第1問(R3)
 会社法が定める株式会社の社債に関する記述として、最も適切なものはどれか。
 なお、本問における会社は取締役会設置会社である。

ア 公開会社ではない会社においては、社債の募集事項の決定は、株主総会の決議
 によらなければならない。
イ 公開会社においては、社債の募集事項の決定は、すべて取締役会の決議によら
 なければならず、代表取締役に委任できる事項はない。
ウ 社債権者は、社債の種類ごとに社債権者集会を組織する。
エ 社債を発行する場合、発行する社債の総額が1億円以上である場合には、必
 ず、社債管理者を設置しなければならない。
第2問(R3)
 民法が定める消費貸借に関する記述として、最も適切なものはどれか。
 なお、「民法の一部を改正する法律」(平成29年法律第44号)により改正された民
法が適用されるものとし、附則に定める経過措置及び特約は考慮しないものとする。

ア 金銭の消費貸借契約がその内容を記録した電磁的記録によってなされたとして
 も、その消費貸借は、諾成的消費貸借契約としての効力を有することはない。
イ 書面により金銭の消費貸借契約を締結した場合、貸主から金銭を受け取る前に
 借主が破産手続開始の決定を受けたときは、当該消費貸借は、その効力を失う。
ウ 書面により金銭の消費貸借契約を締結した場合、借主は、貸主から金銭を受け
 取る前であっても、当該契約を解除することはできない。
エ 書面により金銭の消費貸借契約を締結した場合、当該契約書に返還時期を定め
 たときは、借主は、当該返還時期まで、金銭を返還することはできない。
第3問(R3)
 いわゆる簡易合併手続に関する会社法における記述として、最も適切なものはど
れか。

ア 簡易合併手続においては、存続会社のすべての株主に株式買取請求権が認めら
 れるが、存続会社における債権者保護手続は不要である。
イ 簡易合併手続は、吸収合併契約締結から合併の効力発生日まで20日あれば、
 実施することが可能である。
ウ 簡易合併手続は、存続会社及び消滅会社のいずれにおいても、合併承認に係る
 株主総会の決議を不要とする手続である。
エ 存続会社の全株式が譲渡制限株式であり、かつ、合併対価の全部又は一部がか
 かる存続会社の譲渡制限株式である場合、簡易合併手続を用いることはできない。
第4問(R3)
 破産手続及び民事再生手続に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 破産手続においては、否認権は認められているが、民事再生手続においては、
 否認権は一切認められていない。
イ 破産手続においては、別除権が認められているため、担保権者は破産手続によ
 らずに担保権を行使することができるが、民事再生手続においては、別除権は認
 められていないため、担保権者は民事再生手続外で、担保権を行使することはで
 きない。
ウ 破産手続においては、法人・自然人を問わず、破産者の破産手続開始時におけ
 るすべての財産が破産財団となり、そのすべての財産を金銭に換価して配当に充
 てることとなるが、民事再生手続においては、必ずしも、民事再生手続開始時に
 おけるすべての財産を換価するものではない。
エ 破産手続は、申立てによる他、裁判所の職権によって開始する場合もある。
第5問(R3)
 下表は、不当景品類及び不当表示防止法(以下「景表法」という。)に基づく懸賞に
よる景品類の提供に関する景品類の限度額をまとめたものである。空欄AとBに入
る数値の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
 なお、本問においては、新聞業等の特定の業種に対する業種別の景品規制は考慮
しないものとする。

mon5
[解答群]
ア A: 30   B:2
イ A: 30   B:3
ウ A: 50   B:2
エ A:100   B:3
第6問(R3)
 会社法が定める取締役会と監査役会の比較に関する記述として、最も適切なもの
はどれか。
 なお、本問における会社は、監査役会設置会社であって、公開会社ではなく、か
つ、大会社ではない。また、定款に別段の定めはないものとする。

ア 取締役会:取締役会の決議に参加した取締役であって、当該決議に係る議事録
       に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定される。
  監査役会:監査役会の決議に参加した監査役であって、当該決議に係る議事録
       に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定される。
イ 取締役会:取締役会は、2か月に1回以上開催しなければならない。
  監査役会:監査役会は、取締役会が開催される月には開催しなければならない。
ウ 取締役会:取締役会は、取締役の全員が招集手続の省略に同意すれば、監査役
       が同意しなくても、招集手続を省略して開催することができる。
  監査役会:監査役会は、監査役の全員が招集手続の省略に同意すれば、招集手
       続を省略して開催することができる。
エ 取締役会:取締役会を構成する取締役のうち2人以上は、社外取締役でなけれ
       ばならない。
  監査役会:監査役会を構成する監査役のうち半数以上は、社外監査役でなけれ
       ばならない。
第7問(R3)
 以下の会話は、X株式会社(以下「X社」という。)の代表取締役甲氏と、中小企業
診断士であるあなたとの間で行われたものである。この会話を読んで、下記の設問
に答えよ。
 なお、甲氏は、現在、77歳であり、配偶者(α)と2人の子(βとγ)がいる。ま
た、X社は、公開会社ではなく、かつ、大会社ではない。

甲 氏:「私も、77歳なので、最近、X社の事業承継はどうしたらよいかを考えて
    います。現在、X社の株式は、私が80%、10年前に70歳でX杜を退職
    した乙氏が20%持っています。αとγは、X社の仕事をしていないの
    で、私が死んだ後は、私の持っているX社の株式はすべてβに相続させ
    たいと考えています。βに相続させるに当たって、注意点はありますか。」
あなた:「甲さんは、X社の株式の他にも、自宅や預貯金の財産をお持ちですの
    で、遺言書を作って、これらの分配方法を定めておくことがよいと思いま
    すが、遺言では、相続人の遺留分に注意する必要があります。」
甲 氏:「分かりました。私の財産は、ほとんどがX社の株式なので、遺留分のこ
    とを考えるとαとγにもX社の株式を相続させることになるかもしれま
    せん。この場合でも、αとγがX社の経営に口を挟むことなく、βが自分
    の考えに従ってX社を経営してほしいと思っています。何か方法はありま
    すか。」
あなた:「αさんとγさんにもX社の株式を相続させることとする場合には、議決
    権制限株式を発行し、βさんには普通株式、αさんとγさんには議決権
    制限株式を相続させるという方法を検討しておくことが考えられます。法
    律上、□ A □」
甲 氏:「乙氏は最近病気がちのようで、相続が発生するかもしれません。正直、
    乙氏の相続人の丙氏とはそりが合わないので、丙氏にはX社の株主には
    なってもらいたくありません。何か方法はありますか。」
あなた:「相続人に対する売渡請求に関する定款変更を行い、乙氏が死亡した場合
    には、X社から乙氏の相続人に対し、株式の売渡請求を行うことができる
    ようしておくことが考えられます。□ B □。」
(設問1)
 会話の中の下線部の「遺留分」に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 遺留分侵害額の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び遺留分を侵害す
 る贈与又は遺贈があったことを知った時から3か月間行使しないときは、時効
 によって消滅する。
イ 相続の開始前における遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受けたときに限
 り、その効力を生じる。
ウ 「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」に基づく遺留分に関す
 る民法の特例である除外合意、固定合意は、遺留分を有する先代経営者(旧代
 表者)の推定相続人の過半数が合意の当事者であれば、その効力を生じる。
エ 配偶者αの遺留分の額は、遺留分を算定するための財産の価額の2分の1、
 子γの遺留分の額は4分の1である。
(設問2)
 会話の中の空欄AとBに入る記述の組み合わせとして、最も適切なものはどれ
か。

ア A:この議決権制限株式は、公開会社ではない会社では、発行限度の定めは
    ありません
  B:この相続人に対する売渡請求は、相続があったことを知った日から1年
   以内に行使しなければなりませんので、注意が必要です
イ A:この議決権制限株式は、公開会社ではない会社では、発行済株式総数の
    2分の1までしか発行できませんので、注意が必要です
  B:この相続人に対する売渡請求は、相続があったことを知った日から2年
    以内に行使しなければなりませんので、注意が必要です
ウ A:この議決権制限株式は、公開会社ではない会社では、発行済株式総数の
    2分の1までしか発行できませんので、注意が必要です
  B:この相続人に対する売渡請求は、相続があったことを知った日から6か
   月以内に行使しなければなりませんので、注意が必要です
エ A:この議決権制限株式は、公開会社ではない会社では、発行済株式総数の
    5分の1までしか発行できませんので、注意が必要です
  B:この相続人に対する売渡請求は、相続があったことを知った日から1年
    以内に行使しなければなりませんので、注意が必要です
第8問(R3)
 不正競争防止法に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 不正競争防止法第2条第1項第1号に規定する、いわゆる周知表示混同惹起行
 為において、商品の容器は「商品等表示」に含まれる。
イ 不正競争防止法第2条第1項第2号に規定する、いわゆる著名表示冒用行為と
 認められるためには、他人の商品又は営業と混同を生じさせることが一つの要件
 となる。
ウ 不正競争防止法第2条第1項第4号乃至第10号で保護される営業秘密となる
 ためには、秘密管理性、進歩性、有用性が認められる必要がある。
エ 不正競争防止法第2条第1項第4号乃至第10号で保護される営業秘密は営業
 上の情報を指し、技術上の情報を含まない。
第9問(R3)
 意匠登録制度に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア アイスクリームの形状は時間の経過により変化するため、意匠登録できる場合
 はない。
イ 意匠登録出願人は、意匠権の設定の登録の日から3年以内の期間を指定して、
 その期間その意匠を秘密にすることを請求することができる旨が意匠法に規定さ
 れている。
ウ 乗用自動車の形状は意匠登録できる場合はない。
エ 同時に使用される一組の飲食用ナイフ、フォーク、スプーンのセットの各々に
 同一の模様を施したとしても、これらを一意匠として出願し登録することはでき
 ない。
第10問(R3)
 特許法の規定に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 2以上の発明は、いかなる場合も1つの願書で特許出願をすることはできな
 い。
イ 願書には、明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書をすべて必ず添付しなけ
 ればならない。
ウ 特許請求の範囲に記載する特許を受けようとする発明は、発明の詳細な説明に
 記載したものであることが必要である。
エ 特許請求の範囲には、請求項に区分して、各請求項ごとに特許出願人が特許を
 受けようとする発明を特定するために必要と認める事項のすべてを記載する必要
 はない。
第11問(R3)
 特許権等の侵害や発明の実施に関する記述として最も適切なものはどれか。

ア 他人の専用実施権を侵害しても、その侵害の行為について過失があったものと
 推定されない。
イ 物を生産する機械の発明において、その機械により生産した物を輸入する行為
 は、当該発明の実施行為に該当する。
ウ 物を生産する方法の発明において、その方法により生産した物を輸出する行為
 は、当該発明の実施行為には該当しない。
エ 物を生産する方法の発明について特許がされている場合において、その物が特
 許出願前に日本国内において公然知られた物でないときは、その物と同一の物
 は、その方法により生産したものと推定される。
第12問(R3)
 以下の会話は、地方都市であるA市の経済団体の理事であるX氏と、中小企業診
断士であるあなたとの間で行われたものである。この会話の中の空欄@とAに入る
記述の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。なお、実在す
る特産品を考慮する必要はない。

X 氏:「私が住むA市内のA漁港で水揚げされるマグロは、身がぷりぷりしてい
    て、脂ものっていてとてもおいしいです。地元の旅館や飲食店でお客さん
    に大好評で、地元のスーパーでもこの刺身のコーナーが設けられているほ
    どです。ここ10年くらいは隣接他県でも知られており、わざわざ隣の県
    から買いに来る人もいます。
     しかしそれでも地方都市なものですから、全国的に知られているという
    ことはなく、リサーチして遠隔地の消費者に聞いてみたのですが、このマ
    グロを知らないという回答がほとんどでした。地域活性化のためにも、
   『Aまぐろ』というブランドで全国的に知らしめて売り出したいです。地域
    ブランドを商標登録する方法があると開いたのですが、詳しく教えていた
    だけませんか。」
あなた:「地域団体商標のことですね。登録が認められるには要件がいろいろとあ
    るようですが。」
X 氏:「『名産』の文字を付して、『A名産まぐろ』という文字からなる地域団体商
    標は登録可能ですか。」
あなた‥「□ @ □。」
              ・・・ 中略・・・
X 氏:「実は、A市には、マグロの他にもわかめ、魚の缶詰、漬物など特産物が
    たくさんあり、今後、様々な商品に『A』の名前を付けて売り出していくつ
    もりです。まだ、どのような商品に付するか未定です。『A』の文字からな
    る商標を地域団体商標として登録することは可能ですか。」
あなた:「□ A □。」
              ・・・ 中略 ‥・
あなた:「近いうちに地元の弁理士さんをご紹介しますよ。」

[解答群]
ア @:いいえ、『名産』の文字を付すると、地域団体商標としての登録は認めら
    れなくなります。『Aまぐろ』という文字からなる地域団体商標であれば
    登録可能です
  A:いいえ、地域の名称のみからなる商標は、地域団体商標として登録を受
    けることができません
イ @:いいえ、『名産』の文字を付すると、地域団体商標としての登録は認めら
    れなくなります。『Aまぐろ』という文字からなる地域団体商標であれば
    登録可能です
  A:はい、地域の名称のみからなる商標も、地域団体商標として登録を受け
    ることができます
ウ @:はい、制度的には登録可能です
  A:いいえ、地域の名称のみからなる商標は、地域団体商標として登録を受
    けることができません
エ @:はい、制度的には登録可能です
  A:はい、地域の名称のみからなる商標も、地域団体商標として登録を受け
    ることができます
第13問(R3)
 次の文章を読んで、問題に答えよ。

 株式会社甲(以下「甲社」という。)は、商標「○○○」を付した洋菓子Aを製造販売
している。
 ところが、甲社は昨日、株式会社乙(以下「乙社」という。)から、次の趣旨の警告
書を受け取った。

*************************************
 貴社の製造販売する洋菓子Aの商標「○○○」は、弊社が指定商品「洋菓子」につい
て商標登録を受けた商標と類似である。直ちに商標「○○○」を付した洋菓子の製造
販売を中止するように。
*******************−******************

 この警告書を受けて甲社から、中小企業診断士のあなたは相談を受けた。
 あなたは、甲社が商標「○○○」について先使用権を主張できる可能性があると考
え、この旨を甲社に告げた。
 先使用権に関する以下のあなたの説明の空欄に入る記述として、最も適切なもの
を下記の解答群から選べ。

あなた:日本国内において不正競争の目的でなく、□  □、御社は継続して洋
    菓子Aについて御社商標「○○○」の使用をする権利を有します。この権利
    は先使用権と呼ばれ、商標法に規定されています。
[解答群]
ア 乙杜の商標登録出願後であってもその商標が登録される前から、御社が洋菓
 子Aについて御社商標「○○○」を使用していた結果、乙社の商標登録の際、現
 に御社商標「○○○」が御社の業務に係る洋菓子Aを表示するものとして、需要
 者の問に広く認識されているときは
イ 乙社の商標登録出願後であってもその商標が登録される前から、御社が洋菓
 子Aについて御社商標「○○○」を使用してさえいれば、乙社の商標登録の際、
 現に御社商標「○○○」が御社の業務に係る洋菓子Aを表示するものとして、需
 要者の間に広く認識されていないときでも
ウ 乙社の商標登録出願前から、御社が洋菓子Aについて御社商標「○○○」を使
 用していた結果、乙社の商標登録出願の際、現に御社商標「○○○」が御社の業
 務に係る洋菓子Aを表示するものとして、需要者の間に広く認識されていると
 きは
エ 乙社の商標登録出願前から、御社が洋菓子Aについて御社商標「○○○」を使
 用してさえいれば、乙社の商標登録出願の際、現に御社商標「○○○」が御社の
 業務に係る洋菓子Aを表示するものとして、需要者の間に広く認識されていな
 いときでも
第14問(R3)
 特許協力条約(PCT)に基づく国際出願制度に関する以下の文章において、空欄
AとBに入る記述の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 先願主義の下、出願人は一日も早い出願日を確保することを望むため、PCTに
よる国際出願は有用な制度である。国際的に統一された出願書類を加盟国である自
国の特許庁に提出することにより、その国際出願はすべての加盟国において国内出
願したのと同様の効果が得られる。例えば、日本の特許庁に対しては日本語又は英
語で作成した国際出願願書を1通提出すればよい。
 国際出願がされた国内官庁を受理官庁という。受理官庁は一定の要件が受理の時
に満たされていることを確認することを条件として、国際出願の受理の日を国際出
願日として認める。
 各国際出願は国際調査の対象となり、出願人の請求により国際予備審査も行われ
る。出願人はこれらの結果を利用して、自身の発明の特許性を判断できる。
 国際出願人は、各国で審査を受けるに際し、□ A □。
 各国の特許庁は、□ B □。
[解答群]
ア A:所定の翻訳文を提出する等の「国内移行手続」を行う必要がある
  B:それぞれの特許法に基づいて特許権を付与するか否かを判断する
イ A:所定の翻訳文を提出する等の「国内移行手続」を行う必要がある
  B:それぞれの特許法に基づいて特許権を付与するか否かを判断することは
    できず、国際調査の結果と同じ判断を下す必要がある
ウ A:何ら手続きを行う必要はない。国際出願された書類がそのまま受理官庁
    から各国に送付され、審査が開始されるからである
  B:それぞれの特許法に基づいて特許権を付与するか否かを判断する
エ A:何ら手続きを行う必要はない。国際出願された書類がそのまま受理官庁
    から各国に送付され、審査が開始されるからである
  B:それぞれの特許法に基づいて特許権を付与するか否かを判断することは
    できず、国際調査の結果と同じ判断を下す必要がある
第15問(R3)
 産業財産権法に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 意匠法には、出願公開制度が規定されている。
イ 実用新案法には、出願審査請求制度が規定されている。
ウ 商標法には、国内優先権制度が規定されている。
エ 特許法には、新規性喪失の例外規定が規定されている。
第16問(R3)
 以下の会話は、X株式会社の代表取締役甲氏と、中小企業診断士であるあなたと
の間で行われたものである。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。

甲 氏:「弊社が特許を取得した包丁の発明について、Y社から、その包丁を製造
    させて欲しいという申し出がありました。弊社としては、弊社の工場の生
    産能力にも限界があるので、ライセンス契約を締結しようと考えています
    が、ライセンス契約には様々な種類があると聞きました。どのようなライ
    センス契約が適切でしょうか。」
あなた:「特許権のライセンスとしては、大きく分けて、専用実施権と通常実施権
    というものがあります。専用実施権は、□ A □により、効力を生じる
    ことになります。その場合、設定行為で定めた専用の範囲内については、
    御社は、□ B □。また、Y社は、その範囲内で、侵害行為者に対し
    て、差止めや損害賠償請求ができるようになります。」
甲 氏:「なるほど。では、通常実施権はどういうものでしょうか。」
あなた:「通常実施権は、御社とY社との契約により効力を生じ、Y社は契約で定
    めた範囲内で、その発明を実施することができるようになります。」
甲 氏:「実は、Y社からは、Y社以外の第三者との間ではライセンス契約を締結
    しないで欲しい、その旨を弊社との間のライセンス契約で定めて欲しいと
    言われており、弊社としても、検討中なのですが、通常実施権につき、そ
    もそもそのような契約は可能なのでしょうか。」
あなた:「可能です。そして、□ C □。」
甲 氏:「そのような契約をした場合、Y社は、侵害行為者に対して、独断で、差
    止めや損害賠償請求ができるようになるのでしょうか。」
あなた:「独占以外の特約がない場合、特許権者である御社の有する権利の代位行
    使は除き、固有の権利としては、差止請求は□ D □とされており、損
    害賠償請求は認められるとされています。私の知り合いの弁護士を紹介し
    ますので、相談されてはいかがでしょうか。」
甲 氏:「ありがとうございます。ぜひよろしくお願いします。」
(設問1)
 会話の中の空欄AとBに入る記述の組み合わせとして、最も適切なものはどれ
か。

ア A:御社とY社との契約
  B:Y社の許諾なくして実施することができます
イ A:御社とY社との契約
  B:Y社の許諾なくして実施することはできません
ウ A:御社とY社との契約及びそれに基づく専用実施権設定登録
  B:Y社の許諾なくして実施することができます
エ A:御社とY社との契約及びそれに基づく専用実施権設定登録
  B:Y社の許諾なくして実施することはできません
(設問2)
 会話の中の空欄CとDに入る記述の組み合わせとして、最も適切なものはどれ
か。

ア C:契約以外の手続は必要ありません D:認められない
イ C:契約以外の手続は必要ありません D:認められる
ウ C:契約に加えて、通常実施権の登録も必要です D:認められない
エ C:契約に加えて、通常実施権の登録も必要です D:認められる
第17問(R3)
 以下の会話は、X株式会社の代表取締役甲氏と、中小企業診断士であるあなたと
の間で行われたものである。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。
 なお、空欄Aは、設問ではなく、あえて空欄としているものであり、解答する必
要はない。

甲 氏:「弊社は、初めて取引をする外国のY社に製品を輸出しようと考えており、
    Y社から契約書案が送付されてきたのですが、以下の条項は、どのような
    内容でしょうか。
    PAYMENT
    Y shall pay the Price to X by way of □ A □ to the bank account
    designated by X within thirty days after the delivery of the Products to
    Y under this Agreement.」
あなた:「この条項は、代金の支払方法につき、□ B □の方法によることとさ
    れており、一般的に□ C □という間題点があります。別の方法として、
    売主のリスクを削減するために、信用状が用いられることがあります。」
甲 氏:「信用状を用いた取引とは、どういう流れなのでしょうか。」
あなた:「典型的な信用状取引の流れは、
    @売買契約に基づき、□ D □が発行銀行に信用状の発行を依頼し、発
     行銀行が信用状を発行する。
    A発行銀行によって作成された信用状は、通知銀行に送られ、□ E □
     に通知される。
    B売主は信用状に記載された条件に従って船積みを行い、運送人から船荷
     証券の発行を受ける。
    C売主は、為替手形を作成し、船荷証券とともに□ F □に持参し、割
     り引いてもらう。
    D□ F □は、船荷証券と為替手形を□ G □に送り、支払いを受ける。
    E発行銀行は、買主にその代金の支払いと引き換えに船荷証券を渡す。
    F買主は運送人に船荷証券を呈示し、船積みした製品を受け取る。
    というものです。なお、発行銀行の信用力が一定程度認められ、発行銀行
    の所在地国のカントリー・リスクも大きくないことを前提としています。」
甲 氏:「少し難しいですね。いずれにせよ、弊社としては、あまりリスクは負い
    たくないです。」
あなた:「Y社と契約交渉も必要かと思いますので、私の知り合いの弁護士を紹介
    しましょうか。」
甲 氏:「よろしくお願いします。」

(設問1)
 会話の中の空欄BとCに入る語句と記述の組み合わせとして、最も適切なもの
はどれか。

ア B:送金
  C:物品の引渡しと代金の支払いの同時履行を実現することが困難である
イ B:送金
  C:物品の引渡しと代金の支払いの同時履行を実現することはできるが、売
    主にとっては、買主が支払わないというリスクを避けられない
ウ B:荷為替手形
  C:物品の引渡しと代金の支払いの同時履行を実現することが困難である
エ B:荷為替手形
  C:物品の引渡しと代金の支払いの同時履行を実現することはできるが、売
    主にとっては、買主が支払わないというリスクを避けられない
(設問2)
 会話の中の空欄D〜Gに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

ア D:売主  E:買主  F:通知銀行  G:発行銀行
イ D:売主  E:買主  F:発行銀行  G:通知銀行
ウ D:買主  E:売主  F:通知銀行  G:発行銀行
エ D:買主  E:売主  F:発行銀行  G:通知銀行
第18問(R3)
 以下の会話は、X株式会社の代表取締役甲氏と、中小企業診断士であるあなたと
の間で行われたものである。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。
 なお、「民法の一部を改正する法律」(平成29年法律第44号)により改正された民
法が適用されるものとし、附則に定める経過措置は考慮しないものとする。

甲 氏:「弊社の製造するタオルにつき、卸売業者であるY社との間で売買契約を
    締結しようと考えているのですが、Y社の資力に不安があり、何かあった
    ときに売掛金を回収できるようにしておきたいです。とりあえずY社の代
    表取締役の乙氏に連帯保証人となってもらうことを考えていますが、他に
    何か良い手段はありますか。」
あなた:「例えば、Y社の第三者に対する複数の債権に対し、まとめて担保を設定
    する集合債権譲渡担保というものがあります。これは、担保目的で集合債
    権譲渡契約を締結するものです。そして、□ A □。」
甲 氏:「そういった制度があるのですね。Y社の第三者に対する売掛金債権を対象
    とした場合、預金債権のように譲渡が禁止されている売掛金債権であって
    も、何かあったときに、当該第三者に対する請求ができるのでしょうか。」
あなた:「譲渡が禁止されている売掛金債権については、当該第三者が債務を履行し
    ない場合において、御社が当該第三者に対し、相当の期間を定めてY社へ
    の履行の催告をし、その期間内に履行がないとき等は除き、□ B □。」
甲 氏:「なるほど。他には何か良い手段はありますか。Y社と何らかの合意をし
    ない限り、担保は成立しないのでしょうか。」
あなた:「Y社と合意をしなかったとしても、御社がY社にタオルを引き渡し、所
    有権も移転した場合において、当該タオルに先取特権という権利が成立
    し、当該タオルを競売することができます。」
甲 氏:「当該タオルがY社から小売業者に売られてしまった場合には、どうしよ
    うもないのでしょうか。」
あなた:「□ C □。なお、□ D □。」
甲 氏:「ありがとうございます。どうすべきか難しいですね。」
あなた:「私の知り合いの弁護士を紹介しますので、一度相談してみてはいかがで
    しょうか。」
甲 氏:「ぜひよろしくお願いします。」

(設問1)
 会話の中の空欄AとBに入る記述の組み合わせとして、最も適切なものはどれ
か。

ア A:債権譲渡登記をし、債務者に登記事項証明書を交付して通知をして初め
    て、第三者対抗要件を具備することができます
  B:御社が、その禁止に係る特約が締結されたことを知っていた場合には、
    請求できません
イ A:債権譲渡登記をし、債務者に登記事項証明書を交付して通知をして初め
    て、第三者対抗要件を具備することができます
  B:御社が、その禁止に係る特約が締結されたことを知り、又は重大な過失
    によって知らなかった場合には、請求できません
ウ A:債権譲渡登記をすることで、第三者対抗要件を具備することができます
  B:御社が、その禁止に係る特約が締結されたことを知り、又は重大な過失
    によって知らなかった場合には、請求できません
エ A:債権譲渡登記をすることで、第三者対抗要件を具備することができます
  B:御社が、その禁止に係る特約が締結されたことを知り、又は過失によっ
    て知らなかった場合には、請求できません
(設問2)
 会話の中の空欄CとDに入る記述の組み合わせとして、最も適切なものはどれ
か。

ア C:小売業者に売られた当該タオルの代金債権を差し押さえることができます
  D:Y社への当該タオルの代金の支払いの前に、御社又は他の一般債権者に
    よる差押えがなくとも、支払いの後に 御社又は他の一般債権者による
    差押えがあれば可能です
イ C:小売業者に売られた当該タオルの代金債権を差し押さえることができます
  D:Y社への当該タオルの代金の支払いの前に、御社又は他の一般債権者に
    よる差押えが必要になります
ウ C:小売業者に売られた当該タオルを競売することができます
  D:Y社への当該タオルの代金の支払いの前に、御社又は他の一般債権者に
    よる差押えがなくとも、支払いの後に、御社又は他の一般債権者による
    差押えがあれば可能です
エ C:小売業者に売られた当該タオルを競売することができます
  D:Y社への当該タオルの代金の支払いの前に、御社又は他の一般債権者に
    よる差押えが必要になります
第19問(R3)
 民法の定める解除に関する記述として、最も適切なものはどれか。
 なお、「民法の一部を改正する法律」(平成29年法律第44号)により改正された民
法が適用されるものとし、附則に定める経過措置及び特約は考慮しないものとす
る。

ア 契約の性質により、特定の日時に履行しなければ契約をした目的を達すること
 ができない場合において、債務者が履行をしないでその時期を経過したときで
 も、催告をしなければ、契約の解除は認められない。
イ 債権者が履行を催告した時における不履行の程度が軽微といえないのであれ
 ば、その後催告期間中に債務者が債務の一部を履行したため、催告期間が経過し
 た時になお残る不履行が軽微である場合でも、契約の解除は認められる。
ウ 債務の不履行が債権者のみの責めに帰すべき事由によるものであるときは、債
 権者は、相当の期間を定めてその履行を催告したとしても、契約の解除は認めら
 れない。
エ 債務の不履行につき、債務者と債権者のいずれにも帰責事由がないときは、債
 務の全部の履行が不能である場合でも、債権者による契約の解除は認められない。
第20問(R3)
 以下の会話は、X株式会社の代表取締役甲氏と、中小企業診断士であるあなたと
の間で行われたものである。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。
 なお、民法については「民法の一部を改正する法律」(平成29年法律第44号)によ
り改正された民法が、商法については「民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係
法律の整備等に関する法律」(平成29年法律第45号)により改正された商法がそれ
ぞれ適用されるものとし、附則に定める経過措置及び特約は考慮しないものとする。

甲 氏:「弊社は、卸売業者であるY社から、1,000本の腕時計を仕入れたのです
    が、昨日納品された腕時計の中に、秒針が動かないものがありました。弊
    社は、秒針が動かない腕時計について、新しい腕時計をY社に納品し直し
    て欲しいと思っているのですが、そのようなことは可能でしょうか。」
あなた:「はい、可能です。ただし、□ A □。」
甲 氏:「ありがとうございます。念のため確認しますが、大丈夫だと思います。」

(数日後)
甲 氏:「先日おっしゃっていた件、確認した上で問題ありませんでしたので、Y
    社に秒針が動かない腕時計について、新しい腕時計を納品し直して欲しい
    と申し入れたところ、Y社からは、修理させて欲しいという申し出があり
    ました。そもそもこのようなことは可能なのでしょうか。」
あなた:「はい、可能です。ただし、□ B □。」
甲 氏:「なるほど、よく分かりました。」

(10か月後)
甲 氏:「10か月ほど前に相談させていただいた卸売業者であるY社から納品され
    た腕時計の件で、先週、10か月前に納品された腕時計の一部に別の不良
    が見つかりました。店頭で販売した腕時計について、購入者の方から、全
    く動かなくなるというクレームがありまして、Y社に対して、何らかの請
    求はできませんでしょうか。」
あなた:「□ C □ですので、商法第526条が直接適用されて、買主である御社に
    目的物の検査及び通知義務が課されます。そのため、腕時計が動かなくな
    るという不良が直ちに発見できないものだったとした場合、□ D □。
    いずれにせよ、今後は契約書を専門家に見てもらった方がいいと思います
    ので、よろしければ私の知り合いの弁護士を紹介しますよ。」
甲 氏:「ありがとうございます。よろしくお願いします。」

(設問1)
 会話の中の空欄AとBに入る記述の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

ア A:秒針が動かないことが買主である御社の責めに帰すべき事由によるもの
    である場合は、できません
  B:修理という方法が買主である御社に不相当な負担を課するものである場
    合は、できません
イ A:秒針が動かないことが買主である御社の責めに帰すべき事由によるもの
    である場合は、できません
  B:秒針が動かないことが売主であるY社の責めに帰すべき事由によるもの
    である場合は、できません
ウ A:秒針が動かないことが買主である御社の故意又は重過失によるものであ
    る場合は、できません。しかし、御社の軽過失によるものである場合
    は、できます
  B:修理という方法が買主である御社に不相当な負担を課するものである場
    合は、できません
エ A:秒針が動かないことが買主である御社の故意又は重過失によるものであ
    る場合は、できません。しかし、御社の軽過失によるものである場合
    は、できます
  B:秒針が動かないことが売主であるY社の責めに帰すべき事由によるもの
    である場合は、できません
(設問2)
 会話の中の空欄CとDに入る記述の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

ア C:商人間の売買
  D:まだ1年経過していないので、Y社に対する請求は可能です
イ C:商人間の売買
  D:もう6か月経過しているので、Y社がその不良につき悪意でない限り、
    Y社に対する請求は困難です
ウ C:少なくとも当事者の一方のために商行為となる行為
  D:まだ1年経過していないので、Y社に対する請求は可能です
エ C:少なくとも当事者の一方のために商行為となる行為
  D:もう6か月経過しているので、Y社がその不良につき悪意でない限り、
    Y社に対する請求は困難です


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