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第1問(H19)
 入札談合に関する記述として最も適切なものはどれか。

ア 入札談合がなされた場合でも、入札談合行為がなく適法に入札が行われたと仮
 定した場合に想定される落札価額が、入札談合行為に基づき行われた実際の落札
 価額を上回っていれば、違法とはならない。
イ 入札談合等関与行為防止法では、公正取引委員会から、各省庁の長等に対し
 て、入札談合等関与行為を排除するために必要な改善措置を要求できる制度な
 ど、入札談合防止のための特別な規定が置かれている。
ウ 入札談合に参加した企業に対しては、独占禁止法では、課徴金を課すことがで
 きず、刑法の談合罪に該当した場合に限り、課徴金を課すことができる。
エ 入札において、国や県などの公共団体の関与なく、入札参加予定企業だけで話
 し合いを行って、落札予定価額や落札予定企業を定めることは何の問題もなく、
 違法とはなりえない。
第2問(H19)
 以下の内容のA株式会社の現在事項全部証明書がある。この現在事項全部証明書
だけから分かる内容として最も適切なものを下記の解答群から選べ。
 なお、現在事項全部証明書発行時において、登記事項はすべて適法に登記されて
いるものとする。
現在事項全部証明書
東京都○○区○○一丁目○○番○○号
A株式会社
会社法人等番号(略)
商 号A株式会社
本 店東京都○○区○○一丁目○○番○○号
公告をする方法官報に掲載してする。
会社成立の年月日昭和56年○○月○○日
目 的(略)
発行可能株式総数60万株
発行済株式の総数
並びに種類及び数
発行済株式の総数
49万5000株
株券を発行する旨
の定め
当会社の株式については、株券を発行する。
(登記日等略)
資本金の額金4億9500万円
役員に関する事項取締役B平成18年6月30日重任
平成18年7月10日登記
取締役C平成18年6月30日就任
平成18年7月10日登記
(中略)
取締役H平成19年6月29日就任
平成19年7月9日登記
東京都△△区△△二丁目△番△号
代表取締役H
平成19年6月29日就任
平成19年7月9日登記
監査役I平成17年6月28日就任
平成17年7月7日登記
監査役J平成17年6月28日就任
平成17年7月7日登記
取締役会設置会社
に関する事項
取締役会設置会社
(登記日等略)
監査役会設置会社
に関する事項
監査役設置会社
(登記日等略)
これは登記簿に記載されている現に効力を有する事項の全部であることを証明した書面である。
平成19年8月1日
東京法務局
登記官       K 印
[解答群]
ア この会社が、公開会社(会社法第2条第5号)であるかどうかは、この現在事
 項全部証明書からは分からない。
イ この会社では、株主総会決議によらないで、取締役会決議のみで、毎期の剰
 余金の配当(中間配当を除く)を行うことはできない。
ウ この会社に支店が設置されているかどうかは、この現在事項全部証明書から
 は分からない。
エ この会社は、大会社(会社法第2条第6号)である。
第3問(H19)
 募集株式と募集社債との比較に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 募集株式:必ずしも株券を発行する必要はない。
  募集社債:必ず社債券を発行しなければならない。
イ 募集株式:いかなる場合でも、取締役会の決議だけで発行できる。
  募集社債:いかなる場合でも、株主総会の特別決議がなければ発行できない。
ウ 募集株式:持分会社は発行できない。
  募集社債:持分会社も発行することができる。
エ 募集株式:割当てを受ける者が30人を超えた場合は、株式管理者を置かなけ
       ればならない。
  募集社債:割当てを受ける者の数や社債の金額を問わず、社債管理者を置かな
       ければならない。
第4問(H19)
 A、B、C、Dの4人は、4人で共同して、株式会社を設立することを予定して
おり、4人が役員となるとの前提で設立する会社の機関設計について検討してい
る。このときの4人の会話から結論づけられる株式会社の機関設計として最も適切
なものを下記の解答群から選べ。なお、( T )から( W )には、それぞれ株式
会社の異なる機関名が入るが、解答する必要はない。

A:「4人とも( T )になることでどうだろうか。」
B:「それでは、会社の会計責任者が誰なのか、対外的にはっきりしなくなってし
  まうから、今回は適当でないと思う。Dは税理士でもあるのだから、Dに
  ( U )か( V )になってもらった方がよいのではないか。」
D:「私も基本的にはBの意見に賛成だ。ただ、事業が順調に進めば、比較的短い
  期間で大会社(会社法第2条第6号)となる。そのときに、改めて機関設計をや
  り直すのでは手間がかかる。改めて設置しなければならない機関をなるべく少
  なくできるようにした方がよい。」
A、B、C:「もっともだ。」
C:「そうすると、Dは、( U )でも( V )でも、どちらでもよいのかい。」
D:「いや。私が( U )となって、A、B、Cの3人が( T )ということにな
  ると、大会社となったときに改めて( V )を設置しなければならない。それ
  を避けて、( T )を2人として、1人が( U )となるとすると、今度は
  ( W )を設置できなくなって、結局、後で、( T )を1人以上増やして
  ( W )を設置しなければならなくなるから、やはり面倒だ。最初から
  ( W )も設置して、私が( V )になる方がよい。」
A、B、C:「では、そうしよう。」

[解答群]
ア 取締役及び会計参与が設置されている会社
イ 取締役及び監査役が設置されている会社
ウ 取締役、取締役会及び会計参与が設置されている会社
エ 取締役、取締役会及び監査役が設置されている会社
第5問(H19)
 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
 中小企業診断士である甲氏は、顧問先のX株式会社(以下、「X社」という。)の社
長乙氏から、おおむね以下の内容の相談を受けた。それに続くのは甲氏と乙氏との
会話である。
 なお、本問における会社はすべて日本法人の取締役会・監査役設置会社とし、以
下に記載があるほかは、本件手続に支障のある事情はないものとする。また、本件
手続は、簡易組織再編行為・略式組織再編行為(会社法第784条・第796条)に該当
しないものとする。

[相談内容の概要]
 X社では、現在、販売部門の事業拡大を考えているが、X社の製品を販売する
子会社であるY株式会社(X社の100%子会社。以下、「Y社」という。)だけでは
人員も能力も足りない。
 そこで、販売部門が強いZ株式会社(以下、「Z社」という。)を傘下におさめた
いが、単純にZ社の発行済株式全部を買い取る方法はX社の都合で難しく、また
許認可の問題から事業譲渡の方法も難しいので、これら以外の方法でX社がZ
社の発行済株式全部を取得してZ社をX社の傘下におさめることができる方法を
知りたい。
 その場合、X社の100%子会社でX社の製品を販売する会社が2つになるの
で、Z社を傘下におさめると同時にZ社をY社に統合することも考えられる。

甲氏:「そうすると、本件でZ社を傘下におさめる方法としては、株式交換によ
   る方法と、いわゆる三角合併の方法の2通りが考えられます。」
乙氏:「株式交換というのと、三角合併というのは、何が違うのですか。」
甲氏:「□ A □」
(設問1)
 本件で想定されている株式交換の説明として最も適切なものはどれか。

ア X社が保有するX社の株式等と、Z社の発行済株式全部とを交換する方法。
イ X社が保有するY社の株式等と、Z社が保有するZ社の自己株式とを交換す
 る方法。
ウ Y社が保有するX社の株式等と、Z社の発行済株式全部とを交換する方法。
エ Y社が保有するY社の株式等と、Z社が保有するZ社の自己株式とを交換す
 る方法。
(設問2)
 本件で想定されている三角合併の説明として最も適切なものはどれか。

ア X社が、Z社の株主に対し、X社が保有するX社の株式を交付する方式で、
 Z社を吸収合併する方法。
イ Y社が、Z社の株主に対し、Y社が保有するX社の株式を交付する方式で、
 Z社を吸収合併する方法。
ウ Z社が、X社に対し、Z社の発行済株式全部を交付する方式で、Y社を吸収
 合併する方法。
エ Z社が、Y社に対し、Z社の保有するX社の株式を交付する方式で、Y社を
 吸収合併する方法。
(設問3)
 株式交換と三角合併の違いに関する説明として、空欄Aに入る最も適切なもの
はどれか。

ア 株式交換の場合は、X社の株主総会決議による株式交換契約の承認が必要で
 すが、三角合併の場合は、X社の株主総会決議による合併契約の承認は不要で
 す。
イ 株式交換の場合は、X社、Y社、Z社、いずれの会社の株主にも株式買取請
 求権が認められますが、三角合併の場合は、逆にいずれの会社の株主にも株式
 買取請求権が認められません。
ウ 株式交換の場合は、契約の当事者は、Y社とZ社の二社だけで足りますが、
 三角合併の場合は、契約の当事者は、X社、Y社及びZ社の三社でなければな
 らないと会社法上定められています。
エ 株式交換の場合は、交換の対価は株式か現金でなければなりませんが、三角
 合併の場合は、合併の対価は株式、現金、社債から選択することが認められて
 います。
第6問(H19)
 Y市で古くから製麺業を営むA製麺所は、4年ほど前からその材料と製法に工夫
を凝らした生麺を「○○○」という商品名で売り出し、A製麺所の店先や、Y市の
スーパーで販売をしていたが、商標「○○○」については商標登録出願をしていな
かった。A製麺所の生麺「○○○」は、今年に入って、ようやくY市でも味と食感に
優れたおいしい生麺として人に知られるところとなり、売れ行きも好調になってき
ていた。
 そのような矢先突然、株式会社B製麺所(以下、「B製麺所」という。)というとこ
ろから、A製麺所のものと同じ商標「○○○」で商品区分・第30類について商標権
を取得したので、A製麺所の商標「○○○」の使用を直ちに中止して欲しい旨の内容
証明が送られてきた。
 そこで、A製麺所から相談を受けたあなたが商標公報を見たところ、確かにB製
麺所は生麺、生そばを含む商品区分・第30類について商標「○○○」について商標
権を取得しているが、出願日はA製麺所が生麺を商標「○○○」で売り出した日から
2年後であることが判明した。
 A製麺所に対するアドバイスとして最も適切なものはどれか。

ア A製麺所が、商標「○○○」をB製麺所の登録出願日よりも先に使用を開始して
 いたといっても、わが国は先願主義によっており、先に出願され、商標権が取得
 された以上、B製麺所の登録商標と同一のA製麺所の商標使用は中止せざるを得
 ないと思います。
イ A製麺所の商標「○○○」を付した生麺は、味と食感に優れているということ
 で、今ではY市で知られた存在となっていることから、周知商標として保護さ
 れ、そのまま使用できるはずです。
ウ A製麺所は、B製麺所の商標登録出願日よりも前に商標「○○○」の使用を開始
 していたのですから、B製麺所の登録商標「○○○」は当然無効であるので、商標
 登録無効審判を提起できるはずです。
エ A製麺所は、B製麺所の商標登録出願日よりも前に商標「○○○」の使用を開始
 していたのである以上、当然使用する権利があるはずですから、その旨の回答を
 したらよいでしょう。
第7問(H19)
 外国出願については、各種国際条約や取り決めがなされており、出願の種類、出
願希望国とその国数、出願費用等により、さまざまな出願方法が選べるようになっ
ている。
 あなたが、顧問先の会社から外国出願について相談を受けた際のアドバイスとし
て、最も不適切なものはどれか。

ア 日本、イギリス、フランス、ドイツ、イタリアで特許権を取得したいというこ
 とであったので、日本でまず特許出願を行い、その後、この日本での特許出願に
 基礎を置く優先権を主張してヨーロッパ特許条約(EPC)に基づくヨーロッパ特許
 出願をするように勧めた。
イ 日本、中国、韓国、シンガポール、ベトナムで商標権を取得したいということ
 であったので、マドリッド協定議定書に基づく国際商標登録出願をするように勧
 めた。
ウ 日本、中国、韓国、台湾、インド、アメリカ、カナダ、イギリスで特許権を取
 得したいということであったので、特許協力条約(PCT)に基づく国際特許出願を
 するように勧めた。
エ 日本、中国、韓国で特許権を取得したいということであったので、まず、日本
 へ特許出願を行い、その後パリ条約に基づく優先権を主張して、中国、韓国へ国
 別に特許出願を行うように勧めた。
第8問(H19)
 特許法は、その第35条で職務発明について規定を置いている。この規定の内容
として、最も不適切なものはどれか。

ア 従業者等は、就業規則等の定めにより、職務発明について使用者等に特許を受
 ける権利を承継させたり、もしくは当該職務発明についての特許権を承継させた
 りした場合には、使用者等より相当の対価の支払を受ける権利を有する。
イ 職務発明でない場合に、あらかじめ勤務規則等で使用者等が特許を受ける権利
 を承継できる旨を定めても、それは無効である。
ウ 職務発明とは、従業者等が、その性質上使用者等の業務範囲に属し、かつ、そ
 の発明をするに至った行為がその使用者等における従業者等の現在または過去の
 職務に属する発明をいう。
エ 職務発明に関する相当の対価を決定するための基準は、重要な事項であるか
 ら、必ず勤務規則で定めなくてはならない。
第9問(H19)
 A社、B社、C社およびD社は、中小企業診断士であるあなたの顧問先である。
 A社は、売れ行き好調な自社製品(せんべいの製造装置)について特許権があるか
らうちは安心だと言っており、一方、B社は、X社の製品(おもちゃ)が売れ行き好
調のようなので、B社でも作りたいが、特許権があるということなので、手をこま
ねいているようである。
 また、C社は、Y社で今度発売された商品(自動按摩機)は、C社の特許製品をま
ねた商品で、しかも、C社の商品よりも、かなり安く発売されているので、Y社に
製造販売をやめるように要求すると言っている。
 さらに、D社では、このたび、D社で新しく開発した商品(家具転倒防止器具)
は、まだ世の中になく、どこも発売されていないものなので、早速量産して大々
的に売り出すと言っている。
 A社、B社、C社およびD社に対するあなたのアドバイスとして、最も不適切な
ものはどれか。

ア A社に対しては、特許権があるといっても、その特許権がA社の製品を本当に
 保護しているかどうかは別の問題ですから、本当に保護されているかどうかを検
 討しておいたほうがよいですよ、とアドバイスする。
イ B社に対しては、X社の特許権があるといっても、その特許権を侵害しないよ
 うに作ることができる場合があるようですから、X社の特許権の特許公報を取り
 寄せて、検討してみたらどうでしょうか、とアドバイスする。
ウ C社に対しては、それは大変なことなので、早速C社の取引先はもちろんのこ
 と、Y社の取引先にも、Y社の商品はC社の権利侵害品であるとの文書を送りつ
 けるように、とアドバイスする。
エ D社には、その商品が世の中に見当たらないといっても、第三者が特許権等を
 持っている場合もありますから、D社の新商品が権利範囲に入る有効な特許権や
 実用新案権、意匠権等がないかどうか調べておいたほうがよいですよ、とアドバ
 イスする。
第10問(H19)
 外国法人のA社が持つ、指定商品が「X」で「○○○」というローマ字の大文字で書
した先願既登録商標に対し、B社は同じく指定商品を「X」とし、「○○○CLUB」と
いう字句を同書、同大、同間隔、かつ一連に書して商標登録出願したところ、商標
権を取得できた。
 その後、A社は自社の登録商標「○○○」を付した商品の大々的な広告宣伝活動を
開始した。
 その結果、A社の自社登録商標は、B社の商標が登録された後ではあったが、A社の
商品を表示するものとして日本国内において広く人に知られる存在となった。その
後、B社は自社の登録商標「○○○CLUB」のうち「○○○」と「CLUB」の間を1文字
離して使用したところ、A社から警告書が送られて来た。
 この場合のB社の対応について、最も不適切なものはどれか。

ア 1文字も離すと、「○○○」と「CLUB」との間に、それぞれ別の意味が生じてく
 る可能性があることから、B社の登録商標「○○○CLUB」の使用とはいえない場
 合が生じてくるので使用を中止する。
イ 「○○○」と「CLUB」の間を1文字離して使用する場合、B社の方に信用のただ
 乗り(Free ride)意思があるとして、B社の登録商標は不正使用取消審判の対象
 となり得るので対策を考える。
ウ 商標「○○○」と「CLUB」の間を1文字離した程度では、商標「○○○」と
 「CLUB」の間の一体性は損なわれていないので、B社の登録商標「○○○CLUB」
 の使用であるとして使用を中止しない。
エ たとえ1文字離した程度であったとしても、A社の登録商標「○○○」が既に周
 知著名商標となっていることを考慮すると、A社の商品との間に出所の混同を生
 ずるとされる恐れがあるので使用を中止する。
第11問(H19)
 企業甲は、社長乙氏が代表取締役となり設立された携帯電話用のソフトウェアの
プログラムを開発する株式会社であり、開発部門の部長丙氏を含む20名の従業員
が就業している。
 社長乙氏が中小企業診断士のあなたに、従業員にかかわる企業甲の営業秘密の保
護の仕方について相談している。
 下記の設問に答えよ。

社長乙:「うちの営業を担当していた従業員が辞めるらしくてね。うちでもそろそ
    ろ、企業秘密について何か対策を取らなくてはならないと考えているとこ
    ろなんだ。この従業員からは辞めるに際して、守秘義務をうたった誓約書
    を取ったら十分かな。」
あなた:「もちろん、誓約書はあった方がいいですね。でも、誓約書を退職時に取
    るだけでは不十分ですよ。就業中から秘密情報は企業の重要な財産の一つ
    として守っていくべきですから、御社で企業秘密としたいものを、ちゃん
    と、法律によって保護される「営業秘密」という形にした方がよいと思いま
    すよ。」
社長乙:「営業秘密管理などといわれているものですか。マル秘マークを付けて、
    文書を保存したりするんでしょう。うちでも、重要な文書については
    「CONFIDENTIAL」というハンコを押してますよ。でも、実のところ、我
    が社の場合、一番重要な情報はプログラムなどのデジタルデータでしょ
    う。パソコンの中に入っているものまでは、ハンコは押せなくて…。」
あなた:「ハンコを押すかどうかということは、営業秘密であることを示す一つの
    事情にすぎないんです。「営業秘密」と認められる情報といえるためには、
    もっとたくさんのことをする必要があります。判例や経済産業省による指
    針などで示されている3要件を満たさなければなりません。」
社長乙:「何ですか。それは。」
あなた:「□ A □、□ B □、□ C □の3つになります。」
社長乙:「最初は□ A □ですか。それは当然ではないですか。」
あなた:「そうですが、実はこの点が認められないために、営業秘密には該当しな
    いとして、情報漏洩(ろうえい)された会社側が負けている判決が結構多い
    んですよ。」
社長乙:「判決っていうぐらいだと、会社の方は、当然、営業秘密になるんだと
    思って訴えているんでしょう。□ A □について詳しく教えてもらいた
    いですね。」
あなた:「まず、□ A □があると認められるためには、さらに□ D □と
    □ E □という要件が要求されています。先ほどのハンコの話は、文書
    情報に接した者にそれが秘密であると認識できるようになっているので、
    文書については□ E □の要件を満たすということがいえますね。た
    だ、御社は、デジタルデータについては何もしていないということになる
    かもしれません。」
社長乙:「どうすればよいですか。」
あなた:「まず、情報に接することのできる人を制限するなど、□ D □の要件
    を満たすことができるような社内体制を整えること、それについてマニュ
    アルを作成し、社内で周知徹底することなど、物理的管理や技術的管理を
    行い、これと並行して人的管理を行います。具体的には、就業規則で明示
    して、従業員や新入社員から秘密保持誓約書を取りつける。そのほか、従
    業員教育を行い、それぞれの責務を明確にすることです。」
社長乙:「営業秘密とすべき情報自体は、どのようなものでなければならないので
    すか。」
あなた:「□ B □の要件があります。情報自体が、客観的に事業活動に利用さ
    れていたり、利用されることによって、経費の節減、経営効率の改善等に
    役立つものでなければなりません。御社で開発したプログラムはもちろ
    ん、営業活動に資する顧客情報なども含まれることがあります。」
社長乙:「そういうものを、営業秘密として他の雑多な情報と区別して管理しなけ
    ればいけないということですね。」
あなた:「そのとおりです。最後に□ C □という要件も満たしていなければな
    りません。これも、秘密というくらいですから一般に入手できない情報で
    あることが必要となります。当たり前といえば、当たり前ですね。」
社長乙:「いろいろ大変そうですけど、情報は我が社の生命線ですから、早速、取
    りかからないといけないですね。」

(設問1)
 文中の下線部の法律においては、営業秘密の定義およびこれに関連して損害賠
償請求や刑事罰などの規定がある。この法律の名称として最も適切なものはどれ
か。

ア 個人情報の保護に関する法律
イ 商法
ウ 不正アクセス行為の禁止等に関する法律
エ 不正競争防止法
(設問2)
 文中の空欄A、B、Cのいずれにも、当てはまらないものはどれか。

ア 認識可能性(情報が秘密であると認識できること)
イ 非公知性(公然と知られていないこと)
ウ 秘密管理性(秘密として管理されていること)
エ 有用性(有用な情報であること)
(設問3)
 企業甲における営業秘密について、文中の空欄B〜Eに関連した説明として最
も適切なものはどれか。

ア □ B □:企業甲が脱税をしている事実を記載している情報について、こ
        れを秘匿していることが企業甲の利益につながることから、企
        業甲の営業秘密として□ B □の要件を満たすことができ
        る。
イ □ C □:一般に公表されている取引先の企業名やその住所について、こ
        れが当該企業のその他の情報と一体となって管理されている場
        合であっても、企業甲の営業秘密としては□ C □の要件を
        満たすことができない。
ウ □ D □:部長丙氏自らが職務上創作した情報について、これが社長乙氏
        のみがアクセスできるものとして□ D □の要件を満たし、
        企業甲の営業秘密として管理されている場合でも、部長丙氏が
        第三者に開示することができる。
エ □ E □:デジタルデータは、パスワードを設定してこれを知る人を限定
        するなど情報・人の管理の対象を明確化し、デジタルデータが
        保存されているデータベースを外部ネットワークから遮断する
        こと等により、□ E □の要件を満たすことができる。
第12問(H19)
 A社は、平成18年6月にA社の従業員Bが職務上創作した動物キャラクター「ぽ
かぽかうさぎ」について、これを商品化し、名称「ぽかぽかうさぎ」を付したキャラ
クター商品として平成19年度秋頃から日本国内で販売することを企画している。
 最も適切なものはどれか。

ア A社が、動物キャラクター「ぽかぽかうさぎ」に関する権利について著作権法に
 基づき保護を受けるためには、Bから権利の譲渡を受け、「ぽかぽかうさぎ」に関
 する権利の譲渡を受けたことについて文化庁に「著作権の移転等の登録」の手続を
 しなければならない。
イ A社は、動物キャラクター「ぽかぽかうさぎ」について、第三者C社にキャラク
 ター商品の製造および販売の委託をする際には、C社に対して独占的に動物キャ
 ラクター「ぽかぽかうさぎ」に関する著作権の使用許諾をしなければならない。
ウ 第三者Dが指定商品を「おもちゃ、人形」とし、「ぽかぽかうさぎ」との文字から
 構成される登録商標を有する場合でも、A社が動物キャラクター「ぽかぽかうさ
 ぎ」を立体化して作成したぬいぐるみのタグに「ぽかぽかうさぎ」というキャラク
 ター名称を小さく表示するのであれば、Dの商標権を侵害しない。
エ 動物キャラクター「ぽかぽかうさぎ」と外観の類似したキャラクターが、世間に
 名の知られていない、海外において出版された絵本の中に第三者Eにより描かれ
 ている事実が判明した場合にも、動物キャラクター「ぽかぽかうさぎ」創作時にB
 を含めたA社の従業員がこのような事実を全く知らなかったときは、キャラク
 ター商品の販売を中止しなくともよい。
第13問(H19)
 日本法人であるA社は、アメリカ合衆国において特許権Xを取得し、アメリカ
合衆国における事業展開を模索していたところ、特許権Xを実施したいと希望する
ニューヨーク州法人であるB社とライセンス契約締結交渉を行うに至った。交渉を
行う課程において、双方相手方との事業提携において、まず、最初の契約では、A
社がB社に対し、この契約を締結した日から1年間、当該契約を実施する権利を独
占的にライセンスし、実際に事業を行ってみて、両者にとってプラスになる事業提
携となるのであるならば、次年度以降ステップアップしていこうという趣旨の合意
をした。
 その結果、次の事項が当初のライセンス契約書に規定されることとなったが、こ
の条項の内容として最も適切なものを下記の解答群から選べ。
 なお、次の文中の語句について、「Licensor」はA社、「Licensee」はB社、
「Territory」はアメリカ合衆国内、「Patent」は特許権X、「Licensed Products」はX
特許実施品を意味するものとする。

Article ○ First Refusal Right
 Licensor shall grant Licensee a first right of refusal to negotiate in good
faith an exclusive license for the Licensor's rights of the Patent one (1) month
prior to the end of the term of this Agreement. Such license shall be exclusive in
the Territory, shall be on commercially reasonable terms and shall provide
License with an exclusive right to manufacture, have manufactured, use, sell,
have sold and offer to sell the Licensed Products in the Territory.
[解答群]
ア この条項により、A社はB社に対して、アメリカ合衆国内における特許権X
 の独占的な実施に関し、他者に優先して交渉する権利を付与した。
イ この条項により、A社はB社に対して、この契約の終了日の1ヶ月前まで
 に、この契約を更新するか否かの選択をする権利を付与した。
ウ この条項により、A社は特許権Xについて、この契約期間中、アメリカ合衆
 国において、B社以外にライセンスすることが禁止された。
エ この条項により、A社は特許権Xの関連特許について、この契約期間満了日
 の1ヶ月前までは、B社以外にライセンスすることが禁止された。
第14問(H19)
 日本の企業Aが海外の企業Bと国際取引をする場合において、最も適切なもの
はどれか。
 なお、各語句の意味は、国際商業会議所により作成された国際商取引慣習として
使用されている貿易取引条件の解釈に関する国際規則であるインコタームズの
「Incoterms 2000」に従うものとし、特に文中に明示されているもの以外は、当事者
間で特約はないものとする。

ア CIFとは、Cost, Insurance and Freight の略語であって、売買契約上定められ
 た船積港において、売主が船舶に目的物を船積みすることによって売主の引渡義
 務が完了し、売主が指定仕向港までの海上運賃と海上保険料を負担しない取引条
 件をいう。
イ FOB Osaka の条件であれば、大阪港が引渡場所となり、危険負担について
 は、この売買契約上定められた船積港において、物品が本船の舷側に設けられた
 手すりを横切って通過した瞬間に、売主から買主に移転する取引条件になる。
ウ 売買契約上、物品の引渡が「海上および内陸水路輸送」以外で行われる取引を予
 定している場合は、FOB、CIFいずれの条件によっても合意することができず、
 買主によって指定された運送人に引き渡すという合意をするほかない。
エ 弁済すべき場所について民法の原則は取立債務であるため、売買契約上、引渡
 義務の履行のためには売主が買主に送付すべきと合意されている場合には、目的
 物である物品が目的地に到達して、そこに買主が受領でできる状態に至ってはじめ
 て物品が特定する。
第15問(H19)
 次の文中の空欄A〜Dと@〜Cの用語の組み合わせとして最も適切なものを下記
の解答群から選べ。

 一般的な買収手続きは大まかに次のような段階を経て行うことが多い。
 まず、買収予定企業、売却予定企業双方の買収交渉開始の意向が確認されたら、
売却予定企業の事業や財務などの基礎的情報の提供を受けるため□ A □を行
う。ここで得られる情報は、売却予定企業の定款や株主名簿、税務報告書などであ
り、情報の量は売却予定企業の協力度合いによって異なる。
 これらの情報を検討し、買収価格や買収の方法、スケジュールなどの基本的条件
や付帯条件を交渉する。その結果、基本的な合意がなされた場合には、その双方の
意思を書面で確認するため□ B □を行う。ここでは最終的な契約の細目が確定
しているわけではなく、買収価格等は今後の調査の結果によって修正されるという
付帯条項がついていることが多い。
 次に、売却予定企業の事業内容や財務内容、さらには法務面等の詳細な調査であ
る□ C □を実施する。これによって買収価格の修正要因や、場合によっては買
収を断念せざるを得ない要因が発見されることがある。
 この結果をもとに買収価格の修正や支払い条件などの最終的な交渉をし、合意に
至れば最終的な契約書となる□ D □を行う。

《用語》
 @ 基本合意書の締結   A デューデリジェンス(Due Diligence)
 B 買収契約書の締結   C 秘密保持契約の締結

[解答群]
ア A:@   B:C   C:A   D:B
イ A:@   B:B   C:C   D:A
ウ A:C   B:@   C:A   D:B
エ A:C   B:B   C:A   D:@
第16問(H19)
 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
 製造業を営んでいる中堅非上場企業のX株式会社(以下、「X社」という。)の社長
である甲氏は、製品市場の競合の激化から事業の採算が悪化しており、これを打開
するために何らかの手立てが必要と感じていた。そのとき、ライバルの非上場企業
であるY株式会社(以下、「Y社」という。)から、お互いの会社を合併して事業を共
同で行わないかとの打診を受けた。
 それを聞いた甲氏は、Y社と合併することのメリットとデメリットを考えた。確
かにY社と合併すれば、取扱製品のシェアが拡大することから代理店に対する発
言力が増すとともに、生産量が増加するため原料の仕入先に対しても有利な調達が
可能となり利益率の改善が期待できる。
 しかし、合併となると、自身の経営権の問題や従業員の雇用の問題など解決しな
ければならない課題が多いとも感じていた。
 甲氏は会社の顧問であるコンサルタントの乙氏に助言を求めた。
 乙氏のアドバイスによると、事業を共同で行うことのメリットは十分あるが、そ
のためには何も合併を選択しなければならない訳ではなく、業務提携契約でも可能
である。また、事業を共同で行うことを重視するのであれば、合併に代えて株式移
転によるいわゆる□ A □を設立する方法もあるとのことであった。株式移転と
は、一または二以上の株式会社がその発行済株式の全部を新たに設立する株式会社
に取得させる企業再編の手法である。この方法によれば、X社は□ A □の傘下
の子会社として独立して存続するため、労働条件や人事ポストの調整、商号の統
一、企業文化の融合などの合併における諸問題を当面回避しながら、グループ会社
のシナジーを追及できる。この□ A □の設立は、平成9年の独占禁止法の改正
以後、商法及び会社法の整備により上場企業でもしばしば行われている企業の統合
手法の一つである。

(設問1)
 文中の空欄Aに入る最も適切なものはどれか。

ア 合同会社   イ 合名会社   ウ 持株会社   エ 持分会社
(設問2)
 文中の下線部の株式移転に関する説明として、最も不適切なものはどれか。
 なお、以下の説明文中の完全親会社および完全子会社は、それぞれ会社法第
773条第1項第1号および第5号に定義されている株式移転設立完全親会社およ
び株式移転完全子会社をいう。

ア 二以上の株式会社が共同して株式移転を行うためには、当該株式会社は株式
 移転計画を共同して作成しなければならない。
イ 株式移転計画には、株式移転により設立する完全親会社の目的、商号、本店
 の所在地、発行可能株式総数、完全親会社の設立時取締役の氏名等を定めなけ
 ればならない。
ウ 株式移転計画は完全子会社の株主総会の特別決議による承認が必要である。
 この場合に、完全子会社となる会社の規模が小さくても簡易な手続きは認めら
 れていない。
エ 完全親会社は、完全子会社の株式移転計画の承認が行われた日に、その発行
 済株式の全部を取得する。
第17問(H19)
 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
 株式を上場するためには、上場を申請する証券市場を開設する証券取引所が定め
た上場基準に適合しなくてはならない。一定の数値や一定の事実の有無によって判
定できるいわゆる形式的な要件を充足した会社が、当該取引所による事業内容や経
営体制、開示体制等に関する実質的な審査を受ける。前者の形式的な要件を形式基
準、後者の実質的な審査の考え方を実質基準と呼ぶことがある。
 形式基準は、□ A □、株式数、時価総額などの株式の流通や株価形成の確保
のための項目や、利益の額、純資産の額などの財務数値的な項目のほか、審査資料
として提出される財務諸表等に虚偽記載が行われていないこと、財務諸表等に添付
される公認会計士等の監査意見が適正であることや株式の事務代行機関の設置など
に適合する必要がある。それぞれの項目や具体的な数値は各市場によって異なって
いる。

(設問1)
 文中の空欄Aに入る最も適切なものはどれか。

ア 安定株式数
イ 株式数
ウ 債権者数
エ 取引先数
(設問2)
 文中の下線部について、東京証券取引所マザーズ市場、大阪証券取引所ヘラク
レス市場グロース基準、ジャスダック証券取引所ジャスダック市場の上場審査基
準としての形式基準の説明として、最も不適切なものはどれか。

ア ジャスダック市場では、原則として直前事業年度に当期純利益が計上されて
 いるか、経常利益が一定額以上であることが必要である。ただし、上場日にお
 ける時価総額が一定額以上となる見込みのある場合にはこれらの利益金額は問
 わない。
イ ヘラクレス市場グロース基準では、一定金額以上の純資産の額または上場時
 時価総額または利益の額のいずれかの項目に適合することが必要である。
ウ マザーズ市場では、利益の額の項目はないが、一定額以上の純資産の額の項
 目に適合する必要がある。
エ マザーズ市場、ヘラクレス市場グロース基準、ジャスダック市場のいずれに
 おいても株主数は上場時に最低の条件でも300人以上必要である。
第18問(H19)
 次の文中の下線部の一定の要件の説明として、最も不適切なものを下記の解答群
から選べ。

 新株予約権を活用した制度の一例としてストックオプションがある。これは、企
業が一定の金額で自社株を取得できる新株予約権を自社の従業員等に報酬として付
与するものをいう。
 報酬として無償で新株予約権を付与された個人の税務上の取り扱いは、新株予約
権の付与時にその価値に対して課税されるのではなく、新株予約権の権利行使時
に、行使して取得した株式の時価と行使価額との差額に対して課税される。しか
し、一定の要件を満たす場合には権利行使して取得した株式を譲渡するときまで課
税を繰り延べる特例が認められている。ストックオプション制度の導入に当たって
は、この税務上の適格要件にも注意することが必要である。

[解答群]
ア 権利行使価額の年間の合計額が1,200万円を超えないこと。
イ 新株予約権の行使は、付与決議の日後2年を経過した日から10年を経過す
 る日までに行わなければならないこと。
ウ 新株予約権は譲渡してはならないこととされていること。
エ 付与される者が取締役。監査役、使用人であること。ただし大口株主および
 その特別関係者を除く。