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第1問(H18)
 依頼者A氏から、小規模な会社を設立して新しい事業を行いたいが、会社法がで
きたことで会社の設立手続に変更があったのかどうか詳しく教えて欲しいとの依頼
を受けた。
 あなたのアドバイスとして最も適切なものはどれか。

ア 株式会社設立の登記を行う際に、出資の履行が行われたことを示す書面を添付
 しなければなりませんが、発起設立・募集設立いずれの場合も、当該書面は、銀
 行預金の残高証明だけで足りることになりました。
イ 現物出資に検査役の調査が不要となる範囲が拡大されましたので、現物出資財
 産について定款に記載された価額の総額が500万円以下であれば、検査役の調査
 は不要です。
ウ 取締役会が設置されない小規模な株式会社の場合は、設立手続も規模に応じて
 簡素な形式になりましたので、発起人が作成した定款に公証人の認証を受ける必
 要はありません。
エ 有限会社を設立することは原則できないこととなりましたが、特例として資本
 金の額が10万円以下であれば、設立する会社を有限会社とすることもできま
 す。
第2問(H18)
 株式会社の機関の設置に関する次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。なお、
各用語の定義は会社法2条による。

 会社法では、株式会社の機関の設置について、選択の自由を広く与えている。全
ての株式会社で設置しなければならない機関は、株主総会と取締役だけであり、他
の機関の設置は、原則として、任意に選択することができる。
 ただし、会社法では、株式会社の規模等に応じた一定の規制も設けている。
 例えば、□ A □の場合、その会社としての規模・特質に鑑み、取締役会の設
置が義務づけられている。つまり、これらの会社には、必ず取締役会が存在すると
いうことである。
 逆に、取締役会が設置されている株式会社という観点からみると、取締役会設置
会社には、□ B □の設置が義務づけられている。ただし、この場合にも例外が
ある。
 第1に、公開会社でない株式会社で、□ C □を設置している場合には、
□ B □を設置する必要はない。第2に、委員会設置会社の場合には、
□ B □を設置してはならない。
 また、会社の規模に着目すると、会社法上の大会社には、□ D □の設置が義
務づけられている。大会社については、公開会社であるか否かという点でさらに分
類すると、公開会社の大会社には、□ E □も設置しなければならない。した
がって、この場合には、必ず□ B □も設置されているということになる。ただ
し、公開会社の大会社に対する機関設計に関する義務にも例外はあり、公開会社で
あっても、委員会設置会社の場合には、□ B □を設置してはならないことか
ら、□ E □も設置することはできない。
 以上のように、株式会社の機関の設置には広く選択の自由が認められている一方
で、様々な規制も設けられている。そのため、違法な形で機関を設置してしまわな
いよう注意しなければならない。
(設問1)
 文中の空欄Aに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

ア 委員会設置会社、公開会社
イ 会計監査人設置会社、監査役会設置会社
ウ 委員会設置会社、監査役会設置会社、公開会社
エ 会計監査人設置会社、監査役会設置会社、公開会社
(設問2)
 文中の空欄B〜Eに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

ア B:会計参与   C:監査役    D:監査役会   E:会計監査人
イ B:会計参与   C:監査役会   D:会計監査人  E:監査役    
ウ B:監査役    C:会計監査人  D:会計参与   E:監査役会   
エ B:監査役    C:会計参与   D:会計監査人  E:監査役会   
第3問(H18)
 合同会社と有限責任事業組合(LLP)との差異についてまとめた以下の表の記載の
うち、最も不適切な項目の番号を下記の解答群から選べ
項目 合同会社  有限責任事業組合 
@ 法人格の有無ありなし
A 登記の有無ありなし
B 構成員が1名となった場合の
 組織の存続の可否
存続可能存続不可
(解散)
C 課税の対象合同会社組合の各構成員
[解答群]
ア @   イ A   ウ B   エ C
第4問(H18)
 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
 昨今、我が国でも、敵対的買収が行われるようになったが、敵対的買収に対す
る、いわば「究極の防衛策」として、MBO(経営陣による企業買収)を行い、ゴーイ
ング・プライベート(株式の非公開化)を実現することが可能である。
 ゴーイング・プライベートの手法の一例として、□ A □という法律を利用す
る手法を以下に取り上げる。
 ある公開会社X社について、X社の代表取締役P氏が株式を100パーセント保有
するQ社、Q社の100パーセント子会社であるR社を利用して、ゴーイング・プラ
イベートを実施する。
1 まず、R社がX社の株式の公開買付けを実施する。
  これにより、X社の全株主の株式の買付けに成功すれば、P氏が株式を100
 パーセント保有するQ社、Q社の100パーセント子会社R社、R社の100パーセ
 ント子会社X社となり、ゴーイング・プライベートが成功したことになる。
2 全株式の買付けに成功しなかった場合に、□ A □を利用して、R社が、X
 社との間で、□ B □交付による□ C □を実施する。
  これにより、X社の残った株主には、□ B □が交付され、これらの株主は
 X社の株主でなくなり、X社の経営から完全に排除されることになる。
  この結果、P氏が株式を100パーセント保有するQ社、Q社の100パーセント
 子会社R社、R社の100パーセント子会社X社となり、1と同様、ゴーイング・
 プライベートが成功したことになる。

(設問1)
 文中の空欄Aに入る最も適切なものはどれか。
ア 金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律
イ 経済産業省関係構造改革特別区域法
ウ 産業活力再生特別措置法
エ 証券取引法
(設問2)
 文中の空欄BおよびCに入る最も適切なものの組み合わせはどれか。

ア B:R社の株式   C:株式移転
イ B:R社の株式   C:株式交換
ウ B:金 銭     C:株式移転
エ B:金 銭     C:株式交換
第5問(H18)
 照明器具の製造販売をしている会社Xは、勤務規則において従業員がした職務発
明について特許を受ける権利を会社Xに譲渡することを定めている。従業員甲は、
照明器具の傘の形状を工夫し、照明灯の反射率を向上した照明器具aの発明をし
た。この照明器具aは、形状に特徴を持った発明であると共に、デザイン的にも新
規で優れた形態を有している。そこで、従業員甲は、勤務規則に基づいて照明器具
aについての特許を受ける権利を会社Xに1999年12月20日に譲渡した。
 会社Xは、この特許を受ける権利に基づいて2000年1月20日に特許出願をし、
特許権Aを2002年4月20日に取得したので、2年後の2004年4月20日に照明器
具aを商品化して製造販売を開始した。
 すると、ライバルの会社Yから、「貴社の照明器具aは、わが社の意匠権Bを侵
害するので製造販売を中止してもらいたい。」という警告を受けた。そこで会社Xが
調査したところ、会社Yの意匠権Bは、会社Xの特許出願日より遅い2000年12月
30日に出願されており、意匠権Bに係る意匠は、会社Xが製造販売する照明器具
aと全く同一で、この意匠権Bについての意匠登録を受ける権利は、会社Xの従業
員甲から譲渡されたものであることが判明した。会社Xの勤務規則には、意匠登録
を受ける権利に関する規定は存在していない。
 そこで、あなたは、会社Xからどのように対応したらよいか相談を受けた。この
相談に対するあなたのアドバイスとして、最も適切なものはどれか。
ア 会社Xの勤務規則に意匠登録を受ける権利に関する規定がないので、会社Xの
 従業員甲が意匠登録を受ける権利を会社Yに譲渡することは何の問題もなく、会
 社Xは、会社Yの許諾を得なければ、照明器具aについて継続して製造販売する
 ことはできません。
イ 会社Yの意匠権Bの意匠登録を受ける権利は、会社Xの従業員甲が創作した意
 匠についてでありますので、会社Xは、このまま照明器具aについて製造販売を
 継続しても問題はありません。
ウ 会社Yは、会社Xの従業員甲に相当の対価を支払って意匠登録を受ける権利の
 譲渡を受けて意匠権Bを取得したものでありますから、会社Xは、会社Yが従業
 員甲に支払った対価を会社Yに支払えば、意匠権Bが会社Xに移転されます。
エ 従業員甲は、会社Xの従業員であり、もともと会社Yに意匠登録を受ける権利
 を譲渡することなど許されないことなので、会社Yの意匠権Bは無効であり、会
 社Xは、従業員甲の意匠登録を受ける権利に基づいて意匠登録出願を行えば、独
 自に意匠権を取得することができます。
第6問(H18)
 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
 著作物は、思想又は感情を□ A □に表現したもので、著作権は□ B □の
時に発生し、個人の著作権は□ C □の経過によって消滅する。著作者には、著
作者人格権が認められており、この著作者人格権には□ D □が認められてお
り、著作権を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対して、その□ E □を
請求することができる。

(設問1)
 文中の空欄Aに入る語として、最も適切なものはどれか。

ア 技術的   イ 創作的   ウ 独創的   エ 美的
(設問2)
 文中の空欄Bに入る語として、最も適切なものはどれか。

ア 著作権設定登録申請     イ 著作権登録
ウ 著作物の公表        エ 著作物の創作
(設問3)
 文中の空欄Cに入る語として、最も適切なものはどれか。

ア 公表後50年         イ 著作者の死後50年
ウ 著作者の死後100年      エ 著作権設定登録の日から25年
(設問4)
 文中の空欄Dに入る語の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

ア 公表権、実名使用権、秘密保持権
イ 公表権、指名開示権、同一性使用権
ウ 公表権、氏名表示権、同一性保持権
エ 公表権、変名使用権、同一性保持権
(設問5)
 文中の空欄Eに入る語として、最も適切なものはどれか。

ア 侵害物品に対する仮差押え  イ 侵害による損害賠償
ウ 侵害の停止又は予防     エ 侵害物品の引き渡し
第7問(H18)
 会社Xは、会社Xの社長甲を中心としたプロジェクトチームを編成し、パーソナ
ルコンピュータ内臓型のテレビジョンの開発に取り組み、この開発に成功し、この
テレビジョン受像器に関連して十数件の特許出願をした。その後、会社Xの社長甲
は、特許出願した十数件の案件が特許になっていない状態であるが、特許出願後、
この特許出願が公開されたので、このパーソナルコンピュータ内蔵型のテレビジョ
ンの製造販売を行うこととした。しかし、パーソナルコンピュータ内蔵型のテレビ
ジョンの開発にあたって当初予定していた金額よりはるかに膨大な費用が掛かって
しまったため、会社Xには、その資金が不足して、実施化が難しくなっていた。
 そこで、あなたは、会社Xの社長甲からどのように資金を調達したらよいか相談
を受けた。
 この相談に対するあなたのアドバイスとして、最も不適切なものはどれか。

ア 会社Xの増資を行って資金調達を行う。
イ テレビジョン受像器に関連する十数件の特許出願に係る発明に質権を設定して
 資金調達を行う。
ウ テレビジョン受像器に関連する十数件の特許出願に係る発明に対して実施権を
 許諾してロイヤリティを得ることによって資金調達を行う
エ テレビジョン受像器に関連する十数件の特許出願に係る発明をファンドに組み
 込み、資金調達を行う。
第8問(H18)
 ケーキ、チョコレートの専門店Xを経営するパティシエ(菓子作り専門の職人)甲
は、生クリームとチョコレートとフルーツを用い、スポンジケーキの上にデコレー
トして『女性の憧れ』をイメージするモチーフを創作し、図案化した。このモチーフ
をチョコレートケーキに具現化するには、機械を用いて製作できるものではなく、
人手によらなければできないものであるため、パティシエ甲は、この自ら創作した
モチーフに基づいてチョコレートケーキaを1つ1つすべて手作りで製作し、バレ
ンタインデー(2月14日)に販売することにした。
 そこで、パティシエ甲は、チョコレートケーキaが素晴らしいデザインに仕上
がっており、このまま販売すると他のパティシエに模倣される恐れがあるので、自
分が職人技で作り上げたチョコレートケーキaのデザインを何とか保護したいと考
えた。
 そこで、あなたは、パティシエ甲から、このデザインの保護はどのようにして受
けられるのか相談を受けた。この相談に対するあなたのアドバイスとして最も適切
なものはどれか。

ア チョコレートケーキaのデザインは、『女性の憧れ』をイメージするモチーフと
 して図案化したものの著作物に該当し、著作権法で保護を受けることができま
 す。
イ チョコレートケーキaのデザインは、パティシエ甲が手作りによって製作した
 チョコレートケーキa(物品)の形状に特徴を有するものですから、物品の形状の
 意匠に該当し、意匠法で保護を受けることができます。
ウ チョコレートケーキaのデザインは、パティシエ甲が独自の製作技術を駆使し
 て考案したもので独創性を有しており、物品(チョコレートケーキa)の形状に係
 る考案に該当し、実用新案法で保護を受けることができます。
エ チョコレートケーキaのデザインは、パティシエ甲が独特の手順(方法)に基づ
 いて製作することによって完成するものですから、パティシエ甲の独特の製作手
 順が物(チョコレートケーキa)を製造する方法の発明に該当し、特許法で保護を
 受けることができます。
第9問(H18)
 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
 X社は、ライセンス事業をその主な目的とする会社であり、指定商品・役務を
「被服」とし「○○○」の文字からなる登録商標(以下、登録商標「A」という)につい
て、登録商標「A」の商標権者であるYとの間にマスターライセンス契約を締結して
いた。ただし、専用使用権、通常使用権の登録はなされていなかった。さらに、
X社は、Z社との間に登録商標「A」を使用した被服を製造、販売する権限を付与す
ることを内容とするサブライセンス契約を締結し、Z社からロイヤリティ及びミニ
マムギャランティーを取得し、収入を得ていた。
 ところが、X社は、YがB社に登録商標「A」を譲渡するとの説明をYから受けて
これを信じ、本件マスターライセンス契約と、Z社とのサブライセンス契約を解除
した。
 両契約の解除後しばらくして、YとZ社が直接ライセンス契約を締結し、Z社が
登録商標「A」を使用したジャケットやシャツ等を販売している事実が判明した。そ
こで、X社が、Z社に対する事情聴取等の調査をしたところ、次の事実が判明し
た。
 Z社は、Yから、X社の支払遅延を理由にマスターライセンス契約を解除したの
で直接契約を締結したいという説明を受けて、X社に問い合わせたところ、誠実な
回答が得られなかった。そこで、Z社は事業継続のためやむを得ずYと直接契約し
たのであった。
 なお、Yには、B社に登録商標「A」を譲渡した事実および譲渡する意図はなく、
YがX社にした説明の内容は全くの虚偽であり、また、X社はYに対して支払いの
遅延をしたことはなく、YがZ社に対して説明した内容は全くの虚偽であった。
(設問1)
 X社が主張できるものとして最も適切なものはどれか。

ア X社はYに対し、不法行為責任に基づき、少なくとも、サブライセンス契約
 およびマスターライセンス契約が有効であれば本来X社が受け取るはずであっ
 たロイヤリティ相当額を、X社が被った損害の賠償として請求することができ
 る。
イ X社はYに対し、本来X社が受け取るべきロイヤリティをYが受け取ったこ
 とから、YがZ社から受け取ったロイヤリティ相当額を、債務の履行として請
 求することができる。
ウ X社はZ社に対し、不法行為責任に基づき、少なくとも、サブライセンス契
 約およびマスターライセンス契約が有効であれば本来X社が受け取るはずで
 あったロイヤリティ相当額を、X社が被った損害の賠償として請求することが
 できる。
エ X社はZ社に対し、本来X社に支払われるべきロイヤリティをX社に支払わ
 なかったことから、Z社がYに支払ったロイヤリティ相当額を、債務の履行と
 して請求することができる。
(設問2)
 文中の下線部のミニマムギャランティーの説明として最も適切なものはどれ
か。

ア サブライセンス先がライセンサーに対し、契約期間中、契約を遵守すること
 を担保とするために預ける金額
イ サブライセンス先がライセンサーに対し、契約の成立を証するための証拠と
 いう趣旨で支払う金額
ウ サブライセンス先がライセンサーに対し、ロイヤリティの最低保証金額とし
 て合意した期間ごとに支払いを約束している一定の金額
エ サブライセンス先がライセンサーに対して支払う期間中の販売実績基準とし
 てその商品卸売価格総額に一定の料率を乗じた金額
第10問(H18)
 次の文章の空欄A〜Cに入る最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選
べ。
 商品の販売やサービス提供の促進のために□ A □を媒体において利用する権
利、あるいは□ A □を商品の販売やサービスの提供のために利用することに関
する一種の財産権を意味するものとして□ B □という言葉がある。この言葉は
もともと英語の「Merchandising Rights」を語源とするが、現在、日本において、
□ B □を明文化した法律が存在せず、定義も一義的に定まっていない。しかし
ながら、日本の法律により□ B □が全く保護されないというわけではない。現
在の実定法上□ C □を初めとして複数の法律が適用されうるが、いずれも網羅
的に□ B □を保護しないということである。
 □ A □のオリジナルは何か、利用される媒体は何か、利用形態がどのような
ものか等によって、保護の法的根拠が異なりうる。また、保護されるための要件に
ついて、ある法律では□ A □の名称を登録するなどの一定の手続きを必要と
し、別の法律では□ A □の名称が広く知られていることを必要とするなど、法
律によって保護されるための要件が異なる。
 したがって、□ A □に関して他者に使用許諾する場合は、使用許諾する対
象、使用許諾する範囲を明確にし、その権利処理を慎重に行わなければならない。

[解答群]
ア A:楽曲       B:商品化権      C:不正競争防止法
イ A:楽曲       B:商品管理      C:商標法
ウ A:キャラクター   B:商品化権      C:著作権法
エ A:キャラクター   B:商品管理      C:不正競争防止法
第11問(H18)
 A社がB大学と共同研究開発を行う際に、その契約の内容について、A社に対す
るアドバイスとして最も適切なものはどれか。

ア 共同研究開発契約において、共同研究開発の成果物を各自自由に活用できるこ
 とが自己の権利を保護することにつながるので、B大学が第三者に対し共同研究
 開発の成果物を譲渡、ライセンスする際にA社の同意を不要と定めた方がよい。
イ 共同研究開発契約において、契約の有効期間と研究開発期間は必ずしも一致し
 ないため、契約の対象となる研究開発行為を明確にし、一定の成果を一定期間内
 にあげるためには、研究開発期間(始期と終期)を契約の有効期間と区別して定め
 た方がよい。
ウ 共同研究開発における発明に関しては、A社とB大学がともに発明者となり、
 いずれかが特許の出願手続を行い登録されれば両者が特許権の共有者となるの
 で、共同出願に関する定めはしなくてもよい。
エ 共同研究開発の成果を論文発表することは、製品の良い宣伝となり販売促進に
 つながるから、共同研究開発の成果を特許出願する日が6ケ月よりも先になりそ
 うでも、できるだけ早くB大学に論文発表を行ってもらう定めをした方がよい。
第12問(H18)
 日本の法律に基づいて設立され東京に本社を構えるA社は、アジアの一国である
B国の法律に基づいて設立されB国内に本店を構えるC社と交渉を重ねた。その結
果、A社は、C社をB国におけるA社製品の販売総代理店と指定し、B国に精密機
器Xを輸出することとなった。A社にとって初めての輸出であり、この取引が成功
すれば、今後、米国を含む他国に対しても輸出をしていきたいと考えている。な
お、精密機器Xには、軍事用に転用可能であり、かつ、米国において開発された技
術・ソフトウェアが組み込まれている。その技術・ソフトウェアの、精密機器Xに
おける価値の割合は30%を越えている。
 C社との販売代理店契約を締結するにあたって、A社に対するアドバイスとして
最も適切なものはどれか。

ア A社がC社に対し精密機器XについてB国内における独占的な販売権限を与え
 ることを内容とする販売代理店契約を締結する場合でも、この販売代理店契約に
 関して生じた紛争の裁判管轄をB国内の裁判所と定める必要はない。
イ A社が精密機器Xを民間利用目的で製作した場合、外国為替及び外国貿易法に
 おける輸出規制は世界及び日本の安全保障のための規定であるので、外国為替及
 び外国貿易法の輸出規制の対象とされる製品あるいは技術に該当するか確認する
 必要はない。
ウ C社に対する製品引渡しの地点を日本国内の横浜港と合意した場合、A社C社
 間の取引はFOB横浜の条件によることが決まるので、C社との間での別途通関手
 続の負担に関する取り決めをする必要はない。
エ 日本からB国に精密機器Xを輸出する場合、米国内の企業と直接取引をするわ
 けではないので、精密機器Xが米国による米国製品の再輸出規制における対象製
 品に該当するか確認する必要はない。
第13問(H18)
 国際取引に関する英文契約書の各条項について、最も適切なものはどれか。

ア 「裁判管轄(Jurisdiction)」を定めた条項において、本契約に関して生じた紛争
 を解決するために特定の裁判所が「裁判管轄」を有することのみを規定する場合
 は、本契約に関する紛争が生じたときには、この特定の裁判所に訴訟を提起する
 以外の解決方法がないこととなる。
イ 「準拠法(Governing Law)」を定めた条項において、「準拠法」を日本法と指定す
 る場合は、本契約に関して生じた紛争を解決するための裁判所を日本国内の裁判
 所としなければ、この条項は無効となる。
ウ 「仲裁(Arbitration)」を定めた条項において、民間の機関によって仲裁人の選定
 が行われると定めた場合は、日本において「仲裁」は裁判所により指名された仲裁
 人により行わなければならないので、この条項は無効となる。
エ 「不可抗力(Force Majeure)」を定めた条項において、免責される「不可抗力」の
 具体的事由に天災地変のほか戦争、内乱、ストライキや労働争議という事由も定
 めた場合は、債務者が戦争、内乱、ストライキや労働争議を理由に債務を履行で
 きないとしても履行義務を免れることとなる。
第14問(H18)
 株式を上場していないベンチャー企業が、ベンチャーキャピタルから投資を受け
る場合の記述として、最も適切なものはどれか。

ア 全部の種類の株式に譲渡制限が付されているベンチャー企業において、ベン
 チャーキャピタルから第三者割当増資による資金調達を実施する場合、取締役会
 で募集株式の数の上限、払込金額の下限を決定しておけば、募集事項の決定を代
 表取締役に委任することができる。
イ ベンチャー企業が、第三者割当増資による株式の発行日以前6ケ月以内に同一
 種類の株式を発行している場合で、勧誘の相手方の人数を通算して50名以上と
 なり、かつ、発行価額の総額を通算して1億円以上となるときは有価証券届出書
 が必要となる。
ウ ベンチャーキャピタルが運営する投資事業有限責任組合は、その金額規模や出
 資者の人数に関係なく有価証券届出書を提出しているため、ベンチャー企業が投
 資事業有限責任組合から出資を受ける際に、ベンチャー企業は投資事業有限責任
 組合の内容について縦覧することができる。
エ ベンチャーキャピタルから第三者割当増資により資金調達する場合、発行価格
 は相続税財産評価基本通達に定める方式で算出した価格にすべきであり、それ以
 外の価格による場合には株主総会の特別決議が必ず必要となる。
第15問(H18)
 中小企業診断士である甲氏は、自社の株式公開の検討を始めた顧問先の社長か
ら、次のように資本政策についての相談を受けた。下記の設問に答えよ。

社長:「株式公開に伴って新株発行を行うと、私が保有する株式の議決権比率も下
   がり、それが会社の経営にも影響してくると思うのですが、これは避けられ
   ないことなのでしょうか。」
甲氏:「そうですね。新株発行による資金調達は、結局は経営権を切り売りするこ
   とですから、ある程度の支配力の低下は避けられないことです。ただ、公開
   前の資本政策において、安定株主を確保することによって、一定の径営支配
   力の確保をすることは可能です。」
社長:「なるほど。一方で、以前から私は、株式公開をすることによって、長年勤
   続して頑張ってくれた当社従業員に対して報いる方法はないかと考えていた
   ので、安定株主対策と従業員へのインセンティブの付与が同時に可能な方法
   も考えられるのでしょうか。」
甲氏:「従業員へのインセンティブであり、かつ、現在または将来の安定株主に
   なってもらうような方法としては、具体的には、□ A □等が考えられま
   すね。」
社長:「わかりました。資本政策の策定の際にはぜひ検討してみようと思います。
   ところで、安定株主との間に信頼関係や取引関係がある間は特段問題ないと
   思うのですが、当社との関係や経済情勢が変化したような場合は、必ずしも
   株式を売却しないという保証はないですよね。上場後に安定株主が減少して
   流通する株式数が増加してしまったような場合、他者から敵対的買収を仕掛
   けられる可能性もあると思うのですが、そのような場合、経営支配権を防衛
   するような手立ては何かあるのでしょうか。」
甲氏:「そうですね。例えば@ライツプランなどが考えられます。」
社長:「なるほど。上場後に流通株式が増加してしまったような場合にも、経営支
   配権を維持するための方法を採ることは可能なのですね。ただ、上場後は他
   の一般株主の利益も重視されるようになりますから、やみくもに買収防衛策
   を講じるようなことは許されないでしょうね。」
甲氏:「おっしゃる通りです。経済産業省と法務省が合同で公表した『企業価値・株
   主共同の利益の確保または向上のための買収防衛策に関する指針(2005年5
   月27日)』においては、買収防衛策は、企業価値、ひいては、株主共同の利
   益を確保し、向上させるものでなければならないこととされ、買収防衛策は
   A三原則に従うべき旨が謳われています。」

(設問1)
 文中の空欄Aに入る語句として、最も適切なものはどれか。

ア 業績連動賞与        イ 自社の株式を譲渡制限株式とする
ウ 執行役員制度の導入     エ ストックオプションの付与
(設問2)
 文中の下線部@のライツプランに関する記述として、最も不適切なものはどれ
か。

ア ライツプランとは、一般的には、会社が平時に新株予約権を株主等に付与
 し、敵対的買収者が一定の株式を買い占めた際に、買収者以外の株主に大量の
 株式を発行して買収者の持株比率を劇的に低下させる仕組みである。
イ ライツプランの導入により、特定の種類株式を敵対的買収に反対する者に対
 して発行しておき、取締役の選任等の特定の議案を、当該種類株主総会の決議
 が必要なものと取り決めることにより、敵対的買収に備えることができる。
ウ ライツプランを導入した場合、経営者と敵対的買収者の交渉において、経営
 者、敵対的買収者の双方が、その経営戦略を株主に対して積極的に説明して指
 示を取付ける努力を行う効果がある。
エ ライツプランを導入している企業を買収する場合、敵対的買収者はライツプ
 ランが発動される前に、経営者にライツプランを消却してもらうように交渉を
 行うこととなるため、買収者と経営者が交渉する時間と機会を確保できる効果
 がある。
(設問3)
 文中の下線部Aの三原則に含まれる原則として、最も不適切なものはどれか。

ア 企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則
イ 事前開示・株主意見の原則
ウ 真実性・継続企業の原則
エ 必要性・相当性確保の原則
第16問(H18)
 譲渡制限株式に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 株式会社は、原則として、譲渡等承認請求の日から3ケ月以内に承認するか否
 かの決定を通知しなかった場合、当該譲渡等を承認したものとみなされる。
イ 譲渡制限株式を発行した株式会社に対し、譲渡制限株式を譲渡しようとする株
 主は譲渡承認の請求をすることができるが、譲渡制限株式を取得した者からの請
 求はできない。
ウ 定款で定めることにより、譲渡制限株式の譲渡に関する承認機関を代表取締役
 とすることができる。
エ 定款において、譲渡による株式の取得について、当該株式会社の承認を要する
 旨を定めた場合には、相続・合併による取得についても、当該株式会社の承認が
 必要である。
第17問(H18)
 X社は、A氏を筆頭株主として、他にA氏の友人3名から出資を受けている株式
会社である。このX社では取締役会及び監査役会を設置しており、A氏を代表取締
役とし、A氏から就任を依頼された社外取締役B氏、その他3名の取締役がいる。
X社は取締役会の承認を得たうえで、A氏に対して貸付を行った。取締役B氏は他
の取締役3名とともに当該取締役会に出席し、当該承認に係る決議に賛成してい
る。その後A氏は、個人的理由により借入金の弁済が不能となり、会社に損害が発
生した。
 この場合、代表取締役A氏、取締役B氏の会社に対する損害賠償の責任に関する
以下の記述のうち、最も適切なものはどれか。

ア 代表取締役A氏は、当該貸付取引から生じた会社の損害について、故意または
 過失が存在しないことを証明することにより、損害賠償の責任を免れることがで
 きる。
イ 当該貸付取引から生じた会社の損害に対する代表取締役A氏の賠償責任は、総
 株主の同意をもって免除することができる。
ウ 取締役B氏は、その職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない場合、定款
 の定めがなくても、当然に損害賠償の責任が免除される。
エ 取締役B氏は、取締役会の承認決議に賛成したに過ぎないため、当該貸付取引
 から生じた会社の損害について、損害賠償の責任を負うことはない。