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第1問(H22)
 これまで高い評判を受けていたメーカーの製品が、あるとき、急にその評判を落
としてしまうことがある。評判を落とす直接的な原因は、顧客からのクレームの多
発やクレーム対応のまずさなどであるが、クレームが発生するまでに、しばしば既
に企業内部に幾多の問題が潜んでいることがある。また、問題が発生する状況は業
種によって異なることが多い。次の記述のうち、クレームを発生させる可能性が最
も高いものはどれか。

 ア ある家電メーカーでは、部品の標準化やモジュール化を徹底して製品の構造設
  計の簡素化を推し進めながら、製品検査とクレーム対応の現地化を図るために、
  海外の生産拠点での仕様の一部変更を認めるようにした。
 イ 技術の分かるマネジャーによる市場対応を図るために、生産技術に支障がない
  ように注意して、エンジニアリング部門から営業部門や事務部門への配置転換を
  進めている。
 ウ これまでクレーム等の消費者対応はすべて本社での対応であったが、販売増大
  とともに事務処理が滞るようになったので、クレーム情報は本社に報告するが、
  重大なクレーム以外の日常的な消費者対応は営業拠点に委ねることにした。
 エ 自社の清涼飲料水の売り上げが急拡大しているので、自動化ラインの工場を立
  ち上げて、従業員を募って量産体制に入った。
 オ 高い品質で知られる中堅部品メーカーでは、収益性をさらに高めるべく、手間
  とコストのかかる品質検査を公的検査機関に依頼するとともに、賃金の高い熟練
  技術者に代わって若手従業員を新規に雇用し、個々の業績評価を賃金に連動させ
  るように人的資源戦略を転換した。
第2問(H22)
 どの業種にもいわゆる勝ち組と負け組が見られる。激しい競争にもかかわらず他
社よりも優れた業績をあげている企業の特徴に関する記述として、最も不適切なも
のはどれか。

 ア ある通信機器メーカーでは、生産を国内工場に集約して生産現場で厳格な品質
  管理体制をとり、堅牢な機器と先進的なデータ処理を売りに、顧客の信頼を得な
  がら業界水準よりも高い価格で売り上げを伸ばしている。
 イ ある町工場では単品物の受注に特化しているが、熟練を活かした加工技術を武
  器に、あらゆる注文に応えられる受注生産体制を敷いて、特定業種にこだわらな
  い受注先を確保している。
 ウ 健康食品を製造販売しているある企業では、顧客からのダイレクトな注文や問
  い合わせに応えるべく、コールセンターの充実を図るとともに、それを基にした
  顧客データベースを活かして、逆に顧客への情報発信を行い、顧客との強い信頼
  関係の構築を目指している。
 エ 創業間もない中小化粧品メーカーでは、肌に潤いを与える希少な天然素材を活
  用した高価な基礎化粧品に絞り込んで、全国的な広告宣伝と大手百貨店や量販店
  への出店を目指してる。
 オ 激しい価格競争と急激な利益率低下のため大手の電子機器メーカーが撤退した
  市場で、ある中堅メーカーでは海外企業からの低価格な中間財の調達と自社が得
  意とする実装技術を活かして、実用本位の機能に絞り込んだ低価格製品で安定し
  た売り上げを確保している。
第3問(H22)
 企業に固有な能力は、自社独特の戦略展開を可能にするものとして重要である。
企業が生産技術にかかわる固有能力を維持したり構築しようとする試みに関する記
述として最も適切なものはどれか。

 ア 業界に普及している汎用設備の導入を進めて、資本装備率の向上を目指してい
  る。
 イ 現場からの改善提案のうち、全社QC大会で表彰を受けたものだけを実行して
  いる。
 ウ 現場への新人の投入時に技術指導を中心に導入教育にも時間をかけている。
 エ 自社の生産技術を守るべく、生産部門での人事異動も新規採用も行わないこと
  にしている。
 オ 他社の優れた生産技術を積極的に導入して自社技術を常に一新するようにして
  いる。
第4問(H22)
 企業は技術の発展にともなって、しばしば研究開発組織をダイナミックに組み替
えたり、研究開発の仕組みに工夫をしている。そのような状況に関する記述のう
ち、製品開発戦略の展開に結びつく研究開発組織のあり方として、最も不適切なも
のはどれか。

 ア 技術ごとの機能分化が進み過ぎたので、市場が求める製品のニーズに沿って技
  術部門を再編するとともに、営業部門との協議を開くことにしている。
 イ 技術的に複雑な製品が増えてきたので、プロダクトチームのほかに技術分野ご
  との機能別チームを再び編成し、開発段階に沿って機能別チームがプロダクト
  チームと連携することにしている。
 ウ 製品開発のプロジェクトリーダーには、専門的な技術知識とともにチームをま
  とめるマネジメント能力や人間性を重視して任命している。
 エ 製品ごとに開発担当者をおき、その下に開発チームを編成し、開発が終わった
  段階で担当者及びチーム参加者は解散することにしている。
 オ 中央研究所を見直して担当を開発研究に絞り込み、外部と取引や技術交流のあ
  る生産技術部門や営業部門に基礎研究を移管している。
第5問(H22)
 企業は経済社会の一員として多面的に社会的な責任や期待を負いつつ、経済活動
を展開している。そのような社会的存在としての企業の経営行動に関する記述とし
て最も適切なものはどれか。

 ア 企業価値は株式時価を中心に測定されるが、株価は企業が直接操作できない証
  券市場で形成されるため、企業価値は具体的な数値目標で表される目的にはなり
  にくいので、株価にとらわれない自社のビジョンに基づく経営を維持するべく上
  場を廃止する例が見られるようになった。
 イ 企業の利益極大化の追求は、納品業者や販売業者さらには労働者に厳しいコス
  ト削減を強いることになるので、利益計画は公表しないことにしている。
 ウ 長期の不況の中で賃金コストの抑制が図られ、安価な労働力として非正規雇用
  が増えたが、企業は雇用不安を抑えるべく、近年ではワークシェアリングを盛ん
  に導入している。
 エ 日本では同業者間で同質な技術や商品の開発競争が激化しやすく、その競争を
  一挙に海外でも展開する傾向があり、集中豪雨的な進出として批判されることが
  あるばかりか、技術力の低下が起こっている。
第6問(H22)
 先端的な技術分野では、研究開発に要する資金が大きくなるにつれて、企業間の
技術や部材の調達をめぐって、これまでにない提携関係が多く見られるようになっ
てきた。そのような提携に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

 ア エレクトロニクス産業では、EMSと呼ばれる中間製品の安価な供給メーカー
  から、半導体や液晶ディスプレイなどを買い付けて、価格競争力を確保する動き
  が国際的に見られる。
 イ カーエレクトロニクス化が進むにつれて、車載組み込みのソフトやハードの開
  発コストが膨大になっているので、ライバルメーカーが共同してその標準化に取
  り組む共同体が、欧州や日本に設立されている。
 ウ 技術が複雑多様化するにつれて、すべての技術を自前で持つことが不可能に
  なったので、研究開発テーマによっては、異業種他社の参加を広範囲に求めるこ
  とが多くなった。
 エ 技術規格が定まらない新規技術分野では、いくつかの企業が連携して技術規格
  の標準化を目指す動きが活発であるが、その帰趨は技術の優位性に依存してい
  る。
 オ 国際競争力を保つべく、同業者が連携して、規模の経済を狙って業界内でコア
  な標準部品の生産を特定企業に集中し、生産から撤退した企業はそこから供給を
  受ける仕組みが見られるようになった。
第7問(H22)
 科学的な基礎研究が事業に直接に結びつくとは限らない。また、事業化を目指し
て研究開発を展開し、商品化に成功したからといって、その商品が期待したような
成功を納めるわけではない。自社技術の独自性を磨くことは大事であるが、それが
企業の技術競争力に結びつくとは限らない。このような技術開発への対応に関する
記述として、最も不適切なものはどれか。

 ア ある大手企業では中央研究所のあり方を見直し、研究者の一部を事業部門での
  応用技術研究に配属して、事業部門の研究開発力を強化することにした。
 イ ある耐久消費財メーカーでは、これまでのロット生産を廃止して、生産工程で
  は顧客の求める仕様を作り込むように生産計画を組んで、限りなく受注生産に近
  い生産技術を開発して顧客ニーズに応えるようにした。
 ウ 自社で行う研究分野を絞り込んで、集中的に研究者や資金を配分して、研究の
  スピードアップを図っているが、どの分野に集中するかの目利きが難しいので、
  中央研究所のメンバーにより技術ロードマップを作成した。
 エ 他社に先駆けて新技術の製品を発売するようにしているが、後発の他社にやが
  てシェアを奪われてしまうので、開発段階に営業部門が参加し、市場のニーズを
  活かした改良を加えて製品の独自性や魅力を高めるようにした。
第8問(H22)
 エレクトロニクス業界においては、自前で開発した技術にこだわる自社技術志向
企業と、グローバルに中間財や他社技術を導入して対応しようとする国際水平分業
志向企業とでは、製品のコモディティ化への対応が異なっている。
 下図は、2つの企業の市場シェアの変化をコモディティ化に関連づけてイメージ
化したものである。この図を参考にしながら下記の設問に答えよ。
第8問図
(設問1)
 図のような現象に関連する状況についての記述として、最も不適切なものはど
れか。

 ア 国際市況価格で原材料やキーデバイスを仕入れても、同業者も同様に振る舞
  うことができる分野では、価格優位の長期の維持は難しく、収益低下によって
  誰もが儲からない競争になりがちである。
 イ 国際水平分業志向企業は、グローバルに調達した安い原材料やキーデバイス
  で生産コストの安い国で生産を行いながら価格競争力を高めるのが合理的であ
  る。
 ウ 自社技術志向企業が価格競争力を失うのは、自前主義で時間のかかる独自技
  術の開発を貫こうとするためなので、コモディティ化のスピードに遅れた自社
  技術は積極的に破棄してその市場からの撤退を進めなければならない。
 エ 製品技術の優位性が薄らいでくると、国際的な中間財受託生産企業がキーデ
  バイス等の供給を通じて、新規業者の参入を推し進めるので、急速に価格競争
  が激化する。
(設問2)
 自社技術志向企業がコモディティ化に対応する戦略に関する記述として、最も
不適切なものはどれか。

 ア 新しい技術を加えた製品を次々に発売して、キーデバイス等の供給企業の追
  随を振り払う。
 イ 技術の知的財産権を守り、急激なコモディティ化に歯止めをかけるように対
  応する。
 ウ 国際水平分業志向企業に技術を供与して、低価格をとる企業の間のライバル
  競争を煽り、それら企業を採算割れに追い込む。
 エ 国内や海外での市場を分析して、現地のニーズに合った製品の供給体制を構
  築する。
 オ 自社技術を磨いて、新興工業国の国際水平分業志向企業が作れない高機能製
  品に生産販売を集中する。
第9問(H22)
 企業は新規参入を阻止して競争激化を抑制しようとするが、他方では業界内部の
類似する戦略をとる企業の間で戦略グループが形成され、それが企業の自由な戦略
行動を抑制するように作用し始める。前者は参入障壁であり、後者は移動障壁であ
る。これらの障壁と戦略の関係に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

 ア ある技術に基づいて生産し販売される製品分野は、ライバル企業の間で製品の
  類似性が高くなるので、企業は顧客忠誠心やブランド力を高めてライバルとの差
  別化を図ることが重要になる。
 イ 業界特有の販売チャネルや仕入れルートを同業者間で強化することは、他社の
  参入を防ぐには有効である。
 ウ 業界内の競争を通じて形成された事業システムやマネジメント方式は、企業に
  戦略上の癖や慣性を生み出すので、企業が移動障壁に直面する事態にはならな
  い。
 エ 垂直統合や共同化は取引先への交渉力の強化や新たな技術の獲得には有効であ
  るが、その縛りが強いと自社の戦略の成否が他社の戦略展開能力に影響されるよ
  うになる。
 オ 同業者間に共通する戦略課題について協調を維持すると、やがて戦略の類似性
  が強まり、新規な戦略の展開が困難になる。
第10問(H22)
 マイケル・ポーターは、競争戦略を策定する際に考慮すべき産業の利益率や競争
に影響を与える要因として、下図の5つを指摘している。この図に関する説明とし
て、最も不適切なものを下記の解答群から選べ
第10問図
[解答群]
 ア 買い手への対応は、消費者のクレームや消費者行動の変化に対処しつつ、高
  いマージンに結びつく市場との良好な関係を構築することが重要である。
 イ 供給業者については、資金や原材料の供給先や労働市場との交渉力の保持が
  重要であるので、そのためには特定の資源の供給者に強く依存することなく、
  常に代替的な資源の開発に取り組むなど外部への依存性が強くならないように
  しておくことが重要である。
 ウ 競争業者との戦いは、マージンの高いドメインに自社を位置づけて、そこで
  の防衛的な地位を保つために、徹底した差別化戦略を展開することが第一に重
  要である。
 エ 新規参入については、その可能性や参入を受けた場合の競争の変化を分析し
  て、自社の市場への参入障壁をどのように築くことができるか、日ごろから注
  意しておかなければならない。
 オ 代替品は、大きな技術の変化や消費者のニーズの変化によってこれまでにな
  い新商品として登場し、既存の商品に取って代わる脅威になることがあるの
  で、技術や市場のマクロなトレンドを見失わないように注意しなければならな
  い。
第11問(H22)
 次の文章を読んで、以下の設問に答えよ。

 地球温暖化防止をめぐって、@様々な提案や取り組みが国際的に展開されている
が、その動向は企業の戦略行動や国の環境対応に影響を与えている。特に二酸化炭
素の排出量が問題となっている産業では、企業はA二酸化炭素の排出を削減したりエ
ネルギー消費を抑える技術の開発に熱心であるB二酸化炭素排出量を削減する努力
は企業に新たなコスト負担を強いることになるが、他方では開発された環境技術を
活かして新たな市場が生まれつつある。

(設問1)
 文中の下線部@で指摘するような地球温暖化防止の試みとして、1997年の京
都議定書では排出量取引が認められた。排出量取引に関する記述として、最も不
適切なものはどれか。

 ア 一般に排出量取引のコストは環境技術やシステムの開発コストより低いた
  め、排出量取引が選考されて、温室効果ガスの排出削減が進まないことが懸念
  されている。
 イ 開発途上国の企業は先進国が開発した環境技術を導入することで、その開発
  コストを負担しないですむため、先進国と開発途上国の間でコスト負担にイン
  バランスが生じることになる。
 ウ 日本では排出量取引は全産業を対象にして自主参加型のものが試行されてい
  る段階である。
 エ 排出量取引では、排出量を排出枠内に抑えて発生した余剰(炭素クレジット)
  を、排出枠を超えて排出してしまった国が買い取れば、排出枠を遵守したと見
  なされる。
(設問2)
 文中の下線部Aの企業の環境技術の開発をめぐる動向に関する記述として、最
も不適切なものはどれか。

 ア 2009年4月に開始されたエコカー減税は、特例措置として低燃費・低排出
  ガスを設定された自動車の取得税や重量税に減免措置が適用されるので、自動
  車メーカーにはエコカー開発のインセンティブになっている
 イ 2009年5月に開始された家電エコポイントは、企業に対してグリーン家電
  の開発を促し、消費者には購買意欲を駆り立てている。
 ウ 2次電池の開発に取り組んでいる企業では、電極のレアメタルの高騰が電池
  価格に反映することが隘路のひとつになっている。
 エ 電気自動車は構造が比較的単純であるので、充電システムについては自動車
  業界で統一した方法が確立している。
 オ バイオ燃料は環境配慮型エネルギーとしてトウモロコシや大豆、菜種などか
  ら代替燃料が開発されており、欧州ではバイオディーゼルにも使用されている
  が、ディーゼル車が普及していない日本ではそのようなディーゼルの開発は低
  調である。
(設問3)
 文中の下線部Bのように環境技術を活かした市場とエコ産業をめぐる中小中堅
企業の取り組みに関する記述として、最も不適切なものはどれか。

 ア 各種のリサイクル法が制定されるにつれて、容器包装、家電、建設資材、食
  品、自動車などの再商品化や解体リサイクルに新規参入の機会が生まれ、静脈
  産業にベンチャー企業が誕生している。
 イ 古紙などの回収資源は天然資源に対して価格競争力をもっているので、古紙
  回収事業に多くの中小事業者が新規に参入している。
 ウ 資源循環型社会のエコタウン事業では、ゼロ・エミッションを目指して、各
  地の特性を活かして誘致企業とともにリサイクル技術の開発を進めている。
 エ 消費者のエコ意識とともに製品の安全性への関心が強くなるにつれて、安く
  ても安全性に疑念がある製品よりも少し高くても信頼できる製品を求める傾向
  が見られ、生産技術の確かな中小企業にビジネスチャンスが生まれる例が見ら
  れる。
 オ リサイクル企業には貴金属鉱石よりも含有率が高い破棄家電等からレアメタ
  ルを抽出する独自技術を工夫する例があり、都市からレアメタルが生産される
  様を都市鉱山ということがある。
第12問(H22)
 リーダーシップの諸学説に関する記述として、最も適切なものはどれか。

 ア ハウスによるパス・ゴール理論は、リーダーの職務は部下の業務目標の達成を
  助けることであり、そのために必要な方向性や支援を与えることにあるとした。
 イ フィードラーによるコンティンジェンシー理論では、環境の不確実性が高い場
  合には有機的なリーダーシップが、不確実性が低い場合には機械的リーダーシッ
  プが望ましいとした。
 ウ ブレイクとムートンによるマネジリアル・グリッドは、「構造作り」と「配慮」と
  いう二軸でリーダーシップ特性を分類し、9−9型が最も高い成果を生むとし
  た。
 エ リッカートによる参加型リーダーシップでは、リーダーは部下の意思決定に積
  極的に参加し、影響力を行使することが重要であるとした。
第13問(H22)
 あなたがコンサルタントとしてアドバイスしている家庭用品メーカーA社には、
以下のような特徴がある。これを読んで下記の設問に答えよ。

 A社は40年の歴史があり、主力事業は既に成熟期に入っていて、その事業を展
開する部門では安定的な利益率を確保していた。社員は部品レベルでの品質改善に
取り組んでおり、皆忙しいと言っているが、市場シェアはほとんど変わらない。全
体的に現状に満足している社員が多く、職場は比較的和気あいあいとしている。
 社長が主力事業部の従業員を活性化しようと、工場やマーケティング部門に権限
を委譲し、生産コストや市場シェアによって評価する人事管理システムを導入し
た。しかし、@その結果。市場シェアは増大したが、歩留りが悪化し、利益率は低下
してしまった。
 その一方で、トップマネジメントはA新規事業に対して積極的に取り組むことを指
示したが、部門管理者たちは最初は綿密な計画を立てるものの、実行段階になると
業務がスムーズに運ばなくなり、いつのまにか撤退を余儀なくされてしまうことを
繰り返してきた
(設問1)
 文中の下線部@のような結果は、なぜ生まれたのか。考えられうる可能性とし
て最も適切なものはどれか。

 ア この事業部が扱う家庭用品市場がすでに成熟しており、価格競争でしかシェ
  ア拡大が難しくなっていたため、コスト削減をトップが指示した可能性がある
  から。
 イ 事業部によって異なる目標管理制度が導入されたため、当該事業部の従業員
  が公平性を欠くと認識しこれに反発した可能性があるから。
 ウ 市場シェア目標やコスト管理目標が、事業部の投資利益率目標とは連携して
  いても、A社全体の利益率目標と合理的に連携していなかった可能性があるか
  ら。
 エ 市場シェア目標を達成するために、マーケティング部門は価格を低く設定
  し、その結果、販売数量が増加し、生産部門はコスト管理を徹底したために品
  質を犠牲にすることになった可能性があるから。
 オ 市場シェアや生産コスト管理のような、成果主義による管理方針に対して、
  従業員が反発した可能性があるから。
(設問2)
 A社が下線部Aのような組織になってしまう理由として考えられうる可能性と
して、最も不適切なものはどれか。

 ア 従業員の間で意思決定権限が細分化されており、多くの管理者の同意を得な
  ければならない可能性があるから。
 イ 従業員の業績評価システムが、ミスや失敗による減点方式になっている可能
  性があるから。
 ウ 従業員の職務と責任・権限が、会社の利益と関係づけて理解されていない可
  能性があるから。
 エ 主力事業部の規模や資産等のスラックが大きく、従業員が市場における変化
  や競争圧力を感じにくくなっている可能性があるから。
 オ 新規事業開発についてミドルマネジメントに十分な権限を委譲していないた
  め、彼らの知識創造力を十分活用できていない可能性があるから。
(設問3)
 A社の組織全体が抱えている問題点を改善する方策として、最も適切なものは
どれか。

 ア 市場の動向に関する情報をもつ現場の従業員に権限を与え、ボトムアップで
  変革案を作成させる。
 イ 従業員に業績連動型の報酬制度を導入し、企業の利益と職務の関係を明確に
  する。
 ウ 中間管理職に権限を委譲し、彼らの自主性を重視したチーム運営ができるよ
  うにする。
 エ 中間管理職を横断する組織を作って、合議による変革プランを作成させる。
 オ トップマネジメントによる方針決定と執行担当管理者の意思決定権限の所在
  を明確に定義する。

第14問(H22)
 従業員の動機づけ理論と、報酬制度との関係についての記述として、最も適切な
ものはどれか。

 ア 時間給のような固定給制度は、個人の特性による差異を反映した公平理論と整
  合性が高い。
 イ 職能資格制度のような能力給は、仕事そのものにやりがいを見いだそうとする
  内発的動機づけ理論と整合性が高い。
 ウ 職務給制度は、その職務をよりよく遂行することを通じて自己実現を達成しよ
  うとする欲求階層説と整合性が高い。
 エ 年功給与制度は、年齢の上昇とともにそれに見合った能力を身につけようとす
  る人間の達成動機と整合性が高い。
 オ 利益分配制度のような変動給与制は、個人の業績とモチベーションが最大に
  なったときに受け取る報酬との間に強い関係があるとする期待理論と整合性が高
  い。
第15問(H22)
 新規事業に進出する際の手法は、本業との技術面での関連性と市場面での関連性
を考慮する必要がある。下図は、縦軸に市場面での関連性を、横軸に技術面での関
連性を、それぞれ本業、関連事業、非関連事業として、新規事業を分類したもので
ある。B、D、Eに該当する新規事業に進出する際に適切な手法の組み合わせとし
て、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
第15問図
[解答群]
 ア B:社内計画的開発        D:社内ベンチャー
   E:ジョイントベンチャー(合併)
 イ B:社内ベンチャー        D:社内計画的開発
   E:ジョイントベンチャー(合併)
 ウ B:社内ベンチャー        D:ジョイントベンチャー(合併)
   E:買 収
 エ B:ジョイントベンチャー(合併)  D:社内計画的開発
   E:買 収
 オ B:ジョイントベンチャー(合併)  D:社内ベンチャー
   E:買 収
第16問(H22)
 あらかじめ予測不能な事態が生じた場合、それを危機として認識し、適切に対応
しなければ企業の存続が左右されてしまうことがある。このような対応の管理を、
予測可能な範囲内での変化への対応としてのリスクマネジメントと区別して、「ク
ライシスマネジメント」ということがある。
 クライシスマネジメントに関する下記の設問に答えよ。

(設問1)
 不測の事態はあらかじめ予測することが困難ではあるが、多くの場合それに先
立って何らかの兆候が見られる。したがってクライシスマネジメントでは、まず
このような兆候を認識し、それが重大な危機を招く可能性があることを予測する
組織能力が必要である。このような組織に関する記述として、最も適切なものは
どれか。

 ア オペレーションの現場近くにいる管理者や従業員を重視して、状況のわずか
  な変化を把握したり、それを事前に伝達した場合、十分に報いるような制度を
  整備しておく。
 イ これまでの成功体験や処方箋を基礎に、職務をできるだけ規則的なものに定
  型化し、これを遵守するよう義務づける。
 ウ 組織としての情報処理能力を高めるために、他者とは異なる個人的意見を控
  え、メンバーが共有している事柄を基礎に議論をするよう習慣づける。
 エ 組織の中間管理職レベルの価値観を統一し、それを一貫性のある体系として
  維持することによって、そこから逸脱が生じた場合に問題に気づくことができ
  るようにしておく。
 オ わずかなミスやヒヤリハット事例を収集し、それぞれの部門で原因や対処方
  法について議論する機会を定期的にもつようにする。
(設問2)
 万一、不測の事態が発生してしまった場合、その影響を最小限のものとし、で
きるだけ迅速にその状況から脱却するための組織能力を高めておくことが必要で
ある。このような組織に関する記述として、最も適切なものはどれか。

 ア 過去においてその組織がどのように成功してきたかに関する事例をできるだ
  け多く用意しておき、不測の事態が発生した場合に直ちに参照できるようにし
  ておく。
 イ 組織として同じ過ちを繰り返さないためには、従業員に対して過失を犯さな
  いよう十分な注意を払わせるとともに、過失を人事考課に反映させる仕組みを
  構築しておく。
 ウ 不測の事態が発生したときには、組織内に不安が広がらないよう、非公式な
  コミュニケーションルートを遮断し、公式の責任 − 権限関係を基礎に対応策
  を検討する。
 エ 不測の事態が発生した場合の標準業務手続きや職務規則をあらかじめ用意し
  ておき、計画的な訓練を行っておく。
 オ 不測の事態の発生とその深刻さを適切に伝えるために、電話や書類などでは
  なく、フェイス・ツー・フェイスのコミュニケーションを活用する。
第17問(H22)
 ある程度歴史を持った企業同士が、買収や合併をうまく遂行して高い成果に結び
ついていくためには、事前にそれぞれの企業の組織文化、観察可能な人工物や標榜
されている価値観レベルだけでなく、とくに暗黙に共有された仮定レベルの文化を
明らかにしておく必要がある。このような組織文化を明らかにする方法として、最
も適切なものはどれか。

 ア 社員によるグループを構成し、そのメンバーたちに率直に組織文化について語
  りあってもらう。
 イ 組織メンバー全員を対象に、どのような価値観を標榜しているかについて、質
  問紙調査法による調査を行う。
 ウ その企業で重要な役割を果たしている個人に、どのような組織文化を持ってい
  ると思うかインタビューする。
 エ その企業の具体的な問題解決の場面に、外部のファシリテータを介入させ、メ
  ンバーが暗黙のうちに前提としている考え方を自ら気づくようにする。
第18問(H22)
 日本国内の事業所で働く外国人労働者の労働・社会保険の適用に関する記述とし
て、最も不適切なものはどれか。

 ア いわゆる不法就労の外国人は、業務上の災害のため傷病にかかった場合にも、
  労災保険の給付は受けられない。
 イ いわゆる不法就労の外国人は、健康保険の被保険者となることはできない。
 ウ 健康保険の適用事業所の事業主は、日本国内に住所を有し健康保険に加入する
  満40歳以上65歳未満の外国人労働者についても、健康保険の一般保険料と合わ
  せて介護保険の保険料を徴収しなければならない。
 エ 雇用保険には国籍要件はないので、労働時間が週20時間以上で、かつ、31日
  以上雇用する見込みのある外国人労働者は、雇用保険に加入させなければならな
  い。
 オ 資格外活動の許可を受けて適用事業所に使用される外国人留学生は、2カ月以
  内の期間を定めて雇用される者や所定労働時間が短い者など、厚生年金保険の被
  保険者資格要件を満たさないものを除き、厚生年金保険の被保険者となる。

第19問(H22)
 割増賃金に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

 ア 休憩時間を除き、1日8時間を超えて労働させた場合には、2割5分増以上の
  割増賃金を支払わなければならない。
 イ 法定休日を上回って設けられた所定休日に労働させた場合には、3割5分増以
  上の割増賃金を支払わなければならない。
 ウ 法定時間外労働が午後10時以降(翌午前5時まで)に及んだときは、その時間
  に対して5割増以上の割増賃金を支払わなければならない。
 エ 労働者を1カ月に60時間を越えて法定時間外労働をさせた場合には、その超
  えた時間について、5割増以上の割増賃金を支払わなければならない。
第20問(H22)
 雇用調整に関する記述として、最も適切なものはどれか。

 ア 雇用調整のために希望退職を募集する場合には、平均賃金の30日分以上の割
  増退職金を支払わなければならない。
 イ 雇用調整のために新規学卒者の内定取消しを行う場合には、公共職業安定所に
  届け出て許可を受けなければならない。
 ウ 雇用調整のために操業を短縮し、労働者を一時的に休業(一時帰休)させたとき
  は、公共職業安定所から助成金が支給されるが、支給要件や支給額は企業規模に
  よる区別はない。
 エ 雇用調整のために操業を短縮し、労働者を一時的に休業(一時帰休)させたとき
  は、その休業期間中、当該労働者に平均賃金の60%以上の休業手当を支払わな
  ければならない。

第21問(H22)
 団体交渉に関する記述として、最も適切なものはどれか。

 ア いわゆる争議団は労働組合ではないので、憲法上の団体交渉権の保護を受ける
  ことができない。
 イ 企業内組合との間で締結した労働協約に唯一交渉団体条項がある場合には、そ
  れを理由に合同労組からの団体交渉申入れを拒否することができる。
 ウ 使用者は、上部団体が交渉委員に加わることを理由に団体交渉を拒否すること
  はできない。
 エ 新規採用者の初任給の上げ下げの問題は、組合員の労働条件や待遇に関するも
  のではないから、義務的団体交渉事項には当たらない。
第22問(H22)
 就業規則の作成、変更に関する記述として、最も適切なものはどれか。

 ア 就業規則は、複数の事業場がある企業では、原則として、それぞれの事業場を
  管轄する行政官庁(労働基準監督署長)に届け出なければならないが、一定の要件
  を満たす場合には、本社を管轄する行政官庁に一括して届け出ることができる。
 イ 常時10人以上の労働者を使用する使用者は就業規則を作成しなければならな
  いが、この場合の常時使用する労働者には、パートタイマーやアルバイト、嘱託
  社員などは含まない。
 ウ パートタイマーを対象とする就業規則を作成したときは、その就業規則に、
  パートタイマーの過半数を代表する者の意見を記した意見書を添えて、行政官庁
  (労働基準監督署長)に届け出なければならない。
 エ 変更した就業規則は、労働者に周知されていなくても、労働者代表(過半数労
  働組合または過半数代表者)の意見を聴取し、行政官庁(労働基準監督署長)に届
  け出れば効力が発生する。
第23問(H22)
 地方銀行のA銀行は、リテール・バンキングの顧客基盤を全国規模に拡大する
ために、インターネット・バンキングのシステム整備を他行に先駆けて完了した。
次に、製品・ブランド開発やプロモーション計画に着手しなければならない。A銀
行の今後の市場細分化(セグメンテーション)と標的市場設定(ターゲティング)に関
する記述として、最も不適切なものはどれか。

 ア 銀行の製品・サービスに対する需要の異質性は確実に存在するので、それらを
  うまく見いだして対応することができればブランド化の実現は十分可能である。
 イ 行動による細分化変数のひとつに購買決定に関する役割がある。それは、「発
  案者」、「影響者」、「決定者」、「購買者」、「使用者」の5つに類型化される。
 ウ 市場細分化(セグメンテーション)と製品差別化はブランド化シナリオの中核に
  ある考え方で、両者はしばしば代替的な関係に置かれる。
 エ 市場細分化(セグメンテーション)を通じた競争は、競争相手に対して正面から
  挑戦していく性格をもつ。
 オ デモグラフィクスによる細分化変数には、年齢、ライフステージ、性別、所
  得、社会階層などが含まれる。
第24問(H22)
 現代においては、価格政策が他のマーケティング・ミックス要素(小売業者の場
合は小売ミックス要素)と統合的に作用することで、企業の競争優位性が左右され
るようになっている。現代の価格政策に関する記述として、最も不適切なものはど
れか。

 ア 小売業者がHi-Lo政策を導入し、フォワード・バイイングを行う場合、保管ス
  ペースが多く必要になったり、商品の鮮度が低下したりする。
 イ 小売業者によるEDLP政策は、キャンペーンなどによる一時的な値引きを行
  わず、日常的に低価格で商品を販売する方法である。
 ウ 情報化社会の進展に伴い、消費者のもつ製品知識水準が向上したため、価格の
  品質バロメーター機能が作用しにくい状況が目立つようになっている。
 エ 伝統的な価格設定方法のひとつにコスト・プラス法がある。この手法は、消費
  者の価格感度や製品市場での競争状況を価格設定に反映させている。
 オ プレステージ(Prestige)商品では、価格が低下するといったん需要が増加する
  が、さらなる低価格化が進むと需要は減少することも多い。
第25問(H22)
 ある地方都市の、手作りの折りたたみ式マウンテンバイクを製造する、小さな町
工場の社長Y氏は、高視聴率を誇るテレビのビジネス情報番組で自社の製品が紹
介されたことがきっかけとなり、全国から対応しきれないほどの数の引き合いを受
けるようになった。昨今の健康ブームも相まって、自転車通勤に切り替えたり、週
末にサイクリングで名所めぐりをする消費者が全国的に増加していることもあり、
Y氏はこの機会に自社で手作りする自転車を全国市場で販売することを決心した。
その販売経路政策として、最も不適切なものはどれか。ちなみにY氏の町工場が
生産する自転車の価格帯は、12万円から20万円程度であり、テレビ報道を機に商
標名の認知度も高まってきている。

 ア 大手自転車メーカーと販売に関する提携をして、適切な小売店に納入してい
  く。
 イ 各々の地域市場において有力な自動車ディーラーの営業担当者を介した販売を
  進めていく。
 ウ 自社製品の露出をできる限り高めるために、開放型チャネル戦略を展開する。
 エ 全国市場でのテスト販売を兼ねて、まずは有力なインターネット・ショッピン
  グ・モールに出店し、売上の動向や収益性の判断を、相応の時間をかけて行う。
 オ 大都市圏のみに数店舗を構えるライフスタイル型の専門店小売企業に取引先を
  限定し、高性能・高級ブランド自転車として販売していく。
第26問(H22)
 インターネット上で各種カテゴリの製品に対する膨大な数の消費者からの評価や
コメントを収集し、分析結果を販売するC社は、いち早く現代におけるマーケ
ティング・コミュニケーションの変化に着目した企業のひとつとして知られてい
る。C社の事業活動をとりまく、現代のマーケティング・コミュニケーション環境
に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

 ア 4大マス媒体には、テレビ、新聞、雑誌、ラジオが挙げられるが、インター
  ネット広告は、すでにその広告費において、4大マス媒体のうちの3つを凌いで
  いる。
 イ 広告の効果は伝統的にAIDMA(注目→興味→欲求→記憶→購買)モデルに
  よって説明されてきたが、インターネットの普及にともなって、AISAS(注
  目→興味→検索→行動→共有)モデルの妥当性が提唱されるようになった。
 ウ 標的とするオーディエンスに対して長期的に、バランスがよく、測定可能で、
  説得力の高いブランド・コミュニケーション・プログラムを計画、開発、実施
  し、さらにそれを評価するために用いる戦略的なビジネス・プロセスのことを統
  合マーケティング・コミュニケーションと呼ぶ。
 エ プロモーション・ミックスとは、メッセージの送り手によってコントロールさ
  れるマーケティング・コミュニケーション要素のことであり、広告、販売促進、
  PR、対面販売などが含まれる。
 オ マーケティング・コミュニケーションの主な役割のひとつは、同一カテゴリの
  製品・サービスの中から特定のものを購入してもらえるよう消費者(ないし最終
  使用者)に対するプッシュ活動を遂行することである。
第27問(H22)
  次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 消費者行動論の領域では、購買プロセスは、消費者が内部および外部からの刺激
によって問題やニーズを認識した時に始まるとされている。こうした視点から消費
者の購買行動をとらえると、消費者は一回一回の購買において、「問題認識」→「情
報探索」→「代替案の評価」→「選択」→「結果の評価」からなる5段階の意思決定プ
ロセスのすべて(または一部)を経由することになる。

(設問1)
 情報探索段階において消費者は、次のような情報源に依拠した探索行動を行
う。空欄AとBにあてはまる語句の組み合わせとして最も適切なものを下記の解
答群から選べ。

商 業 的 情 報 源 − 広告、ウェブサイト、販売員、商品パッケージ、店頭の実
           物展示など
□ A □情 報 源 − マスメディア、製品評価を行う消費者団体など
個 人 的 情 報 源 − 家族、友人、隣人、職場の同僚、知人など
□ B □情 報 源 − 製品の操作、検討、使用など

[解答群]
 ア A:公共的  B:経験的
 イ A:社会的  B:行動的
 ウ A:社会的  B:実物的
 エ A:操作的  B:行動的
 オ A:操作的  B:能動的
(設問2)
 消費者の購買意思決定に関する理論の諸仮説の記述として、最も不適切なもの
はどれか。

 ア 消費者は聞いたことのない小売業者のウェブサイトから製品を購買する際、
  しばしば意思決定の内容を変更したり、延期したりすることがあるが、その一
  因は、さまざまな知覚リスクを回避しようという行動にあるといえる。
 イ 消費者は購買意思決定プロセスの中で、完全情報の獲得に基づいて行動する
  わけではなく、情報処理や意思決定は経験則、つまりヒューリスティクスに左
  右されることがある。
 ウ 精緻化見込みモデルによると、十分な「動機」、「能力」、「機会」をもたない消
  費者は、製品・サービスやブランドに対して、あまり深い考察を伴わずに態度
  を形成したり、変容させたりする。
 エ 低関与製品を高関与製品に転換するためのひとつの手法は、製品を関与度の
  高い問題と関連付けることである。
 オ バラエティ・シーキングとは、低関与製品のうち、ブランド間の差異が小さ
  い場合に見られる頻繁なブランド・スイッチングのことをいう。
第28問(H22)
 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 マーケティングは、極めて実践的な概念であるため、マーケティングの活動主体
となる組織・機関の範囲や、それらを取り巻く環境の変化を受け、これまでにもそ
の定義がしばしば改定されてきた。アメリカ・マーケティング協会による近年の定
義として、以下2004年のものと2007年のものが挙げられる。
(2004年の定義)
 「マーケティングとは、顧客価値を創造・伝達・提供し、組織とその
 □ A □の双方を利する形で顧客との関係性を管理するための組織機能と一
 連のプロセスのことを指す」
(2007年の定義)
 「マーケティングとは、顧客やクライアント、パートナー、さらには広く
 □ B □一般にとって価値あるオファリングスを創造・伝達・提供・交換
 するための活動とそれに関わる組織・機関、および一連のプロセスのことを指
 す」

(設問1)
 文中の空欄Aにあてはまる最も適切なものはどれか。

 ア エンプロイー
 イ カスタマー・リレーションシップ
 ウ ステークホルダー
 エ セールス・エージェント
 オ マーチャント・ホールセラー
(設問2)
 文中の空欄Bにあてはまる最も適切なものはどれか。

 ア 環 境
 イ 国民経済
 ウ 社 会
 エ 組織・個人
 オ 文 化
(設問3)
 以下のア〜エは、2004年の定義と比べたとき、2007年の定義にはどのような
特徴があるかを記述したものである。このうち、最も不適切なものはどれか。

 ア 2007年の定義に含まれる「交換」という言葉は、単発的な取引を通じて、組
  織や機関が収益をあげることを意味する。
 イ 2007年の定義は、「透明性」・「より広い参加者」・「継続性」の3つの観点の
  重要性を示唆している。
 ウ 2007年の定義は、持続可能性の視点を、より明確に示したものである。
 エ 2007年の定義は、マーケティングを「組織・機関の中の一部門による機能」
  ではなく、「より広い組織・機関全体の活動」として位置付けている。
第29問(H22)
 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 新興のデザイン家電メーカーX社は、パソコンの基幹部品の標準化・汎用化が
高度に進み、消費者のパソコン使用経験が深まっている現状を潜在機会としてとら
え、革新的な製品によるパソコン市場への参入を計画している。ただし、パソコン
市場を概観すると製品ライフサイクルの成熟化段階に達しているため、同社の新製
品開発に先駆けたマーケティング計画の策定段階では、構想力に満ちた魅力的な製
品コンセプト・アイデアの創出に加え、@消費者の知覚の立場からの市場分析が重要
な課題となる。そこで同社は、社内の関連部署のスタッフによって構成されるブラ
ンド・チームをつくり、A製品(ブランド)ポジショニングに関する検討を行ってい
る。

(設問1)
 文中の下線部@に関する以下の文章の空欄A〜Cにあてはまる語句の組み合わ
せとして最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 知覚品質とは、消費者が□ A □にとらえる品質のことである。消費者が高
品質を知覚する製品は、その品質連想によって価格□ B □が生み出されるた
め、その価格を下げたとしても需要数量に大きな変化が生じないことがある。
このことは同製品の需要の価格□ C □が小さい状況を意味する。また、同種製
品市場で事業を展開する他社が類似製品の値下げを行ったとしても、同製品の需
要数量に大きな変化が生じないことがある。これは、同製品の交差(交叉)
□ C □の低さを示しているといえる。

[解答群]
 ア A:社会的  B:エクイティ  C:弾力性
 イ A:主観的  B:ノベルティ  C:有効性
 ウ A:主観的  B:プレミアム  C:弾力性
 エ A:主体的  B:レバレッジ  C:有効性
 オ A:能動的  B:レバレッジ  C:差別性
(設問2)
 文中の下線部Aに関する以下の文章の空欄A〜Dにあてはまる語句の組み合わ
せとして最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 市場が成熟し、ひとつの製品市場に多くのブランドが登場するようになると、
競争関係にあるブランドの製品との□ A □を保ちながら、多くの消費者の
□ B □に近接したポジションを見出すことは難しくなる。つまり、有効な
□ C □を行うことのできるブランド・ポジショニングが、ますます困難にな
るということである。このような状況を打開するためには、□ D □の活用が
必要になってくる。

[解答群]
 ア A:カテゴリ同調性  B:カテゴリ認識点
   C:市場細分化    D:製品差別化
 イ A:関 連      B:欲求充足点
   C:製品差別化    D:ライフスタイル・セグメンテーション
 ウ A:競合性      B:関与増加点
   C:顧客指向化    D:機動的な営業力
 エ A:距 離      B:欲求理想点
   C:製品差別化    D:市場細分化
 オ A:類似性      B:カテゴリ認識点
   C:市場細分化    D:異質需要に関する知識
(設問3)
 X社はパソコン市場への参入に際して、自社の資源・能力の特異性であるデザ
イン創造力を考慮し、パソコンの「本体サイズ」と「マルチメディア対応度」をも
とに消費者の知覚マップを作成した。他のメーカーの製品導入状況を分析しなが
ら、自社製品のポジショニングの検討を行っている。この段階で用いられている
資料は下図のとおりである。この図をもとにX社が計画している新製品開発と
そのポジショニングについての記述として、最も不適切なものを下記の解答群か
ら選べ。
 なお、図中の小さな四角(■)は消費者の選好分布を、白抜きの大きな四角()
は、他のメーカーによる既存製品のポジショニングを示している。X社が開発を
検討している製品が想定するポジショニングは図中の大きな丸印(○)によって表示さ
れている。図中の縦軸はマルチメディア対応度の高低を、横軸は本体サイズ(本
体を設置した時の容積)の大小を指している。
第29問図
[解答群]
 ア X社が開発を検討している製品はインテリア性が高く、家庭のリビング
  ルームに設置し、テレビの地上デジタル放送の視聴や音楽ファイルの再生、
  電子マネーをつかったインターネット・ショッピングが可能なだけでなく、
  仕事や勉強にも快適に活用できるスペックを備えている。
 イ X社のポジショニング計画は、いわゆるブルー・オーシャン(Blue
  Ocean)戦略としてとらえられるが、その市場成果はここでのブランド化に
  よって吸収可能な消費者の数に依存している。
 ウ X社は、種々の汎用部品を用いてコンパクトでスタイリッシュなシェル
  (筐体)仕様にすることにしたが、その際の大幅な費用増を相殺するために、
  パソコン用液晶ディスプレイ・メーカーと長期契約を交わし、特定のモデルの
  液晶部品を割引価格で調達しようとしている。
 エ X社は競争相手による対応が行われていない未開拓のニーズに着目し、多
  機能がコンパクトにビルトインされた小型製品を開発し、象限Uの標的市場
  での早期の製品普及後、象限Tの大規模市場からの遷移顧客の獲得を企図し
  ている。
 オ マップ上の象限Tに位置する企業は象限Uにも参入することが可能であ
  る。したがって、X社には先発の利益を獲得・維持するための工夫が必要と
  される。
第30問(H22)
 明治40年から続く豆腐製造業を継いだA氏は、豆腐市場における価格競争の激
化や原料価格の高騰によって、ここ数年の間、減収減益に悩まされており、A氏の
豆腐工場は、今や廃業の危機に直面している。そこでA氏は既存の製品分野であ
る豆腐製品を脱コモディティ化させるとともに、自社の資源を有効に活用できそう
な新たな製品分野として手作りドーナツの製造に目をつけ、事業の再建を目指して
いる。現在、A氏は、自社製品のブランド化とそのための資金調達に向けて、日夜
奔走している。
 以下はA氏が計画しているブランド構想についてのシナリオの一部であり、融
資を相談している金融機関に対する説得材料でもある。このうち、最も不適切なも
のはどれか。

 ア A氏は、取引先の有力チェーン小売企業の棚の好位置により多くの新製品の
  フェイス獲得を図るため、その交換条件として同チェーンの安価なPB商品のた
  めの専用生産ライン増設への投資を検討している。
 イ A氏は製品による差別化だけでなく、自社製品の販売経路(チャネル)や営業手
  法による差別化機会を検討しているが、経験価値が重要となるドーナツの製造販
  売ではフランチャイズ方式による小売店舗網の構築を計画している。
 ウ 持続的な競争優位を確立するためには、自社の内部だけでなく、外部の環境を
  しっかり把握しないといけないが、後者を分析するにあたっては競合に加え、異
  業種の市場の観察から市場創造の構想を練ることが欠かせない。
 エ 消費者が、自社の製品の属性を識別し、明確に差別化されたものであるという
  知覚イメージをもつことがブランド化の要であるから、商品説明のためのコミュ
  ニケーションの基本として産業財の営業を参考にしようと計画している。
 オ 豆腐の製造販売での新製品のブランド化を目指すにあたって、A氏は活気ある
  多くの商店街の空き店舗に簡易直営店を出店する計画を立てている。これは配送
  車両の積載率向上にもつながる。