタイム時に1日3時間、調理業務に従事するパートタイマー
 が、調理中に火傷やけどを負った。この場合において、事業主が労災保険の保険関係成
 立届の提出を怠っていたときは、このパートタイマーは、労災保険の保険給付を
 受けることができない。
エ 労働者が通常の通勤経路上での出勤途上、駅の階段を下りているときに足首を
 ひねって捻挫した。このケガは、自らの不注意によるものであるため、通勤災害
 とはならない。
第26問(H28)
 マーケティング・チャネルに関する下記の設問に答えよ。

(設問1)
 マーケティング・チャネルの構造に関する記述として、最も適切なものはどれ
か。

ア オーケストラの演奏者が用いるような高価な楽器を揃える店舗の商圏は狭少
 であるため、広くて長いチャネルを構築することが有効性を発揮する。
イ 卸売業者や小売業者にチャネル費用の一部を転嫁することができるため、広
 くて長いチャネルは、カバレッジ確保の上で有効であることが多い。
ウ 希少性の高い高級ブランドの衣料品や雑貨などでは、ブランドイメージのコ
 ントロール度を高く保つことを目的のひとつとして、選択的チャネルが採用さ
 れることが多い。
エ チャネルの広狭水準は、メーカーが販路として設定する地理的な市場の大き
 さによって規定される。
(設問2)
 マーケティング・チャネルの管理に関する記述として、最も適切なものはどれ
か。

ア チャネル構成員との間でメーカーが相互浸透戦略を実行することは、チャネ
 ル・コンフリクトの抑制に寄与する。
イ チャネル構成員の動機づけと統制の手段には、大別すると、物理的パワー、
 情報的パワー、組織的パワーの3種がある。
ウ チャネル構成員を動機づけたり、統制したりするための手段となる経営資源
 のことをチャネル・スチュアードシップと呼ぶ。
エ 取引依存度モデルでは、メーカーが特定のチャネル構成員への販売依存度を
 高めるにつれて、そのチャネル統制力が上昇することが示されている。
第27問(H28)
 価格に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア Aさんは、ある家電専門店の店頭で5,000円のスマートフォンを目にした時、
 価格の安さに大きな驚きを感じた。その製品の詳細なスペック(仕様)を販売員に
 尋ね、購買に至った。これは「品質のバロメーター」としての価格が、消費者の購
 買意思決定を後押しした例である。
イ 一物一価の原則は常に存在するわけではない。購買の行われるタイミングや季
 節、地域、顧客区分、あるいは需要の動向によって、価格はある程度柔軟に変更
 される。
ウ 演奏家向けのバイオリンの製作者であるBさんは、この数年、効率的に製作
 に取り組める工房を手に入れ、バイオリン1丁の生産に要する時間を1割程度削
 減した。そこで販売価格を1割下げたところ、受注が殺到している。これは価格
 のもつ「プレステージ」効果による。
エ 消費者にとって、価格には複数の意味があるとされる。そのうちのひとつが
 「支出の痛み」である。どんなに価格を引き下げても消費者が購買に踏み切ること
 のできない状況を示すものである。
第28問(H28)
 売り手とその顧客との関係性に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 航空会社やホテル、スーパーやドラッグストアなどにおけるCRMプログラム
 導入事例に触発された大規模飲料メーカーA社は、一般的に低コストでできる
 仕組みであるため、最終消費者を対象とした顧客関係管理システムを導入した。
イ 地域スーパーの経営者B氏は、ロイヤルティ・カードを通じて収集した顧客
 の購買データを見て驚いた。既存顧客の下位1割は、特売商品ばかり購入してお
 り、損失をもたらしているのだ。この種の顧客はとくに、ミルクスキマーと呼ば
 れる。
ウ ファストフードチェーンのC社は、ID-POSの導入にあたって、「リレーショ
 ンシップ・マーケティングは、顧客との関係性を深め、継続・拡大する考え方だ
 から、個々の顧客を特定するための有用なデータを集めていく必要がある」とい
 う発想を持っていた。
エ 訪問販売による小売業者D社は、ここ数年、既存顧客の高齢化とともに顧客
 数の減少に悩まされている。そこで、一般的に既存顧客の維持よりも費用がかか
 らないことから、新規顧客の獲得にシフトしていく意思決定を行った。
第29問(H28)
 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 顧客が求める価値を提供し、継続的な関係を築くために、多くの企業は@マーケテ
ィング・リサーチを行い、得られたデータから顧客についての深い洞察を得てい
る。その手法は多様化している。例えば、A顧客の生活に入り込むなどして観察を行
ったり、マーケティング刺激に対する眼球の動きや脳内の血流を測定したりするな
ど、文化人類学や脳科学の手法も積極的に取り入れている。
(設問1)
 文中の下線部@の「マーケティング・リサーチ」に関する記述として、最も適切
なものはどれか。

ア 売上高、利益やGRP(グロス・レイティング・ポイント)などのマーケティ
 ング変数は、間隔尺度に含まれる。
イ 顧客の意見や市場のニーズを抽出するために、コールセンターやWebサイ
 トなどに寄せられるユーザーの意見を用いてデータマイニングを行うことは、
 一般的に有効である。
ウ 質問票の作成に際し、例えば「新しい清涼飲料水には、あと味がすっきりし
 ていることや健康促進効果があることが望ましい」という詳細な選択項目を用
 意することが必要である。
エ 調査対象とする課題が明確になったら、製造業の場合、担当者は自社に適し
 た最新のデータを獲得するために一次データ(プライマリーデータ)の収集から
 始めるのが一般的である。
(設問2)
 文中の下線部Aの「顧客の生活に入り込むなどして観察」を行う調査法として、
最も適切なものはどれか。

ア エスノグラフィーによる調査
イ セントラル・ロケーション・テスト
ウ ニューロ・マーケティングによる調査
エ フォーカス・グループ・インタビュー
第30問(H28)
 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 @マーケティング概念は、今日に至るまで複数のA段階を経て発展してきたとフィリ
ップ・コトラーは指摘している。近年のマーケティングを取り巻く環境は、私たち
が暮らす社会における問題解決が強く求められている点に特徴づけられる。B複雑化
する世界における社会・経済的な適切さとは何か。環境面における望ましさとは何
か。現代におけるマーケティング活動の実践においては、こうした点を事業のミッ
ションやビジョン、価値の中核に据えることがますます重要になってきていると考
られている。
(設問1)
 文中の下線部@に示すマーケティング概念について、アメリカ・マーケティン
グ協会(AMA)は、現在、以下のような定義を行っている。空欄に当てはまる語
句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

Marketing is the activity, set of □ A □, and processes for creating,
communicating, delivering, and exchanging □ B □ that have value for
□ C □, clients, partners, and □ D □.

[解答群]
ア A:commercial institutions  B:products and services  C:consumers
  D:the mother earth
イ A:commercial organizations  B:products and services  C:consumers
  D:people across the globe
ウ A:institutions  B:offerings  C:customers  D:society at large
エ A:non-profit organizations  B:products  C:money
  D:people in need
オ A:organizations  B:outputs  C:employees  D:shareholders
(設問2)
 文中の下線部Aに示す段階に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア Marketing 1.0 とも呼ばれる第1段階では、経済の高度化にともなって、多
 品種・小ロットを重視する柔軟な市場対応が重要視された。
イ Marketing 1.0 とも呼ばれる第1段階では、生産者の生産能力と需要を整合
 するために、市場指向の考え方が採用されるようになった。
ウ Marketing 2.0 と呼ばれる第2段階では、情報技術の進展に後押しされる形
 での展開が見られ、より優れた製品をターゲット市場セグメントに投入するこ
 との重要性が高まった。
エ Marketing 3.0 とも呼ばれる第3段階では、デジタル技術によるオートメー
 ションがマーケティング戦略策定における支配的なツールになることが強調さ
 れている。
オ マーケティングは、国や地域、機関の境界線を越えて共通の段階を経て、発
 展してきている。
(設問3)
 文中の下線部Bと関連する記述として、最も適切なものはどれか。

ア CSRは、法令遵守を中核とする受動的な考え方であり、その中において企
 業の社会的責任が、本業と関連性のないチャリティとして遂行されるとする考
 え方である。
イ かって近江商人の間で実践されていた「三方よし」(売り手よし、買い手よし、
 世間よし)の考え方は、CSV(Creating Shared Value)の基本コンセプトである
 ポジショニング概念の基礎となった。
ウ ソサイエタル・マーケティング(societal marketing)の考え方に従うと、マ
 ーケターは企業の利益を最大化することで、地域社会や国民経済への貢献を図
 ることが求められている。
エ マイケル・ポーターが提唱するCSV(Creating Shared Value)の考え方は、
 社会的価値と経済的価値の両立をうたうものであり、高い収益性の実現を重視
 するものである。
第31問(H28)
 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 多くの消費者の支持を得ることができた@ブランドをどのように管理し、成長させ
ていくかは、企業収益を左右する重要な課題である。Aブランド開発戦略として説明
されているように、例えば、同じブランド名を用いて、同じカテゴリーに形、色、
サイズ、フレーバーなどを変えた製品を導入する□ A □や異なるカテゴリーの
新製品を導入する□ B □がとられる。
 同一ブランドでのさらなる市場浸透策が難しいと判断される場合には、同じカテ
ゴリーに新ブランドを展開する□ C □や、他社との共同開発という形をとり、
自社のブランド名と他社の人気ブランド名の2つを同一製品で用いる□ D □が
検討される。
(設問1)
 文中の空欄A〜Dに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

ア A:ブランド拡張      B:マルチ・ブランド
  C:ライセンス・ブランド  D:ライン拡張
イ A:マルチ・ブランド    B:ブランド拡張
  C:ライン拡張       D:コ・ブランディング
ウ A:マルチ・ブランド    B:ライン拡張
  C:コ・ブランディング   D:ブランド拡張
エ A:ライン拡張       B:コ・ブランディング
  C:マルチ・ブランド    D:ブランド拡張
オ A:ライン拡張       B:ブランド拡張
  C:マルチ・ブランド    D:コ・ブランディング
(設問2)
 文中の下線部@の「ブランド」に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 自社ブランドが「拒否集合」に入っている場合、消費者は購買か非購買かの判
 断に必要な情報を持っていない。
イ 製品ライフサイクルの考え方に基づけば、成長期に入ったブランドは、急速に
 市場に受け入れられ、その売上・利益ともに増えるため、企業はセールス・ブ
 ロモーション活動を抑制してもよい。
ウ 人は自分のパーソナリティに合うブランドを選ぶ傾向があるため、多くの有
 名ブランドは、「洗練」、「興奮」、「誠実」など、明確なブランド・パーソナリテ
 ィの構築に努めている。
エ ブランド担当者は、顧客獲得を巡り、同じカテゴリーにおいて他社とのブラ
 ンド間競争に、集中して対処する必要がある。
(設問3)
 文中の下線部Aの「ブランド開発戦略」に関する記述として、最も適切なものは
どれか。

ア 既存のブランド名を用いて、異なるカテゴリーの新製品を導入することは、
 当該ブランド名が元の製品カテゴリーと強い結びつきを有している場合には、
 容易である。
イ 同一製品カテゴリーにおいて新しいブランド(群)を適正規模で展開すること
 は、顧客セグメントごとの細かなニーズへの対応を可能にする。それは、製品
 特徴を際立たせるための有効な手段となる。
ウ 同一ブランド名で形、色、サイズ、フレーバーなどを変えた製品を同じカテ
 ゴリーに導入することにより、小売店頭でより大きなシェルフスペースを確保
 できたり、バラエティを望む消費者のニーズに応えられたりするので、一般的
 に、リスクのない新製品導入の方法といえる。
エ ブランドは顧客からの長期的な愛顧を目指すものであるため、同一製品カテ
 ゴリーであれ、異なる製品カテゴリーであれ、積極的な新ブランドの開発は一
 般的に、経営資源の効率的な活用につながる。
第32問(H28)
 顧客が製品やサービスに求める価値は、基本価値、便宜価値、感覚価値と観念価
値の4つに分けられる。これらの価値に関する記述として、最も適切なものはどれ
か。

ア すべての価値を一度に高められない場合、基本価値のレベルにかかわらず、タ
 ーゲットに応じて他の価値のいずれかを強化することが得策である。
イ 製品やサービスが顧客にもたらす基本価値や便宜価値は、普遍性や安定性が高
 く、顧客は価値を理解しやすい。したがって、顧客の満足を得るために企業担当
 者は、常に、機能を増やし、効用を高め続けることを強いられている。
ウ 製品やサービスの感覚価値は、顧客の客観的な優劣判断を困難にする。そのた
 め、この価値を高めることで、企業は一般的に価格競争に巻き込まれやすくな
 る。
エ 入手の難しい高価なブランドにおいては、観念価値の作用する割合が大きく、
 ブランドの歴史や物語などの訴求を通じて、ブランドの高い価値を支えている。
第33問(H28)
 消費者の購買行動に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 精緻化見込みモデルに基づけば、人が時間や労力をかけた購買意思決定プロセ
 スをとるのは、以下のいずれかの条件が満たされた場合である。それは、「製品
 やサービスの購買に対する動機づけレベルが高い場合」、「情報処理の能力を有す
 る場合」、あるいは、「利用可能な情報に接する機会や時間がある場合」である。
イ 多属性態度理論に基づけば、人は、製品が有するある属性のマイナス面を他の
 属性のプラス面で相殺することをしない。
ウ 特定の製品カテゴリーに対する関与が高い場合、知識が少ない人より多い人の
 ほうが、満足の最大化を目指して、限定的な意思決定プロセスをとりやすい。
エ 「見せかけのロイヤルティ」の顧客とは、対象製品やサービスに対して好ましい
 態度や高い購買意向を持ちながら、購買行動に移さない人のことをいう。