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第1問(H28)
 株式会社の役員に関する記述の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答
群から選べ。

 a 定款で定めれば、株主総会において、議決権を行使することができる株主の
  議決権の3分の1以上の割合を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決
  権の過半数をもって、監査役を解任することができる。

 b 定款で定めれば、増員として選任された監査役の任期を、他の現任監査役の
  任期の満了する時までとすることができる。

 c 公開会社でない株式会社は、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会
  社でない限り、取締役の任期について、定款で定めることにより、選任後10
  年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時ま
  で伸長することができる。

 d 正当な理由なく取締役を解任された者は、解任によって生じた損害の賠償を
  株式会社に対して請求することができる。ここでいう損害には、残存任期中に
  支給を受けるはずだった取締役の報酬等も含まれる。

[解答群]
ア aとb
イ aとd
ウ bとc
エ cとd
第2問(H28)
 X株式会社(以下「X社」という。)の株主であるA株式会社(以下「A社」という。)
からの譲渡承認請求に関する以下の会話は、中小企業診断士であるあなたとX社
の代表取締役甲氏との間で行われたものである。会話の中の空欄に入る語句とし
て、最も適切なものを下記の解答群から選べ。なお、X社は、発行する株式の全
てが譲渡制限株式であり、取締役会設置会社であるとする。また、これらの点を除
き、定款に特段の定めもX社とA社との合意による別段の定めもないものとす
る。

甲 氏:「当社の株主A社から、このような請求書が内容証明郵便で届きました。」
あなた:「どれどれ・・・。『A社が保有している株式をB株式会社(以下「B社」と
    いう。)に譲渡したいので、B社がその株式を取得することについて承認す
    るかどうかを決定してほしい。もし、承認しない場合には、X社かX社
    が指定する第三者に買い取ってほしい。』という内容ですね。甲さんは、B
    社が株主になっても構わないのですか。」
甲 氏:「正直B社という会社がどういう会社なのか全く分からないので、できれ
    ば株主にはなってほしくないですね。」
あなた:「この請求書は、いつX社に届いたのですか。」
甲 氏:「平成28年8月10日です。」
あなた:「そうすると、□   □までに、承認しない旨の通知がA社に届かない
    と、承認したものとみなされてしまって困ったことになりますね。承認し
    ない旨の通知も内容証明郵便で送った方がいいと思います。また、その後
    に、X社が買うか、買取人を指定するかの手続も控えていますから、早
    く顧問弁護士の先生に相談した方がいいと思いますよ。」
甲 氏:「分かりました。すぐにでも連絡を取ってみます。」
第2問図
[解答群]
ア 平成28年8月16日
イ 平成28年8月17日
ウ 平成28年8月23日
エ 平成28年8月24日
第3問(H28)
 以下の会話は、中小企業診断士であるあなたとX株式会社(以下「X社」という。)
の代表取締役甲氏との間で行われたものである。X社は、αの製造販売事業(以下
「α事業」という。)を営んでいる。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。

甲 氏:「おかげさまで弊社のα事業は好調です。そこで、業容を拡大したいと考
    えていたところ、先日ちょうど、取引銀行を通じて、弊社と同じα事業
    を営んできたY社から、事業の選択と集中を進めたいから同事業を買取
    しないかという話をもらいまして、現在前向きに検討しています。Y社
    は、α事業以外の事業も営んでいるので、新設分割でα事業をいったん切
    り出して子会社Z社を設立し、弊社がY社からZ社の全株式を現金で買
    い取るスキームを考えています。何か注意しておいた方がいいことはあり
    ますか。」
あなた:「□ A □。それから、同業他社から競合する事業を買収することにな
    りますから、独占禁止法に抵触するかどうかも問題になります。少なくと
    も公正取引委員会への届出の要否については検討しなければなりません。」
甲 氏:「□ B □」
あなた:「□ C □。いずれにせよ、事業の買収、特に買い手の場合には、大小
    様々なリスクを伴いますから、その分野に詳しい専門家からアドバイスを
    受けないと後で痛い目を見ますよ。ちょうどいい人を知っていますから紹
    介しますよ。」
甲 氏:「ありがとうございます。」
(設問1)
 会話の中の空欄Aに入る記述として、最も不適切なものはどれか。

ア α事業に関係する債務は、Z社が承認する債務から除外することはできない
 ので、α事業に関係する簿外債務がないかどうかの調査が必要になります
イ Y社がα事業に関して締結している契約の中に、会社分割が解除事由とし
 て定められているものがないかの確認が重要になります
ウ Z社においてα事業を営むのに新たに許認可を取得することが必要な場合に
 は、その許認可を得るのに必要な期間やコストを把握しておく必要があり、そ
 のコストをX社が負担するのかY社が負担するのか交渉する必要があります
エ 契約の分割等の要否を検討するために、Y社が、α事業とそれ以外の事業の
 双方で、同一の契約に基づいて使用しているリース資産やシステムがないかど
 うかの確認が必要になります
(設問2)
 会話の中の空欄BとCに入る記述の組み合わせとして、最も適切なものはどれ
か。

ア B:株式買取りのスケジュールには影響しますか
  C:公正取引委員会が短縮を認めてくれない限り、最短でも届出を受理され
    てから、30日を経過するまでは、株式を取得することはできないので、
    スケジュールに影響しますね
イ B:届出を行うのは、X社ですか、Y社ですか
  C:Y社です
ウ B:届出を行う前に、公正取引委員会に相談に行くことはできるのですか
  C:できません
エ B:どんな規模でも届出が必要になるのですか
  C:X社の企業グループ全体の国内売上高が10億円以上の場合で、かつ、
    Z社とその子会社の国内売上高の合計が1億円以上の場合に、届出が必
    要になります
第4問(H28)
 X株式会社(以下「X社」という。)は、中小企業における経営の承継の円滑化に関
する法律に定める特例中小企業者である。
 以下の事実関係の下で、平成29年4月の時点で、CがAから生前贈与を受けた
X社の発行済株式の全てについて除外合意が有効に成立していた場合と固定合意
が有効に成立していた場合におけるDに係る遺留分侵害額の組み合わせとして、
最も適切なものを下記の解答群から選べ。
 なお、平成28年8月以降、X社の発行済株式総数は、2,400株のまま変化して
おらず、Aの家族構成にも変わりなく、A以外に亡くなった者はおらず、廃除さ
れた相続人もいない。また、下記以外に、寄与分及び特別受益は存在せず、Aが
保有している財産はない。

平成28年8月   Aは、X社の代表取締役社長を務め、X社の発行済株式の
        全て(2,400株)を保有していた。Aの家族構成は、図1のとお
        りであった。Aの家族のうち、X社の経営に興味があったの
        がCのみであったことから、Aの家族の間では、CがAの後
        継者としてX社の経営を引き継ぐことは共通認識であり、C
        は、X社の代表取締役専務として、X社の業務に従事してお
        り、他方、B、D、E及びFは、X社の経営にも業務にも関与
        していなかった。
平成29年4月   Aは、引退を決意し、保有するX社の発行済株式の全てを
        Cに生前贈与し、代表取締役を退任し、CがX社の代表取締
        役社長に就任した。同月時点におけるAが保有する財産及び
        その金額は、図2のとおりであった。
平成29年4月以降 Cは、社長就任後、社業に邁進し、そのおかげもあって、X
        社は、業績を順調に伸ばし、企業価値を向上させた。
平成33年8月   Aは死亡した。この時までにX社の1株当たりの株式の価
        値は、20万円に上昇し、その他の財産(自宅不動産及び預貯
        金)の金額は、平成29年4月時点から変わりはなかった。A
        は、図3のとおりに財産を相続させることを内容とする有効な
        遺言書を残していた。
第4問図
[解答群]
ア 除外合意:  0円  固定合意: 375万円
イ 除外合意:  0円  固定合意:1,875万円
ウ 除外合意:875万円  固定合意: 375万円
エ 除外合意:875万円  固定合意:1,875万円
第5問(H28)
 下表は、各法的倒産手続についてまとめたものである。空欄A〜Dに入る語句の
組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
 担保権の原則的な取扱い否認権行使の可否相殺権の行使期限
倒産手続きによらないで行
使できる。
できる。債権届出期間内
倒産手続きによらなければ
行使できない。
できる。債権届出期間内
倒産手続きによらないで行
使できる。
できる。債権届出期間後で
も可能
倒産手続きによらないで行
使できる。
できない。債権届出期間後で
も可能

[解答群] ア A:会社更生手続 B:民事再生手続 C:破産手続   D:特別清算手続 イ A:破産手続   B:会社更生手続 C:民事再生手続 D:特別清算手続 ウ A:破産手続   B:民事再生手続 C:特別清算手続 D:会社更生手続 エ A:民事再生手続 B:会社更生手続 C:破産手続   D:特別清算手続
第6問(H28)
 実用新案登録技術評価に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 実用新案法には、2以上の請求項に係る実用新案登録出願については、実用新
 案技術評価の請求は、請求項ごとにすることができない旨が規定されている。
イ 実用新案法には、実用新案技術評価の請求をした後においては、実用新案登録
 出願を取り下げることができない旨が規定されている。
ウ 実用新案法には、実用新案権の消滅後においても、常に当該実用新案技術評価
 の請求をすることが可能である旨が規定されている。
エ 実用新案法によれば、実用新案権者は、その登録実用新案に係る実用新案技術
 評価書を提示して警告をした後でなければ、自己の実用新案権の侵害者等に対
 し、その権利を行使することができない。
第7問(H28)
 以下の文章は、特許法等の一部を改正する法律(平成27年7月10日法律第55
号)のうち、主に職務発明に関するものである。
 文中の空欄A〜Cに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答
群から選べ。

 グローバル競争が激化する中、わが国のイノベーションを促進するためには、研
究者の研究開発活動に対するインセンティブの確保と、企業の競争力強化を共に実
現するための環境整備が重要である。このような事情に鑑み、知的財産の適切な保
護及び活用を実現するための制度を整備し、わが国のイノベーションを促進するこ
とを目的として、まず、職務発明制度の見直し、次に、特許料等の改定、さらに
は、□ A □及び商標に関するシンガポール条約の実施のための規定の整備を行
うこととした。
 なお、従来の職務発明制度の柱は、まず、特許を受ける権利は□ B □に帰属
し、□ C □が特許出願をするには、その権利を譲り受ける形となる点、及び、
□ B □は、特許を受ける権利を□ C □に承継させた場合、その対価を請求
することができる(いわゆる「対価請求権」)というものであった。
 また、従来の職務発明制度では、異なる□ C □における共同発明者甲及び乙
が存在する場合、□ C □が、自社の発明者(甲)から特許を受ける権利を承継す
る場合、他社の発明者(乙)の同意も得る必要があるため、権利の承継に係る手続負
担が課題となっていた。また、例えば共同研究の途中で、従業者(共同発明者)の人
事異動が発生した場合は、再度、当該従業者から同意を取り直す等、権利の承継に
係る手続がより複雑化していた。これらは、昨今共同研究の必要性が高まる中、企
業のスピーディーな知的戦略実施の阻害要因のひとつとなっていた。
 そこで、特許を受ける権利を初めから□ C □に帰属させることにより、この
問題を解決することとした。
[解答群]
ア A:特許協力条約  B:使用者等  C:発明者
イ A:特許協力条約  B:発明者   C:使用者等
ウ A:特許法条約   B:使用者等  C:発明者
エ A:特許法条約   B:発明者   C:使用者等
第8問(H28)
 中小企業診断士であるあなたは、意匠登録出願をしようとしている顧客の経営者
X氏から相談を受けている。あなたとX氏との会話の組み合わせのうち、あなた
の回答が最も適切なものはどれか。

ア X 氏:弊社が開発した、ビデオディスクレコーダーの録画予約機能を発揮で
      きる状態にするために行われる操作に用いられる画像は、意匠登録の
      対象となるでしょうか。
  あなた:いいえ、意匠登録の対象とはなりません。ビデオディスクレコーダー
      の操作画像でテレビ受像器に表示されたものは、意匠登録の対象であ
      る「物品の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合」に該当せず、意
      匠登録を受けられる場合はありません。
イ X 氏:弊社のアイスクリームのヒット商品「診断くん」のデザインを一新しま
      した。ぜひとも意匠登録をして模倣品対策をしたいのですが、意匠登
      録は可能でしょうか。
  あなた:はい、意匠登録は可能です。アイスクリームは、時間の経過によりそ
      の形態が変化してしまいます。しかし取引時には固定した形態を有し
      ているので、意匠登録の対象となることはあります。
ウ X 氏:弊社のバラの造花は、デザイン性が高いため、売れ行きが非常に好調
      です。そこで、類似品が販売されるのを防止するため意匠登録をした
      いと考えています。このようなバラの造花は、意匠登録の対象となる
      ことはありますか。
  あなた:いいえ、意匠登録の対象となることはありません。貴社のバラの造花
      は、自然物の形状、模様、色彩を模したものですから、意匠登録の対
      象となることはありません。
エ X 氏:弊社は、仏壇の製造販売を行っています。このたび、大変斬新な形態
      の仏壇のデザインができたため、意匠登録をしようと考えています。
      この仏壇のデザインは意匠権に加えて、著作権によっても保護されま
      すか。
  あなた:いいえ、著作権によっては保護されません。美術的作品であっても、
      仏壇のように量産されるものであるときは、著作権により保護される
      ことはありません。貴社の仏壇は、著作権によってではなく、意匠権
      によってのみ保護されます。
第9問(H28)
 意匠法に規定される秘密意匠制度は、意匠登録出願人が、意匠権の設定の登録の
日から3年以内の期間を指定して、その期間その意匠を秘密にすることを請求する
ことができる制度である(意匠法第14条)。これは、先願により意匠権を確保して
おく必要があるものの、直ちに当該意匠の実施を行わない場合に意匠公報が発行さ
れることによる第三者の模倣を防止しようとする趣旨によるものである。
 このような秘密意匠制度に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 甲は、出願公開された特許出願を意匠登録出願に変更した。この場合、当該変
 更出願に係る意匠はすでに新規性を失っている。したがって、これを秘密にすべ
 き利益を失っているため、甲は、その意匠登録出願について秘密にすることを請
 求することができない。
イ 乙は、本意匠Aとそれに類似する関連意匠Bを同日に意匠登録出願した。こ
 の意匠登録出願の際、乙は、Aのみを秘密にすることを請求していた。この場
 合、その期間が経過するまで、Bについても秘密にすべき利益を保護する必要が
 生じる。したがって、Bに係る意匠登録出願の願書に添付した図面の内容が意匠
 公報に掲載されることはない。
ウ 丙は、意匠登録出願前に意匠が記載されたカタログを重要顧客に頒布した場合
 であっても、その意匠を秘密にすることを請求することができる。
エ 丁は、パリ条約の同盟国において意匠登録出願をした。その意匠が公報に掲載
 された後に、丁が日本国においてこの意匠登録出願に基づきパリ条約による優先
 権主張を伴う意匠登録出願をするときは、既に当該意匠を秘密にすべき利益を失
 っている。したがって、丁は、その意匠を秘密にすることを請求することができ
 ない。
第10問(H28)
 甲が商標Aについて商標登録出願を行ったところ、他人乙の先願先登録商標B
が、商標Aに類似する商標として引用され、拒絶理由通知が発せられた。この場
合に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 商標Aと商標Bの類否は、それぞれの商標が同一又は類似の商品に使用され
 た場合に、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決せ
 られる。
イ 商標Aと商標Bの類否は、まず、それぞれの商標の要部を抽出し、その後、
 商標Aと商標Bの要部のみを対比することにより、判断しなければならない。
ウ 商標Aの登録を乙が承諾している旨を示す証拠が提出された場合、乙の利益
 が害されることはないため、審査官は当該証拠を資料として参酌して登録する義
 務がある。
エ 商標Aは立体商標であり、その指定商品は有体物である。一方、商標Bは平
 面商標であり、その指定役務は、無体物である。この場合、商標Aと商標Bと
 は互いに類似とされることはないため、甲は意見書を提出して審査官の判断を覆
 すべきである。
第11問(H28)
 不正競争防止法(以下、「法」という。)に規定する商品等表示に関する記述として、
最も適切なものはどれか。なお、各選択肢中の「周知表示混同惹起行為」とは法第2
条第1項第1号に規定する行為をいい、「著名表示冒用行為」とは同第2号に掲げる
行為をいう。

ア 高級車ブランドとして知られるA社の著名な自動車に関する商品表示を、A
 と無関係の者であるBがサングラスに付して販売している。この場合、Bの行
 為は、著名表示冒用行為となると考えられるが、周知表示混同惹起行為となるこ
 とはない。
イ 製菓メーカーC社のポテトチップスの表示甲が普通名称化し、取引者・需要
 者間で普通名称として用いられるようになった場合、この普通名称化の前に既に
 表示甲がポテトチップスを表示するものとして著名であるときは、当該表示を普
 通に用いられる方法で使用する行為は、著名表示冒用行為となる。
ウ ピザの宅配業者であるDの営業表示乙は、現在、ある地域で周知である。表
 示乙が周知化する前から、Dと同一地域でピザの宅配業者Eが表示乙と類似の
 表示である丙を使用しているという事実がある。この場合、Dは、Eによる丙の
 使用に不正の目的がある場合でも、Eによる丙の使用を差し止めることができな
 い。
エ ヨーロッパの世界的アパレル・ブランドである企業Fの著名な商品表示を、
 スナックGがわが国の地方都市の郊外において商号として一店舗のみの看板な
 どに用いている。この場合、FG間に競争関係はないものの、周知表示混同惹起
 行為となることがある。
第12問(H28)
 以下の文章は、不正競争防止法上の営業秘密に関するものである。文中の空欄A
〜Cに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 不正競争防止法上の「営業秘密」に該当するためには、「秘密管理性」、
「□ A □」および「□ B □」の3つの要件を満たすことが必要である。
 この「秘密管理性」があるというためには、その情報に合法的かつ現実に接触する
ことができる従業員等からみて、その情報が会社にとって秘密としたい情報である
ことが分かる程度に、アクセス制限やマル秘表示といった秘密管理措置がなされて
いることが必要である。
 また、「□ A □」の要件は、脱税情報や有害物質の垂れ流し情報などの公序良
俗に反する内容の情報を、法律上の保護の範囲から除外することに主眼を置いた要
件であり、それ以外の情報であれば「□ A □」が認められることが多い。現実に
利用されていなくてもよく、失敗した実験データというようなネガティブ・インフ
ォメーションにも「□ A □」が認められ得る。
 さらに、「□ B □」があるというためには、合理的な努力の範囲内で入手可能
な刊行物には記載されていないなど、保有者の管理下以外では一般に入手できない
ことが必要である。なお、例えば、□ C □目的で、詐欺等行為又は管理侵害行
為によって、営業秘密を不正に取得する行為等は営業秘密侵害罪を構成しうる。

[解答群]
ア A:適法性  B:新規性   C:営利
イ A:適法性  B:非公知性  C:営利
ウ A:有用性  B:新規性   C:図利加害
エ A:有用性  B:非公知性  C:図利加害
第13問(H28)
 契約の成立に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア A市内の会社からB市内の会社に対して有効期間を明記した注文書を郵送で
 発送した場合、注文書に注文は撤回可能である旨の記載があっても、注文者は注
 文を撤回することができない。
イ インターネットショッピングでEC(電子商取引)事業者が顧客からの購買申込
 みを承諾する通知を電子メールで送信したが、顧客から購買申込みを撤回する電
 子メールによる通知がされた場合、契約の成否は承諾の通知の発信と申込撤回の
 通知の到達の先後により決せられる。
ウ 隔地者に対する契約の申込みは、申込みの発信後その到達前に申込者が死亡し
 た場合でも有効であるが、その申込みの相手方が承諾の発信前に申込者の死亡を
 知った場合には、申込みは効力を失う。
エ 株式会社の代表者同士の対面交渉において承諾期間を定めずに契約の申込みが
 された場合、相手方が直ちに承諾しなくても、申込みの効力は有効に存続する。
第14問(H28)
 債務者による詐害的な行為に対する債権者からの権利行使に関する記述として、
最も適切なものはどれか。

ア 債務者が債権者を害することを知ってした5年前の法律行為を債権者が知って
 から2年が経過するまでは、債権者は詐害行為取消請求に係る訴えを提起するこ
 とができる。
イ 債務者が第三者に対して有する債権をもって債権者の一部の者に代物弁済した
 場合、代物弁済に供した債権額が消滅した債務額を超過していなければ、他の債
 権者に対して詐害行為とはならない。
ウ 詐害行為によって譲渡された不動産が受益者から転得者へ譲渡され、詐害行為
 について受益者は悪意であるが転得者は善意である場合、債権者は詐害行為取消
 権を行使することができない。
エ 新設分割会社が新設分割設立株式会社に承継されない債務の債権者を害するこ
 とを知って新設分割をした場合、当該債権者は、その新設分割設立株式会社に対
 し、承継しなかった財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求できる。
第15問(H28)
 中小企業診断士であるあなたとX株式会社の代表取締役甲氏との間の以下の会
話を読んで、下記の設問に答えよ。

甲 氏:「当社で開発した遺伝子検査の新技術について、α国に本社のある会社に
    技術ライセンスを供与する交渉をしています。当社から英文契約書案を提
    示する予定で、担当者がひな形を準備したのですが、こういう条項につい
    てはどのようなことに注意すればいいですか。
    "Article XX Taxes
    II. All taxes, duties or levies that may be imposed by the Governments of
    Japan and α on any payment made to the Licensor under this Agreement
    shall be borne by the Licensee. In the event that the Licensee is required to
    □ A □ such tax from the amount paid to the Licensor hereunder, and
    to pay the tax for the account of the Licensor, the Licensee shall provide
    the Licensor with certificates of cash withholding and payment."」
あなた:「使用料の支払にかかる税金の負担についての条項ですね。まず支払国に
    おける知的財産の使用料に対する源泉徴収制度、次に日本・α国間の租税
    条約の有無を確認して、それらとの整合性をチェックする必要がありま
    す。α国で源泉徴収税を免除してもらうか、源泉徴収分を日本で外国税額
    控除の対象としてもらえないと、二重課税になりかねませんから。」
甲 氏:「当社は外国企業への技術ライセンスが多いので、知的財産の使用料に対
    する所得課税の税率が低いことで有名なβ国に現地法人を設立し、そこ
    に知的財産を集約して使用料収入の税負担を抑えるというプランの提案も
    受けています。」
あなた:「そうですか。そういう事業スキームを構想する場合には、専門家のアド
    バイスだけをうのみにせず、経営の原点に立ち返って考えた方がいいです
    よ。国際的な租税回避策に利用される“□ B □”に関して、β国は注視
    されている国ですし、その国での独立企業としての実体がなかったり、業
    態に応じた事業活動上の目的や必要性等の観点から、節税以外にその国に
    知的財産を集約する経済合理性を説明できなかったりすると、税務当局か
    ら租税回避行為と認定されるおそれもあります。」

(設問1)
 会話の中の空欄Aには、特定の所得の支払者がその所得(源泉所得)を支払う際
に支払金額から所得税額を差し引いて徴収し、その徴収額を国に納付するという
税制上の仕組みを意味する英単語の動詞が入る。空欄Aに入る語句として、最も
適切なものはどれか。

ア impose
イ pay
ウ provide
エ withhold
(設問2)
 会話の中の空欄Bに入る語句として、最も不適切なものはどれか。

ア tax haven
イ tax heaven
ウ tax inversion
エ tax shelter
第16問(H28)
 以下の文章は、経済産業省が公表している情報システムの企画・開発におけるモ
デル契約の解説を要約して抜粋したものである。文中の空欄A〜Dに入る語句の組
み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 ユーザ(委託者)がベンダ(受託者)に情報システムの構築を委託する場合、フェー
ズごとに、契約類型として準委任と請負のどちらとするかを選択しなければならな
い。
 □ A □ではベンダは仕事(受託業務)の完成の義務を負うのに対し、
□ B □ではベンダは仕事の完成についての義務は負わない。そうすると、受託
業務に着手する前の段階でベンダにとって成果物の内容が具体的に特定できる内部
設計やソフトウェア設計などのフェーズは、□ A □で行うことが可能である。
これに対し、システム化計画や要件定義のフェーズは、ユーザ自身にとっても業務
要件が具体的に確定しておらず、ベンダにとっても成果物の内容を具体的に想定す
ることは通常不可能であるから、□ A □にはなじみにくく、□ B □が適切
ということになる。
 □ A □では、ユーザに引き渡された成果物に瑕疵があった場合、ベンダは無
過失責任としての□ C □責任を負い、ユーザは修補や損害賠償を請求すること
ができ、瑕疵により契約の目的を達成できないときは契約を解除できる。これに対
して、□ B □の場合、□ C □責任を負うことはないが、事務処理に関して
善管注意義務違反があった場合には、□ D □責任を負うこととなる。
 実際の契約において、準委任型とするか、請負型とするかは、成果物の特定につ
いての当事者同士の経験や役割分担の遂行能力等に基づき、成果物についての共通
理解が事前に十分に成立しているかによるが、□ B □型としなかった場合、ユ
ーザ自身のシステム化計画や要件定義におけるステークホルダとの調整を行う責任
等が曖昧になり、要件定義上の見落としも生じやすいとの指摘が多い。
[解答群]
ア A:請負   B:準委任  C:瑕疵担保   D:債務不履行
イ A:請負   B:準委任  C:債務不履行  D:瑕疵担保
ウ A:準委任  B:請負   C:瑕疵担保   D:債務不履行
エ A:準委任  B:請負   C:債務不履行  D:瑕疵担保
第17問(H28)
 共有に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 共同相続された金融商品のうち、株式は共同相続人らの共有となるが、委託者
 指図型投資信託の受益権は相続分に応じて分割債権として各共同相続人に単独で
 承継取得される。
イ 共有に係る商標権の共有者は、他の共有者の同意を得なくてもその持分を譲渡
 することができるが、その商標権に係る通常使用権を他人に許諾することについ
 ては、共有者の持分価格の過半数によって決する必要がある。
ウ 共有不動産の共有者の1人の持分を競売により取得した買受人は、他の共有者
 との間で協議が調わなければ、その共有不動産全部について単独で所有権を取得
 することができない。
エ 不動産の共有者の1人は、共有不動産について全く実体上の権利を有しないの
 に持分移転登記を経由している者に対し、単独でその持分移転登記の抹消登記手
 続を請求することができる。
第18問(H28)
 上場準備中に行われる株式移動等に関する規制についての記述として、最も適切
なものはどれか。

ア 新規上場申請者の株式を最も多く所有する株主が、新規上場申請日の直前事業
 年度の末日から起算して2年前から上場日の前日までの期間において、新規上場
 申請者の株式を譲り受けた場合には、譲渡価格を新規上場申請のための有価証券
 報告書において開示する必要はない。
イ 新規上場申請日の直前事業年度の末日から起算して1年前より後において取得
 した新規上場申請者の株式については、当該末日から起算して1年前より前に発
 行された新株予約権を行使して取得したものであっても、上場後直ちに売却する
 ことはできない。
ウ 新規上場申請日の直前事業年度の末日から起算して2年前から上場日の前日ま
 での期間において、新規上場申請者の特別利害関係人が、新規上場申請者の株式
 を譲り受けると、東京証券取引所への上場は認められない。
エ 東京証券取引所が適当と認める役員又は従業員に報酬として割り当てられた新
 株予約権を行使して取得した新規上場申請者の株式については、上場後直ちに売
 却することができる。