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第1問(H15)
 下請の再編が活発になっているとはいえ、欧米に比べてわが国の下請企業の親企
業との取引関係は安定的で、継続される傾向が強い。その理由として最も適切なも
のはどれか。

 ア 下請関係では、株式の相互持合いが前提になっているから。 
 イ 多数の取引先企業のうち、最も安価な納入単価の企業だけが生き残るから。
 ウ 特殊化した生産技術によって結ばれているため、親企業が下請企業を切り替え
  ると不利益になるから。
 エ 取引相手の選別に取引コストがかかりすぎるので、既存の取引が温存されるか
  ら。
第2問(H15)
 次の文章を読んで、以下の設問に答えよ。
 家庭用VTRではVHS規格の陣営が業界標準を確立した。他方、LPレコードに
代わって登場したコンパクト・ディスクでは、ある企業が打ち出した規格が世界を
統一してしまった。このように、@特定の規格が業界の標準になる現象が多くみられ
る。このような場合、規格による市場の支配を狙って、企業間競争はライバルがし
のぎを削って争いながらも、協調的な関係が発展するといった、矛盾する企業間関
係が成立することが少なくない。ある規格が優勢になるには、Aいくつかの条件が必
要であり、それが独特な企業間競争を生み出しているのである。

(設問1)
  文中の下線部@のデファクト・スタンダードの説明として最も適切なものはど
 れか。

 ア JIS規格の認証が業界標準には不可欠である。
 イ 技術的優位性がデファクト・スタンダードを決定づける。
 ウ 当該規格の普及率がデファクト・スタンダードの決め手になる。
 エ 標準化機関がデファクト・スタンダードの決定を行っている。
(設問2)
  文中の下線部Aの条件の説明として最も適切なものの組み合わせを下記の解答
 群から選べ。

 a クリティカル・マスを狙って、クリーム・スキミング戦略を展開する。
 b ネットワーク外部性を働かせて、ユーザーの便益を高める。
 c 補完財の参入を封じ込め、市場を独占する。
 d 多様な方策や営業努力を積み重ね、利用者をいち早く増やす。

[解答群]
 ア aとb  イ aとc  ウ bとc  エ bとd  オ cとd
第3問(H15)
 次の文章を読んで、以下の設問に答えよ。
 業界の中には特定の形態や戦略行動を示す企業群が生まれる。このような企業群
の変動は、個別企業レベルでの変異の発生、@変異した企業と既存企業との間の淘
汰、選択された変異特性の維持と普及といった一連のプロセスをたどる。このこと
に注目してA業界を企業群の進化プロセスとして分析することが行われ、戦略策定に
活用されている。

(設問1)
  文中の下線部@の淘汰に関する説明として最も適切なものはどれか。

 ア ある変異特性を持った企業が生き残るには、同類が多くならないようにその
  特性の普及を防ぐべきである。
 イ 経営資源が最も豊富な企業が、最強の企業として勝ち残る。
 ウ 自然淘汰が展開され、環境に適した変異特性を持つ企業が選択される。
 エ 敵対的な環境条件で生き残るために、分権的な管理によって活発に変革を図
  る。
(設問2)
  文中の下線部Aに関する説明として最も不適切なものはどれか。

 ア 新しく生まれた企業は古い企業に比べて消滅率が高い。
 イ 業界の企業数は市場の規模に依存するが、企業の戦略行動に影響を与えるこ
  とはない。
 ウ 業界を構成する企業数が増えるにつれて業界の社会的な認知は高まるが、企
  業数の増加は競争を激化させる。
 エ 個々の企業群は、ある時期支配的であった戦略や組織形態を維持する傾向が
  みられる。
 オ 古い企業は環境適応力を次第に失い、環境の変化が起こると消滅しやすくな
  る。
第4問(H15)
 業界のリーダー企業の競争戦略に関する説明として最も不適切なものはどれか。

 ア 経営資源の優位性を生かして、非価格競争をする。
 イ 市場全体を広げるべく周辺需要の拡大を図る。
 ウ フォロワー企業の商品の模倣や追随はしない。
 エ マーケット・シェアを高めて、フォロワー企業に差をつける。
第5問(H15)
 企業は戦略的な課題を解決するために、必要な情報を収集して適切な意思決定を
しようとする。
 しかし、情報の収集は決して容易ではない。その理由の説明として最も適切なも
のの組み合わせを下記の解答群から選べ。

 a 形式化された定常的な情報のフローが膨大で、企業が必要な情報を特定化する
  能力を超えている。
 b 重要な情報は特定の箇所に偏在する傾向が強く、入手にコストとリスクがかか
  る。
 c 情報の受け手の吸収能力や送り手への信頼が低い場合、情報を移転することが
  困難である。
 d 情報技術の進歩によって情報の移転コストは低下したが、情報の単位当たり処
  理コストは上昇している。
{解答群}
 ア aとb  イ aとc  ウ bとc  エ bとd  オ cとd
第6問(H15)
 競争環境に自社を位置づけることから生まれる競争優位の説明として最も適切な
ものはどれか。

 ア 多数の企業が完全競争する業界では、価格メカニズムが正常に働くので、合理
  的な意思決定が実現されて、企業の収益性は概してよい。
 イ 中小企業が大多数の業界では、大手企業が支配的地位を比較的容易に築く可能
  性が高いが、零細市場ゆえに収益性は低くなる。
 ウ 取引ネットワークの中心に位置する企業は、情報処理コストがかさんで収益性
  が低下する。
 エ ライバル間の競争は、ライバル企業の数が多くなるほど、また逆に少なくなる
  ほど激しくなる。
 オ 立地、店舗ディスプレー、価格で優位な地位を得るには、ブランドの形成が有
  効である。
第7問(H15)
 次の文章を読んで、以下の設問に答えよ。
 業界は、ある製品をめぐって原材料、部品等の中間製品、組み立て、ソフトやコ
ンテンツの開発などのインプットからアウトプットまでの一連のビジネス活動を担
う多数の企業から構成されている。こうした一連のビジネス活動は、マージンを目
指して連結された@バリューチェーン(価値連鎖)をなしており、各段階で獲得できる
価値の総額は、製品の生産に必要な資産を獲得する必要最小支払額を上回る需要に
よって決まる。したがって、Aこの必要最小支払額を低く抑えて、需要を拡大するこ
とが重要である。

(設問1)
  文中の下線部@の価値連鎖に関する説明として最も適切なものはどれか。

 ア 価値連鎖上で収益性の最も高い部分には、独占的な地位の強い企業が常に存
  在する。
 イ 価値連鎖で創造された価値は、業界の協定によって分配される。
 ウ 収益性の高い価値連鎖部分に自社製品を位置づけることは、売上を伸ばすた
  めには最も重要である。
 エ 収益性の高い価値連鎖部分は、新規参入を呼び込みやすい。
(設問2)
  文中の下線部Aに関する説明として最も適切なものはどれか。

 ア 寡占化が進行するとともに、需要は減少することが多い。
 イ 代替品の価格低下は、業界の需要を伸ばし収益性を高めることが多い。
 ウ 低価格の補完品の供給は、業界の需要を伸ばすことが多い。
 エ ライバル企業との低価格競争は、生産資源獲得の必要最小支払額を上昇させ
  ることが多い。
第8問(H15)
 次の文章を読んで、以下の設問に答えよ。
 情報通信技術の発展にともなって、時間や地理的空間の壁を越えて、バーチャル
な情報空間で企業がネットワークを組むことが行われるようになった。準組織的な
特性をもつネットワークでは、市場での取引に比べて@取引で発生するコストやリス
クが低くなるので、ネットワークを介して外注を行って、自社で生産や販売などの
資本コストを節約することが可能である。さらに、A情報通信ネットワークを利用し
て、様々な取引が効率的に行われるようなインフラを提供するビジネスも現れるよ
うになった。そこではB中核となる能力に資源を重点配分し、その他はネットワーク
を介してアウトソーシングが行われている。しかし、その反面では、Cこのような
ネットワーク戦略は大きな落とし穴をもつことに注意しなければならない。

(設問1)
  文中の下線部@について、市場での取引がネットワークでの取引に比べてコス
 トやリスクが高くなる理由を説明するものとして最も不適切なものはどれか。
 ア 希少で不可欠な資源を独占する取引相手には、拮抗力がなければ従わざるを
  えない。
 イ 市場は相手をだましてでも有利に振る舞おうとする利己的な取引相手ばかり
  である。
 ウ 少数の取引相手が有利な取引情報を占有しがちである。
 エ 取引情報には不確実性がつきまとう。
(設問2)
  文中の下線部Aのようなビジネスの名称として最も適切なものはどれか。
 ア Eコマース・ビジネス
 イ テクノプロデュース・ビジネス
 ウ テクノロジー・ライセンシング・ビジネス
 エ プラットホーム・ビジネス
 オ マルチ・エージェンシー
(設問3)
  文中の下線部Bは一般にコア・コンピタンスと呼ばれている。コア・コンピタ
 ンスであるための条件の説明として最も不適切なものはどれか。

 ア 具体的な製品やサービスに結びつき、販売力を高める能力であること。
 イ ビジネスの全プロセスをカバーするフルセットな能力であること。
 ウ 広く顧客から認知される価値を生み出す学習能力をもつこと。
 エ ライバルよりも優れた競争能力であること。
(設問4)
  文中の下線部Cの落とし穴として注意すべきものはどれか、最も適切なものを
 選べ。

 ア アウトソーシングは、自社能力を特定分野に限定することによって、企業の
  競争力を弱める。
 イ 時間の経過と共にネットワークが硬直化して、メンバーの発言力が弱くな
  る。
 ウ 重要な経営資源やコア・コンピタンスの支配力を失いやすくなる。
 エ ネットワークはメンバー企業に対して長期的には外部不経済をもたらす。
第9問(H15)
 中小企業はニッチをねらった戦略がふさわしいと語られることが多い。ニッチ戦
略についての説明として最も適切なものはどれか。

 ア ある分野で非価格的な競争優位を狙うときニッチ戦略になる。
 イ オンリーワン戦略はニッチ戦略を言い換えたものであり、停滞する地場企業で
  採用されるのが定石である。
 ウ 系列は、大手企業がカバーできないニッチを囲い込んだ結果である。
 エ ニッチ戦略は隙間市場を狙うので、収益性が悪くなる。
第10問(H15)
 スピードの経済が重要になるにつれて、開発から販売にいたるプロセスをいかに
早く推進するかというタイムベースの戦略が注目されるようになった。タイムベー
ス戦略についての説明として最も適切なものはどれか。

 ア 新たなブランド・イメージを形成するのに有効である。
 イ 既存市場から大規模市場への市場標的の切り替えが容易になる。
 ウ 生産効率の改善と製品在庫の増大というトレードオフが発生する。
 エ 製品寿命を短縮化するので、中小企業には向かない戦略である。
第11問(H15)
 次の文章を読んで、以下の設問に答えよ。
 A社は中堅の衣料品メーカーである。昭和40年代には輸出で業績を伸ばし、政
府から連続7回の輸出貢献企業の表彰を受けたことがある。当時生産の5割が米国
に向けて輸出されていた。ところが@昭和50年代には輸出が振るわなくなった。昭
和60年代になると一転してA輸入貢献企業の表彰を受けるにいたっている。現在、
欧米のブランド品との競争が激しく、国内市場はジリ貧である。そこで、同社は
B中国に新しい生産拠点をおき、国内工場と機能分担しながら巻き返しを図ろうとし
ている。

(設問1)
  文中の下線部@のように昭和50年代になると米国向けの輸出が急激に減少す
 る中堅企業が多くなった。その理由として最も適切なものはどれか。

 ア 中南米の低コスト品が米国市場に大量輸入され、日本製品の低価格戦略が通
  用しなくなった。
 イ 通貨調整や原油価格高騰などで日本製品の価格競争力が失われた。
 ウ 米国企業は生産性を著しく改善して、日本製品に対して価格競争力をもつよ
  うになった。
 エ 米国企業はブランド戦略を明確にして、高級品市場への日本製品の参入阻止
  に成功した。
(設問2)
  文中の下線部Aのように、日本では輸入が奨励されるようになるとともに、中
 堅・中小企業では戦略の転換を図る企業が多くなった。当時多くとられた戦略の
 説明として最も適切なものはどれか。

 ア FAZ内に新たに生産拠点を設けて、為替差益を享受する立地戦略を推し進
  めた。
 イ 中国に100%出資の子会社を設置して、コスト優位な生産力を強化した。
 ウ テクノポリスへの立地によって、輸出競争力の再構築を図った。
 エ 米国内に生産拠点をおいて、生産余剰分を日本に持ち帰って国内市場の開拓
  を図った。
 オ 輸出が振るわなくなったので、海外からの部材等の調達を進めて国内競争力
  を強化した。
(設問3)
  文中の下線部Bのような戦略行動を中堅・中小企業が展開する際に最も不適切
 なものはどれか。

 ア 現地従業員の研修を行い、熟練の形成や自社の経営慣行の習得を促進する。
 イ 社長直属の海外事業の統括部門をおいて、国内と海外のビジネスを一元的に
  管理し、すばやい対応を図る。
 ウ 中国での事業運営ノウハウやリスクの管理能力などの不足は、中国企業や日
  本企業との戦略的連携で補完する。
 エ 中国の合弁先には償却済みの古い設備を移転し、出来上がった在来型製品の
  日本への持ち帰りを中止して、消費の盛り上がっている上海や北京での自社販
  売にそれを振り向ける。
第12問(H15)
 先端技術分野では独創的な技術を市場化するときに、オープン・アーキテクチャ
戦略をとる例がしばしばある。その理由として最も適切なものはどれか。

 ア インターフェイスを標準化することによって、製品のモジュール開発が促進さ
  れる。
 イ コア・コンポーネントの開発では高度な技術と多額の資金が必要であり、他社
  のオープンな参加が必要である。
 ウ コア・コンポーネントの設計について、他社と共同して先端的な技術を駆使す
  ることが必要になっている。
 エ 製品の実装部品や加工デザインが高度になるにつれて、製品の技術の構造解析
  が重要になってきている。
第13問(H15)
 次の文章を読んで、以下の設問に答えよ。
 @特産品を生産する地場産業、多様な業種の中小企業の集中立地、あるいは親企業
と下請企業の系列ネットワークなど、さまざまなタイプの中小企業が特定地域に集
積することが多く見られる。Aかつて中小企業の集積は弱者の連合であり、保護の対
象とみなされがちであった。しかし、近年このような集積からイノベーションが生
まれる可能性や取引の経済性が高いことが指摘されるようになり、そのような産業
集積をBクラスターと呼ぶことが多くなった。

(設問1)
  文中の下線部@の地場産業の特徴に関する説明として最も適切なものはどれ
 か。

 ア 地場産業では生産技術が独立の中小企業群によって社会的に分業されてい
  る。
 イ 政府は産地保護のために、独自な技能研修施設を主要な産地に設置運営して
  いる。
 ウ 大正時代末までに確立された技術や原材料に基づく特産品を特に伝統的工芸
  品という。
 エ 特産品には産地ブランドの表示が義務づけられている。
(設問2)
  文中の下線部Aのように、中小企業の集積が弱者の連合とみられた理由として
 最も不適切なものはどれか。

 ア 経営資源に恵まれない中小企業は各種の支援や保護がなければ独自な発展を
  たどれなかった。
 イ 下請中小企業と親企業との間の経営格差が顕著であった。
 ウ 衰退業種の中小企業のための工業団地は産業集積の契機であった。
 エ 中小企業は大手企業に比べて技術的にも経営的にも近代化が遅れていた。
(設問3)
  文中の下線部Bのクラスターの経済効果の説明として最も不適切なものはどれ
 。

 ア 柔軟にシステム変更できる分業構造として、多数の企業が互いに専門性を活
  用しあう。
 イ 地理的に近い企業が、お互いに公正な取引を促進する。
 ウ 地理的に集積しているのでロジスティクス面で有利だが、範囲の経済性を犠
  牲にする。
 エ 密度の濃い情報交換を促す接触の経済性が高まる。
第14問(H15)
 長期経営計画の策定にあたって注意すべき点で最も適切なものはどれか。

 ア ある日突然に異分野から登場する技術や新製品の予測は難しいので、その対応
  を計画に盛り込む必要はない。
 イ 経済の長期不況のもとでは、自社の高い成長予測を立てなくてもよい。
 ウ 顧客のニーズや技術の変化を考慮して、柔軟性を確保した予備計画を想定すべ
  きである。
 エ 長期経営計画は策定時の予測が変化してゆくので、毎年度新規に策定すべきで
  ある。
 オ 長期経営計画は毎月度の部門別の詳細なアクション・プランを盛り込んでおか
  なければならない。
第15問(H15)
 組織変革のプロセスにおいては、現在の状態から望ましい状態への移行過程を適
切に管理する必要がある。この移行過程のマネジメント(transition management)
においては、変革に対する「抵抗」、変革に伴う「混乱」、変革をめぐる「対立」など
様々な問題が生じる可能性がある。これらの諸問題に関する、以下の設問に答え
よ。

(設問1)
  組織変革における移行過程の「抵抗」問題に関する記述として最も適切なものは
 どれか。
 ア 組織成員がこれまで蓄積してきた経験や技能を無にしてしまうような変革案
  は、移行過程において抵抗を生みやすく、望ましくもない。
 イ 組織変革における移行過程で、従業員が抵抗することは、その変革案に問題
  があることを意味するので、すぐに変革案を修正すべきである。
 ウ 組織変革の結果、新しい組織でどのような部署に所属するのか、どのような
  権限を持ち処遇されるのかは、組織成員それぞれの生活にかかわることなの
  で、変革の初期段階では伝えるべきではない。
 エ 抵抗を避けるには、組織成員に、新しい組織に適応するための十分な教育・
  訓練の時間と機会が提供される必要がある。
 オ 変革に対して不安や抵抗が生まれないよう、組織変革は推進者以外に公開せ
  ず一気に進めることが望ましい。
(設問2)
  組織変革における移行過程の「混乱」問題に関する記述として最も適切なものは
 どれか。

 ア 組織内の秩序維持に貢献してきた既存の組織構造に変革が及ぶ場合、日常業
  務への統制力が失われ混乱が生じることが多い。
 イ 組織変革における移行過程で、逸脱や混乱が発生した場合、速やかに変革目
  標を修正することが望ましい。
 ウ 組織変革における移行過程では、インフォーマルなコミュニケーション・
  チャネルを使用すると混乱が発生しやすいので、既存の組織構造における
  フォーマルなコミュニケーション・チャネルのみを利用するよう心がける必要
  がある。
 エ 組織変革における移行過程で予期しない問題が発生した場合、それを速やか
  に解決するよりは、その問題がどのような原因で生まれたかを時間をかけて分
  析し対処しなければならない。
 オ 組織変革によって影響を受ける人々を、あまり早い段階から変革過程に参加
  させると、無用な混乱を生む可能性があるので避けることが必要である。
(設問3)
  組織変革における移行過程の「対立」問題に関する記述として最も適切なものは
 どれか。

 ア 組織内の下位集団間に対立が見られる場合、外部環境の脅威など組織外部に
  共通の敵をつくることで、協働を生み出すことができる場合がある。
 イ 組織内の下位集団間に対立が見られる場合、それぞれの集団のリーダーに問
  題があることが多いので、そのようなリーダーを組織から排除すべきである。
 ウ 組織における中心的な権力集団の存在は、大きな抵抗勢力となりやすいの
  で、それらからの協力の確保は政治的駆け引きを生みやすく避けるべきであ
  る。
 エ 組織変革における移行過程で対立が生じる原因は、変革の方向を自己に有利
  なように導こうとする人々がいるからであり、そうした人々は直ちに処分しな
  ければならない。
 オ 組織変革における移行過程では、株主や労働組合は対立しやすいので、変革
  計画の策定にこれらの代表者を参加させることは好ましくない。
第16問(H15)
 企業組織における従業員の離職に関する以下の記述のうち、最も適切なものはど
れか。

 ア ある企業に長く勤続している従業員は、その企業にとって特殊な専門能力も高
  くなるので、他の企業に移る可能性が低くなる。
 イ 景気が良くなると給与水準も高くなるので、離職しようとする欲求は低くな
  る。
 ウ 現在の企業内で課される職務と、企業外で果たす役割との適合性が高いと、離
  職しようという欲求も高くなる。
 エ 従業員は組織内の職務が自分のイメージに合わないと感じると、すぐに離職す
  る傾向がある。
 オ 大規模な組織に所属する従業員ほど、定型的な職務が増えるので、離職しよう
  とする願望が強くなる。
第17問(H15)
 機能別組織(functionally departmentalized organization)、事業部制組織
(divisional organization)、マトリックス組織(matrix organization)、プロジェクト
組織(project organization)に関する以下の設問に答えよ。

(設問1)
  ある企業組織を取り巻く環境の不確実性と、多角化の程度という2つの軸で図
 のように分類したとき、それぞれのセルに適した組織構造の組み合わせとして最
 も適切なものはどれか。


 ア A:事業部制組織	   B:マトリックス組織  C:プロジェクト組織
   D:機能別組織
 イ A:プロジェクト組織  B:マトリックス組織  C:機能別組織
   D:事業部制組織
 ウ A:プロジェクト組織  B:マトリックス組織  C:事業部制組織
   D:機能別組織
 エ A:マトリックス組織  B:事業部制組織    C:機能別組織
   D:プロジェクト組織
 オ A:マトリックス組織  B:プロジェクト組織  C:機能別組織
   D:事業部制組織
(設問2)
  機能別組織、事業部制組織、マトリックス組織、プロジェクト組織の利点と弱
 点に関する記述として、最も適切なものはどれか。

 ア 機能別組織は、それぞれの機能について専門化が進むため、頻繁に技術革新
  が必要とされる業界で採用される傾向がある。 
 イ 事業部制組織では、各事業部に分権化が進められるため、次の世代の経営者
  を育成することが困難になる傾向がある。
 ウ 事業部制組織は、デュポン式の財務統制方式と併用されることが多い。
 エ プロジェクト組織では、機能マネジャーに大きな権限が付与されるため、し
  ばしばプロジェクト・マネジャーと機能マネジャーとの対立が起こりやすい。
 オ マトリックス組織は、トップマネジメントにかかる情報処理負荷が高いた
  め、グローバルに事業を展開している企業にとっては不適当である。
第18問(H15)
 次の文章を読んで、以下の設問に答えよ。
 企業組織はオープン・システムであり、その生存に必要な資源を外部環境の構成
者に依存している。その結果、企業組織(焦点組織)は、外部環境構成者から統制さ
れたり、様々な制約を受けている。焦点組織の外部環境構成者に対する依存度は、
次の3つの要因によって決まるという。
 第1は、@その資源の重要性であり、焦点組織の生存・存続に必要な程度である。
 第2は、外部環境構成者が、Aその資源の配分や利用に関してもつ自由裁量の程度
である。
 第3は、代替的な資源獲得の可能性である。
 外部環境構成者が、焦点組織にパワーを行使できるのは、こうした3つの条件と
ともに、焦点組織が相殺パワーを持たない場合である。

(設問1)
  下線部@の焦点組織にとっての資源の重要性に関する記述として最も適切なも
 のはどれか。

 ア ある焦点組織にとって重要な資源は、外部環境構成者にも重要であるから、
  価格は高くなる。
 イ 価格の安い資源は、大量に購入することができるから、資源としての重要性
  も低い。
 ウ 電力のように低価格で豊富にある資源は、常に重要性が低くなる傾向にあ
  る。
 エ 保守サービスのようなスタッフ・サービス的資源でも、機械の故障などの状
  況では、資源としての重要性は高くなる。
(設問2)
  下線部Aの資源の配分や利用に対する自由裁量に関する記述として最も適切な
 ものはどれか。 

 ア 機械設備などの資源の使用法などに関する自由裁量は、それを実際に使用す
  る従業員ではなく、経営者の方がにぎっている。
 イ 焦点組織の意思決定プロセスで用いられる情報をコントロールできる外部環
  境構成者は、その企業が使用する資源に対する自由裁量を持っているといえ
  る。
 ウ 政府・行政組織などは、民間企業が利用できる資源の量や使用法を制限する
  ための許認可権を行使することはできない。
 エ 我々が住んでいる私有財産制社会では、資源に対する所有権を持つものだけ
  が、その資源の利用や配分に関する自由裁量を持つことができる。
第19問(H15)
 組織は環境適応するために学習し、組織学習は個人の学習を通じて行われる。す
なわち、個人の知識が経験を基礎に変化するとその人の行動が変わり、その結果、
組織全体の行動に変化が起こり、結果として環境の変化を導く。個人はこの環境変
化の経験を基礎に、自分の知識を修正し新しい行動を行っていく。図はこうした組
織学習サイクルを示している。
 組織学習の失敗はA、B、C、Dの各段階に断絶が起こることによって組織学習
サイクルが不完全なものになることで生ずるという。
 以下の設問に答えよ。


(設問1)
  組織学習の完全サイクルにおいてAの部分での断絶に関する記述として最も適
 切なものはどれか。

 ア 従業員の離職率が低い職場では、個人の知識の変化が個人行動の変化になっ
  て現れなくなる可能性は低くなる。
 イ 職務・責任・権限関係が明確に定められていないと、個人の知識の変化が個
  人行動の変化につながらなくなる可能性が高まる。
 ウ 職務に対する報酬が十分に支払われている職場では、個人の知識の変化が個
  人行動の変化になって現れる可能性が高まる。
 エ 職務に忠実に行動する組織メンバーが多いと、個人の知識の変化が個人行動
  の変化につながらなくなる可能性が高まる。
 オ 組織メンバーが組織目標に完全に一体化していないと、個人の知識の変化が
  個人行動の変化につながらなくなる可能性が高まる。
(設問2)
  組織学習の完全サイクルにおいてBの部分での断絶に関する記述として最も
 適切なものはどれか。

 ア 階層的組織ではコミュニケーションの経路が明確に規定されているため、個
  人行動の変化が全体組織の行動の変化に結びつく可能性が高まる。
 イ 下位組織にそれぞれ独自の文化が形成されてくると、部門間コンフリクトが
  発生しやすくなるため、個人行動の変化が全体組織の行動の変化に結びつかな
  くなる可能性が高まる。
 ウ 下位部門に十分な権限の委譲が行われていない組織では、個人行動の変化が
  全体組織の行動の変化に結びつかなくなる可能性が高まる。
 エ 集団の凝集性が高いと、個人行動の変化が全体組織の行動の変化に結びつか
  なくなる可能性が高まる。
 オ 職務・責任・権限関係が明確に定められていないと、個人行動の変化が全体
  組織の行動の変化に結びつかなくなる可能性が高まる。
(設問3)
  組織学習の完全サイクルにおいてCまたはDの部分での断絶に関する記述とし
 て最も適切なものはどれか。

 ア 組織があらかじめ明確に定められた情報収集メカニズムを採用していれば、
  個人レベルの学習は適切に行われる可能性が高くなる。
 イ 組織の行動の変化はただちに環境の変化となって現れるため、環境の変化を
  注意深く観察していれば、組織の行動が正しかったか否かは容易に理解でき
  る。
 ウ 高い成果をあげた組織の行動は、その前提となっている組織メンバーの知識
  が正しいことから生まれたものであるので、その知識は強化されるべきである。
 エ 人間は高い成果が得られた場合は自己に、低い成果が得られた場合には他者
  に因果を帰属させる傾向があるため、組織の行動と環境の変化との因果関係を
  正しく認識することが困難である。
 オ 低い成果しかあげない組織の行動は、その前提となっている組織メンバーの
  知識が誤っていることから生まれたものであるので、その知識は棄却されるべ
  きである。
第20問(H15)
 組織文化の形成や機能に関する記述として最も適切なものはどれか。

 ア 一般に組織文化は、インフォーマルなコミュニケーション・ネットワークの上
  に形成されるので、公式組織の責任−権限関係を補完・強化する方向に作用す
  る。
 イ 市場において有力な競争相手が出現してこない環境で、長期にわたって高い成
  果をあげている企業組織には、一般に革新的な組織文化が形成されやすい。
 ウ 組織文化の形成には、従業員に知覚された経営管理者の日常行動が大きな影響
  を与えている。
 エ 組織文化は非常に長い期間をかけて作られてくるものであり、その組織メン
  バーに深く根付いているものであるから、変化することはない。
 オ 手続きを重んじる組織文化が強い企業は、環境の変化に対する適応力も高いの
  で、長期にわたって競争力を維持することができる。
第21問(H15)
 研究開発や新製品企画など新しい知識を創造し、絶えずイノベーションが期待さ
れている組織では、定常的業務の遂行を任務とする組織とは異なる管理が必要であ
るといわれている。こうしたイノベーションもしくは知識創造の理論として最も適
切なものはどれか。

 ア イノベーションの現場ではとかく情報が錯綜し、冗長性が増し能率が低下する
  傾向にあるので、冗長性を排除する工夫が必要である。
 イ 知識創造は暗黙知を形式知に変換することであるから、理解の対立を表すコン
  フリクトの発生は、イノベーションの失敗に結びつく。そのためコンフリクトが
  発生しないよう十分注意して管理する必要がある。
 ウ イノベーションを計画的に遂行する組織には、有機的な(organic)管理システ
  ムよりも、機械的な(mechanistic)管理システムが望ましい。
 エ 顧客や市場に関する情報が研究開発部門で必要になる場合があるので、あらか
  じめ情報収集・処理手続きを構築しておく必要がある。
 オ 新製品企画部門のメンバーは、より豊かな情報交換を促進するためフェイス・
  ツー・フェイスの横断的コミュニケーションを行う必要がある。
第22問(H15)
 満足化による意思決定の特徴は、最も高い効用をもたらす代替的行動を選択する
最適化意思決定と異なり、希求水準(aspiration level)を超える効用をもたらすと期
待される代替的選択肢の選択に関わっている。いま職務満足と生産性の関係を考え
るために、図のような動機づけられた適応行動の一般モデルを想定する。
 このとき、以下の設問に答えよ。

(設問1)
  それぞれの変数間の関係に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

 ア 希求水準が高くなると、満足度は低くなる。
 イ 代替的行動案の探索が活発になると、報酬の期待値は低下する。
 ウ 報酬の期待値が高くなると、希求水準も高くなる。
 エ 報酬の期待値が高くなると、満足度も高くなる。
 オ 満足度が低下すると、代替的行動案の探索が活発に行われる。
(設問2)
  このモデルから導かれる職務満足とモチベーションに関する記述として、最も
適切なものはどれか。

 ア 一定期間以上満足が得られない状況が続くと、従業員は希求水準自体を低く
  することによって適応しようとする。
 イ 給与水準を高くすると希求水準も上がるので、短期的には満足度の上昇には
  つながらない。
 ウ 職務に満足している従業員は、組織目的にかなった行動へと動機づけられ、
  生産性が高い。
 エ 不景気になると、従業員は生産性を上げるより、離職する傾向が高くなる。
 オ 満足度が低くなると、従業員は探索を活発化させるから、生産性の上昇に結
  びつく。
第23問(H15)
 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
 リーダーシップとは、能率を超えた概念である。通常、能率とはあらかじめ設定
された目標と、それに対応した手段とを結合させることを意味している。これに対
して、セルズニック(P.Selznick)は、リーダーシップの基本的な機能を、組織の基
本的な使命を設定し、□ A □にあるという。このような意味でのリーダーシッ
プを、□ B □という。
 また、リッカート(R.Likert)は、組織を個人対個人の関係としてみる伝統的組織
観のもとで展開される□ C □は、短期的に高い能率を生み出すことができる
が、長期的には組織を崩壊させてしまうと指摘した。その上で、相互作用−影響方
式、□ D □などに支えられた重複集団としての組織観を提唱し、連結ピンとし
て機能する参加型リーダーシップの重要性を唱えたのである。
(設問1)
  文中の空欄A、Bに入るものの組み合わせとして、最も適切なものはどれか

 ア A:意思決定に従業員の参加を促すこと B:参加型リーダーシップ
 イ A:環境に適応すること        B:状況的リーダーシップ
 ウ A:従業員と対話すること       B:対話型リーダーシップ
 エ A:組織に価値を注入すること     B:制度的リーダーシップ
 オ A:明確な指揮・命令を伝達すること  B:コミュニケーション・リー
                        ダーシップ
(設問2)
  文中の空欄C、Dに入るものの組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
 
 ア C:温情的リーダーシップ   D:責任−権限関係
 イ C:カリスマ的リーダーシップ D:社会契約
 ウ C:協調的リーダーシップ   D:指示・伝達関係
 エ C:状況的リーダーシップ   D:環境コンティンジェンシー
 オ C:専制的リーダーシップ   D:支持的関係の原理
第24問(H15)
 使用者が労働者の団結権を侵害する行為を不当労働行為という。次のうち、不当
労働行為に該当しないものはどれか。

 ア 使用者が、労働組合の運営に必要な経費の支払いについて、財政的な援助を与
  えること。
 イ 使用者が従業員のために労働組合を結成すること。
 ウ 使用者が労働組合の組合費を組合員の給与から控除し、労働組合に渡す組合費
  を徴収すること。
 エ 正当な組合活動をしていることを理由に、減俸、昇給停止などの待遇を与える
  こと。
 オ 労働者が労働組合に加入しないことを雇用の条件として行う労働契約を結ぶこ
  と。
第25問(H15)
 企業の職務分析や人事考課に関する記述として最も適切なものはどれか。

 ア 管理職ポストの不足に対してとられる対策として、専門職制度を採用すること
  で、中高年労働者を処遇することが望ましい。
 イ 職務評価に際しては、等級基準表を設定することで、客観的な妥当性を得るこ
  とができる。
 ウ 人事考課においてはハロー効果をさけるために、個別の評価要素ごとに独立し
  て評価することは適当ではない。
 エ 高い業績をあげている労働者の行動特性をコンピテンシーといい、これを評価
  基準として職務モデルを作成することがある。
 オ 労働者の人数が少ない場合には、人事考課に際しては労働者の勤務成績に序列
  をつけたり、順位をつけたりすると説得力が弱くなる。
第26問(H15)
 労働条件の決定に関する記述として最も適切なものはどれか。

 ア 就業規則には、労働者の生活を保護するために、退職手当てに関する記述を必
  ず記載しなければならない。
 イ 使用者は労働契約の締結や存続を条件として、貯蓄の契約をさせてはならな
  い。
 ウ 常時10人以下しか労働者を雇用していない企業では、就業規則を定める必要
  はない。
 エ 未成年者の雇用に関しては、父母や後見人など法定代理人と労働契約を締結し
  なければならない。
 オ 我が国では、労働期間を1年未満に定めた労働契約は無効である。
第27問(H15)
 最近、企業による報酬システムが多様化してきている。報酬システムに関する記
述として、最も適切なものはどれか。

 ア 商法上、取締役の役員報酬は、確定金額報酬、不確定金額報酬、非金銭報酬の
  区分に応じて定款または株主総会の決議をもって定めなければならない。
 イ 職能給とは、各職務の遂行に必要な能力を分析・評価し、それをもとに職務ご
  とに設定する給与システムである。
 ウ ストック・オプションとは、権利者が将来においてあらかじめ決められた価格
  で自社株を購入することができる権利であるが、新株引受権によるものはこれに
  含まれない。
 エ 賃金は全額通貨で支払われなくてはならないため、たとえ多く支払い過ぎた場
  合でも、その過払い分を調整によって相殺することは許されない。
 オ 低成長企業では年功給はコストを圧迫するが、技術革新が盛んな成長企業で年
  功給が適している
第28問(H15)
 製品が一度市場に出ると、売上が上がり、その後次第に売上伸び率が低下し、最
後には売上が下がっていくというカーブを描くことができる。これは通常、製品ラ
イフサイクルと呼ばれている。一般的には、導入期、成長期、成熟期、衰退期の4
段階に分けることができる。成長期に関する説明として最も不適切なものはどれ
か。

 ア 既存の市場セグメント以外へ市場導入をする時期である。
 イ 競争企業が多数、市場参入してくる時期である。
 ウ 市場に品質を改善した新商品や価格を下げた普及品を導入していく時期であ
  る。
 エ 製品の認知度をあげるために、広告とパブリシティに予算を多く配分する時期
  である。
 オ 流通チャネルを新規開拓し、それを拡大する時期である。
第29問(H15)
 企業は、すべての顧客を対象にマーケティングを行うのではなく、適切な市場セ
グメントを設定してそこに対してマーケティングを行っていくのが通例である。こ
のような市場セグメンテーションに関する説明として最も適切なものはどれか。

 ア 市場セグメントに対して、効果的にコミュニケーションできることが必要であ
  る。
 イ 市場セグメントの設定には、ロイヤルティの測定が必要である。
 ウ 市場セグメントは可能な限り小さなセグメントにする必要がある。
 エ 市場セグメントはライフスタイルや性格といった心理的変数でまず分割する必
  要がある。
 オ 市場セグメントを設定するために変数はできるだけ多く使う必要がある。
第30問(H15)
 ある企業が顧客獲得に当たり、顧客をセグメントAとセグメントBの2つに分け
た。この両方のセグメントに対して、セールス活動を行っていて、それ以外の販売
活動は行っていない。両セグメントのデータは以下のとおりである。

               セグメントA   セグメントB
 見込み客数           6万人      3万人
 契約率             10%      20%
 初年度の顧客1人当たりの売上  12万円     14万円
 初年度の顧客1人当たりの粗利益  3万円    3万5千円
 見込み客への訪問回数       2回       4回
 訪問1回当たりコスト      2,500円     2,000円

  このとき、セグメントA、Bそれぞれの顧客1人当たりの損益の組み合わせとし
 て、最も適切なものはどれか。なお、一般管理費は除外して考えるものとする。

 ア セグメントA:損失  セグメントB:損失
 イ セグメントA:損失  セグメントB:利益
 ウ セグメントA:利益  セグメントB:損失
 エ セグメントA:利益  セグメントB:利益
第31問(H15)
 消費者は、製品やサービスを実際に購入した段階を過ぎれば何も考えないという
のではなく、いろいろな反応を示し、場合によってはそれが次の購入の意思決定に
フィードバックされていく。このような購入後の行動や評価に関する説明として最
も不適切なものはどれか。

 ア 期待をはるかに上回る製品であったり、サービスであると、満足が生じる。
 イ 製品購入後不満を感じないようにするために、競争製品の広告をよく見る傾向
  にある。
 ウ 満足した購入者よりも不満足だった購入者は多くの人にそのことを話す傾向に
  ある。
 エ 満足はロイヤルティを形成するきっかけとなる。
 オ 無条件返品制度は購入後の不満足を解消する手段の1つである。
第32問(H15)
 メーカーはある1つの製品で成功を収めると、より低価格の新商品を市場に投入
して製品の種類を増やすことがある。このような場合に関する説明として最も不適
切なものはどれか。

 ア 高価格品市場の成長鈍化が見られたときに、低価格品の投入が行われやすい。
 イ 低価格品なので需要が大幅に伸びる可能性があり、予測を確実にしないと高価
  格品の機会損失が生じやすい。
 ウ 低価格品を投入することにより、高価格品のブランドイメージを上げやすい。
 エ 流通チャネルメンバーから、高価格品の価格引き下げの圧力が生じやすい。
第33問(H15)
 コンビニエンスストアやスーパーマーケットで販売されるような製品で、ある1
つのブランドネームを利用して成功した場合に、ほぼ同一もしくは類似の市場に対
して、別のブランドで同じような新製品を投入する複数ブランド戦略を導入するこ
とがある。このような場合に関する説明として最も適切なものはどれか。

 ア 多くのブランドを利用することによって、企業イメージを確立することができ
  る。
 イ 既存の製品のブランドイメージから独立しているので、同一企業内でのブラン
  ドスイッチングの可能性が低い。
 ウ 異なる流通チャネルで類似の製品を別のブランドで販売すると、ハロー効果で
  売上が伸びる。
 エ 類似の製品であっても、別のブランドであると小売店の棚を確保しやすい。
第34問(H15)
 マーケティングの客体は有形財だけではなくて、サービスなどの無形財も含まれ
ている。サービスに関する説明として最も不適切なものはどれか。

 ア サービスの予約は、レストランのように需要と供給をよりよく適合させる場合
  と、美容院のように消費者が特定のサービス提供者を指定する場合に利用され
  る。
 イ サービスは人によってその遂行水準が同一ではない。そこで、マニュアルを作
  成しそれに従わせることによって最高遂行水準を維持しようとする傾向がある。
 ウ サービスは便益達成の本質的な部分と付随的な部分とに分けられる。本質的部
  分が他のサービスとほぼ同一であるとき、付随的部分は購買意思決定に大きな影
  響を与える要因となる。
 エ ホテルなどのトイレでトイレットペーパーが三角に折ってあるのは、作業の進
  行状況を示すとともに、サービスを目に見えるようにする働きがある。
第35問(H15)
 企業は、自社の製品を市場から意図的に撤去することがある。製品ライフサイク
ルからみて当然だと判断されるものもあるが、計画的陳腐化と呼ばれるように企業
の意図的な製品ライフサイクルの短縮もある。この計画的陳腐化に関する説明とし
て最も不適切なものはどれか。

 ア 買い替え需要ではなく、新規需要を開拓するのに利用される。
 イ 外観だけを変えることによって心理面で新製品であることを訴えることであ
  る。
 ウ 技術革新のスピードが遅い製品領域で利用される。
 エ 本質的ではない部分の機能を変えることによって、既存の製品寿命を短縮する
  ことである。
 オ ライフサイクルのコントロールにより消費市場を活性化させる効果をもつ。
第36問(H15)
 当該製品は、競争企業が多く、類似の製品も多数存在する市場で販売されてい
る。この製品の価格を上昇させると、消費者は他のブランドに変更してしまう。か
といって、価格を下げると、他社も追随してきて売上を伸ばすことができない。こ
のような状況で設定された価格を慣習価格と呼ぶ。この場合の需要曲線として最も
適切なものはどれか。
第37問(H15)
 企業は自社の製品を流通業者を通じて販売していくこともあれば、自社で販売す
ることもある。流通チャネルに関して最も適切なものはどれか。

 ア 既存のチャネルでは、メーカーによる消費者への直接販売はチャネルコンフリ
  クトの原因であったが、インターネットを利用するとそれを解消できる。
 イ 流通チャネルにおいては、当事者の間の所有権の移転と同時に製品自体の移動
  が行われる。
 ウ 流通チャネルには、当事者の間の所有権の移転と代金授受の機能とともに、プ
  ロモーション機能がある。
 エ 流通チャネルの段階数が多いほど、流通は非効率となる。
 オ 流通チャネルを利用することにより、市場カバレッジは減少するが、チャネル
  コントロールは向上する。
第38問(H15)
 メーカーは流通チャネルをあたかも自社専用のチャネルであるかのようにしたい
という願望をもっている場合がある。このために利用される手法の説明について、
最も適切なものはどれか。

 ア 委託販売とはメーカーと販売店の間で商品の所有権の移転が行われない取引形
  態である。
 イ オープンテリトリーとは販売地域を限定して、そこ以外での営業活動ができな
  いものである。
 ウ 抱き合わせ販売は良く売れる商品同士の組み合わせを作り、売上を増進させる
  ことである。
 エ 店会制とは販売業者との垂直的な組織を作り上げることである。
 オ 払込制とは、商品を確保する目的で、取引開始に当たって一定の金額を支払う
  ことである。
第39問(H15)
 プロモーションのなかに統合型マーケティングコミュニケーションという考え方
がある。これに関して最も適切なものはどれか。

 ア 広告媒体を組み合わせて利用することである。
 イ 顧客データベースの存在が前提となる。
 ウ 顧客の購買からなるべく遠い時点で効果が測定される。
 エ ロゴやマークに対する利用規定を定めることである。
 オ ワンボイスといわれるように、送り手から見て同一のイメージが必要である。
第40問(H15)
 広告を行うに当たって媒体選択は重要な部分を占めている。次にあげる雑誌、新
聞、テレビ、ラジオの主要媒体に関する記述のうち、雑誌媒体についての記述とし
て最も適切なものはどれか。

 ア 他のことをしながら接触することができる「ながら」媒体である。製作が比較的
  簡単なので、タイムリーな広告を行ったり、広告の変更を行うのに便利である。
 イ 特定の事柄に興味を持つターゲットに向けて有効な広告を行うことができる。
  特に、そのようなターゲットが全国に分散しているときには効果的である。
 ウ 媒体の信用度の高さを広告に利用することができ、記録性も高い。この媒体は
  有料定期購読契約者が多く、安定性が高い。この媒体に接触している人数が多い
  ので、カバレッジの力が強い。
 エ 反復露出が行われ、オーディエンスの印象を高めることができる。また、地域
  の選択や出稿形態など、広告主の選択の幅が広い。
第41問(H15)
 広告にはさまざまな媒体が利用されている。次にあげる1〜4の文章の空欄に
は、以下のa〜dの4つの広告媒体のいずれかが入る(a〜dは重複しないものと
する)。そのなかで、空欄A、Bに入る媒体の組み合わせで最も適切なものを下記
の解答群から選べ。

 1.□   □は、様々なスペースの形態があり、地域のシンボルにもなる。
  ティーザー広告に向いている。
 2.□   □は、セグメンテーションを個人単位で行うことができ、効果の測
  定も比較的容易である。
 3.□ A □は、広告スペースが画一的であるので、基準料金の設定が可能で
  ある。
 4.□ B □は、特定地域のカバレッジ力が強く、費用も安く、また効果がす
  ぐにあらわれやすい。

 (広告媒体)
 a 屋外広告
 b 折り込み広告
 c ダイレクトメール
 d 中吊り広告 

[解答群]
 ア A:a   B:c
 イ A:b   B:c
 ウ A:b   B:d
 エ A:d   B:a
 オ A:d   B:b
第42問(H15)
 マッカーシーの4Pの1つであるプロモーション活動の要素として広告、人的販
売、パブリシティ、販売促進(SP)がある。販売促進に関して最も適切なものはど
れか。

 ア 販売促進は広告よりも新規顧客を開拓しやすい傾向がある。
 イ 販売促進は広告よりも短時間で効果が発揮される傾向がある。
 ウ 販売促進は広告よりも長期的に効果が持続する傾向がある。
 エ 販売促進は広告よりもブランドロイヤルティを形成する傾向がある。
第43問(H15)
 新聞は月ぎめ契約で宅配されたり、販売店などで一部売りされたりしている。こ
れに関することで最も不適切なものはどれか。

 ア 一部売りの料金に日数をかけたものより月ぎめ料金が安くても、月ぎめ契約の
  方が顧客の固定化が図られやすいという利点がある。
 イ 新規契約の時には景品が提供されることがあるが、固定客にはあまり提供され
  ないので新規客の方が実質的には安い料金を享受することがある。
 ウ 新聞のディスカウント販売がないのは、新聞社による専売店制など、流通系列
  化がなされているからである。
 エ 新聞販売店においては折り込み広告料金が購読料とともに収益の柱となってい
  る。
第44問(H15)
 ある大手食品メーカーが、世帯所得の比較的高い主婦層を対象として高級チョコ
レートの需要の状況を探るために、メーカー名を一切表に出さないで、喫茶部門を
併設したアンテナショップを開設した。当初は設定した顧客層が来店していたが、
おいしいチョコレートと紅茶を目当てに女子高校生を含めて多様な顧客が多数押し
かけるようになった。この場合、アンテナショップ開設の当初の目的を達成するた
めに行うべきことのうち最も適切なものはどれか。

 ア 喫茶部門に予約制を導入する。
 イ 喫茶部門の面積を拡大する。
 ウ 紅茶の価格を高くする。
 エ 近くに支店を設ける。
 オ 通信販売を開始する。
第45問(H15)
 電話をマーケティングに活用する方法には、インバウンドと呼ばれる顧客側から
かけてくる場合と、アウトバウンドと呼ばれる売り手側からかける場合とがある。
テレマーケティングに関する事柄で最も適切なものはどれか。

 ア 音声ではすべてを伝えきれないので、事前に資料を送付しておくのがよい。
 イ コールセンターは、顧客の最も多い地域に設置するのがよい。
 ウ 電話で断られても、セールスは断られることから始まるといって、再度電話を
  かけるのがよい。
 エ 販売目的の電話であることは通話の始めに言わないでおいて、最後に販売物品
  について切り出すのがよい。
第46問(H15)
 スーパーマーケットやコンビニエンスストアで販売されるような製品のパッケー
ジにおいては、単なる製品の保護の機能だけではなく、パッケージを利用したブラ
ンド戦略が重要視されている。その理由として最も不適切なものはどれか。

 ア 市場に多数の製品が投入され、店舗外における消費者の情報処理量が増加した
  ため。
 イ 社会全体に流通する情報量が増大し、店舗に来る以前の段階での情報処理量が
  増大したため。
 ウ 非計画購買の割合が高く、店内でのコミュニケーション効果が低いため。
 エ 品質など製品の基本的機能の差が小さく、意思決定の際にそれが軽視されるた
  め。
第47問(H15)
 プロモーション活動を構成する要素には人的販売が含まれる。人的販売には様々
な形態がある。これに関して最も適切なものはどれか。

 ア オーダーテーカーは潜在需要を掘り起こし、新規顧客を開拓する。
 イ カスタマーエンジニアは、製品とそれに付帯するサービスすべてを含めたシス
  テム販売を行う。
 ウ コミッションマーチャントは、販売の成果を歩合によって受け取るセールス
  パーソンである。
 エ ミッショナリー・セールスパーソンは製品の説明を主要任務としている。