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第1問(H25)
 経営計画の策定と実行について留意すべき点に関する記述として、最も適切なも
のはどれか。

ア 経営計画策定時に用いられる業績に関する定量的なデータを収集して分析する
 ことによって、新機軸の戦略を構築することができる。
イ 経営計画になかった機会や脅威から生まれてくる新規な戦略要素を取り入れて
 いくには、計画遂行プロセスで学習が起こることが重要になる。
ウ 経営計画に盛り込まれた戦略ビジョンは、予算計画や下位レベルのアクショ
 ン・プランと連動させるとコントロール指針として機能するようになり、戦略行
 動の柔軟性を失わせる。
エ 経営計画の策定に際して、将来の様々な場合を想定した複数のシナリオを描い
 て分析することによって、起こりそうな未来を確定することができる。
オ 経営計画の進行を本社の計画部門と事業部門が双方向的にコントロールするこ
 とは、事業の機会や脅威の発見には無効であるが、部門間の齟齬そごを把握するには
 有効である。
第2問(H25)
 プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントに関する記述として、最も適切なも
のはどれか。

ア 「金のなる木」の事業や資金流出の小さい「負け犬」事業の中には市場成長率が低
 くとも高収益事業がある。
イ 投資家の注目を集める「花形製品」の事業は、マーケットシェアの維持に要する
 再投資を上回るキャッシュフローをもたらし、「負け犬」事業からの撤退を支え
 る。
ウ プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントの考え方は、外部からの技術導入
 と資金調達による規模の経済の達成で優位性を構築する業界にも適用できる。
エ プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントの考え方は、製品市場の定義とは
 かかわりなく、相対的なマーケットシェアが小さくとも大きなキャッシュフロー
 を生み出すケースにも適用できる。
第3問(H25)
 企業は収益を確保するべく、活動(オペレーション)の効率を高めようとする。オ
ペレーション効率の特徴に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア オペレーション効率とは、ライバル企業と異なる活動を効率的な方法で行うこ
 とである。
イ オペレーション効率における競争は、生産性を改善しながら、優れた収益性を
 長期にわたって企業にもたらす。
ウ オペレーション効率の差異がもたらす収益性は、企業間の差別化のレベルに直
 接的に影響を与えることはないが、コスト優位に影響を与える。
エ オペレーション効率は、企業が投入した資源を有効に活用できるような活動の
 すべてを指している。
オ オペレーション効率を改善するべく、他社をベンチマークするほど、企業の活
 動は似通ってくるので、両社の戦略の差異はなくなる。
第4問(H25)
 他社と連携を考慮する企業にとって、企業としての独立性を維持し、企業間に緩
やかで柔軟な結びつきをつくるには、戦略的提携が有効な戦略オプションのひとつ
である。戦略的提携に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア 企業の評判に悪影響が起こる可能性は、戦略的提携における裏切りのインセン
 ティブを抑制する要素となる。
イ 戦略的提携が希少性を有しても、低コストでの代替が可能であれば、その戦略
 的提携は持続的な競争優位をもたらさない。
ウ 戦略的提携によって、新たな業界もしくは業界内の新しいセグメントへ低コス
 トで参入しようとするのは、企業間のシナジーを活用する試みとなる。
エ 戦略的提携を構築する際、その主要な課題はパートナーが提携関係を裏切る可
 能性を最小化しつつ、提携による協力から得られる恩恵を最大限に享受すること
 である。
オ 内部開発による範囲の経済を実現するコストが戦略的提携によるコストよりも
 小さい場合、内部開発は戦略的提携の代替とはならない。
第5問(H25)
 A社は医療分野での先端的な製品開発を通じて社会に貢献するという理念の下
で、現在の医療機器事業に加えて新薬開発の支援や再生医療の分野を包含した将来
的なドメインの定義を企図している。企業ドメインと事業ドメインの決定に関する
記述として、最も適切なものはどれか。

ア 企業ドメインの決定は、現状追認ではなく将来の方向性を明示しているが、注
 意の焦点を絞り込んで資源分散を防止するのには適さない。
イ 企業ドメインの決定は、差別化の基本方針を提供し、新たに進出する事業の中
 心となる顧客セグメントの選択の判断に影響する。
ウ 企業ドメインの決定は、将来の企業のあるべき姿や経営理念を包含している生
 存領域を示すが、現在の生存領域や事業分野との関連性は示していない。
エ 事業ドメインの決定は、将来手がける事業をどう定義するかの決定であり、企
 業戦略策定の第一歩として競争戦略を結びつける役割を果たす。
オ 事業ドメインは、全社的な資源配分に影響を受けるため、企業ドメインの決定
 に合わせて見直すこともありうる。
第6問(H25)
 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 @企業の価値連鎖の中の活動にどこまで携わるかによって、垂直統合の程度は異な
る。垂直統合は、企業が経済的な取引を管理・統治する重要な方法であるが、企業
によっては活用可能な管理・統治のための選択肢のひとつにすぎない。
 企業が経済的な取引を管理する際に実施する統治選択(governance choice)につ
いてはオプションを持っているのが通常である。その内容を垂直統合か非垂直統合
かによって大きく2つに分けた場合、非垂直統合による管理・統治の方法は、さら
に逐次契約(sequential contracting)、A完備契約(complete contingent claims 
contracts)、スポット市場契約(spot-market contract)などに分類できる。

(設問1)
 文中の下線部@に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 企業が価値連鎖の中で携わる活動の数は一定で安定する必要があるが、価値
 連鎖上で高付加価値を生み出している活動は垂直統合に適している。
イ 企業が価値連鎖の中で携わる活動の数は一定で安定する必要があるが、清涼
 飲料水の生産者が独立したフランチャイジーだったボトラーと戦略的な提携を
 始めるように前方垂直統合を行う例もある。
ウ 企業が価値連鎖の中で携わる活動の数はその増減から垂直統合度は推測でき
 ないが、価値連鎖で統合されている活動に関する情報開示があれば垂直統合度
 のおおよその見当はつく。
エ 自社の境界外に当該事業にかかわる価値創出活動の多くを出している企業は
 売上高付加価値率が低く、垂直統合度は低いレベルにある。
(設問2)
 文中の下線部Aの完備契約とスポット市場契約に関する記述として、最も適切
なものはどれか。

ア 完備契約は、契約履行の詳細なモニタリングと、取引主体が契約上の義務を
 果たさない場合に法的な制裁が科されるという脅威で機会主義をコントロール
 できる。
イ 完備契約は、取引主体の権利と義務を詳細に特定している契約であるが、取
 引において将来いくつかの異なる展開を示す可能性は想定していない。
ウ スポット市場契約では、複雑な契約書の作成や履行は必要がなく、多数の買
 い手と売り手が存在すれば機会主義の脅威が小さくなる。
エ スポット市場契約は、市場で取引される製品やサービスの品質確認に大きな
 コストをかければ、機会主義的な行動の脅威は小さくなる。
オ スポット市場契約は、市場で取引される製品やサービスの品質が低いコスト
 で保証され、取引の相手が限られている場合には経済的な取引を管理・統治す
 る適切な方法である。
第7問(H25)
 完成品メーカーと部品メーカーの取引関係に関する次の文章を読んで、下記の設
問に答えよ。

 @完成品メーカーと部品メーカーとの取引関係は、両社が属する業界の競争状況や
為替相場などの影響を受けながら複雑に変化している。完成品メーカーがこれまで
の取引関係を見直して、新たな部品メーカーとの取引を検討したり、あるいは完成
品メーカーが外部に発注していた部品を内製化することは頻繁に起こることであ
る。このような取引関係の変化に対応して、A部品メーカーは完成品メーカーに対し
て様々な手を打つことになる。

(設問1)
 文中の下線部@に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア ある部品の発注先を分散することによって、特定の部品メーカーから大量に
 調達する場合よりも、部品メーカー1社当たりの生産負担が軽減され、部品コ
 ストが低下する。
イ 外注する部品について発注先を多様化して競わせることによって、部品メー
 カーの忠誠心を高め、納入部品の価格を低く抑えることができる。
ウ 業界共通の汎用部品の場合、専門部品メーカー数社に発注を集約すれば、そ
 のメーカーに独自能力が蓄積され、完成品メーカーの交渉力が低下する。
エ 重要な部品について、完成品メーカーが発注先の部品メーカーを増やせば、
 調達部品の発注明細の標準化や取引条件の単純化が進み、調達の管理コストが
下がる。
オ 重要な部品については複数の会社に分散発注することで、部品メーカーの競
 争による品質の向上が期待でき、不測の事態による供給不足にも対応できる。
(設問2)
 文中の下線部Aに関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 完成品メーカーからの受注量を拡大して、現行の技術に依拠した生産の範囲
 の経済を発揮して、完成品メーカーへの交渉力を高める。
イ 完成品メーカー向けの部品の特殊な生産設備への投資によって、部品の値下
 げ圧力や取引先の切り替えに対抗する。
ウ 系列部品メーカーの場合、自社の生産技術やノウハウをブラックボックス化
 して、完成品メーカーの製品開発に積極的に参加する機会を増やす。
エ 自社の特殊な生産設備による部品が完成品の性能・機能にとって不可欠な役
 割を果たす場合、その生産能力増強については完成品メーカーからの投資負担
 を求めることができる。
オ 部品メーカーは、自社の設計による部品の生産納入を図る貸与図方式への転
 換を図ることで、継続的な取引を確保できるようになる。
第8問(H25)
 製品の設計が、部品間のインターフェイスが単純なモジュラー的な場合と、複雑
で調整が必要な擦り合わせ的な場合とで、製品開発や技術開発の進め方が異なる。
モジュラー的な製品開発や技術開発に関する記述として、最も適切なものはどれ
か。

ア モジュール部品を多様に組み合わせて得られる製品は、低価格・高機能を容易
 に実現でき、差別化による高い収益性を発揮できる。
イ モジュラー化の進展によって、自社固有の技術開発余地が狭まり、標準部品を
 使った製品間の競争が激化し、価格競争が激しくなる。
ウ モジュラー的な製品開発では、多様な部品を幅広く組み合わせるので、技術開
 発と製品開発が緊密に連携することが不可欠になる。
エ モジュラー的な製品では、モジュール部品を広く外部から調達することが可能
 になるので、これまでの社内のモジュール部品の生産設備は埋没原価になる。
オ モジュラー的な製品は、技術を持たない企業の参入可能性を高めるが、先発企
 業はシステム統合技術で先行するので、市場シェアには大きな影響を与えない。
第9問(H25)
 産業の空洞化が進行したり、国内市場が縮小したために、国内にとどまる中小企
業は販売の低迷に直面する例が多くなっている。他方、拡大するアジアの市場を目
指して海外進出する企業にも数々の問題が発生している。このような状況に直面す
る中小企業の対応に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア アジアの進出予定国のカントリーリスクを分析するとともに、現地人の採用は
 生産現場の雇用期限付きの賃労働者に限定し、現地人の幹部や現場指導者の登用
 は能力と適性を見て判断する。
イ 親企業の要請に応えて海外進出する場合、親企業の指導や支援を受けることが
 できることを前提に、外国企業向け工業団地に工場を設け、そこに償却済みの設
 備を持ち込んで、単純な工程からなる少数の生産品目から開始する。
ウ 海外から安価な原材料や部品を輸入して販売コストの低減を図るとともに、余
 剰人員の合理化による賃金コストの削減を図り、収益の改善を目指す。
エ 特定の工業部品の製造販売に特化していたために、その部品の売上が低迷した
 中小企業は、生産設備をすべて売却して、アジアの新興国で評判の汎用商品を輸
 入して流通市場に参入するという成長戦略を展開する。
第10問(H25)
 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 中小企業が同族経営である場合、戦略的問題に関する意思決定は創業者と創業者
一族が中心となり、外部の利害関係者の影響力は限定的であることが多い。
 老舗と呼ばれる中小企業B社は、代々受け継ぐ製法や技法による生産品を中心
にリピーターとなる顧客の支持を得ている。株式上場はしていないがその検討をし
ており、諸外国のガバナンス機構も調査している。
 B社は、新しい品目や製造プロセスの改良に関して、外部から技術導入や人材の
中途採用を実施してきたが、創業者以来の価値観や行動規範の理解を第一に求め、
創業者の直系の現社長と役員の過半数を占める創業者一族の同族経営として従業員
との一体感を重視してきた。危機的な状況も乗り切ってきたが、最近では、過去に
危機からB社を救った伝統的な考え方に基づく事業戦略の策定がうまくいかなく
なってきた。

(設問1)
 老舗の中小企業B社の組織文化に関する記述として、最も不適切なものはど
れか。

ア 創業以来の歴史では、創業者の選択した戦略的な問題の解決法が効果を発揮
 してきたため、その解決法が常套手段として繰り返し用いられて組み込まれて
 いる。
イ 創業以来の歴史において、外部から導入した製造プロセスの改良技術に基づ
 き、技術関係部門同士の連携による問題解決が定型化されている。
ウ 創業以来の歴史において、外部から招いた人材のほとんどは意思決定プロセ
 スに同化し、創業者一族の戦略を十分に理解するようになった。
エ 創業者とその一族の経験した過去の事業戦略の成功が、現在の戦略上の失策
 の原因になっているのに、誰も認めようとしない。
オ 組織として確立した問題解決法は、創業者の意向を大きく反映したものであ
 り、特定の問題解決や特別任務の遂行への対処が求められた創業期に生まれて
 いる。
(設問2)
 文中の下線部に関して、コポレートガバナンスとその改革に関する記述とし
て、最も不適切なものはどれか。

ア B社のような同族経営では、株式公開によって事業規模の拡大とともに株式
 の分散化が生じ、創業者一族の影響力が低下し、機関投資家などの比重が高ま
 ることを懸念する場合が多い。
イ アメリカ型のガバナンスにならった改革では、社長の権限の分散と牽制が鍵
 であり、指名委員会、報酬委員会、監査委員会の設置などが企図されている。
ウ 多くの株主が株式を手放すことで経営者責任を問い、経営者を交代へ追い込
 むウォールストリートルールは機関投資家が多くの株式を所有する現実の下では
 ほとんど期待できない。
エ 現在の会社法の委員会設置会社制度で業務遂行を委ねられる執行役員は、代
 表取締役の指揮下で業務執行の一部を担当する。
オ ドイツ型のガバナンスでは、株主総会で選出された株主と労働者の代表から
 なる監査役会が最高決定機関として取締役の任免と監督を行うが、形式的には
 株主と労働者が主権を分かち合っている。
第11問(H25)
 企業組織を設計するには、市場環境の変化、技術革新の速度、生産システムや職
務特性、部門間関係など様々な変数に配慮しなければならない。組織設計に関する
記述として、最も適切なものはどれか。

ア 航空会社などのサービス技術は、顧客に対する無形のアウトプットを迅速に提
 供することが求められるため、ルーティン化することは困難で、サービス現場で
 の対人スキルが重視される。
イ 自動車組立てラインのように、部門間を業務が一方向的に流れて行く関係にあ
 る場合には、手順の規則化や事前の計画が重要で、部門間調整は上からのコミュ
 ニケーションが有効である。
ウ 熟練技術を要する職務は、戦略立案ほど非ルーティン化の程度は高くないた
 め、公式のトレーニングや文書化したマニュアルが重視される。
エ 新商品開発などの補完的相互作用が必要な部門では、機能横断的なチームや非
 公式の対面的コミュニケーションが重視される。
オ 特定の注文品顧客を対象とした小バッチ生産システムでは、機械的マネジメン
 トシステムが適している。
第12問(H25)
 組織の中では、個人個人の努力の総和より大きい業績を達成するために、しばし
ばチーム活動が利用される。チーム活動に関する記述として、最も適切なものはど
れか。

ア ある業務を個人よりもチームが担った方が良いのは、不確実性が低く、個人の
 目標を超えた共通目標が必要なほど業務が複雑な場合である。
イ チームの業績を高めるためには、異なるパーソナリティのメンバーが参加する
 ことが望ましく、チームに対する忠誠心が高いメンバーと低いメンバーが適切に
 組み合わされることが必要である。
ウ チームのメンバーに対する金銭的報酬システムとして個人別業績評価を採用す
 ると、チームの成果よりも個人の成果を優先してしまうため、チームメンバーに
 平等な固定給の報酬システムが、チームの業績を高める。
エ チームレベルのアカウンタビリティを明確にし、チームメンバーがフリーライ
 ドする可能性を避けるためには、個人レベルのアカウンタビリティを明確にする
 必要がある。
オ チームを効果的に管理するためには、個人間のコンフリクトをなくすように、
 各メンバーの役割は相互独立に設計し、相互依存度を最小限に抑える必要があ
 る。
第13問(H25)
 期待理論に基づいたリーダーシップ行動を説明するものとして、最も適切なもの
はどれか。

ア 与えられた目標にとらわれることがないよう、報酬を目標の達成と切り離して
 処遇する。
イ 結果をあまり気にせず、まず行動を起こしてみるように従業員に働きかける。
ウ どうすれば目標を達成できるかという戦略を、チーム全員で考えさせる支持的
 態度をとる。
エ 目標達成のプロセスはともあれ、目標それ自体の社会的意義を共有させる。
オ 目標を実現することによって得られる報酬が、いかに魅力的なものであるのか
 を説得する。
第14問(H25)
 企業は成長することによって、複数の製品やサービスを提供する事業部など、専
門化された複数の組織単位からなる複合組織になっていくことが知られている。複
合組織となった企業が、環境変化に対して組織的に適応するために必要な行動とし
て、最も不適切なものはどれか。

ア 環境分析に専門部署を割り当て、変化の渦中でも持続可能な長期的戦略計画を
 立てさせる。
イ 既存の事業部に戦略的な重点課題の遂行を割り当て、責任を持って取り組ませ
 る。
ウ 通常業務と新たな利益を創出する業務のための予算計画を分けることによっ
 て、常に環境変化に反応できるような組織体制と組織文化を醸成する。
エ 複合組織の経営者は、専門化された組織間の調整を通じて、企業の環境適応を
 図る。
第15問(H25)
 企業間取引関係は、それぞれの企業の渉外担当者(boundary personnel)の行動に
よって担われている。この渉外担当者の役割に関する記述として、最も不適切なも
のはどれか。

ア 渉外担当者は、外部環境の情報に接することができるため、組織内の各部門に
 対し不確実性を削減する機能を持っており、しばしば組織変革にとって重要な誘
 導者となる。
イ 渉外担当者は、外部組織が自らの組織に対して影響力を行使する際にターゲッ
 トとなるため、それに対応するのに十分な交渉力を持つ必要がある。
ウ 渉外担当者は、外部組織との連結環としての役割を持つとともに、外部組織の
 脅威から自らの組織を防衛する境界維持的機能を果たしている。
エ 渉外担当者は、外部に対して組織を代表する顔であるため、組織内部の価値観
 や規範、組織文化などからは自由に、外部組織の要請にあわせて臨機応変に行動
 しなければならない。
オ 渉外担当者は、組織内部でなされた組織的意思決定を、具体的な環境適応行動
 として実行する重要な役割を担っている。
第16問(H25)
 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 C社の研究開発部門で働く研究員は、公式に仕事として与えられた研究開発テー
マ以外にも、自らの興味や関心に基づき、非公式に新しい研究開発テーマを探索し
ていた。もちろん、公式な仕事として与えられたわけではないので、新しい研究開
発テーマを探索する場所や設備などの作業環境は良好なものではなかったし、昼休
みや就業後の時間が費やされていた。
 このことをインフォーマルに伝え聞いた経営者は、研究員による自発的活動をよ
り活発なものにするために、新たな研究開発テーマの探索に必要な作業環境を改善
するとともに、就業時間外に行った活動にも金銭的報酬を支払う制度を導入するこ
とにした。
 ところが、新制度を導入した後には、研究員は昼休みや就業後の時間に、新しい
研究開発テーマを探索することがめっきり少なくなってしまった。研究員にアンケ
ートを取ってみると、作業環境の改善によって満足度が上がったわけでもなさそう
であった。

(設問1)
 作業環境が改善されたにもかかわらず、研究員の満足度が改善されなかった理
由として、最も適切なものはどれか。

ア 経営者の判断によって行われた作業環境の改善内容が、研究員が望んでいた
 ものとは異なっていたから。
イ 作業環境に対する不満足の解消と、新たな研究開発テーマの探索を通じて得
 られる満足は別問題だから。
ウ 作業環境の改善内容が、研究員が望んでいた希求水準を下回っていたから。
エ 作業環境の改善を通じて低次欲求を充足しても、満足にはつながらないから。
オ 作業環境を経営者が改善してくれたこと自体が、研究員に対するホーソン効
 果を生みだしたから。
(設問2)
 昼休みや就業後の時間に、研究員が自発的に新たな研究開発テーマを探索しな
くなった。その理由として、最も不適切なものはどれか。

ア あくまで自らの意志で行っていたということを、金銭的報酬が与えられたこ
 とによって見失ってしまったから。
イ 新しい研究開発テーマの探索が、金銭的報酬のためであると知覚されるよう
 になったから。
ウ 困難な仕事内容を考えれば、新しい研究開発テーマの探索の対価としてはふ
 さわしくないと感じられたから。
エ 制度設計をした経営者が、研究員の自発的行動をコントロールするためでは
 なく、研究員に報いるためのものであることをきちんと説明しなかったから。
第17問(H25)
 国際化する企業間競争において競争優位を獲得・維持するには、コスト削減能力
だけでなく、知識基盤の裏付けを持ったイノベーションの遂行能力が必要不可欠で
ある。イノベーションそのものを組織学習プロセスとして考えた場合、必要なメカ
ニズムとして、最も不適切なものはどれか。

ア 結果の可視化とストーリー性を持ったリッチな分析
イ 現場ライン部門への権限委譲・能力開発にともなうスタッフ部門の削減
ウ 様々な視点を持った参加者の活用
エ 試行・実験を促進するような評価体系の整備
オ 成功・失敗経験のデータベース化と情報の共有
第18問(H25)
 下図は、横軸に時間、縦軸に重要な革新の頻度をとり、製品革新と工程革新の観
点から見た生産ユニット(productive unit)の進化過程と生産性のジレンマを描いた
ものである。
 ドミナントデザインの確立までを流動化段階、その後製品革新の頻度が減少しつ
つ工程革新が進む段階を成長段階、もはや製品革新は末端技術に限られ工程革新も
成熟してきた段階を特定化段階と区別した場合、それぞれの段階に敵した組織に関
する記述として最も適切なものを下記の解答群から選べ。

18問 図

[解答群]
ア 成長段階後期になると製品アーキテクチャは安定し、市場規模は縮小し始め
 るので、業界として部品ごとに水平分業関係を築き、部品間のインターフェー
 スについて規格を統一していくことが重要な成功要因になる。
イ 製品革新の頻度が少なくなってくると、しだいに工程革新へと関心がシフト
 していき、生産性が次第に低下し、価格競争は少なくなるため、企業間で水平
 的な分業関係が構築しやすくなる。
ウ 特定化段階には企業間の分業が進み、製品・工程とも革新の頻度は低くなっ
 てしまうが、これを再び流動化段階に脱成熟させるには、一定以上の垂直統合
 が必要となる。
エ ドミナントデザインが確立される前の流動化段階では、市場規模も大きくな
 く、製品アーキテクチャの各要素の不確定性が高いため、1企業で新製品開発
 のリスクを負うのではなく、部品ごとに水平分業をして業界全体で新製品の開
 発を行うべきである。
オ ひとたびドミナントデザインが確立されると、製品アーキテクチャが確立す
 るため、部品メーカーを内部化する垂直統合戦略をとり、効率的な生産ができ
 るよう組織を機能別に編成すべきである。
第19問(H25)
 今日、雇用者である専門経営者や管理者が様々な理由で企業を支配するようにな
り、経営者の独走を制するためのガバナンスが求められるようになっている。専門
経営者や管理者による企業の支配に関する記述として、最も不適切なものはどれ
か。

ア 株価による経営評価が行き過ぎることで、CSRが果たしにくくなった。
イ 企業規模の拡大に伴う株式の分散によって、経営者が企業の法的所有者である
 株主から直接的な影響を受けにくくなった。
ウ 企業で使用される技術の高度化によって、技術者集団ないし専門家に対する依
 存が大きくなった。
エ 様々な生産技術に精通する管理者が、企業全体の生産プロセスに対して大きな
 影響力を持つようになった。
オ 新製品やサービスを市場に提供し、競争を通じて利潤を追求する企業家的な行
 動が一般的なものとなった。
第20問(H25)
 昭和63年の労働基準法の改正時に大幅な労働時間の弾力化が図られたが、その
後、経済社会の発展に対応して、弾力的な労働時間制度が拡充されてきた。弾力的
な労働時間制度に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 企画業務型裁量労働制は、重要な事業方針等を決定する事業場において、事業
 運営に係る企画、立案、調査及び分析の業務に従事するホワイトカラー労働者に
 適用されるが、対象者が一定の年収以上の者に限定されているため、あまり普及
 していない。
イ 専門業務型裁量労働制を新たに導入するためには、事業場の労働者の過半数で
 組織された労働組合又は労働者の過半数を代表する者との間で労使協定を締結
 し、かつ、対象業務に従事する労働者の同意を得ることが必要である。
ウ フレックスタイム制は、就業規則等で1カ月以内の一定の期間の総労働時間を
 定めておき、労働者はその総労働時間の範囲内で、各日の始業又は終業の時刻を
 選択して働くという労働時間制度であり、時差出勤(時差勤務)もその一種であ
 る。
エ 労働者が自宅で情報通信機器を用いて業務を行う、いわゆる「在宅業務」につい
 ても、当該業務が起居寝食等私生活を営む自宅で行われ、かつ当該通信機器が使
 用者の指示によって常時通信可能な状態におかれておらず、また、当該業務が随
 時使用者の具体的な指示に基づいて行われていない場合には、事業場外のみなし
 労働時間制を適用することができる。
第21問(H25)
 労働基準法又は育児・介護休業法に定める休業に関する記述として、最も不適切
なものはどれか。

ア 育児休業をする厚生年金保険の被保険者を使用する事業所の事業主が、厚生労
 働大臣に申出をしたときは、当該育児休業を開始した日の属する月から、その休
 業が終了する日の翌日が属する月の前月までに係る保険料の徴収は免除される。
イ 介護休業とは、労働者が要介護状態にある対象家族を介護するためにする休業
 をいうが、介護休業の回数は、特別の事情がない限り、同一の対象家族につい
 て、1要介護状態ごとに1回とされ、日数は、その回数が2回以上に及ぶ場合に
 も、最初の介護休業を開始した日から通算して93日までとされている。
ウ 労働基準法では、産前休業は6週間(多胎妊娠の場合は14週間)、産後休業は
 原則8週間とされているが、分娩の日が予定より早まったために産前休業が4週
 間しかとれなかった場合には、産後休業を10週間与えなければならない。
エ 労働基準法は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり、療養のために休業
 する場合には、使用者は、その療養の期間中平均賃金の100分の60の休業補償
 を行わなければならないこととしているが、労働者災害補償保険からこの休業補
 償に相当する給付が行われる場合には、使用者は当該休業補償の責を免れる。
第22問(H25)
 労働契約に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 使用者が、就業規則を変更し、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつそ
 の就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度等の事情に照らして合理的な
 ものであるときは、労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則の
 定めるところによる。
イ 使用者は、労働者と有期労働契約を締結したときは、その契約期間が終了する
 までは、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であると認められる場合
 でなければ解雇することができない。
ウ 有期労働契約が2回以上繰り返され、同一の使用者との間で締結された通算契
 約期間が5年を超える労働者が、労働契約が満了する日までの間に、無期労働契
 約への転換の申込みをしたときは、使用者は当該申込みを承諾したものとみなさ
 れるが、この場合、転換後の労働条件は、当該事業場における無期労働契約で働
 く同種の労働者と同一のものとしなければならない。
エ 労働者を定年後に子会社に転籍させ、当該子会社で有期労働契約によって継続
 雇用する場合、当該労働者の業務内容及び当該業務に伴う責任の程度に変更がな
 いときは、継続雇用後の労働条件は、労働契約の期間を除き、当該子会社の無期
 労働契約の労働者の労働条件と相違することは認められない。
第23問(H25)
 賃金に関する基本用語の定義として、最も不適切なものはどれか。

ア 基本給は、毎月支払われる賃金の中で最も基本的な部分を占め、年齢、学歴、
 勤続年数、経験、能力、資格、地位、職務、業績など、労働者本人の属性又は労
 働者の従事する職務に伴う要素によって算定される賃金で、原則として同じ賃金
 体系が適用される労働者全員に支給されるものをいう。
イ 賞与は、ボーナス、一時金、期末手当などの呼称で呼ばれることがあるが、労
 働基準法上の賞与は、定期又は臨時に、原則として労働者の勤務成績及び経営状
 態等に応じて支給されるものであって、その額があらかじめ確定されていないも
 のをいう。
ウ 定期昇給は、あらかじめ定められた賃金表がある場合にはそれに基づいて、賃
 金表がない場合には、年齢や勤続年数、考課査定などをもとに、毎年1回以上定
 期的に個別賃金を引き上げるものであるのに対し、ベースアップは賃金水準を底
 上げするもので、賃金表がある場合には賃金表そのものを書き換えることにより
 行われる。
エ モデル賃金とは、学制どおりに進級して正規に学校を卒業し、直ちに入社して
 引き続き同一企業に勤務し、その後標準的に昇進・昇格、昇給して、世帯形成も
 標準的に経過している標準者の賃金カーブをいう。
オ 労働基準法上の平均賃金は、その算定事由の発生した日以前3カ月間にその労
 働者に支払われた賃金の総額を、その期間の所定労働日数で除した金額のことで
 あり、解雇予告手当や休業手当、業務上の災害における災害補償の計算等に用い
 る。
第24問(H25)
 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 企業は、その利益実現のための要素のひとつとして売上高の変化に関心を持つ。
そして、売上高の変化にどのように戦略的に対応していくかを意思決定することが
求められる。
 ここで、

  企業の売上高 = 対象市場規模 × 市場シェア

 という定義式を用いることにする。この式の内容を図式化すると下図でとらえるこ
とができる。これを見ると、@企業の売上高は対象とする市場全体の成長率だけでな
く、市場シェアの変化によっても多様に変動することが分かる。また、このことは
A企業の戦略適応の方法が異なることも示している。

24問 表

(設問1)
 文中の下線部@に示す「売上高の多様な変動」について、図の各象限における売
上高の変動パターンを検討した場合、最も適切なものはどれか。

ア 象限Aでは、売上高は微減の方向へと向かっていく。
イ 象限Bでは、売上高に変化が見られないことがある。
ウ 象限Cでは、売上高は減少することになる。
エ 象限Dでは、売上高が減少するケースも起こりうる。
(設問2)
 文中の下線部Aに示す「異なる戦略適応」のパターンとそれらの特徴に関する記
述として、最も適切なものはどれか。

ア 象限Aでは、対象市場の適否についての分析を早急に進めるとともに競争
 戦略の再検討が求められる。
イ 象限Bでは、対象市場の再選択が優先順位の高い作業となる。
ウ 象限Bと象限Cの状態でそれぞれ同じ程度の売上増を目標として設定した
 場合、Bの方がより多くのマーケティング費用が必要となる。
エ 象限Dでは、市場が飽和に達しつつあり、現状の戦略をさらに推進するこ
 とにはリスクが伴う。
第25問(H25)
 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 消費者の購買意思決定プロセスにおいては、特定の情報発信型消費者が他の消費
者に対して強い影響力を持つことがある。このように情報源としてとくに重視され
る人々は□ A □集団と呼ばれる。この種の集団には憧れや分離の対象といった
個々の消費者が直接的な接点を持たない対象だけでなく、学校や職場、サークルな
どのように実際に消費者自身が所属している集団も含まれる。
 ロジャースによる普及理論は、□ B □が特定の製品を採用することが新製品
普及の最初のステップであるとしている。ハイテク技術を観察対象としたムーアの
研究では、この次の段階にくる初期多数派への普及がいかに速やかに行われるかが
製品普及の分かれ道であるという結論が導かれている。この分かれ道は□ C □
と名付けられた。
 これに対してオピニオンリーダー理論では特定の製品分野についての深い専門知
識を持った人々が、新しい製品に関する情報を収集し、自ら編集したメッセージで
情報発信することの重要性が示されている。
 オピニオンリーダーとは対照的に製品カテゴリ横断的な幅広い知識を持ち、さら
には知識を伝える方法も幅広く持っていることに特徴づけられる情報発信型消費者
は□ D □と呼ばれている。このタイプの消費者は、インターネット上のコミュ
ニティやソーシャルメディア上で情報を拡散させるコミュニケーション機能を果た
す極めて現代的な情報発信者といえるだろう。

(設問1)
 文中の空欄A〜Dに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。


ア A:参照       B:イノベーター     C:キャズム
  D:リードユーザー
イ A:参照       B:インキュベーター   C:ディバイド
  D:マーケットメーカ
ウ A:準拠       B:イノベーター     C:キャズム
  D:マーケットメイブン
エ A:準拠       B:リードユーザー    C:ディバイド
  D:マーケットメーカー
オ A:ミラー      B:リードユーザー    C:ディバイド
  D:マーケットメイブン
(設問2)
 文中の下線部に示す「購買意思決定」についての消費者または企業の行動に関連
する記述として、最も適切なものはどれか。

ア ある小売商が店頭で靴下の「よりどり3点600円」の販促を実施した。多くの
 消費者は売れ筋の商品だけでなく、単独の販売ランキング下位の商品も購買し
 ていた。これは、バラエティ・シーキング論の主張と一致する。
イ 個々の消費者による購買行動はその人物の文化的、社会的、個人的、心理的
 な特性の強い影響を受けるが、マーケターに与えられた役割はこれらの特性を
 変容させることである。
ウ 消費者がある製品に対して高い製品関与水準を持つとき、この消費者は自ら
 が蓄積した豊かな製品知識を容易に参照できるため、購買意思決定プロセスは
 単純化する。これは精緻化見込みモデルによる見解である。
エ 生産財の購買は組織内の異なる部門や複数の階層から構成される購買センタ
 ーを通じて行われるため、購買主体は十分な知識を持って迅速な意思決定を下
 すことができる。
第26問(H25)
 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 清涼飲料水の中のあるカテゴリは、年間を通して様々な機会に私たちが楽しむ飲
み物としてすっかり定着している。その生産量もこの10年あまりの期間に10倍以
上にも増加した。他の主要な飲料カテゴリと比較しても群を抜く伸びである。飲料
メーカーX社は2年後を目途にこのカテゴリへの新規参入を検討している。
 それに先駆けて、X社のマーケティング部門では、@このカテゴリの製品市場に
おける市場占有率(金額ベース)についてのデータ分析を行った。それをもとに、Aこ
の市場の上位メーカーへの集中度がどのような状態になっているのかを検討するこ
とにした。この時のデータを簡易的に整理したものが下表である。表中の「その他」
を分解してみると、30社がそれぞれ1%ずつの市場占有率を持つ構図が見られる。
順位メーカー名市場占有率(%)
(金額ベース)
1A社25
2B社15
3C社15
4D社10
5E社5
 その他30
――――――――――――――――――――――
合計 100
(設問1)
 文中の下線部@に示す「市場占有率」に関する記述として、最も適切なものはど
れか。

ア X社が参入を検討している製品市場での上位5社による累積占有率は70%
 に達している。この市場で第4位に位置するD社の占有率は10%である。
 これをいわゆるプロダクト・ポートフォリオ・マネジメントでの相対シェアと
 して換算すると0.55となる。
イ 寡占度が高い市場では、追随者(フォロワー)としての新規参入が比較的容易
 である。
ウ 国内のある製品市場においての個別メーカーによる金額ベースの市場占有率
 を算出するためには、a:「自社の当該製品の国内向け出荷額」、b:「当該製品
 に関する国内の全事業者による出荷額」、c:「当該製品に関する海外への輸出
 額」を用いる。算出式は、市場占有率(%)={a/(b+c)}×100 となる。
エ 表中のE社はこのカテゴリにおいて極めて差別化水準の高い新製品を開発
 し、高価格の小売形態を中心とする販売経路戦略を通じて、価格プレミアム化
 に成功した。このことから、出荷数量ベースでの同社の占有率は、売上高ベー
 スのそれと比べて低い値となっている。
(設問2)
 文中の下線部Aに示されているように、X社のマーケティング部門はこの飲
料水カテゴリの製品市場への新規参入に向けた検討を重ねている。その一環とし
てハーフィンダール指数の算出を行った。その算出結果として、最も近いものは
どれか。

ア 約0.05
イ 約0.12
ウ 約0.33
エ 約0.50
第27問(H25)
 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 ある金曜日の夕方、機械部品メーカーの2代目経営者のYさんは取引先とのミ
ーティングを終えると足早に家電専門店チェーンの大型店舗に立ち寄った。この店
舗は駅に隣接したショッピング・センター(SC)のテナントとして出店している。
Yさんは、取引先が国際展開をしていることがきっかけで自社の創業以来はじめ
て海外市場へのアプローチに着手した。海外エージェントとのリアルタイムの会
議を円滑に行うために、翻訳機能付きの電子手帳の購入を検討している。
 いくつかの商品を比較している最中に、Yさんのスマートフォンにeメールが
送られてきた。この家電専門店チェーンのウェブ店舗からのものだった。メールを
あけてみると、数日前にYさんがスマートフォンを使ってこの小売業者のウェブ
店舗で検索し、「お気に入り(bookmark)」に登録していた電子手帳の詳細情報が記
載されている。また、このSC内店舗での売場の位置と@実際にこの商品を購入し、
使用している消費者によるレビューが紹介されている。メールを見ながら売場に移
動し、この電子手帳を手に取ってみるとYさんが今必要としている機能が満載の
商品であることが分かった。
 Yさんはおもむろにこの商品の型番をスマートフォンに入力し、検索をかけて
みた。すると、別の家電専門店のウェブ店舗では全く同じ商品が5,000円安い価格
で販売されていることが分かった。Yさんは、早速この電子手帳をスマートフォ
ンサイト経由で注文し、クレジットカードで決済した。また、このネットショッピ
ングでAYさんは購入額の10%のポイントを獲得した。日曜日の朝、Yさんは電
子手帳を受け取り、あれこれ操作を試し、海外エージェントとのミーティングで想
定されるフレーズを学習した。
(設問1)
 文中に示すYさんの行動に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア YさんはSC内の家電専門店チェーンの店舗に立ち寄った際にこのチェーン
 のウェブ店舗からeメールを受け取ったことで、AIDMAでいえばM
 (Memory)にあたる内容を活性化することができた。
イ Yさんは金曜日の夕方にSC内の家電専門店チェーンの店舗に立ち寄る前
 に、このチェーンのウェブ店舗で翻訳機能付きの電子手帳を網羅的に検索して
 いたので、買い物出向前に明確なブランド選好マップが形成されていたとい
 ってよい。
ウ Yさんは店頭で受け取ったeメールを読むとすぐさま商品関連情報を検索
 し、電子手帳の購買にいたる意思決定を行った。この一連の流れの中でYさ
 んはコミュニケーションに対する消費者の反応(購買)プロセスモデルのひとつ
 であるAISASに含まれるすべてのステップを踏んでいたといえる。
エ 今回のYさんの電子手帳の購買プロセスの一部にも見られたような、「実際
 の店舗で商品の実物展示を体験してから、より低い商品価格と消費者費用で同
 じ商品を購入することができるウェブ店舗を探してそこで購買を行う」タイプ
 の行為は一般にブラウジング(browsing)といわれている。
(設問2)
 文中の下線部@に示す「消費者によるウェブ上のレビュー」は、情報化時代にお
けるある種のクチコミとしてとらえることができる。顧客満足と口コミに関する記
述として、最も適切なものはどれか。

ア Yさんが最終的に電子手帳を購入した家電専門店のウェブ店舗では、購入
 後の返品・交換時の送料や手数料を無料にするサービスを提供している。この
 サービスは消費者の認知的不協和をできる限り軽減・解消することを意図した
 ものであるといえる。
イ 一般に消費者は満足時よりも不満足時に多くの口コミを行うといわれてい
 る。とくに消費者による熟知性が高いブランドでは、ネガティブな口コミによ
 って消費者の購買意図が顕著に低下する効果が見られるため注意が必要であ
 る。
ウ 高水準の顧客満足が実現すると既存顧客の忠誠顧客化による反復購買が行わ
 れるようになるだけでなく、満足顧客による口コミが新規顧客の獲得を支援す
 るようになる。新規顧客獲得費用は既存顧客の維持費用よりも一般的に低いた
 め、企業は積極的に優良顧客による口コミの影響を活用することが望ましい。
エ 顧客満足の理論によれば、顧客満足・不満足の程度は事前の期待度とは関係
 なく、対象商品の品質の良しあしの水準によるという点が強調されている。
(設問3)
 文中の下線部Aは、セールス・プロモーション(SP)に関連する記述である。
SPに関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 1970年代までは日本のメーカーにおいてSP費が広告費を上回る状況が続い
 ていたが、この30年間に数多くの企業がグローバル企業へと成長したことも
 あり、両者の比率が逆転している。
イ Yさんが以前に同じ家電専門店チェーンの実店舗でスマートフォンを購入
 した際、専用ケースをおまけとして受け取った。この種のSPは長期的なブラ
 ンド忠誠の醸成を支援する効果を持つ。
ウ 購買金額の一定割合が付与されるポイントサービスは、主として将来の値引
 きを約束するSPであり、顧客の再来店を促す役割を果たしている。
エ メーカーによるインセンティブは消費者のみをターゲットとしており、具体
 的な活動には特売価格の提供、景品コンテスト、サンプリング、POP広告な
 どがある。
第28問(H25)
 Z氏はラーメン店のチェーン経営を行う人物であり、現在フランチャイジングを
用いた海外市場への進出を計画している。「フランチャイジング」に関する記述とし
て、最も適切なものはどれか。

ア Z氏の海外市場への進出においては、現地企業と合併で現地本部を設立し、ま
 ずはこの現地本部との間でマスター・フランチャイジング契約を結び、そして、
 現地本部と他の事業者との間でサブ・フランチャイジング契約を結ぶ方法も選択
 肢のひとつである。
イ Z氏のラーメン店チェーンの国内の本部が進出先国でフランチャイジング参加
 の募集をかけ、現地事業者と直接フランチャイジング契約を締結する形態もZ
 氏がとりうる進出方法のひとつである。この方法はダイレクト・マーケティング
 と呼ばれる。
ウ フランチャイジングとはフランチャイジーと呼ばれる事業者がフランチャイザ
 ーと呼ばれる他の事業者との間に契約を結び、フランチャイザーに対して同一の
 イメージのもとに事業を行う権利をフランチャイジーが有償で与えるものであ
 る。
エ フランチャイジングを用いたチェーンストアオペレーションは、コーポレート
 チェーンと呼ばれており、一般的に事業の国際化にあたって積極的に活用されて
 いる。
第29問(H25)
 次の文中の空欄A〜Dに入る語句の組合せとして最も適切なものを、下記の
解答群から選べ。

 P氏はある酒屋の4代目として店を継ぐことになった。3代目からも聞いていた
とおり、この店がある商店街は一昔前と比べると活気がなくなっている。
 P氏は自分の店の活性化策として□ A □ブランド商品を品揃えの中核に据
え、贈答用の小物や日常的に使用できる気の利いた雑貨もそのラインアップに加え
た。美術大学で産業デザインを学び、コンテスト入賞経験を持つP氏は仕入れた
商品に装飾を施すなど、□ B □加工による独自の付加価値づくりを重視し、地
域の消費者のギフト需要を吸収するようになっていた。
 P氏はさらに先代の時代から懇意にしていた取引相手である中小の地方酒造メー
カー数社の同世代経営者と連携を深めていく。P氏は商店街の懸賞企画の一環で地
域消費者の家族での食生活や外食の嗜好についての大規模なアンケート調査を実施
した。その結果、この地域市場には飲食料品の消費について明確な消費者クラスタ
ーが存在することが分かった。
 これを踏まえ、P氏は各酒造メーカーと原材料段階までさかのぼった共同商品開
発に着手し、4種類の日本酒を□ A □ブランド商品として導入した。その際、
作り手の顔が見えるように、それぞれの酒造メーカーの企業名も併記する形のブラ
ンド名称を採用した。このようなブランド表記はダブル□ C □と呼ばれる。
 P氏はこれら特異な商品を自店の□ D □ブランドとして、商店街活性化のた
めに活用しようと考えた。そして、地域の飲食店への卸売もスタートした。

[解答群]
ア A:地域      B:流通  C:マーク    D:ラグジュアリー
イ A:ナショナル   B:意匠  C:マーク    D:小売店舗
ウ A:プライベート  B:意匠  C:マーク    D:ストア
エ A:プライベート  B:自家  C:コンテンツ  D:小売事業
オ A:プライベート  B:流通  C:チョップ   D:ストア
第30問(H25)
 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 T社は大手自動車メーカーのアルミ部品などを製造する中小サプライヤーであ
る。近年、製品納入先である自動車メーカーの販売動向が様々な政治・経済・社会
的要因によって相当の影響を受け、その余波がT社に及ぶことが頻繁になってき
ている。
 そこで、T社ではこの自動車メーカーに対する販売先依存度を下げるために、
主体的に市場創造を行うべく、消費財分野への参入を図っている。具体的には世界
最高水準といわれるアルミ加工技術を活用した鍋、やかんや食器、さらにはアルミ
製の台所棚などの製品系列を開発している。この消費財分野での@営業組織の編成は
まだ準備段階にあるが、これらの製品を購入した顧客の満足度は非常に高いことが
購入後のフォローアップ調査で明らかになっている。
 T社は現在、強い決意で消費財部門を第二の柱として強化するための喫緊の課
題として営業体制づくりを行っているが、産業財メーカーとしてはじめての消費財
分野への参入であるため、A営業管理のあり方について様々な議論を行っている。

(設問1)
 文中の下線部@に示す「営業」に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 営業の目的は、製品・地域・取引相手のタイプといった区分で新規顧客を獲
 得することである。
イ 営業は、マーケティング・ミックスのプロモーション活動に固有に含まれる
 人的販売のことである。
ウ 企業の事業活動が国境を超えて展開されるにつれて、営業活動内容の複雑さ
 は低減していく。
エ 個々の営業パーソンに対する顧客の評価は、企業信頼と人格信頼の両者によ
 って支えられている。
(設問2)
 文中の下線部Aについて、T社における消費財部門の営業管理のあり方に関
する記述として、最も適切なものはどれか。


ア 消費財部門では営業組織の強化はあきらめ、訪問販売を行うにとどめる。
イ 消費財部門の拡大によって組織全体としての営業人員が不足するが、固定費
 の増加を防止したいので、産業財部門の最も熟練した営業パーソンを消費財部
 門に配置転換する。
ウ 消費財部門は全く新しい分野であるため、発想の柔軟な若手営業パーソンを
 この部門に配置転換し、一部インセンティブ制の報酬を固定給に上乗せ可能な
 制度を設ける。
エ フリーランスの営業パーソンと契約し、完全歩合制の営業管理を徹底し、販
 売経路の幅を広げることに注力する。